ありふれた勇者の物語 【完結】   作:灰色の空

100 / 126
さっくり進む第2弾です

気が付いたらこれで100話目です!
日頃の皆さんのお陰です。有難うございます。もうちょっとだけ続くこの物語をどうか今後ともよろしくお願いします


氷雪洞窟 その2

 

 

「うぉぉおおおお!!」

 

「あんまり叫ぶと持たないよ清水」

 

「んなの知ってるっつうのおおお!!」

 

 ドタバタ走りながら叫ぶ清水を苦笑しながら窘めるハジメ。最も清水が叫ぶのは無理もなかった。今現在ハジメ達はゾンビの集団と追いかけっこをしている最中だった。

 

 事の始まりは進んでいる最中に不気味さと不快さを混ぜ合わせた唸り声が聞こえたのだ。全員が警戒に入る中現れたのは人だった。

 ただしソレは全身に霜をびっしりと貼り付けだらりと両腕を下げ揺らし大きく口を開けながら近づいてきたのだ。明らかに死者だとわかるソレにハジメはドンナ―を遠慮なく撃った。が、散らばった肉片が集まりだし再生してしまったのだ。

 次々に現れるゾンビたちを見ながらこの時点でハジメは仕掛けがあると考え羅針盤を使いその仕掛けを解くために迷宮内を走り回っていたのだった。

 

「それしたって、大量のゾンビに追われるとは思わなかったぞ!しかも再生するなんておまけ付き!」

「映画やゲームの感覚を味わえると思えば問題ないんじゃない?」

「捕まったらモグモグされるけどね~」

「尚更嫌に決まってんだろ!おい白崎!お前なんでそんなにしれっとしてんだよっ!」

「え?メルジーネ海底遺跡でさんざん人の殺戮現場を見てきたからどうってことないよ?」

「真顔で言うなよ!怖えんだよっ!」

 

 ハジメとコウスケの平然とした様子に突っ込む清水。ついで同じ地球組ならわかってくれるかと香織に意識を向ければあまり普段と様子が変わらない。なんでだと聞けばしれっと恐ろしい事を平然と返す。余りにも意識が違いすぎることにもしや常識人は自分だけかと少しばかり思う清水。

 

 

 そんなこんなで割と余裕を保ちながらハジメ達は対に大きな空間に出た。その広場はドーム状になっており、東京ドームと同じくらいと言えば、その大きさが分かるだろう

 

 すぐさま仕掛けの大本である魔石を発見するハジメ。ドンナーで破壊を試みるが何とぬるりと躱されてしまう。そうこうして居る内に新手である氷でできた大鷲、フロストイーグルが大量に現れ、周囲の氷壁からは氷の狼が現れたのだ。

 

「氷でできている分数は無限ってか?」

 

 周囲を徐々に包囲されながらコウスケのどこか期待を含むその声と同時に次に現れたのは魔石を散り込みながら氷から生み出された大きな亀だった。しかしそのカメは全長二十メートルを優に超し、背中の甲羅には剣山のごとき氷柱が付き立っていた。

 

 前方にはボスである大亀。上空には三桁を超す大鷲、周りは無数の狼。そして後方には追いついてきたゾンビの大群。

 

「…ふふっ」

 

 普通なら絶望的な状況、ハジメ達ならば面倒な状況。その中でコウスケはただ独り目を爛々と輝かせるのだった。

 

 

 

 

 

「…なんて言うか」

「圧倒的?」

「もしくは」

「桁違い?」

「かもしれない」

 

 目の前の光景を清水はハジメと香織と一緒になって見ていた。本来なら大量の魔物に囲まれた状況。負ける気は微塵もなく、勝つ自信は勿論あった。事実、たとえ氷でできた魔物と言えども()()()であるならば清水の闇魔法と魂魄魔法によって完勝することができるという自負があった。

 

 だが、清水は魔法を使わなかった。もしくは使えなかった

 

「さてさて 地面に縫い付けられるって気分はどうだ?」

 

 コウスケがたった一人で周囲の魔物を戦闘不能にしてしまったからだ。

 

 最初に鳴り響いたのが何かが砕け散る音だった。その音の原因はすぐに判明した。

 上空を飛んでいた大鷲が全て地面に墜落していったのだ。飛ぶことも上昇することも体制を立て直すこともなく次々と頭から地面に真っ直ぐ落ちていく大鷲達。鳴き声を上げ翼をバタつかせるがすべて無駄だった。侵入者の頭上を取ったというその戦法が全て仇となったのだ。今は砕け散ってただの氷片となっている。

