A→ボケ
B→ツッコミ
A「以前話したんだけど……」
B「ああ、コンビを解散したいって話だっけ?」
A「うん」
B「Aは解散したら何するの?」
A「ラッパーになろうと思うんだ」
B「へぇー、いいじゃん」
A「それでさ、色々考えてきたから聞いてもらいたんだけど」
B「ラップとかよく分かんないよ」
A「全然大丈夫!適当にツッコんでくれればいいから!」
B「ツッコミを合いの手みたいに言うなよ。しかも未練タラタラじゃないか」
A「じゃあいくよ?」
B「いつでもどうぞ」
A「――ヨウ!ヨウ!うちの実家はラーメン好きな面々集う!自慢の親父はイケメン!女も惚れる素直な半面、男も唸る意外な一面!座右の銘に『謝罪は御免』!長年愛用、スマホは『りょ』『う』『め』『ん』!好きな映画は
B「……」
A「どう?」
B「え?もう終わり?」
A「うん」
B「ああ……いいんじゃないかな、たぶん」
A「言いたいことがあるなら言ってよ」
B「ツッコム間がない」
A「あっ!ごめん!今度はゆっくりやるね」
B「やるのか……」
A「うん。じゃあいくよ?」
B「どうぞ」
A「――ヨウ!ヨウ!うちの実家はラーメン好きな面々集う!」
B「出だしは悪くないんじゃない?」
A「自慢の親父がイケメン!女も惚れる素直な半面!」
B「イケメンで素直って羨ましい」
A「男も唸る意外な一面!座右の銘に『謝罪は御免』」
B「謝らないってこと?素直じゃねぇじゃん」
A「長年愛用スマホは『りょ』『う』『め』『ん』」
B「どんなスマホだ。どうやって持つんだよ」
A「好きな映画はXメ~ン!イェー!」
B「お父さんの好きな映画はXメンなんだ」
A「ううん、違うよ。親父の好きな偉人がマルコムXなんだけど、ラップじゃ表現できないから仕方なく映画にしたんだ」
B「なにが仕方ないんだ!Xしか共通するところねぇだろ!」
A「もう一個いい?」
B「今度こそ頼むよ」
A「うん、じゃあいくよ――ヨウ!ヨウ!うちの家族は情熱あふれる熱帯部族!」
B「出だしは悪くないんだよ」
A「優しい祖父母は老体!愛する両親倦怠!」
B「『ぞく』で韻を踏むんじゃないんだ。ていうか情熱あふれてねぇじゃん」
A「過去に囚われる老人、江戸は参勤交代!取り残される若者、しかし世代も交代!」
B「相方こうたーい!」
A「独り善がりな教師の授業は眠たい!虚ろゆく景色オレは早退!」
B「反抗期かよ」
A「未来を憂う社会は停滞!身勝手な押し付け責任連帯!」
B「ニートの言い訳」
A「空気に流され周りは擬態!ゴーイング・マイ・ウェイなオレは個体!」
B「かっけー」
A「叱る親に楯突く愚息!拳を握る母は裸足!」
B「だからなんだよ」
A「ぶっ飛ぶ意識、過ち気づく!仁王立ちする姿は正に魔族!」
B「かーちゃんに謝れ」
A「そんなかーちゃん海兵たーい!イェー!」
B「海兵隊のかーちゃんに楯突いたのか。よく生きてたな」
A「ううん。かーちゃんは看護師だよ」
B「嘘かよ」
A「やっぱり向いてないよね……」
B「いーや、そんなことない」
A「ホントに?」
B「コンビは解散するけど、ラップ芸っていうのも悪くないかも」
A「えへへ、じゃあ二人でラップやろうね!」
B「相方こうたーい!」