ありふれた勇者の物語 【完結】   作:灰色の空

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ヒャッハー投稿じゃ!おまけに前話のあとがきにに追加しますのじゃー。時間があったら見てね

一応念のため書いておきます、話の都合上(前話であったように)原作に対する批判が多分に含まれています
コウスケの読者だったという立場状どうしても出てきてしまいます。

今更ですがご注意をお願いします


交流をして訓練を頑張って考える ふぉー

 現在ミュウの家の広間にてコウスケは旅の仲間たちに自分のことを正直に話をしていた。

 この世界が自分のいた世界では小説として出ていたこと。自分はその小説が好きで内容とかを覚えていたこと。だから旅で何が起きるかを知っていたこと。洗いざらい話をした。

 ちなみにミュウ親子は空気を読んでくれたのか親子そろって買い物に出かけている。

 

 反応が特に大きかったのはやはり香織だった。それもそうだ。自分たちが召喚されたこともあの迷宮も何が起きるかも全て知っていて行動していたとコウスケは言うのだから。

 

(知っていたのならどうして止めてくれなかったの!?)

 

 内心ではコウスケのことを責めてしまうが、香織は知っているのだ。ハジメが奈落に落ちそうになった時に全力で駆けつけていた彼の姿を。引き上げて戻ろうとして一緒に落ちてしまったがあの時コウスケは本当にハジメを助けようとしていたのを香織は知っているのだ。

 

(それに…)

 

 当事者であるハジメが特に気にした様子が無いのだから、香織は何も言えなかった。寧ろハジメが無事にいるのはコウスケのおかげだろうというのも分かっていた。だから香織は自分の言葉を飲み込むことにした。ハジメが信頼しているのから自分も信頼できるようにと思いながら。

 

 

 次に反応があったのはシアだ。シアにとってコウスケは自分の命を救ってくれた恩人だ。しかしコウスケが言うには自分の家族が危険な目に遭うのを知っていたという。もし知っていたのならば自分たちハウリア族が危険に会う前に助けてくれることはできなかったのかと一瞬でも考えてしまう。

 

(でも、コウスケさんは私たちを助けてくれました。その事は確かですぅ)

 

 だがそれは自分のわがままだ。今現在カムたちは生き残るすべを得ているのは間違いない。だから感謝こそすれ恨む気持ちなんてあるはずがない。

 

 ティオは興味深そうにコウスケを見ている。コウスケの悩んでいたこと、ため込んでいたことに興味があるのだ。今まで起きたことを知っているとコウスケは言っていた。ならこれから起きることも? 

 

(ふむ…聞くべきかの?しかし、安易に聞いてもいいものか…コウスケはいったいどこまで知っておるのかのぅ)

 

 聞くべきだろうか?いったいどこまで知っているのかと。この旅の終わりはどうなるのかと。

 

 ユエは反応がなかった。コウスケの言葉を聞き静かに目を瞑った後、トコトコとコウスケに歩み寄る。

 

「…ユエ、すまん俺は…」

 

「コウスケ聞きたいことがある」

 

「ああ、何でも聞いてくれ。俺はお前らの質問全てに応える義務がある」

 

「なら…あの時私が封印されていることは知っていたの」

 

「知っていた。その後に現れるサソリの事も」

 

「ん、サソリはどうでもいい。…私が聞きたいのは、あの時私がどんな姿か知っていたの」

 

「ああ知って…んん??」

 

 ユエの質問に何かがおかしいと感じるコウスケ。しかし時すでに遅し。ユエは目の前に立っており逃げ場がふさがれている。

 

「私が全裸だという事をコウスケは知っていて、上着もくれずにずっとガン見をしていたの」

 

「ファッ!? ああっとそれはその…」

 

「そういえばあの時コウスケってずっとユエのことガン見していたよね。ユエがいることを知っていてなおかつ服を着ていないことも把握していながら視線は全裸の女の子に釘付け…ギルティ(有罪)!」

 

「ま、待ってくれ南雲!ユエ!だって仕方ないだろう!?そりゃ知ってはいたさユエがあそこにいるって!でも想像以上に綺麗だったんだもん!

