あやしけものフレンズ~ようこそ怪獣ランドへ~   作:家郎

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今回は、イベント多め。
執筆ペース上げていきたい。


#03 なくしもの

 「えっ!? た、食べ……」

 「やばいよ、これ何?」

 緑色の何かは、植物のツタに見えなくもない。大きく口を開け、襲いかかってくる。サーバルが爪で撃退しようとした、その時。

 2人の目の前を、黄色い稲妻のような光が横切った。食らったツタは先端をちぎられ、力なく地面に横たわる。直後、森の奥から誰かが現れた。

 「大丈夫か? ……ったく、危ないって聞いてないのか?」

 金色に光るフレンズだ。その姿からは、どこか神々しさも感じられる。

 「……ん? 見ない顔だな……ここのもんじゃないってことか?」

 鋭い目で2人をまじまじと眺めてから、そのフレンズは来た方に呼びかけた。

 「おい、ラドン。大丈夫だ。怪しい奴じゃない」

 すると、赤っぽい服装のフレンズが静かに現れた。どうやら、まだかばんたちを警戒しているらしい。

 彼女を見たかばんは、ハシビロコウに近い何かを感じた。

 「あの……ありがとうございました。あなたは?」

 「キングギドラだ。こっちはラドン。ところで、島の外のもんだとはいえ、森は危ないって聞いてなかったか? だいぶ前から『ビオランテ』とかいう奴がはびこってる、って」

 そういえば、アンギラスが別れ際に何か言っていた気がする。ほとんど聞いていなかったが、そういうことだったのか、と2人は納得した。

 ところで、サーバルが何も言わないのが気にかかる。いつもなら興奮しそうだが、ついさっきゴジラの熱線を見たばかりだからか、今の光線が物足りないのかもしれない。

 「……さて、気をつけろ、早めに森を出て海辺に行った方がいい。もう行くからな。じゃあ」

 「待って下さい! 何か、お礼がしたいです」

 キングギドラはしばらく立ち止まると、振り返った。鋭い八重歯がのぞく。

 「分かった。じゃあ、ちょっと手伝ってくれるか?」

 

 「なんだ、そんなことなら言ってくれればいいのに!」

 「え? でも……会ったばっかりの人を巻き込んじゃ悪いかな、って……」

 人見知りのラドンが、勇気を出して話してくれた。それによれば、2人はラドンが落とした「シプニオキス」の化石を探していたらしく、偶然通りかかったところでかばんたちに会ったという。その探し物を手伝ってほしいというのだ。

 「でも、大丈夫か? またビオランテが出てきたら……」

 「ビオランテ」というのが、2人を襲ったツタの名前らしい。キングギドラが言うには、さらに大きい本体が島のどこかにいる、とのこと。森は、今やビオランテの縄張りになっているそうだ。

 「大丈夫だよ! 私の爪でやっつけちゃうから!」

 「ああ……大丈夫みたい、だな。じゃあ、頼む」

 かばんは大きく返事をする。ラドンが、シプニオキスの出す波長を感じ取れるらしく、だいたいの位置は分かるというので、それに従って探すことにした。

 「ところで、その翼は……」

 「ああ、これか? もともとだ」

キングギドラの首には、2つの頭をモチーフにしたマフラーが巻かれている。暑くないのだろうか。かばんは気になったが、聞くのはやめておいた。

 

 だいたい30分は経っただろうか。手当たり次第に探しているが、一向に見つかる気配がない。

 「かばん、そっちは?」

 「ありません。キングギドラさんの方は?」

 ラドンが波長を感じ取っているのかも怪しくなってくる。本人いわく、本当に大まかな位置しかわからない、ということらしいが、いい加減見つかっていい頃だろう。一同が諦めかけていた、その時。

 「あっ! ねえねえ、これじゃない?」

 サーバルが何かを見つけ、ラドンのもとに差し出した。シダのような植物が化石になっている。

 サーバルがラドンの顔を見ると、彼女の目からは涙がこぼれていた。

 「これ……これだよ……ありがと……」

 

 後で聞いたところ、ラドンにとってシプニオキスの化石は思い出の品らしい。思い出は「恥ずかしいから」と話してくれなかったが、とても大切なものなのだろう。ラドンはずっと化石を握りしめている。

 「ありがとな。ラドンも少しは他人を信用しやすくなっただろうから、そっちも礼を言っとく。ところで、これからどうするんだ?」

 「えっと……そうだ、デスさんって、どこにいるか知ってますか?」

 「ん……いつもその辺をうろついてるからな……まず、島全体をめぐってみたらどうだ?」

 キングギドラは森の奥を指して続けた。

 「あそこに大きな池がある。今日はここで寝て、明日そっちに行けばいい、と。ちょいちょいそこで見るからな」

 熱心に探していて気付かなかったが、もう日が沈むところだ。ここはさっき切り開いたし、比較的安全だろう。

 

 その夜。突如として大地が揺れ動いた。

 「噴火か!? そこそこでかいな……」

 キングギドラ達も周辺で寝ていたため、かばんたちのもとに駆け付けた。揺れは数十秒で収まったが、火山からサンドスターが噴出しているのが見える。

 「注意。注意。高濃度ノさんどすたーガ噴出シテイマス。直チニ……」

 サンドスターの噴火に、かばんは驚くばかりだった。




《登場怪獣》
・キングギドラ
「超ドラゴン怪獣」として登場。引力光線を吐ける。あえて、一人称を使わずに話す。ラドンの理解者。
・ラドン
とさかは2つの初代準拠で登場。大きい翼があるが、今回は使わず。なんとなく、ハシビロコウに近いタイプ?
《予告》
次回はあの人気怪獣。インパクトが強く、トラウマな人もいるのでは?
次回、「みずべ」
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