A「あら~、同じクラスの関取さん。おはようございます」
B「あの力士じゃないんで、番付で呼ぶの止めてもらえます?クラスって相撲部屋っていう意味じゃないんで」
A「ごめんなさい。あなたの息子さんがいつも泥まみれだったものでてっきり」
B「てっきりってなんだよ。泥まみれだからって相撲でもやってると思ったんですか?うちの息子が野球やってるのあなたも知ってるでしょ?」
A「ええっ!?あれって野球だったんですか!?この前土俵の上でのたうち回っていたじゃない!」
B「だから力士じゃねぇよ。なんだよ土俵の上でのたうち回るって。マウンドのこと土俵って言う人初めて見た」
A「うちの子も野球やってるんですけど、四十肩で痛めてるんです」
B「あんたの息子いくつだよ。四十肩っておっさんがなるやつだぞ」
A「ボールを取る度に『ヨッコラショ』とか言うんですよ。笑っちゃいますよね~」
B「だからおっさんじゃねぇか。草野球じゃないんですよ。あのぉ、あなたの息子さん小学生ですよね?」
A「はあ!?うちの息子が少年院に入ってるとでも仰りたいんですか?」
B「言ってねぇよ。ほら、あなたの息子さんがマウンドに立ってますよ」
A「どうしてなの!?ピッチャーなんてやらされてるなんて許せないわ!うちの子は猫背なんですよ!」
B「はぁ、そのうち直るんじゃないですかね。それならどのポジションが良さそうなんですか?」
A「キャッチャーよ。いつもしゃがんでいれば猫背なんて気にならないでしょ?」
B「あんたはキャッチャーをなんだと思ってるんだ?猫背しかなれないとでも思ってるのか?」
A「あなたの息子さんなんてベンチでのほほんと座ってるだけじゃない!」
B「しょうがないでしょ。怪我してるんだから」
A「ならどうして首に白いマフラーなんて巻いてるのよ!」
B「包帯だよ!白い包帯を巻いてるんだよ!」
A「それにメガホン持ってヤジまで飛ばしてるじゃない!」
B「応援してるに決まってんだろ!どこに味方のピッチャーにヤジを飛ばす奴がいるんだ!」
A「チャンスでうちの子に回ってきたわ!」
B「ヒットが出れば逆転できそうですね――あっ、二塁ランナーが盗塁した。更にチャンスが広がりましたよ!」
A「どうして、どうしてなの?そんなにうちの子が信用できないっていうの?」
B「違いますよ。そういう作戦なんですよ」
A「ふざけないで下さい!うちの子は打球を真上に打つのが得意なんですから!」
B「それキャッチャーフライですよね?真上に打つのが得意なのって監督とかコーチぐらいでは?」
A「だって真上に打てばランナーが帰ってこれるじゃない」
B「これません。そんなルールありません。なんかさっきから勘違いしてません?」
A「そんな……うちの子に相撲でもとれって言うの?」
B「言ってねぇよ。もういいよ」