輝きのAqoursとゼロ   作:ズラマヨ

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最終章パート3

年が明けてから本当に時間がなかったもので更新が遅れしまい申し訳ありません


本当の平和

「…………ここは…」

 

目がさめると草原の上にいた。空には太陽が昇っていた。あたりはいつも通りの綺麗な町が。そう壊滅する前の内浦が

 

「目が覚めましたか…」

 

不意に隣から話しかけられた。そちらを向くと身に覚えのある人影があった

 

「あっ…あんたは………」

 

「久しぶりですね…神田零斗くん…」

 

「東仙…カイ…!」

 

そこにいたのは間違いなくストルム星人。東仙カイだった。

だが見るからにだいぶ弱っている

 

「貴様!」

 

俺はとっさにやつの胸ぐらを掴んだ

 

「………」

 

「貴様のせいで千歌は…みんな死んだ…」

 

こいつのせいで…こいつがいたから…

次第に憎しみが大きくなっていく

 

「好きにしてください。今の君になら殺されても文句は言いません」

 

「……っくそ!」

 

憎しみは大きくなるのにどうしても奴を殺すことができない。そもそも俺にそんな勇気はない

 

「教えてくれ…どうなってるんだ?何で町が元に…」

 

「覚えてないのですか?まぁ無理もないですかね。ウルトラマンゼロの力でこの町の時間を巻き戻したんですよ」

 

「ゼロの?……はっ!ゼロ!大丈夫か!?」

 

だが返事はなかった。さっきまでウルティメイトブレスレットは石化していたが今はその石化も元に戻ってはいる。がいつもは光っているブレスは今は光ってはいなかった

 

「どうやら、彼はまだ意識を失っているようですね」

 

「…そうか」

 

東仙カイがそう言い安心した。ゼロは無事だ

 

「あんたも戻ったんだな」

 

「いえ…私は…私の命はもう長くないのですよ」

 

「えっ?」

 

「ゼロの力によって私の体からベリアルの力が消滅したことで私はまもなく死ぬ」

 

「どう言うことだよ…」

 

いったい…何を言っているんだろうか

 

「ベリアルの力を得る前はいつ死んでもおかしくない状態だったのです。もともと体は弱かったのでしょうがないのですが。そんな時私はベリアルの力を手に入れた。つまり私はあの強大な力によって生かされていたと言うことになります」

 

「………」

 

言葉が出なかった。こいつはそんな状態だったのかと思うと複雑な気持ちになった

 

「君がそんな顔をしないで下さい…これでリタのところに行ける…」

 

「リタ?いったい…」

 

「リタは…私と同じストルム星人で私の恋人でした」

 

「恋人?」

 

「はい。彼女は平和を愛する人でした……でも殺された」

 

「殺された……1つ聞きたい」

 

「何でしょう?」

 

「前々から思っていたことがある。なんでお前はベリアルの力で人を襲ったんだ?」

 

「前に言いましたよね。ベリアルの力でこの世界を破壊し作り直すため…」

 

「あぁ、それは聞いた。そうじゃない。なんでお前がそんなことをしたのか…その理由を知りたい」

 

「いいでしょう。私の話を聞かせてあげましょう」

 

東仙カイは自分の過去を話し始めた

 

ーーーーー

 

「分かったような事を言うな!」

 

「レッキングバースト!」

 

衝突し合う2対の巨人

そこから発せられた光線がぶつかり合う

 

「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「ジーードォォォォォォォォォォ!!」

 

「さよなら…父さん」

 

ウルトラマンジードの一撃で消滅したウルトラマンベリアル

 

ーーーーー

 

「カイ…」

 

「すみません…リタそろそろ限界みたいだ」

 

「私…カイがいなくなったらどうしたら…」

 

「大丈夫…君なら大丈夫さ」

 

私は薄れてゆく意識の中で最後までリタの姿を見ていた

次第に視界は悪くなり体も動かなくなってきた。死を確信した

 

その時だった。突如私の中に膨大なエネルギーが入り込んできた

 

「はっ!ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!こ、これは…!」

 

「カイ!?どうしたの?しっかりして!」

 

体が焼けるようだった。しかしそれは一瞬で徐々に楽になってきた。気がつけば体が思うように動けるようになっていた

 

「はっ!これは…いったい…」

 

「カイ…?よかった…よかった!」

 