 

 次は周りの狼だった。氷がある限り数が増える厄介な魔物。その筈だったのに今は全て溶けてただの液体になっている。こうなった原因は炎の塊に炙られ解けたのだ。ただそれだけだった。最もその無数の炎の塊が上空を浮遊し氷から生み出される狼を執拗に狙っているのを納得できればとても分かりやすかった。

 

 哀れみを誘うのは後方にいるゾンビたちだった。元魔人族の軍人や冒険者達。それぞれが何かしらの思惑があって此処に挑み果てたその遺体は、全部が四肢と首だけに解体されオマケに丁重に氷のつららによって地面に文字通り縫い付けられている。うめき声をあげるもののそもそも動かないのだから脅威にはまるでなり得なかった。

 

 一番悲惨なのが大ボスである大亀だった。もはやソレはただの解体ショーだった。コウスケが指先を振るうだけでスパスパと切り払われ、両断されていく。途中からは飽きたのか手の平で握れば見る見るうちに氷が圧縮され逆に手のひらを放てば砕け散っていった。そうして何もできないまま魔石が露出されるとあっけなく崩れてしまった。

 

「意外と歯ごたえ無いなー」

 

 以上、全てコウスケがたった一人で終わらせてしまった最初の試練の結果だった

 

「うー!」

 

「おいおいユエさんや、どうかしたのかい? ん?」

 

 はっはっはと快活に笑うコウスケをユエがポカポカと叩いている。気にせず笑うコウスケに次第にムカついてきたのかユエが足を使ってコウスケのすねを蹴り始める。だが誰も止めなかった。全員(一部除いて)呆れとドン引きをしているからだった

 

「精神が絶好調だと凄いですねマスター。最も逆だったらポンコツ以下ですけど」

 

「それしたって、なんだかコウスケさん強くなっていませんか?戦力的なものではなくこう、生物的に」

 

「人間、だよね?人の形をしたナニカじゃないよね?」

 

「…コウスケはそういう生き物じゃ。それで納得するしかあるまい」 

 

 ティオの諦めと悟りの混じったような声に頷くハジメ達だった。

 

 その後再び、大きな氷壁で囲まれた通路を行く。 三十分ほど歩いて、ようやく通路の先に光が見えた。長い通路から出たハジメ達を待ち受けていたのは……眼下に広がる、冗談のように広大な迷路だった。

 

 

 

 

 

 

 

「羅針盤があれば迷う事が無いって楽だよね」

 

「その代わりアイテム入手の機会が無くなる。…あるかどうかは分からんが」

 

「行き止まりにこそお宝がってのはゲーム内の話だがこれは現実だからな」

 

 羅針盤に導かれながら迷宮の中を進むハジメ達。一見迷いそうなものだがハジメ達には導きの羅針盤がある為問題は何一つなかった。今では雑談を交えながら迷宮を歩く始末だった。最も全員一定の緊張は保って入るのだが

 

「羅針盤ねぇこれがあればライセン迷宮は簡単だったかな」

「うう、ミレディさんの迷宮を思い出して来たらげんなりするですぅ」

「ん、同感。アレは面倒だった」

「そうか?アスレチックみたいで面白かったけど?」

「それはコウスケさんだけですぅ!」

「ふむ、そんなに厄介な場所じゃったのか?」

「マスターの記憶では嫌がらせに特化した迷宮らしいですが」

「ハジメ君たちが経験した迷宮…ちょっと気になるかな」

 

 ライセン迷宮を経験したことがある三人は好き勝手話だし、経験したことのない香織とティオ、ノインは興味を示し出す。

 

 そんな後方の会話を聞きながら羅針盤を持つハジメが先行をしていると傍に清水がやってきた

 

「なぁ、南雲、ミレディって言ってたけどよ」

 

「神代から生きている解放者の一人だよ。…最も清水が聞きたいのはそこじゃないよね」

 

 隣で眉根を寄せる清水にどこかに追わせる言葉を言えば素直にうなずく清水。苦笑し話をつづけるハジメ。この通路内ではどうやら魔物はいないようだったので雑談でもして暇をつぶすのもいいかもしれないと考えたのだ。

 

「そのミレディって女はコウスケの事を知ってるのか」

 

「ズバリと聞くね。その根拠は」

 

「ハルツィナの様子を見れば何となく察するだろ。…やっぱコウスケと関係があるのか」

 

「多分ね。僕とユエやシアが居なくなった後で何やら話をしていたみたいだけど、まぁそうみるのが普通だよね」

 

