ありふれた勇者の物語 【完結】   作:灰色の空

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ひっそり投稿します

香織ちゃんの性格が変ですね。後々慣れてうまくかけるのでしょうか。心配です


交流をして…したいんだけど…

 

「さてと、改めて自己紹介をするよ。俺の名前はコウスケ。君と同じく召喚され何故かこの体の持ち主、天之河光輝君の身体に入り込んでしまった只の日本人だ」

 

「…やっぱりそうだったんだ。えっと私は白崎香織と言います。コウスケさんこれから迷惑を掛けますけど色々よろしくお願いします」

 

 ホルアドの町から次の町へ向かう途中、野宿をすることになり、夕食を終え、ハジメの作った錬成風呂にさきにシアとティオ、ミュウが入っている間に、コウスケは白崎香織に自分の事情を説明することにした。

 これから旅をする仲間としてコミュニケーションを図ろうとしたのも勿論ある。また同じ日本人として仲良くなりたい、可愛い女の子と良好な関係を築きたい、原作でも割かし気に入っている人なのでという、下心を持ちながら話をしたのだ

 

しかし、コウスケの予想とは異なり香織は驚く様子は見られなかった。寧ろどこか納得している節さえある。

 

「うん、色々よろしくね…ん?やっぱり?」

 

「はい。実はコウスケさん、とハジメ君があの橋から落ちた翌日ぐらいから夢で2人が迷宮の中で生きているところを見ていたんです。

夢の内容ははっきりと覚えていませんでしたけど、なんか天之河君の様子がおかしいって思ってて…それで…」

 

「夢か…」

 

 香織の話を聞きふと考え込むコウスケ。夢で自分とハジメの奮闘しているところを見たというのは何なのだろうか。香織に嘘は言っている様子は無さそうであり、嘘を言う必要はない。そこでふと思い出す。確か香織は原作で迷宮訓練の前夜ハジメが落ちるの示唆するような夢を見て部屋に向かっていたはずだ。もしかしたらそれと同じようなことが起こったのかもしれない。考え込んでいたコウスケはふと顔をあげるとこちらをじっと見つめる香織と目が合う。

 

(…?あれ?今何か…)

 

「…コウスケさんは、あの時からハジメ君をずっと守ってくれていたんですね」

 

「まぁそうなるか?いやどちらかと言うとあの時は俺が南雲に守られていたような…」

 

 一瞬香織の視線が気になるも問われてあの迷宮の中での出来事を思い出すコウスケ。あの時は自分の力不足に悩んでいたものだ。遠い目になりながらも懐かしく思っていると香織が深くコウスケに頭を下げた。

 

「ありがとうございます。ずっとハジメ君を守って、傍にいてくれて…貴方のおかげでハジメ君は大きな怪我もなくて…コウスケさんのおかげです。本当にありがとうございました」

 

「い、いや俺はそんな大したことはしていなくて…それよりも白崎さん顔をあげて!なんか傍から見ると俺がイジメているみたいじゃないか!?」

 

 いきなり頭を下げてきた香織にあたふたするコウスケ。香織はゆっくりと頭をあげると真剣にコウスケのことをほめだした。

 

「でも本当の事ですよ。貴方のおかげでハジメ君は独りぼっちにならずに済んだんですから…だから本当に感謝しているんです」

 

「…そうだね。じゃあ今度は君が南雲のそばにいる番だ。南雲のことが好きなんだろ。今はアイツいきなりのことで混乱しているけど諦めずにアタックするんだぞ。俺も微力ながら協力するから」

 

「はい!…あのコウスケさん。さっきから思っていたんですけど私のことは香織でいいですよ」

 

「んーでも見知らぬ男に名前で呼ばれるって嫌じゃないのか?」

 

「大丈夫ですよ」

 

「そう?なら香織」

 

「はい」

 

「女の子を名前で呼ぶって変な感じ…と言うのは置いといてそっちも敬語はいらないよ」

 

 実は先ほどから香織の敬語が気になって仕方がないのだ。しかし、コウスケの言葉を聞いた香織は困ったように眉尻を下げた。

 

「えっとそれはちょっと難しいですね…あのコウスケさんって私やハジメ君よりもっと年上ですよね」

 

「…まぁ年上だな。でもあんまり気にしなくていいんだけど…南雲の奴と一緒にいたせいかそれともこの体のせいなのか随分と中身が若返っている気がするし…」

 

「でも年上なことに変わりませんから、敬語を抜くのは失礼ですよ」

 

「そうかなぁ…」

 

「おーい香織さーんお風呂空きましたよぉ~」

 

「はーい。じゃあコウスケさん私はこの辺で」

 

「ん、いってらっしゃい」

 

 お風呂から上がったであろうシアの言葉に返事すると香織は行ってしまった。軽く手を振っていたコウスケは一人になったことを確認すると大きく溜息を吐いた。

 

(…仕方ないとはいえ警戒されてたよな。もしくは何か探るような…)

 

 香織との会話中ずっとコウスケは壁を感じていた。しかしそれも仕方ないかと思うコウスケ。何せ幼馴染の中に見知らぬ男がいるのだ。警戒されるのも仕方のないことだった。香織に悪意や敵意はない。性根は優しい女の子だろう。それが分かっているからこそ、無性に壁を感じるのが悲しかった。

 

「ん?コウスケどうしたの?一人黄昏ていて…似合わないよ?」

 

「おまえなぁ…それより南雲から見た香織ってどんな女の子なんだ?」

 

「いきなりだね。うーんと優しくて天然で、学校で二大女神と言われて男女問わず絶大な人気を誇っていて、物凄い天然で非常に面倒見が良くて責任感も強い天然な女の子だよ」

 

「…どんだけ天然を強調するんだよ」

 

「自分の好意が原因で僕がクラスメイト達からハブられていることに気付かないぐらい天然だよ」

 

「…ドンマイ。聞いた俺が馬鹿だったからそんな悲しそうな顔をするな」

 

 遠くを見つめるハジメに同情しながらも、先ほどの香織は天然からほど遠いなと思うコウスケだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅー……やっぱりちょっと変だったよね」

 

 ハジメが作った錬成のお風呂で一息をつく香織。思い出すのは先ほどのコウスケとの会話。当たり障りなく会話をしていたつもりだったがやはりおかしかったかもしれない。自分の警戒心が滲み出るのを隠すのが精一杯だった。

 

「ハジメ君を守ってくれていたから優しい人っていうのは分かるんだけど…」

 

 先ほどの会話からでもコウスケの根は善人だというのは分かる。香織としても好感が持てるような雰囲気を持つ人だった。しかしその事が尚更香織の疑問が大きくなってしまう。

 

「うーん、ティオさんに相談してみようかな…でも、あのことが分かるのは召喚された人たちぐらいだし…もぅどうしてハジメ君は疑問に思わないのかな。気付いていない?それとも信頼しているから?」

 

 文句を言いつつもやはり誰にも相談できそうにはなさそうだと思う香織。香織はコウスケが嫌いなのではない。あることがどうしても気になり警戒してしまうのだ。パーティー内の不和は思わぬ危険につながる。よくメルドから教わったことだ。

 自分の疑問が解消されればと思いつつも、本人には聞けず、周りの者にも聞きづらく、香織は一人悩むのだった。

 

 

(でも、このままじゃいけないからいつか聞いてみよう……それにしてもハジメ君てやっぱりすごかったんだ!)

 

 

 香織はいつかコウスケに聞いてみようと静かに決意しながらハジメが作ったお風呂を堪能するのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




これで第3章は終わりかな?
気が向いたら活動報告を更新しておきます

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