ありふれた勇者の物語 【完結】   作:灰色の空

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タイトル考えるのと文の終わりを考えるのがすごく面倒です。

タイトルは話の全体の印象を考えればいいとして、
どういった所で場面を切ればいいのか…短すぎると話が多くなるし長すぎると一気に場面が進みすぎるような…

なんだか最近愚痴っぽくなってしまいます。許してください!できる事なら何でもしますから!


事情説明

 

「あの、天之河さん?…じょ、冗談にしてはあまり笑えないというか…」

 

「んなこと言われても…うーーん」

 

「うぅっ忘れられるって結構心に来るものなのですね…」

 

 少々涙目になってしまった少女に罪悪感を感じ必死で思い出そうとするコウスケ。彼女は自分が天之河光輝を演じていた時に出会ったはずの少女だ。

 記憶を必死に探るが、何分あの時は演じることで一杯一杯だったのだ。そこで出会った一人の人間を思い出せというのは少々酷だと

コウスケは内心言い訳する。

 

(しっかしこんな美少女に出会ったのに忘れちまうとは…耄碌した覚えはないんだけどな。えっとさっきの会話からして立場のある人間で召喚された生徒たちのことを気遣う事の出来る人格者で、かなりの美少女で…モブじゃないよな?)

 

 項垂れている美少女をまじまじと観察するコウスケ。気のせいか佇まいや動作の一つ一つから気品を感じる。おまけによくよく声を聴いてみればどこかで聞いたことがあるような気がするのだ。先ほどの情報と併せて考えると一人の人物がコウスケの頭に思い浮かんだ。

 

「…まさか、君はもしかして…」

 

 その人物は本来ここにはいないはずだ。しかしコウスケの思いとは裏腹に少女はやっとで思い出したのかとジト目でコウスケを見つめた後しっかりと頷いた。

 

「もぅようやく気付いたのですか…そうです。私はリリアーナ・S・B・ハイリヒ…このハイリヒ王国の王女です」

 

「………」

 

「?天之河さん?」

 

「………」

 

「…と、止まっている!?」

 

やっとで話を進めることができると息を吐きながらも名乗った少女、リリアーナはどこか苦笑しながらコウスケに改めて自己紹介をする。しかしコウスケにとってはまさかの人物だったので思考が止まってしまった。

 

 

 

 

 

「すみません、あまりにも想定外の人だったので硬直してしまいました」

 

「いえ…確かに驚きますよね。まさか王女がここにいるなんて…」

 

何とか気を取り直した後コウスケはすぐにリリアーナに謝罪をした。実は動揺して硬直している間にも原作にはいないはずの彼女にどう扱うかを決めかねていたのだ。一瞬、神…エヒトの先兵や教会の回し者かと疑ったが先ほどの会話内容からあり得ないと思った

 先ほどの会話内容的にも隣で座っているリリアーナからも悪意は感じないというのが決め手だった。そもそも今の段階の自分たちの敵になるとは思えない。

 我ながら甘い考えだと思う一方でやたらと人を疑いたくないと思う自分もいる。結果少しばかりの警戒はしつつもリリアーナには好意的に接することにするコウスケ。

 

「普通は思いつきませんよ。ところでリリアーナ王女はどうしてこんなところに?」

 

「言ってませんでしたか?貴方達のクラスメイト、清水さんが行方不明になってしまったんです。先ほども言いましたがこれ以上こっちの都合で召喚されてしまった貴方達の犠牲者をこれ以上出したくないと思ってその清水さんを探す愛子さんに同行しているのです。」

 

「…だからと言ってフットワーク軽すぎじゃないですか?別にいいですけど…そっか、それにしても清水の奴いなくなっちまったんだ」

 

 余りにも軽すぎるリリアーナの行動に苦笑するが責任感が強いのだろう。話しながらも必ず見つけようと表情が引き締まっていくリリアーナに何も言えなくなるコウスケ。それよりも清水の行動に関心が行くコウスケ。王宮で多少は交流をしたがやはり魔人族につくことは止められなかったようだ。

 

(もし奈落に落ちなくて清水ともっと交流できていたら…今は考えるべきじゃないか)

 

 清水のもしもの未来に思いをはせるが今は考える時ではない。そんな事を考えていたコウスケに何を思ったのかリリアーナはじっとコウスケの横顔を見ている。

 

「…どうかしましたか」

 

「いえ…なんだか王宮にいたころよりずっと生き生きとしていると感じまして…まるで別人みたいだなと…本当に奈落に落ちた後に何かあったんですか」

 

「…そうですね。しいて言えば本来の自分に戻れたというか、やっとで演じる必要がなくなったかと言うか…」

 

「…それは一体」

 

「まぁ何でもないですよ。それよりそろそろ寝ましょう。あんまり起きていると明日に響きますから」

 

