暴竜が登場しますよ!
しばらくして、足音の主が姿を現した。
「さっきのBOMBは一体何? ところで、YOUたちは?」
なんとなく、アメリカかぶれ感がにじみ出ている。まあ、かばんたちの頭の中に「アメリカ」はないので関係ないが。
「え、えっと……かばん、っていいます。さっきのはゴジラさんが……」
「あ~、やっぱり? YOUたち、大丈夫だった? あんなの食らったら一発でDEATHだけど……」
どうやら勘違いしているらしい。別に、かばんたちが攻撃されたわけではないのだが……。
「ゴジラがね、セルリアンをやっつけたの! すごかったよね!」
「まあ、そんな感じです。そういえば、ゴジラさんのあれって『火』ですか?」
「COOL! どうしてわかったの? あ、YOUってもしかして……まあいっか。
MEはアンギラス。そこらへんにいたらいきなりBIGな爆発があったから」
肩まで伸びた茶色っぽい髪が光る。よく見ると、尻尾には小さいながら鋭いとげが生えていた。
「さ~て、原因も分かったことだし、MEは帰ることにする。じゃ……」
歩き始めた途端、彼女は後ろに滑って転んだ。
後ろを向いたときに、背中に無数のとげがあるのが見えた。なんとなく、かばんにも嫌な予感がしていた。そして今、考えた通りのことがそこで起こっている。
「THANK YOU。行こうとしたらこんなになったってことは、もう少しYOUたちといるべきっていうGODからのお告げかもね。じゃあ、YOUたちは何しに来たの?」
あの後すぐ、2人で引っ張って助けた。どうも力が弱いらしく、いや、とげが深く刺さり過ぎたのかもしれないが、自分の力で立てなかったのだ。
「え? あの、『けものプラズム』だとかの資料がほしいんですけど、で、この島にあるって聞いて」
「HMM……多分だけど……あの山の上のとこじゃない?」
アンギラスが指さした先には、キョウシュウのそれとよく似た火山があった。むしろ、この山そのものが怪獣ランド、と言っていい。
しかし、山の上にそれらしいものは見えない。おそらく博士の言っていた「研究していたヒト」のいた場所があるのだろうが、小さすぎるのだろう。
「あそこの研究所、か何かに、YOUたちの欲しいものがあると思うけど」
「かばんちゃん、早く行こうよ!」
サーバルがもう少し落ち着いていれば……とかばんは思う。だが、こうして突っ走って来たからこそ今があるのだ。ただ今は、その一言は必要なかったらしい。アンギラスが困ったような顔で2人を見ている。
「えっと……確か、デスの許可がいるんだよね……」
「デス……さん……? 誰ですか? それ?」
アンギラスは髪の毛をいじりながら、教えるべきか否か考えていた。ついさっき会ったばかりなのに。でも、信用できそうだ、との勘を信じることにした。
「あの……山のてっぺんの研究所に行くには、デスの許可がいるの! 任されてるから……案内は無理だけど、SORRY」
「じゃあ、デスさんの許可があれば、入れるんですね?」
多分、との声に、かばんは大きくうなずくと、礼を述べた後、サーバルの手を引いた。
「ちょ、ちょっと待ってよかばんちゃん!」
かばんが自ら行こうとするなんて珍しい。いや、あの日以降、かばんは確かに変わってきている。
「WAIT! そっちは森だから! 危険だって!」
危険を知らせる彼女の声も、2人には届かなかった。一息ついて、そっと呟く。
「ふぅ……あの子たち、INTERESTING!」
なんやかんやで突っ走ってきてしまった2人は、案の定迷ってしまった。もう少し周りを見るべきだった……という後悔ももう遅い。
すると、茂みから物音がした。鋭い歯が顔を出す。細く、緑色をした何かが、かばんとサーバルを狙っていた。
《登場怪獣》
・アンギラス
暴竜。原典ではシベリア出身らしいが、本作での生まれはアメリカらしく、会話の途中に英語が混じる。
《予告》
次回は初のコンビ。原典では敵でしたが、仲良くしてますよ。
確か翼が生えてた気が……
次回、「なくしもの」