リタは私に抱きついた。私は助かったのだ

 

ーーーーー

 

「その時にお前の体に入ったのが…」

 

「そう。ウルトラマンベリアルのエネルギーでした」

 

「ベリアルの…」

 

「本当であればわたし達はあの星でずっと生活をするつもりだった…でもそれは叶わなかった」

 

「どうして…」

 

「私たちがいた星…君が知るウルトラマンジードの朝倉リクがいた星にはAIBという組織があった。伏井出ケイの一件以来、ストルム星人を恐れたのかわたし達を捕らえようとした」

 

「だからこの星に逃げてきたのか…」

 

「えぇ、わたし達は戦いは好まない。2人で静かに過ごしたかった」

 

「じゃあ…どうしてこうなっちまったんだよ」

 

「それは…」

 

ーーーーー

 

AIBから逃れるために別の宇宙の地球にたどり着いた

 

「リタ…ここなら誰にも邪魔されることなく生きられる」

 

「そうね、この星には怪獣もいなければウルトラマンもいない」

 

静かで何事もない生活に憧れていたわたし達はこの星に来た時は感動した。それから幸せな日々が続いた。

 

そんなある日

 

 

「今晩は何にする?」

 

「そうですね、」

 

人間の中に完全に溶け込んで生活をしていたわたし達はいつものように普通の人間と同じ生活を送っていた

買い物に出かけた私とリタはとある広場に足を運んだ。多くの人がいて子供が楽しく遊んでいる。本当に望んだ生活だった

 

そんな時、遊びに夢中になった子供が道路に飛び出したのだ

 

「危ない!」

 

「リタ!」

 

その子を助けようとリタはストルム星人の能力を使って助けた

その子は助かったものの周囲にいた人間たちにリタが普通の人間でないことがバレてしまった

 

駆けつけた警官たちに囲まれてそして銃を向けられた

 

「待ってくれ!私達はただ子供を守っただけなんだ!」

 

「く、くるな!このバケモノ!」

 

我々が人間じゃないと分かった瞬間、目の色を変えて銃を向けてきたのだ。何もしていない我々に

1人の警官が恐怖のあまり銃を発射した時だった

私の体をリタが突き倒した

 

 

ドキューン!

 

 

リタはただ子供を助けただけなのに…何もしていないのに…警官によって射殺された、、、

 

「リタ…!リタ!しっかりしてくれ!」

 

「あな…ただけ…でも…い…き…て…………」

 

リタの胸からは多くの血が流れ出ていた。そして気がついた時にはリタは死んでいた

 

 

ここは…いったいここは…どこだ!こんな世界…認めるものか!

 

 

その時から私は変わった。怒りに身を任せて気がついた時私は周囲の警官を殺していた

 

「リタ…もう一度…もう一度君のいる世界を創ろう…そして」

 

そう思った時、私のストルム器官が憎しみと同調してベリアルの力が増大させた

 

「君が望んだ世界を私が……!」

 

平和な世界を願ったリタの想いを私が継いだのだ

 

ーーーーー

 

「そんなことが…」

 

「この出来事は日本ではなく…別の国での話ですがね」

 

この事件のことを全く知らない理由はそれか

 

「私がこの星で圧倒的な力で君臨すれば誰も私に逆らえない。全てを統治する力を求めたのです」

 

今なら分かる。東仙カイの気持ちが。大切な人を失うことがどれだけのものか…大切な繋がりを断ち切られたらどれほどのものか

 

「あんたのことは理解した…でもそれでも…やっぱりあんたは許せねぇ…やっぱり憎い」

 

「では私とここで本当の決着をつけますか」

 

東仙カイの大切な人を奪われた者の気持ちは痛いほどわかる。俺も千歌を失った…たとえやつ自身の意思でないにしてもその原因は紛れもなくやつだから…でも…

 

「でも…憎しみに囚われてあんたを殺したらそれこそリタさんの想いは無駄だ」

 

「どういう…」

 

「リタさんは平和な世界を…全ての生き物が本当の意味で理解し合える時代が来ると信じていた…」

 

「………」

 

「なら俺はリタさんが信じたことを信じてみる」

 

「……何を…わかったようなことを…じゃあ私はリタを殺した人間たちがこの世界を平和にするのを黙って見てろとでも言うのか……」

 

「………」

 

