あやしけものフレンズ~ようこそ怪獣ランドへ~   作:家郎

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サンドスターってすごい。万能。


#04 みずべ

 「じゃあ、またね~!」

 「ありがとうございました! 昨日の夜まで……」

 昨日、夜中に火山が噴火した。大量のサンドスターが噴出し、まだ周囲が光っている。その時、近くにキングギドラたちがいてくれたおかげで、かばんたちは安心して一夜を明かすことが出来たのだ。感謝するほかない。

 「気にするなって。デスにはこっちからも伝えておくから」

 「ほんとに、ありがとね」

 小さく手を振る2人に別れを告げ、かばんとサーバルの2人は池へと向かった。

 

 「また、ビオランテとか、出てこないかな……」

 「だいじょーぶ、だいじょーぶ!」

 池までの道で、ビオランテやセルリアンに出くわすことはなく、2人は安心した顔で池を見つめる。

 すると、池の水が突然盛り上がった。水柱の中には人影。

 水が引いた。そこには、細かく袖の裂けた振り袖に身を包んだフレンズ。右目にはグロテスクな眼球が描かれた眼帯をしている。

 そんな風貌のフレンズが現れては、2人も驚かざるをえない。かばんは後ろに転び、サーバルも一歩引いた。

 「ごめんなさい。あなたたち、誰?」

 「えっと……サーバルだよ! こっちはかばんちゃん!」

 よろしくお願いします、と、ぺこりと頭を下げるかばん。振り袖のフレンズは水から上がってきて、近くの丸太の上に座った。下駄が水にぬれて、妖しげに光る。

 「私、ヘドラ。よろしく。ごめんなさい、驚いた?」

 顔を向けられたかばんは、ふっとのけぞる。

 「ごめんなさい……その眼帯、慣れなくって。でも、いいと思いますよ、その服とか、下駄とか!」

 「ありがとう。サーバル、かばん、私、仲良く、したい」

 言葉はたどたどしいが、言いたいことははっきりと伝わってきた。要するに、ヘドラは2人と仲良くしたい、友達になりたい、というのだ。

 「はい、もちろん! よろしくお願いします、ヘドラさん」

 「よろしくね!」

 「……うん。友達、初めて、だから。いろいろ、分からない、ところ、教えて」

 ヘドラは、あまり他人と関わったことがないのだろうか。

 

 3人で話しているうちに、かなりの時間が過ぎて行った。ヘドラの住む池はこんなにも森の奥深くにあるため、誰も近づいてこない。そのため、話したいことがたくさんあったのだろう。ヘドラが話している時、2人は相づちを打つことしかできなかった。

 ヘドラはいろいろなことをかばんたちに教えてくれた。この島にはジャパリまんがなく、周囲のものを食べているということ、「モゲラ」という存在が島にいる代わりに、ラッキービーストはいないということ、自分のしている眼帯は絶対に外したらいけないということ……挙げていけばきりがない。

 日も暮れかかる頃、かばんが思い出したように質問した。

 「そういえば、デスさんがこっちに来てた、って聞いたんですけど。どこに行ったか知ってます?」

 「デストロイア? 彼女、海、向かった。確か」

 本当に自分たちはデストロイアに会えるのだろうか。2人に不安がよぎる。

 「そうですか……ありがとうございました。じゃあ僕たちはこれで。また……」

 「私、嬉しい。あなたたち、優しい、楽しかった。ありがとう。……じゃあ」

 ヘドラは恥ずかしそうに手を振った後、池の中へと戻って行った。2人は歩き出す。次の目的地は、海だ。

 

 だいぶ歩いたはずなのだが、まだ海が見えない。あの池が本当に奥まったところにあった、ということがよくわかる。ヘドラが友達を作りにくいのも、分かる気がしてくる。

 「しょうがないか……今日はこの辺で野宿、かな」

 「どこにしよっか……よさそうなところ、ないな……」

 所詮森の中。ロッジのような施設があればいいのだが。

 仕方がない。木々の間に、よさげなポイントがあったので、2人はそこで寝ることにした。セルリアン、そしてビオランテ……。不安は残るが、しかたあるまい。

 おやすみ、とあいさつを交わしてからものの数分で、2人は寝てしまった。

 

 「……おはよう、サーバルちゃん。元気だね」

 朝起きてすぐなのに、サーバルは今にも歩き出さんとしている。寝起きはどうしても体が重くなりがちのかばんにとっては、うらやましいほかない。

 あくびを1つ。歩き出した2人だが、やはり海は見えてこない。方向を間違えたのか。

 その時。横の茂みがガサッ、と音を立てた。




《登場怪獣》
・ヘドラ
着物に下駄、と、和服に身を包んだフレンズ。だが、日本出身ではない。
右目の眼帯には、本来のヘドラの目が描かれている。外すと……?
《予告》
次回は2体怪獣が登場。コンビじゃない。あのサイボーグ、そしてかの恐龍……分かりますよね?
次回、「しんてん」
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