小説では綺麗だ―とか妖艶だーとか圧倒的な美少女だ―とか書いてあってもしんじられなかったんだもん!それが見てみれば規格外なほどに綺麗で可愛かったし胸だって貧乳とかロリとか言われているけど結構バランスが良くて…あ」

 

 コウスケはそこで気付いた。女子陣が冷ややかな目で自分を見ていることに。特に目の前にいるユエがいつもの澄ました顔が崩れて真っ赤になりながらもプルプル震えて物凄く怒っていることに気付いてしまった。

 周囲に助けを求めようとしても唯一の頼みであるハジメはいつの間にか消えてしまった。そうこうしているうちにユエの手がコウスケの頬を引っ張る

 

「私はコウスケが何を知っているかなんてどうでもいい」

 

「ひゃ、ひゃい」

 

「あの時助けてくれた事を私はずっと感謝している」

 

「ゆ、ゆえしゃーん」

 

「でもそれとこれは別!」

 

 バッチーーンッ!!

 

「ぶべらぁ!」

 

 ユエの強烈なビンタがコウスケの頬に当たりたまらず吹っ飛ぶコウスケ。ユエ全力のビンタは白目をむいたコウスケの頬に真っ赤な椛模様を作る。

 

「ん、これで私達に黙っていたことのおとがめは無し」

 

 手を軽く払うユエ。結局なんだかんだでユエの強烈な一発でコウスケは許されたのだった。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 コミュ

 

 ハジメ編

 

 まさしく主人公

 

「僕が主人公かー…本当に?始まりから最弱の主人公じゃないかーやだー」

 

「と言っても最初から主人公だったとしか言えないぞ」

 

「ふむ」

 

「まず初めにお前だけが非戦闘職業だった。戦うために呼ばれた中でお前だけが、ほらいきなり特別扱い」

 

「む」

 

「次に皆ステータスが高いという中でまたもやお前だけがステータスが低い。特別そのに」

 

「むむ」

 

「何処からどう見たって特殊すぎだろ。何故気付かないのかソコが分からない」

 

「むむむだってー気付くはずないじゃんかー」

 

「やれやれとどめと行こうか?南雲お前はこの世界に呼ばれるまで自分が普通だって思っていたかもしれないけどそんな事無い!だって普通の奴が美少女に嬉しそうに話しかけられるかよ!」

 

「!?」

 

「くっそーーー!!やっぱり羨ましい!良いな良いな俺も美少女と朝の挨拶をやりたかった!」

 

(そのせいでクラスからはハブられていたんだけど…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 色々予定外でした

 

「もう一度聞くけど何が起きるか知っていたの?」

 

「勿論!と言っても忘れていたことも多々あるけどな」

 

「ふーん。だからあの時迷宮に行かないでくれって言ったのか」

 

「あの時?ああホルアドでのことか。そーだよ。結局止めることはできなかったし、あの時は天之河である俺が何もしなければいいって楽観視していたからな」

 

「天之河が?」

 

「んーっとあの時南雲が奈落に落ちるまでの原作の流れなんだけど、天之河が勘違いを発揮して天翔閃を使って迷宮の壁を破壊しちまうんだ」

 

「アイツ正真正銘の馬鹿だろ。なんで迷宮でそんな大技を使うって、あーだから天之河が何もしなければよかったという事なんだね」

 

「そういう事。結局坂上が壊したけどな…上手くいくと油断はしていたんだけど結局原作通り、本当この世界はどうなってんだが」

 

 

 

 

 

 

 

 

 当事者からしてみれば結構大変

 

「そういえば新しい町に着くたびによく絡まれていたけどあれも必然だったのかな」

 

「あー原作でもよく絡まれていた。やたらと女の子の可愛さを強調して主人公が撃退するシーンが一杯あったな」

 

「やっぱり…ってことでもないか。ユエ達可愛いし」

 

「だな。当時は主人公tueeeのためかと思っていたけどそれと関係なく来る連中もいるからな」

 

「どっちにしろ迷惑な話だよ。まったくなんで強さっていうのを測ることができないのか」

 

「この世界の人間って意図的に考えなしにされているのが多々あるからね。そのせいかも」

 

「はぁいくら主人公の強さを披露していたくても雑魚じゃダメじゃん。本当に迷惑な話だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 ヒロインについて

 

「で、主人公がハーレムを作ったって話なんだけど…」

 