首をこきりと鳴らしあくびを一つするコウスケ。気が付くとどうやら長いこと話をしていたみたいだ。そのまま自分の部屋へ向かうコウスケにリリアーナの制止の声がかかる。

 

「あ!待ってください天之河さん。あの秘密の話をまだ聞いていませんよ」

 

「あ~あの話ですか。んー気にしなくてもいいですよ。どうせ何をしてもこの世界は救われるんですから」

 

「天之河さん?いったいあなたは何を知っているんですか…」

 

「ある意味全部ですかねぇ~それよりも今後俺のことを天之河と呼ばないでコウスケと呼んでくれませんか?」

 

「コウスケ…さん?」

 

 先ほどから天之河と連呼されげんなりするコウスケ。どうせ事情を言った所で理解されるとは思えない。なら別に言ってしまってもいいだろう。眠気で頭が鈍くなる中気が付けば自分のことを話してしまっていた。

 

「俺は本当は天之河光輝と呼ばれる人間じゃなくて別の人間だって言われたら信じてくれます?」

 

「…一体さっきから何の話をして」

 

「あっはは…ただの世迷言です。ではおやすみなさい」

 

 そのままコウスケは眠い目をこすりながら去っていった。リリアーナはただその姿を眺めるしかなかったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方そのころハジメは愛子の部屋でこの世界の真実やクラスメイトに殺されかけたことを話し終えていたところだった。コウスケが何やら説明をしていたらしいが一応先生には真実を伝えようと行動したのだ。無論ほかにもいろいろと理由はあるが…

 

「さてと、僕たちの旅の目的はちゃんと理解してくれましたか。先生」

 

「はい、まだ信じられませんけど…」

 

「そういうことです。だから僕たちの邪魔をしないでください。むしろほかの奴らのそばにいた方が良いかもしれませんね」

 

 そう言い放ち踵を返して扉へと手をかけた。愛子の考えている様子から与えるべき情報は確かに与えたと感じたからだ。愛子はその背中に先ほど事情を説明していたもう一人の生徒の姿を思い出し話しかけた。

 

「そういえば南雲君は天之河君と一緒に行動していたんですね」

 

「…えぇコ……彼は僕を助けようとして一緒に奈落へ落ちていきましたから。本当に馬鹿な奴ですよ。ほっとけばいいのにわざわざ危険を冒して助けに来て一緒に落ちてしまったんですから」

 

 振り返り悪態をつきながらも苦笑するハジメに愛子は、まだハジメが以前の心を残していると思い喜色を浮かべた。先ほどまで色々説明していた時は自分達に無関心な態度をとっていたのに対して天之河光輝の話になると随分と気を許しているその姿が愛子にはうれしかったのだ。

 

 

「ふふ、でもよかったです。南雲君が前みたいに独りぼっちじゃなくて」

 

「人をぼっち扱いですか…随分とひどい言い様ですね」

 

「?…っ!?そ、そうい訳じゃなくてですねっ!ほ、ほら南雲君って仲のいいお友達がいなかったですよね?それが随分と天之河君の話をすると嬉しそうな顔をするものだからつい…」

 

 何か地雷を踏んでしまったのか遠い目をするハジメに愛子はワタワタと焦りながら弁解をする。その言葉に何を思ったのかハジメは少しだけ俯いてしまった。

 

「えっと南雲君?」

 

「……ねぇ先生」

 

「はい?」

 

「コウスケのことを…彼のことを天之河って呼ぶのはやめてくれませんか」

 

「え?」

 

 ハジメの言葉に首をかしげる愛子。確かに天之河光輝の性格は以前とは全く違うものになっているが一体ハジメは何を言っているのだろうか。不思議がる愛子にハジメはほんの少しため息をついた。

 

「…中身は別人で体が天之河光輝になっているなんて気づかなくて当然で、普通は信じませんよね。」

 

「南雲君?一体何を言っているんですか?」

 

「…もしあの時あそこにいるのが『天之河光輝』だったら僕を助けに行こうとはしていませんでしたよ。むしろ僕が死んだと思って尚更この世界を救おうなんて思うんだろうな…本当コウスケとは大違いだ」

 

どこか吐き捨てるように呟くとハジメはそのまま部屋を出ていった。一人部屋の取り残された愛子。今のハジメの話そしてこの世界の真実考えることが多く 愛子の悩みは深くなり、普段に増して眠れぬ夜を過ごした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




…短っ!!
でも話の切り方が分からないのです。アカンなぜかネガティブになっています。
本当に作者になるって大変ですね。読み専の時とは全然違います。
拙い物語でしょうが最後までお付き合いしてくれるとうれしいです
感想が今後の展開とかを考えるのにいいネタになるので、できれば書いてくれるとうれしいです
いつも誤字脱字報告ありがとうございます

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