リクエスト作品「テーマ:志希担当のPが美玲たそのライブにプライベートで行ったことが志希にバレてクスリ飲まされて軟禁される話」 作:一反目連
原作:アイドルマスター
タグ:残酷な描写 アンチ・ヘイト 一ノ瀬志希
このようなダーク、ホラーな文章は書くことが初めての試みだったので上手く書けたというわけではありませんが、頑張りました。
……うん、まあ、作者自身化学得意なわけじゃないし、ダークな作風もこれが限界です。
こんな駄作でよければ、どうぞ。
その日は静かな朝だった。
346プロでプロデューサーを務めている俺は、いつの間にか寝落ちしていたのか、事務所の一室で目を覚ました。
「うん……? 朝か……仕事、やらなきゃな……」
手早く身支度を済ませると、時計は午前6時を指している。そして事務所のトレーニングルームに向かい、扉を開ける。
「よーし、おはよ……って、誰も居ないな?」
部屋の中はがらんどうで、アイドルだけでなくトレーナーの姉妹も、誰一人居ないようであった。
「別の部屋か? 取りあえず、探してみるか……」
そして探し始め――誰かに会うことなく、1時間が経過した。
「おーい、志希? 何処に居るんだー?」
事務所をあちこち歩き回ってもアイドル達の姿が見えず、サポートを務めてくれるちひろさんの姿も確認できない。何故かプロデューサーである俺だけが一人、事務所に残されているようなのだ。
「まったく……一体どういうことだ、これは?」
事務所の普段仕事をしている一室、そこで言葉を漏らすと同時に携帯電話が鳴る。仕事用のものではなく、プライベートな用件のための携帯電話である。画面には『一ノ瀬志希』という、自分にとって見慣れた――担当アイドルの名前が表示されていた。
「志希の方から電話が来るのは珍しいな……志希、どうした?」
《にゃはは~♪ プロデューサー、質問したいことがあるんだけど……良いかにゃ~?》
「……? 別に、構わないが……」
《じゃあ早速――この前、なんであたしのデートを断ったのかな~?》
そこで一昨日の昼頃、志希は「明日一緒にお出掛けしようよ~」と言ってきたのを思い出す。
「デートって……ただのお出掛けの誘いだろ? その時も言ったが、大事な用事があったんだよ」
《ふ~ん……じゃあ、2つ目の質問。その用事ってなんなの?》
「プライベートな事だ。担当アイドルであっても、そうそう言うことじゃないさ」
俺の言葉に、志希は間延びした声で相槌を打つ。なにか、嫌な予感がする。
《じゃあ、これで最後の質問にしてあげる……ねぇ――
背中に氷柱でも入れられたような、強い寒気を感じる……背中をつたう冷や汗すらも、謎の感情が邪魔してろくに認識できない。俺は口を開き、震える声で志希に問いかける。
「い……いったい、なんのこと、だ……?」
《にゃははは~、志希ちゃんに不可能は無いんだよ? 仕事用の携帯、開いてみて?》
恐る恐るポケットの中にある仕事用携帯に手を伸ばし、開く。待ち受け画面には、自分の設定した覚えの無い一枚の写真――俺が美玲のライブに行き、美玲と談笑している姿が写し出されていた。
「こ、これは……!」
《志希ちゃん、悲しいな~……勇気出してデートに誘って、用事があると断られて――その用事が、別の子のライブに行くこと、だなんて》
ようやく気付く。普段の志希の声ではない……言葉では笑っていても、本心から笑っているわけじゃないような……そして、自身の感覚を鈍らせていた謎の感情は……!
《ねぇ、プロデューサーくん……後ろ、振り向いてみて?」
――『恐怖』だ。
振り向いた先には、普段と同じように学生服に白衣を身につけた、笑顔の志希がいた。さすが現役のアイドルなだけあってその笑顔は可愛らしいものだが……いかんせん
「っ!」
俺は即座に部屋の扉へ走る。このままでは、いったい何が、どのようになのかは分からないが……危険だ!
「
志希が言葉を放つと、まるで王の命令を聞く臣下のように自らの体が動きを止める。困惑する俺に、志希は優しい声で言葉を紡ぐ。
「――『エンジェル・トランペット』って知ってる? 南アメリカ原産の植物なんだけど」
……しかし、その言葉は俺の混乱を助長させるだけのものだった。
「その植物には毒性があり、毒成分は
気づけば、体が倒れこんでいる。意識は朦朧としており、口からは意味をなさない声が漏れ、今自分がどうなっているか、正しく認識できているかが分からない。ただ、不安感と恐怖だけが募ってゆく。
「だいじょーぶ! これは医療現場でも効果的な抗鬱剤としても使われるものだし、用量はきちんと守ったから~♪ ……次に目が覚めたら、もう何も心配しないでいいよ。そう、美玲ちゃんみたいな他の子に目移りしない、志希ちゃんのことしか考えれない――あたしの理想のプロデューサーになってるからね」
その言葉の意味を理解する前に、俺の意識は闇へと落ち……そのまま戻ることはなかった。
「プロデューサーくん、ただいま~♪」
「ああ――お帰り、志希」
あたしが家に帰ると、プロデューサー――いや、
「志希、今日のレッスンはどうだった?」
「ん~、いつも通りかな? 志希ちゃんはいつでも、絶好調だよ~♪」
「そうか……志希。俺は、志希がこんなに遅くまで頑張ってるのに……ここで待つことしかできない。そんな自分が、悔しいんだ」
くんは本当に悔しそうに、悲壮に満ち溢れた表情でそう告げる。
「……だいじょーぶ! 志希ちゃんはプロデューサーくんが居るだけで元気百倍、何だってできるんだからね~♪」
「……そうか」
あたしの言葉にようやく くんは笑顔になる。その笑顔を見るとあたしも心がポカポカしてくる。
――ああ、幸せだなぁ♪