「ふざけるな!人間なんて信じられるか!本当の平和などありはしないのだ!俺たちが呪われた世界に生きている限りそんなものありはしない!」

 

カイの言うことももっともだ…本当の平和…それは絵空事なのかもそれない

 

「たしかに…人間は昔から何度も過ちを続けてきた」

 

「人間など所詮は口だけ。大した力も持たない弱き存在。そんなやつらに一体何ができると」

 

「それは…助け合うことだ」

 

「助け合う…」

 

「あんたも知ってるだろ。俺たちAqoursのことを。Aqoursは最初は0だった。誰からも認められなかった。でも一人一人が手を繋ぎ可能性を信じて協力しあった。俺たちだけじゃない学校や町の人たちとだ」

 

「……」

 

「0だったものが今はこんなに大きくなった。みんなが助け合って夢を実現させた。だから出来ないことなんて無いんだ。だから俺を…いや、俺たち人間を信じてくれ」

 

「…なぜ、なぜ君はそこまで人間を信じられるんだ」

 

「命あるものは必ず前に進む。昨日までの自分を超えていく。それが人間だからだ」

 

カイの動きが止まった

 

「前に…進む」

 

「あぁ。それが人間の強さだ」

 

「なるほど、分かりました。人間を信じてみましょう」

 

「ありがとう」

 

するとカイの体が光に包まれていく

 

「お、おい。これは…」

 

「私もそろそろ限界のようです。この星の未来をあっちで楽しみにしておきます」

 

「あぁ、任せてくれ」

 

「ありがとう。最後に君と話せてよかった…」

 

カイが目を閉じると光の粒となり空に消えていった

 

ーーーーー

 

少しずつ意識が遠のいていく。足が震えて歩くのが難しい

ゼロは今も眠ったままで自分ではもう身体のコントロールができなくなってきている

 

「はぁはぁ…疲れかな…ははっ…」

 

だが、学校までもうすぐだ。もうすぐであいつらに会える…

 

「みんな………」

 

ついに限界が訪れ視界が暗くなる。

前のめりに倒れかけたその時。誰かの背中が俺の体を支えた

 

「お疲れ様でした。先輩」

 

「あ、碧か…」

 

そこにいたのはあの時消滅したはずの如月碧の姿だった

 

「どうして…」

 

「まぁ細かいことは気にしなくていいっすね」

 

ふと先ほどのカイの言葉を思い出した

 

 

ウルトラマンゼロの力でこの町の時間を巻き戻したんですよ

 

 

そうか…ゼロが…

ここに碧がいるということは…まさか

 

「なぁ、千歌は…」

 

「あぁ、高海先輩なら…ほらそこに」

 

碧が指をさした方に視線をゆっくり向ける

そこにはいた

 

「零斗くん…」

 

「千歌…よかった。お前が無事で」

 

「零斗くん…ありがとう!」

 

千歌は弱りかけた俺に抱きついてきた。苦しい…まぁいいか

 

「千歌…約束は守ったぜ」

 

「うん…うん!」

 

「まぁ、実際俺は何もしてないよ。ほとんどゼロのおかげさ」

 

「ゼロはどうしたの?」

 

左腕を見るとやはりまだ光は灯っていない

 

「お休み中みたいなんだ」

 

「そっか…」

 

「それより他のみんなは?」

 

「それならほら」

 

俺たちよりもさらに後ろでみんながこちらに向かって走ってきているのが見えた

 

「おーい!」

 

「千歌ちゃーん!零斗くーん!」

 

 

「みんな無事で何よりだ…」

 

あっ…限界…

 

「千歌…」

 

「なに?」

 

「少し寝かせてくれ…………」

 

その言葉を残して俺は目を閉じた

 

ーーーーー

 

[零斗…]

 

「…ん?ゼロか?」

 

[そうだ。今お前の夢の中からこうやって話しかけてるんだ]

 

「そうか、どうりで周りは何もないわけだな」

 

[俺はお前のおかげで復活してベリアルを倒すことができた。感謝してる]

 

「なーに言ってんだよ。お前だってこの町を元に戻してくれたじゃねーかよ」

 

[そうだな…それよりお前に話があるんだ]

 

「話?」




今回はかなり脇道にそれた内容でしたね。正直もう少し良い内容を考えたかったのですがなにしろ時間がなかったもので…
そしてついに次回で最終回を迎えます!(予定)

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