「お!?やっぱ誰がヒロインか気になるのか?男の子だなぁ~」

 

「うるさい」

 

「ははは、そうむくれるな。そーだなメンバーはユエ、シア、ティオ、香織がメイン。サブに畑山先生、リリアーナ姫、ミュウの母親のレミア、あとついでに八重樫もそうだったな。おまけに園部は愛人枠だったっけ?」

 

「多っ!ってちょっと待って!メインはまぁ置いといてサブの方メンバーが変じゃない!?特になんで先生と八重樫さんがヒロインになっているの!?」

 

「まぁまぁ落ち着け。慌てない慌てない。順番に話すからそう焦るな。ユエは分かるな?」

 

「うん、僕が一人だけだったらと考えるとそうなるよね」

 

「そゆこと、シアも同じだな」

 

「自分と家族を助けた人間なら惚れるのもやむなしかな?ティオは?」

 

「…正直分からん!」

 

「えぇー」

 

「んなこと言われてもーア○ル開発をしたからか?あそこら辺怒涛の展開で正直よくわかっていないんだよな」

 

「好きな小説ならもっとよく見ようよ」

 

「へいへい、で次は香織は論外でサブか…」

 

「先生に八重樫さんってどう考えてもおかしいよね?何で日本人なのにハーレム受け入れてるの?」

 

「…先生さんについてはあんまり言いたくはないな。先生さんから惚れられる為に清水が死んだようにしか見えなかったし」

 

「…コウスケって清水の肩をよく持つよね」

 

「アイツの境遇と思考こそが一般的なオタクって感じだからな。『主人公』より一番共感できるというか…」

 

「ん?」

 

「何でもない。恋する乙女の思考回路はよくわからんってことだ。次は八重樫だったな」

 

「いや本当に何で八重樫さんが僕に惚れるの?理由がさっぱりわからないんだけど」

 

「色々フラグを積み重ねていたからなー あ、多分人気投票していたらきっと上位に食い込むぞ。」

 

「なんで?」

 

「他の一目ぼれメンバーと違って明確に好意を持つまでの描写が細かいからなーなんせ大迷宮二つ分使ってまでの描写の細かさ!あれ絶対作者から気に入られているわ~」

 

(いやでも、本当に何でしれっとハーレムに入るの?香織さんは何も言わなかったの?独占欲が強いと思っていたんだけど?)

 

「んで次、リリアーナ姫は…ッチ」

 

「コウスケ?なんか殺意が漏れているよ」

 

「すまん。原因となったことを思い出したら心底ムカついてきた あの皇太子よくもあんな健気な娘を襲いやがって…必ずぶっ殺してやる」

 

(…その出来事が起きそうになったらコウスケに任せてみようかな、リリアーナ姫の事無自覚に好いているみたいだし)

 

「っとまた脱線してしまったな。最後のレミアだが…」

 

「ミュウのお母さんだね」

 

「ごめん俺あの人だいっ嫌いだわ」

 

「突然のカミングアウト!?」

 

「いやさ、惚れる理由がよくわからねぇんだわ。娘を助けただけで惚れるって流石にご都合が過ぎない?なんか理由があまりにもなさ過ぎて逆に怖すぎるわあの人。別に失くした旦那の事をずっと想ってろと言いたいわけじゃないんだけど…ちょっと尻軽って感じてな。したたかな女の側面を見ているようで気味が悪い」

 

「…あのさコウスケ」

 

「分かっているよ。原作のレミアとここにいるミュウのお母さんは同一の存在だけど別人だってことぐらい」

 

「それ、ほかの皆にも言えることだからね。コウスケにとっては原作っていう物があっても僕たちにとってはそんな物ないんだから重ねて見られるのは中々不愉快だってことをちゃんとわかっていてよ」

 

「ああ、難しいけど、肝に銘じておくよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 ハーレムについて

 

「そもそもの話だけどさ、コウスケの話を聞いているとコウスケってハーレム嫌いだよね」

 

「直球だな!?確かに…俺ハーレム物は好きじゃないな」

 

「なら何でハーレム物を見ていたの?主人公が女の子にもてまくるのは必然なのによく読もうと思ったよね。アンチ?」

 