 コウスケから聞いた話ではトイレのように自分たちが流された後ミレディはコウスケに他の解放者全員と会えと話した様だった。

 

「僕にも言ってたのと同じ言葉だけど意味合いが違う。僕には迷宮を攻略しろ、コウスケには解放者と会え。同じ意味でも違うとなると中々興味をそそられるよね」

 

「全ての解放者ねぇ……南雲お前ならその意味分かるのか?」

 

「一応、ある程度の推測はできているよ。色々考えて多分これしかないって思った奴が」

 

「言うつもりは」

 

「無い。別にホームズって訳じゃないけど確信が無いと間違った恥ずかしいからね」

 

「そうかよ。…考えても仕方ねぇか」

 

 清水は額にさらに皺を寄せ数分考えるが、結局頭を振り払った、今は迷宮の攻略が先と判断したのだろう。

 

「何か関係がある。それだけでもわかったのならそれでよしとするか」

 

「それでいいと思うよ。それにこの迷宮が終わってからまたミレディの所に行けばいいんだから」 

 

 ハジメの言葉に頷く清水。コウスケの事でいろいろ考察することもできるが取りあえずはこの迷宮を終わらせてからの話にするのだった

 

 

 

 

 

 

 その後迷宮を問題なく通り抜け

 

「羅針盤、マジチート」

「本当に楽だねぇ」

「都合が良すぎるともいう」

 

 襲い掛かってくる魔物を難なく退け

 

「話にならないですぅ」

「ん、問題なし」

「楽勝過ぎたの」

 

 トラップを潜り抜け

 

「そもそもの話、どの迷宮が一番手ごわいんだろう?」

「さて、人によるとしか」

「そっかー」

「普通の人間なら無理なんですけどね」

 

 遂に、一行は通路の先に大きな両開きの扉がある突き当たりに出くわした。羅針盤は、その扉の先を示している。

 

「これはまた壮観な扉じゃのぉ」

 

「ん、綺麗」

 

 近くまでより見上げた巨大な扉は、氷だけで作られているとは思えないほど荘厳で美麗だった。茨と薔薇のような花の意匠が細やかに彫られており、四つほど大きな円形の穴が空いている。

 

「なるほど、セオリーなら四つの玉を集めて来いって奴だね」

 

「ここにきてなんて普通な仕掛けなんだっ!」

 

「楽でいいじゃん。それよりどうする?ちょっと休憩する?」

 

 仲間たちを見回しコウスケが提案する。一応迷路を歩いて十五時間は経過しているのだ。まだまだ余裕はあるのだが念のためと聞いてみれば全員首を横に振る。

 

「それも考えたんだけど…ノリが良いときに終わらせた方が良いかもしれないと思うんだ」

 

「ふぅむ。香織ちゃんや清水は…」

 

「問題なしだよコウスケさん」

 

「同じくだ。こんなところでへばってられねぇさ」

 

「か、じゃあ班分けはどうする?流石に一つの玉っころに全員がぞろぞろと進むのはどうかなと思うんだが」

 

「それなら此処にいるのはちょうど八人だから二人組で行こう」

 

「それでいいのか?油断しすぎじゃないのか?」

 

「なら清水は自分達は高々そこら辺の魔物にやられるようなやわな奴だって言いたいの?」

 

「いいや、そんなつもりは微塵もない」

 

「なら問題なしだ。っていう事で」

 

「「二人組を作ってー」」

 

「おい、そこのポンコツ主従。なに人のトラウマ抉ってんだ?つか、コウスケ言いながら暗い顔してんじゃねぇよ!どМかお前は!」

 

 清水のツッコミがさえわたる中、四つの玉を集めに行くメンバーを決める。色々話し合いの結果くじ引きとなるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「醜く腐って!」

「消えちまいなぁ!」

 

「「瘴気の風!!」」

 

 腐ったような紫色の風と煙が魔物たちを覆う。覆われた魔物たちは宣言通りボロボロと崩れていく。

 

「ふぅーいやぁ上手く行くもんだな合体魔法!」

 

「適当に合わせているだけなんだけどなぁー」

 

 ハイタッチをして出来た魔法に喜び合うのはコウスケと清水だった。厳選なるくじ引きの結果こうなったのだった。

 

「そんな事言ってないでガンガン進もうぜ清水!」

 

「はいはい」

 

