漫才とコントのネタメモ   作:公私混同侍

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こんな結婚式のスピーチは嫌だ

A→ボケ

 

B→ツッコミ

 

 

A「ところでもうすぐ結婚のシーズンだよね」

 

B「話の入り方が雑すぎ。急にどうした?」

 

A「いやあ、結婚といえばスピーチがあるじゃん?」

 

B「まあ、定番だな」

 

A「もし、僕がスピーチを頼まれたらどんな話をしようか考えてたんだ」

 

B「誰もお前なんかに頼まないと思うけど」

 

A「それじゃあ、僕がスピーチするから直した方がいい所を指摘して」

 

B「そんなにやりたいのね。まあ、いいけど」

 

A「――えー、ごほんごほん……うっ、げほっげほっ!ぶぉぇぇぇー!」

 

B「あーあ、緊張し過ぎてむせちゃったよ。しかも吐きやがった」

 

A「失礼しました。大変うっぷうっぷな姿をさらしてしまい申し訳ありません」

 

B「そこはアップアップな。うっぷうっぷだとまた吐いちゃうように聞こえるから」

 

A「えー、ヤマト君とナデシコさん、ご結婚おめでとうございます」

 

B「名前が実に古風だな」

 

A「あっ!間違えた!顔の平たいヤマトさん――」

 

B「そこ付け足す必要ないだろ。顔の平たいって絶対バカにしてるよな」

 

A「小綺麗なナデシコさん――」

 

B「なんか嫌みっぽくね?」

 

A「並びに偏屈なご両家――」

 

B「ただの悪口だろ」

 

A「ただ酒が飲めると騒ぎまくるご親族の皆様――」

 

B「確かに」

 

A「心より御祝い申し上げます」

 

B「嘘つけ!さっきまで悪口ばっかりだったじゃねぇか!」

 

A「ただいま紹介に預かりましたヤマト君の友人の友人のカイダと申します」

 

B「どっかで聞いたことあるな」

 

A「本日は友人の友人を代表いたしまして、御祝いの言葉を述べさせて頂きます」

 

B「友人の友人ってもはや他人だろ」

 

A「ヤマト君は小学生の時からの幼馴染みで運動神経が良く、特に野球が好きでしたね」

 

B「ヤマト君、野球が得意なのか」

 

A「僕とヤマト君は素振り仲間で一番の友人でもあります」

 

B「素振り仲間って何?普通キャッチボールじゃないの?」

 

A「あっ!アハハハ、決して下ネタではありませんよ?」

 

B「わかってるわ!式場が変な空気になるじゃねぇか!」

 

A「ナデシコさんは小学四年の時に引っ越して来ましたね」

 

B「ナデシコさんは転校生だったのか」

 

A「あまりクラスに馴染めず、いるのかいないのか分からない。そんな雲の上の人の様な存在でした」

 

B「どんな褒め方だよ!ナデシコさん可哀想だろ」

 

A「あっ!アハハハ、決して新郎の隣にいるのは幽霊ではありませんよ?」

 

B「やかましいわ!何上手いこと言えたみたいな表情してんだ!」

 

A「そんな二人の運命の出会いは大学の新入生歓迎コンパでした」

 

B「新歓コンパ?そんな話聞きたくなかったよ……」

 

A「ヤマト君はお酒に弱くすぐつぶれてしまいたしたが、ナデシコさんはお酒を飲むに飽きたらず頭からビールを浴び始めました」

 

B「俗に言うビールかけだな」

 

A「ヤマト君はそんな男前なナデシコさんに一目惚れしました」

 

B「あっそう」

 

A「そして二人はなんやかんやで結婚に至りました」

 

B「はしょり過ぎだろ。なんやかんやで済ますなよ。一番重要じゃねぇか」

 

A「最後になりますが、夜の素振り仲間がいなくなると思うと少し寂しい気もします」

 

B「しつけーな!いい加減下ネタから離れろ!」

 

A「アハハハ、でも相手も幽霊みたいなものだから目くそ鼻くそですね」

 

B「言い方があるだろ!そもそも何が目くそ鼻くそなんだよ!」

 

A「つたない話ではありますが、御祝いの言葉とさせて頂きます」

 

B「つたな過ぎだよ!いい加減にしろ!」

 

A「どうもありがとうございました!」

 


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