「違いますー 序盤がさ、凄く面白かったんだよ。自分の才能と言う天職に数字化されたステータス。最弱主人公が奈落に落ちて死に物狂いで最強になる。なんか心惹かれないか?」

 

「まぁ確かにカタルシスを得やすいよね」

 

「主人公はいろんな武器や兵器を使い異世界からの帰還を目指すっていうのが当時はど嵌りしたもんだ」

 

「んでそんな主人公が女の子にモテていくのが気に入らなくなったと」

 

「うっ、はい、そんな感じです。モテるのは百歩譲っていいとしてユエ一筋と言ってたのが他の女の子を受け入れるなんてよー。もっと一筋を貫いてほしかったなーはぁー本当に序盤は楽しかったんだけどなぁー」

 

(そこまで褒めて貶すなんていったいどんな小説なのやら…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そもそも本当に好きなの?

 

「さっきから話を聞いてて思ったんだけどさ」

 

「うん?」

 

「その小説『ありふれた職業で世界最強』だっけ本当に好きなの?なんか聞いていると不満がいっぱいに聞こえるけど?」

 

「好きだからこそ不満点も出てくるわけよ。色々ツッコミどころ多かったしなー」

 

「それにしても不満多くない?」

 

「…実はありふれについて語れる人が周りにはいなくてさ。ずっと原作の事をため込んでいたんだ」

 

「確かに、好きなものについて話せないのは辛いけど」

 

「んで、南雲は話について行けるじゃん?当事者でもあるし…だから色々と吐き出したかった。なんかごめん」

 

「話をしてくれるのはいいけど、原作を僕読んでいないから大したことは言えないからねー」

 

 

 

 

 

 

 今後について

 

「所で南雲今後についてなんだけど」

 

「ちょっと待て、悪いんだけど今後何が起きるかは言わないんでほしいんだ」

 

「なして?」

 

「変な言い方になるけどさ、教えてもらってその通りに動くのってなんか癪に障るような気がするんだ」

 

「ふむ」

 

「手のひらで踊らされているというか…決められた通りに動かないといけないような感じがすると言うか」

 

「うーむ確かに」

 

「それにこれからどんな事が起きるのかってなんだかワクワクしない?」

 

無謀(チャレンジャー)だなっていうかいつの間にそんな余裕を持つようになったんだ?」

 

「コウスケが話してくれたからだよ。という事で攻略本片手に安全ですべてのイベントが分かる旅をする気はないのでよろしく」

 

「よろしくって…いいのか?後悔するかもしれんぞ?あの時こうしていればよかったって」

 

「そうかもね、でもそんな事が起こらないようコウスケがフォローしてくれるんだろ。全力で頼るからね」

 

「し、仕方ねぇな~分かった今後のことはできる限りやってやんぜ!」

 

(チョロイなーでもまぁ僕も色々準備しないとね)

 

 

 憧れの海人族?

 

「んで、なんだかんだでエリセンまで来たけど海人族はどうだ?」

 

「どうって?」

 

「お前ホルアドで言ってただろ?人魚は男のロマンだって、熱く語っていたのに無反応に近くないか?」

 

「あーそういえば言ってたねー…どうだろ。確かにミュウのお母さんとかは美人なんだけど…」

 

「なんだけど?」

 

「仲間の女性陣のレベルが高すぎてどうしても比べちゃう」

 

「あー確かにあのレベルを求めるのは海人族には酷だよなぁ」

 

「もしかしたら芸能人みたいな物かもね。近くで見てみると驚くほどじゃなかったとかそんな感じかも」

 

 

 

 

 

 

 ユエ編

 

 当作品のユエは良く笑います

 

「んー」

 

「私の顔を見てどうしたのコウスケ」

 

「ユエってさ良く笑うじゃん」

 

「?そうなの」

 

「そうだぞ。特に香織達といると嬉しそうだ。よくコロコロ表情が変わって可愛いなぁーと」

 

「……」

 

「お?赤くなった。照れているのか?そういういじらしさが男心をつかむんだよな。この魔性のロリッ娘」

 

「…ぬぅ『嵐帝』!」

 

「ふっ 効かぬわぁ!」

 

「!?」

 

「はっはっは いつもいつも対策をしていないと思ったら大間違いよ!重力魔法は俺と共にある!ユエの行動パターンなんてお見通しよ!」

 