 異様にはしゃぐコウスケを適当に相手しながら清水も迷宮を歩く。どんな魔物でも油断する気はないがこの組み合わせは清水にとっても気楽だった。

なにせ後はハジメを除けば女性陣ばかりなのだ。無様な所は見せたくないし、何より女性陣と二人きりとなるのは少々気まずかったのだ。

 

 コウスケの方としても清水の前では気兼ねなく行動できるので楽だった。おまけに男の浪漫もわかってくれるので拙いながらも合体技などを編み出していた。

 

「また魔物だ!合わせろ清水!」

「へいへい」

 

「焦げて燃え尽きて!」

「灰になれ!」

 

「「煉獄!」」

 

 黒い炎が魔物を飲み込む。後に残るは灰だけだった。ガッツポーズをするコウスケに溜息をつきながらも清水は満更でもない顔をするのだった。

 

 

 

 

「こたつって実は初めてだったんだよなー」

「そうなんだ。僕の家ではよく冬の間は出していたんだよ」

「いいなぁ 俺はずっと電気ストーブだった」

「オレはファンヒーター 灯油を入れるのが面倒だった」

「私は、床暖房と暖房を使ってたよー」

「各家々によって違いますなぁ」

 

 それぞれ扉を開けるための玉を回収した後休憩を挟み、さっさと扉を開けて移動するハジメ達。話題は先ほどまでハジメが取り出したこたつの事だった。地球組が冬の暖房の事で盛り上がっている中トータス組は微笑ましそうに地球組を見守っている

 

「うむうむ。地球の冬の過ごし方か。なんだか興味をそそられるのじゃ」

「へーティオさん意外な所に興味を持つんですね」

「ああやって楽しそうに話しているのを見ているとつい、の。最も寒いのは苦手ではないがの」

「んー こたつはぬくぬくで気持ち良かった」

「良いですよねこたつ。でもこたつで寝ていると体が冷えて風邪をひくらしいんですよ?知ってましたか?」

 

 雑談を交えながら進むその先は本格的なミラーハウスだった。氷というより完全に鏡だ。光を向ければ何処までも乱反射し、両サイドの壁には、まるで合わせ鏡のように無数のハジメ達自身が映っている。 

 上空を覆う雪煙以外は、まさに無限回廊といった様子だ。透明度が高い等というレベルではないので唯の氷壁ではないのだろう。冷気を発していなければ、そもそも氷だと気がつかないかもしれない。

 

「こういうアトラクション遊園地になかったか?」

「あったな。入ったことはないけど」

「私結構好きなんだけど」

「へぇ白崎さんこういうの好きなんだ」

「うん。 …ハジメ君日本へ帰れたら、…その」

「そうだね、時間があったら一緒に遊びに行こっか」

「うん!」

(…香織さん後ろ手で親指立てているですぅ)

 

 ミラーハウスは先へ進むハジメたちの姿を瓜二つに映す。歩く速度体の動かし方、表情まですべてを文字通りそっくりに映し出す。

 

「…こうやって見るとさ」

 

「ん?」

 

「天之河って結構イケメンだよな」

 

 鏡に映る自分の姿を見てポツリとコウスケは呟いた。目鼻がくっきりとして整った顔立ちの見方によっては爽やかな好青年。中身はあれだが外見はイケメンでありハンサムだった。

 

「俺がこの世界を救う!皆を守って見せる! …なーんてな」

 

 少なくともコウスケはそう考えておどけていたのだが

 

「「あ?」」

 

「!?」 

 

「チッあんまり馬鹿な真似すんなよ。天之河のどこがイケメンだ?寝言言ってんじゃねぇよ」 

 

「コウスケ、言っていい冗談と悪い冗談ってのがあるからね。あんまり変なこと言うと撃つよ?」

 

 男二名からは悉く不評だった。寧ろイラつきながら言っているのを見るにかなり怒っている。若干ビビりながら謝るコウスケ

 

「ご、ごめん」

 

「はぁ 別に君の顔が嫌いとかそういう訳じゃないんだけど、天之河の真似をするのが嫌って事だからね」

 

「そういう事だ。お前が嫌いなんじゃない。天之河が心底ウザったいだけだ。勘違いすんなよ」

 

 慰めるにはいささか殺気が抜けきれない声を出す二人。付き合いは短いだろうに心底嫌われている天之河光輝と言う少年に憐れみを覚えるコウスケだった。

 

 そんなやり取りをしながらミラーハウスを進む中、声が聞こえてきた。

 

『………』

 

(…来たか)

 

