あやしけものフレンズ~ようこそ怪獣ランドへ~   作:家郎

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第1話です。
1話目ということで、当然出てくるのはあの怪獣ですね。


#01 かいじゅうらんど

 島が見えてきた。砂浜のようなものが見える。

 「あそこですか? ラッキーさん」

 「多分ソウダネ」

 「楽しそー! ねえねえ、どんなところなの?」

 3人―正確には2人と1体―しかいない小さな船の上は、えらくにぎやかだ。しばらくして、船は砂浜に乗り上げた。

 どのような島なのだろう。かばんの心には不安もあったが、それよりも希望、期待が上回っていた。

 「ジャア、行コウカ」

 「でも、どっちから行きましょう?」

 乗り上げた場所から少し進むと、道が一本あった。左か右か。看板があるわけでもない。どちらに行くかによって、今後がだいぶ変わってしまいそうだった。

 3人がしばらく悩んでいると、

 「あれ? だーれ?」

 左の方から知らない声がした。2人がそちらを向くと、1人のフレンズがこちらを見ている。

 太く長い尻尾。小さな耳。活動的な性格を思わせる短めの髪。一体何のフレンズなのか。

 「君たち、どこから来たの? だーれ?」

 好奇心のおもむくままに質問してくるそのフレンズ。どうやら悪いフレンズではなさそうだ。

 「えっと、向こうのキョウシュウってところから来ました、かばんです」

 「私はサーバル。よろしくね! あなたは何のフレンズ?」

 やっぱり。かばんには、サーバルとそのフレンズは似ているように思えた。

 「私はゴジラ。ここは『怪獣ランド』って言うんだ!」

 「検索中……『ゴジラ』ニ関スルデータハナイネ」

 あのボスですら分からない動物のフレンズらしい。「ゴジラ」、何だか強そうな名前だ。

 かばんが、自分たちが何をしに来たか説明すると、ゴジラは答えた。

 「じゃあ、途中まで案内するよ! ここは……右に行った方がいいかな。ついてきて!」

 本当にサーバルとよく似ている。2人は夢中でゴジラを追いかけた。

 ゴジラの背中を見ると、3列の背びれがある。とげとげしていて、時折揺れるのが分かった。尻尾も、サーバルのようにふわふわしていない。ツチノコや、パンサーカメレオンのような感じだ。もっとも、前述の2人に比べれば、よりうろこが目立っている。思ったより走るスピードが速く、ついて行くのはきつい。

 

 身軽な彼女を追っているうちに、気づけばかばんたちはジャングルの中にいた。

 「えっと……多分、こっちだと思う! ついてきて!」

 迷っているのは誰が見ても明らかだ。申し訳ないと思って口に出さない2人のせいか、正しい道にたどり着く気配が一向にない。

 すると、近くの茂みからガサッ、と物音がした。振り向いた先には銀色の影。大きな目がのぞく。

 3人が気付いたころには、さっき見えていた部分は10mほど上にあった。手が生え、地面に体が埋まっている。セルリアンだ。

 「う、うわあぁぁ! た、食べ……」

 「めっちゃデカいよ、どうしよう……」

 うろたえる2人。その時、少し先から自信に満ちた声がした。

 「大丈夫。私に任せて!」

 ゴジラだ。確かに、他のフレンズよりは大きな体だが、だからと言って勝てるわけではない。

 「無茶ですよ! いったん逃げた方が……」

 「大丈夫、大丈夫!」

 ゴジラは本気だ。2人を後ろに下げ、大きく咆哮する。

 「じゃ、いっちょやろっかな」

 ゴジラの目が青白く光る。同じ色で光る背びれからは、野生開放を示す「キラキラ」が出ていた。

 口を大きく開き、腰を低く据える。直後、辺りを青い閃光が貫いた。

 かばんが目をふさぐ手をどけてみると、石を壊されたセルリアンは、跡形もなく燃え尽きていた。「パッカーン」どころの話ではない。

 横を見ると、案の定サーバルが目を輝かせている。

 「すっごーい! どうやったの? あれなに?」

 「ほんとは使うはずじゃなかったんだけどね。『熱線』っていって……説明できないや!」

 かばんには、あの「熱線」が火の類いであることはたやすく理解できた。なぜフレンズが火を使えるのか、さらに自分の体から出すなんて。自分が今まで見てきたフレンズには、そんなことが出来る者はもちろんいなかった。野生開放していた、ということは、あの能力が種としての「ゴジラ」が持つ能力なのだろうか。

 

 熱線のとてつもない威力は、辺りの木々をすべて焼き払い、未だに空には煙が上っている。おかげで視界が開け、道が分かった。

 「あっ、そうだ! 知らせてこなくちゃ……じゃあね~!」

 気ままなところまでサーバルにそっくりだ。行ってしまったが、一体誰に「知らせる」のだろう。

 「何だかゴジラさんって、サーバルちゃんに似てたね」

 「!? うみゃー、そんなことないよ!」

 2人は笑い合った。やっぱり、2人は素敵なコンビだろう。

 すると、森の方から足音がした。だんだんとこちらに近づいてくる。




《登場怪獣》
・ゴジラ
言わずと知れた怪獣王。怪獣同士戦っていないこの世界では、初代の肩書き「水爆大怪獣」として登場。
《予告》
次回の怪獣は、初代・ゴジラのライバルとして有名なあの怪獣。
次回、「もりのなか」
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