「…イラッ」

 

「んん~無駄だと言っているのが…ちょっと待ってユエさん。何その右手に火の玉と左手にある氷の弾は…はっもしかして!」

 

「ハジメから教わった魔法…『極大消滅呪文(メドローア)』!」

 

「うぉぉおお!!あんの馬鹿一体何を吹き込んだんだよチクショー――!!」

 

「ふっ悪は滅びるが定め」

 

 

 

 

 

 

 

 

 ユエは小さい

 

「コウスケ」

 

「んーどうした」

 

「私は大きくなれるのかな」

 

「いきなり何を!?」

 

「皆大きい」

 

「た、確かに他の女性陣はご立派なものをぶら下げているが…って待てよ、どうしてそれを俺に聞くんだ?シアとかに聞けよ。新手のセクハラか?」

 

「シアやティオに聞くのは屈辱」

 

「分かんねぇ…まぁいいや俺もその手の知識はよくは知らないからなぁ」

 

「むぅ」

 

「そもそもユエはそれでいいんじゃない?ロリのくせに巨乳ってのはアンバランスだからな。今のままが十分だよ」

 

「…頭を撫でながらそんな事を言わないで」

 

「子ども扱いは嫌ってか?もっと身長が伸びてから言うんだな」

 

「ぬぅ年下が背伸びしおって」

 

「はははは、お互い様だ」 

 

 

 

 

 ユエ先生の称賛

 

「ところでユエさんや」

 

「なに」

 

「香織の訓練をしていると聞いたがどんな事をしているの?」

 

「攻撃から身を守るための訓練を重点的にしている」

 

「ほうほう」

 

「香織は回復役。狙われる確率が高い。だから何としてでも生き延びる為にひたすら回避運動と防御の魔法の訓練をさせてる」

 

「なるほどねー香織ちゃんさえ立っていられれば俺達も立ち上がることができるからね」

 

「ん、でも香織はすごい」

 

「お?」

 

「私の魔法やシアの攻撃が直撃しても歯を食いしばって立ち上がってくる。あの根性は凄い」

 

「直撃って…」

 

「香織は平和な世界の出身。ハジメやコウスケの様に地獄で鍛えられたわけでもないのにあの精神力は称賛に値する。恋する乙女は強い、私も見習わないと」

 

「ユエがここまで褒めるとは…香織ちゃんマジパネェ」

 

 

 

 

 

 

 

 シア編

 

 メメタァッ!

 

「最近…」

 

「んー」

 

「最近私の出番減ってませんか?」

 

「いきなり何をおっしゃいますかこのうさ耳は」

 

「気のせいかもしれませんが話をしている事が少なくなっているような気が…」

 

「一体何の話だ?」

 

「別にかまわないんですけど、ちょっと空気化が進んでいる気がしただけですぅ」

 

「だから何の話だよ」

 

 

 

 

 

 海鮮物は怖い

 

「コウスケさんまたホタテやイカを残しましたね!」

 

「えぇー良いじゃんか別によぉ~食べなくても人は生きていられるんだぞー」

 

「屁理屈を言わないでちゃんと食べるんですってば!子供ですか!」

 

「ぶーぶー」

 

「好き嫌いはよくありませんですぅ!」

 

「うぅー分かったよ食べるってば」

 

「よろしい! 別にアレルギーって訳でもないのにどうして食べないんですか?」

 

「クトゥルフ動画をよく見ていたからかな?魚は大丈夫なんだけど蛸とかがなぁ…なんか怖いんだ」

 

「???よくわかりませんが好き嫌いは駄目ですよ」

 

「はーい」

 

 

 

 

 お土産

 

「シアまた買い物に行ってきたのか?」

 

「はいですぅ。この街は海の幸がいっぱいで新鮮なものばかりですからついつい買ってしまうんですぅ」

 

「まぁお金は大量にあるし宝物庫にぶち込めるけど…なしてそんなに買い込むの?」

 

「えっと…恥ずかしい話なんですけど私たちハウリア族って海の幸を食べたことはないんですぅ」

 

「森が故郷だからね。当然っていえば当然だ」

 

「だから父様たちに食べさせることができたらなぁって思って」

 

「…尊い」

 

「はい?」

 