 低い男の声だった。ぼそぼそと呟くような声、注意しないと聞き逃すような、不快感のあるその声。その声の正体を知っているコウスケは溜息をし

周りを見た。そこには案の定コウスケと同じように急に聞こえた声に警戒を強める仲間たちが居た

 

「今の声は…」

 

「ん、ハジメも聞こえた?」

 

「ってことはユエさんも?」

 

「どうやら皆、聞こえたようじゃな」

 

「どこかで聞いたような…知っている声だったよ」

 

「いったい誰の」

 

「それは、自分の声ですよ」

 

 確認し合っているハジメ達にサクッと正体を答えたのはノインだった。いきなりネタバラシをしてしまったノインにコウスケがギョッとするがノインは指して気にした様子もなかった。

 

「ノイン。それは一体」

 

「簡単な事ですユエ様。自分自身の汚く醜い心の声が聞こえるようにこの迷宮は作られているんです。南雲様と清水様ならこの意味が分かりますよね」

 

「成程、そいつは…厄介な試練だね」

 

「なんとも都合のいい…まさしくオレのための試練っぽいな」

 

 ノインの説明でこの試練の本格的なコンセプトが理解したのかハジメは忌々しそうに顔を歪めた。対照的に清水はどこか皮肉気ながら笑っていた。

 

「自分自身…ね。ならこの先」

 

「これ以上の説明はやめておきますか。大体皆さま理解したようですし」

 

 そういうとノインはすまし顔で黙ってしまった。後は自分で解決してくださいと言わんばかりの顔。コウスケが何かを言おうとする物の結局口を閉じてしまった。どうせこの先進めばぶち当たるのだ。今言うか後で体験するかその違いでしかなかったのだ

 

 その後順調にミラーハウスを切り抜け

 

「ぶっちゃけ声を無視さえすればいい訳だし」

「上手くできるかどうかは人によるかな」

「なら私とマスターは無傷ですね」

 

 閃光が駆け巡りレーザートラップと化した部屋を潜り抜け

 

「サイコロステーキにはなりたくはないな!」

「思い出すはバラバラになってしまった隊長。ゾンビになるのとどっちがマシだったか」

「アホな事言ってないで走るぞ!」

 

 それぞれが氷塊の巨人との一騎打ちを全員突破し

 

「清水は分かるよ。何だかんだで出来るやつだってのは知ってるからさ」

「洗脳、自壊で終了っと」

「でもさ、香織ちゃんよく突破できたね!?ちょっとびっくりなんだけど!」

「香織は私が育てた」

「私が鍛え上げたですぅ」

「そして妾が調整した」

「そして?どうなったんだ?」

「「「……」」」

「何で目を逸らすんだこの三馬鹿娘っ!」

「乙女にはいろいろ秘密があるんだよコウスケさん」

(…香織様は治癒魔法が得意で再生魔法が一番適性が高くて…成程正気じゃないですね)

「白崎さん一体何をしたんだろう?」

「LOVEパワーですね」

「!?!!?」

 

 

 

「んで、この光の幕の向こうが最後の試練って奴だ」

 

 全員がそろって休憩をしっかりとった後、コウスケは扉の向こう側にある試練について説明をする。言うべきか言わないべきか悩んだが言った所で試練を突破できるのは本人次第なのである。そう考えて詳細を説明することにしたのだ

 

「試練の内容は、自分自身との戦いだ。中には自分の虚像が待ち構えている。戦法はそれぞれと全く同じのはずだ」

 

「ぶちのめせってことだね」

 

「そうだ。テンプレかもしれないが自分に打ち勝てってな。最も相手は己の認めたくないことをネチネチと突いてくるからな。おまけに相手の言う事を否定すれば否定するほど相手は強くなっていく」

 

「逆に認めれば認めるほど弱くなっていく」

 

「うむ。負の感情を乗り越えれば弱体化していく。本っ当にテンプレ的なもんだがな」

 

 一通りの説明を終え仲間たちを見渡すコウスケ。それぞれ思い思いの表情を見せている。ハジメは心底嫌そうに、清水は不敵に笑っている。香織は何かを堪えるかのように拳を握りしめており、ユエは思案に耽っている。シアは目を閉じ深呼吸をしティオは何かを決意したように顔を引き締めている。ノインに至ってはあまりにも普段通りだった

 

 

「それじゃ皆あっちでまた会おう」

 

 

 最後の確認をした後ハジメ達は光の門へと飛び込んだのだった

 

 

 

 

 

 

 




さっくり終了!

次からが本番だ!です!

一応ネタバレ 全員分は無理なので4人だけに絞る予定です
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。