「めっちゃええ娘やん。よっしゃおっちゃんも協力したろやないか!」

 

「え?ええ?」

 

「よし!それじゃこの市場にある魚を買い尽くすか!ヒャハッーー!!全部強奪じゃーーー」

 

「ちょっ!ちょっと待ってくださーい!そんなに要らないですぅー!!」

 

 

 

 

 

 

 シアは嬉しくて仕方がない

 

「最近シアってミュウのお母さんとよく話しているな。気が合うのか?」

 

「はい!穏やかな人で話をしていると楽しいんですぅ。コウスケさんも交じりますか?」

 

「俺はノーセンキューしておくよ」

 

「???でも本当に楽しいんですよ?お買い物のコツとか物を品定めるためのコツとか値引き交渉や人の持ち上げ方どれもこれも勉強になるですぅ」

 

「そ、そうか」(やべぇ…シアがなんかおばちゃん化している!?)

 

「他にも料理の隠し味や人の好みに合わせる方法なんて最高に楽しいですぅ!」

 

(うさ耳がバタバタしている…本当に楽しくてテンションが上がっているな)

 

「家庭的なことを教えてくれるのは非常に為になって面白いんですよ」

 

(あ…そっかシアのお母さんって…無自覚なんだろうけど…そっかそういう事か)

 

「?どうしたんですかコウスケさん。そんなはしゃぐ娘を慈しむ様な目をして…変ですよ?」

 

「あはは…俺の事は気にしないでミュウのお母さんの所へ行ってきな。まだまだ教わることは多いんだろ?」

 

「はい!それじゃコウスケさんまた後で!夕飯は期待していていいですよ!」

 

「おう!楽しみにしているよ」

 

 

 

 

(お母さんか…かーちゃんもとーちゃんもどうしてんのかなー不甲斐ない息子は異世界で何とかやっているから心配しすぎて体壊さないでくれよー)

 

 

 

 

 

 

 

 

 ティオ編

 

 違和感は多かった

 

「なるほどのう、だからコウスケは何かおかしいところがあった訳じゃな」

 

「やっぱ変だった?」

 

「うむ。ウルの町でハジメが町を救うかどうかと騒いでおった事覚えているかの?あの時妙に自信をもって救うと言っておったから妙じゃなと感じておったのじゃ」

 

「あーそうだよね。どうしても流れを知っていると確信を持った言い方になるからなー。違和感バリバリか」

 

「しかし今考えるとお主がしたことは結果的に良かったことかもしれんがの」

 

「そういってもらえると助かる。ほっんとあの時はそれが最善だと思って色々動いていたからな。中々大変だった」

 

 

 

 

 一体なんのために? 

 

「ふむ。しかしお主はいったいどうやってこの世界に来たのかのぅ?読み物の世界に召喚されるなぞ聞いたこともないのじゃ」

 

「うん?…確かに言われて見れば、どうやって3次元の俺を2次元に…て違った、この世界に召喚する事ができたんだ?目的は?何のために?」

 

「ついでに付け加えるのなら一体誰がともいえるのじゃ」

 

「誰がって…糞エヒトじゃないのか?」

 

「もしそうだとしたら何のために?」

 

「うーん俺がいろいろ悩むのを愉悦するため?…なんか違うな」

 

「ふむ理由が見えてこないというのは中々厄介じゃのう」

 

「うーーーん理由かぁ そういえば憑依物で明確な理由づけされている作品って少ないしなー俺ももしかしたらちゃんとした理由なんてものはないのかもな」

 

(…そうか?本当に偶然この世界に来たとお主は思うのか?…こう言ってはなんじゃがハジメの旅に同行するお主は無自覚じゃろうがまるで…)

 

「ティオ?」

 

「ん、何でもないのじゃ」

 

 

 

 

 

 そういえば

 

「気にしないようにしていたんだけど聞いていいティオ?」

 

「ん?なんじゃコウスケ改まって」

 

「ぶっちゃけ尻の具合はどう?香織が加わってからずっと俺はノータッチだったんだけど」

 

「ど直球じゃのぅ、うむ最近は香織の治療のおかげでムズムズすることはなくなってきたの。快復して嬉しいような寂しくなったような変な気分じゃがまぁ時期に落ち着くじゃろ」

 

「良かったー。ずっと気にしていたんだよ。どうなるのか知っていたのに何もできなかった身としては申し訳なくて仕方がなかったんだよ」

 

「それほど気にする必要はないんじゃが…責任感が強い奴じゃ」

 

「いや普通女の人に変な性癖目覚めさせてしまったら責任感じるだろ……あ!?」

 

「?どうしたのじゃ」

 

(そういえばどМってティオのアイデンティティじゃねえか!アイデンティティが無くなっちまったティオってどうなるんだ?どうなっちまうんだ!?)

 

「コウスケ?」

 

(嫌でも治せるものなら治した方が良いだろ?俺間違ったことはしていないよな?…こればっかりは分からないな)

 

「ふ―む何を悩んで居るかはわからぬが妾は治してくれて感謝しているぞコウスケ。ありがとうなのじゃ」

 

「ティオ…」

 

(でもキャラが薄まったような気がするのは気のせいですかねぇ…)

 

 

 

 

 

 

 香織編

 

 わだかまり解消?

 

「と言う訳でゴメンね。香織ちゃん。俺南雲を助けることができなかったんだ」

 

「そんな事…いえ、ハジメ君が気にしていないなら私からは何も言わないよ。思う事はあるけど…」

 

「うむむ。これから頑張るからそれで帳消しにしてくれる?」

 

「ううん。そんな事を言わないでこれからもハジメ君と一緒にいてくれれば私はそれでいいの。コウスケさんと一緒にいるとハジメ君本当に楽しそうだから…」

 

「ぬぅ。そー言われると複雑だが…って何弱気になっているんだ香織ちゃん!そこは『私のハジメ君に近づかないで!この糞ホモ野郎!』っていうぐらいの啖呵を切らないとだめだぞ!」

 

「えええ!?ホ、ホモって…コウスケさんそんな人だったの!?」

 

「違うわい!俺はノーマルじゃ!でもそれぐらい言ってくれなきゃあのヘタレ野郎の女たらしの彼女になるのは難しいんだぞ!しっかりしてくれよ!」

 

「彼女…が、頑張ります!」

 

 

 

 

 

 恋する乙女を激励する

 

「そもそも香織ちゃんもっと頑張ってくれないと俺が2828できないじゃないか」

 

「2828って…」

 

「俺さ、好きなカップルが幸せそうにしているのを見て砂糖をうぇ~って吐きたい人種なの。別名カップル厨って言ってもいいけどさ、とにかく甘酸っぱい青春を見るのが好きなんだ」

 

「カップル…」

 

「正直今の君に恋敵はいない。南雲のヒロイン枠は君でおさまっていると断言してもいい」

 

「はっ!?そういえば原作っていうところではハジメ君はユエやシアに告白されているんだった!」

 

「その通りよ。しかし恋敵はいない。ならば焦る必要はないとしても、ゆっくりじっくり確実に南雲を攻略しなければならない」

 

「(;゚д゚)ゴクリ…な、なら既成事実を…」

 

「だから焦るなって言ってるでしょ!この馬鹿チン!」

 

「ひゃう!」

 

「いいか?童貞はな、好意をむき出しにしてくる美少女がほしいとは思いつつもいざ好かれると驚いて疑心暗鬼になっちまうんだ」

 

「ふむふむ」

 

「『この子は俺が好きなの?いやぁまっさか~どうせからかって馬鹿にするんだろ』見たいな感じでな」

 

「むぅ!そんな気持ちは一つも持っていないよ!」

 

「香織はそう思っているかもしれなくても相手がそう感じてしまったらおしまいだ。なんせ全ての行動が裏目に出ちまうからな」

 

「ならどうすれば…」

 

「簡単だ。さっき言ってたこととは矛盾するかもしれんが少しづつ少しづつあなたが好きっていう態度を出すんだ」

 

「でもそれじゃあ!」

 

「焦んな。男って生き物は馬鹿なもんでさ、女の子のさりげない動作をすぐに勘違いするんだ『お!?コイツ俺に気があるんじゃね!?ウッヒョーモテる男はつらいねぇ~』って感じにな」

 

「さりげない行為…手をつなぐとか?」

 

「フム悪くないかもしれんがちっと急ぎすぎかもしれん。そこはさりげなく上目遣いがいいかもな。…いいか香織。絶対に焦らずに確実に距離を縮めていくんだ。獲物を狙う蛇や息をひそめ狩りの瞬間を待つライオンの様に!」

 

「うん分かったよ!絶対にハジメ君をモノにして見せる!」

 

「いようし!よくぞ言った!それでこそ突撃天然美少女香織ちゃんよ!」

 

 

 

 

 

 ルートはもう入ってます

 

「あ!そういえばハジメ君が顔を腫らして帰ってきた時なんだけど」

 

「う!それ俺のせいじゃん!青春の一ページとは言え悪いことしちゃったな」

 

「それについてはハジメ君は気にしてないから問題ないよ。嬉しそうだったし」

 

(嬉しそう?…アイツ、マゾの可能性があるのか?)

 

「えっと多分違うよ?コウスケさんと分かり合えてうれしかったって言ってたよ」

 

「…アイツなんでそんな恥ずかしい事言えるのかな」

 

「照れているところ話を戻すけど、その時私ハジメ君と会話することになって」

 

「ふむ」

 

「それでミュウの家まで送ってくれたときにいきなりハジメ君に頭を撫でられたんだ」

 

「マジかよ!?」

 

「なんか壊れ物を扱うような感じで…思い出すと恥ずかしいけどちょっと気持ち良くて…えへへ」

 

「香織!惚けている場合じゃないぞ!こりゃあ脈ありだ!」

 

「本当!?」

 

「おう!間違いねぇ!何かしらの心境の変化があったのかもしれんが…へっへっへ隙を見せたな!なぐもきゅ~ん!」

 

「脈あり…えへえへへ」

 

「ふぃひひひ…今に見てろよてめえのすまし顔!真っ赤なゆでだこにしてやるからなぁ!」

 

 

 

 

 

 どうして?

 

「所でなんでそんなに私の恋路に協力してくれるの?」

 

「んん?そんなにおかしいか?」

 

「ううん。そうじゃなくて…どうしてそこまで応援してくれるのかなって」

 

「んーあんまり言いたくないけど…別にいっか」

 

「?」

 

「実は俺さ原作で一番好きなキャラが序盤の南雲と白崎なんだ」

 

「む、違う世界の私達を好きって言われると変な感じ」

 

「すまんな。ともかく、あの初心な感じが好きだったんだけど…白崎は不憫属性だがなんだがと言って当て馬みたいなキャラになっちゃって…」

 

「…」

 

「俺の好きなヒロインにはならなかったんだよなーまるでハーレム要員のための都合のいい女みたいでさ」

 

「なんか違う世界の私だけど悲しいね」

 

「あの子はそれでも幸せそうだったがな…でもやっぱ変だろ?惚れている女の子全部蹴落として一番になるっていき込んだ女の子がいつの間にか親友の八重樫さえもハーレム要員になるのを許容しちゃってさ。なぁ香織」

 

「なに」

 

「もし八重樫が南雲の事を好きだって言ったらどうする?」

 

「絶対に渡さない。いくら親友でも共有するなんてありえない。雫ちゃんは私の大事な人だけどそこだけは絶対に譲らない。何があっても」

 

「だよなぁ。だからその八つ当たりも含めて南雲と香織ちゃんには幸せになってほしいかなって」

 

(…でも、それだけだったら悲しいなぁ)

 

「無論それだけじゃないよ。それはあくまで動機であって今はただ君と南雲が幸せにいちゃついているところが見たいんだ。すっごくね」

 

(あとはまぁ自分が体験する事ができなかった彼氏彼女関係をまじかで見てみたいと言う物もあるけど…これは藪蛇かな)

 

「…ふふ、コウスケさんって変な人なんだね」

 

「まぁね。というわけでそんな変人に応援されることになった香織ちゃん頑張って南雲を幸せにするんだよ」

 

「はい。でも」

 

「ん?」

 

「コウスケさんもちゃんと幸せになってね。じゃないと私もハジメ君も心の底から笑う事ができないから」

 

「…うん。善処するよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(所でさっきまでの会話全部聞こえているんだけど…隠れていた僕が言うのもなんだけどさ、2人とも注意力散漫じゃない?…はぁどうしよう本気で迫られたら絶対にコロッと落ちるよね僕)

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ちなみにまだ続きます
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