迷宮に色んな力を持って挑むのは間違ってない...と思う 作:水凪刹那
太陽が燦々と輝く昼前。
ヘスティア様が出かけたあとしばらく経ってから
少し破れた服を直して、基本装備一式を付けて外に出た。
人通りで混みあっているメインストリートを小走りで走り抜ける。
このままダンジョンに行くつもりだがその前にシルさんに顔を見せてから行くつもりだ
ぶっちゃけまだ両腕は痛むし今は普段どうりに剣は触れないだろう
それにヘスティアとの約束もある。
強くなるのに近道は無いのだろう、無理をすればそのツケは必ず帰ってくる。
「ふぅ.....シルさん居るかな...」
『Closed』と札のかかったドアの前で一息つく
店の迷惑にならない程度にさっさと用をすまそうと『豊穣の女主人』
へと足を踏み入れた。
「申し訳ありません、お客様。当店はまた準備中です。時間を改めて起こしになっていただけないでしょうか」
「まだニャー達のお店はやってニャいのニャ!」
店内でテーブルクロスをかけていたエルフとキャット・ピープルの定員がすぐに気がついて対応してきた。
「あ、すいません。俺はお客じゃなくてですね...シル・フローヴァさんいらっしゃいますか?」
俺の言葉に少し目を丸くした二人はなにかに気がついたようにこちらを見る視線を改めた。
「ああぁ!シルの顧客ニャ!あの大食いの!ロキ・ファミリアに喧嘩ふっかけた女男ニャ!」
「貴方は黙っていなさい」
「ぶニャ!?」
「失礼しました。すぐにシルを連れてまいります」
「アッハイ」
エルフの店員が放った一撃が霞んで見えた...
ズルズルと引きずられていく獣人の少女を憐れみながら店内を見渡すとこの間見た時と様子が異なって、今は喫茶店のようだった
「アルトリアさん!」
階段を急ぎ足で降りてくる音がして、シルさんが店の奥から現れた
「この間は美味しいご飯をありがとうございました。」
「まさか、それだけのために来てくださったのですか!?」
「あ、ごめんなさい。迷惑な時間でしたよね」
「いえいえ!そんなことありません!また来ていただけて、それだけで私は嬉しいんです」
天使のような微笑みを向けられて少しドキッとしたのもつかの間シルさんは「少し待っていてください」と言いキッチンの方へ消える。
戻ってきたシルさんの手には大きなバスケットを抱えていた。
「今日もダンジョンへ行かれるんですよね?もし良かったら、貰って頂けませんか?」
「え?いいんですか?これシルさんのなんじゃ...」
「差し上げたくなったから...では、ダメですか...?」
そんなふうに首を横にかしげて照れくさそうに言われたら断ることなんて出来やしないじゃないですか...
「シルさんはずるい人ですね.....では、いただきます」
「はい、美味しく頂いてください。実は私の作ったものもあるんですよ?」
「それは、楽しみだ」
二人で笑い合っていると店の奥から女将さんが現れた。
シルさんに早く戻って店のことをするように言うと俺をじっと見つめて話し始めた
「.....坊主」
「なんですか?」
「冒険者なんてカッコ付けるだけ無駄な職業さ。最初のうちは生きることだけに必死になって食らいついていきな。幸いアンタには才能ってやつがあるみたいだしね、最後までその二本の足で立って歩き続けてみな。惨めだろうがカッコ悪かろうが生きて帰ってこりゃそいつにアタシが盛大に酒を振舞ってやる。ほら、勝ち組だろ?」
そう言って笑う姿を見れば「あぁ、確かに」
と、思うことの出来る。
ゆっくり堅実に1歩ずつ歩いていこう
そして。
大切なものを全部守れるくらいに強く!
「ここまであたしに言わせたんだくたばったら許さないからねぇ」
「もちろん。まだまだ、この店の飯を食べたいんです。死ぬわけには行きませんよ」
「はははっ!いいね!ほら、さっさと行きな店の準備の邪魔だよ!」
「また来ます!」と一言言って店を駆け出して俺は今日もダンジョンへ向かう
背中に感じる女将たちの視線がとても心地よかった
ヘスティアが出かけた友人のパーティ
『神の宴』と呼ばれるそれは【ガネーシャ・ファミリア】の本拠地【アイアム・ガネーシャ】で行われる
ヘスティアは持参したタッパーに日持ちの良さそうな料理を詰め込んでいく。
そんなヘスティアに声をかける影
「何やってんのよ...あんた.....」
「むぐ?むっ!」
振り向く先にいたのは紅い髪に真紅のドレス
飾り付ける必要のない美貌に耳につけたイヤリングが力負けしている
「ヘファイストス!良かった!やっぱり来てたんだね!ここに来て正解だったよ!」
「なによ?言っとくけどお金はもう一ヴァリスも貸さないからね?」
「し、失敬な!」
ヘスティアはヘファイストスに対して借りがあるのだが...
それがなんとも大きすぎるのだ
ヘスティアが下界に来てアルトリアが眷属になるまでヘファイストスのところでずっとニート生活をしていたのだ
それに我慢の限界が来たヘファイストスがヘスティアを追い出してあの廃教会の場所を教えたのだ
「むぐぐ...確かにボクはヘファイストスに頭は上がらない...だけどこれはボクからの最後の頼みだ。このお願いはボク個人のではなくボクの眷属の為の頼みなんだ!」
「ヘスティアの眷属って言うと話に聞いてたあの金髪の?」
「うん!」
ヘスティアがお願いの本題を出そうとした時
コツコツと靴を鳴らす音がヘファイストスの後から近づいてきた
「ふふ...相変わらず仲がいいのね」
「え.....ふ、フレイヤ!?な、なんでここに!?」
「あら?いたら行けないのかしら?」
「う、うぐ...ボクはキミが苦手なんだ...」
「うふふ、あなたのそういうところ私は好きよ?」
ヘスティアはフレイヤのことを苦手にしている
それは、フレイヤが『美の神』であるからだ
フレイヤはその美貌故に例えほかの神の眷属であろうとも魅力し
自分のモノにしてしまう
アルトリアに限ってそれは無いであろうが
しかし、もしものことを考えるとヘスティアは恐ろしいのだ
「おーい!ファーイたーん!フレイヤー、ドチビー!!」
「キミよりも嫌いな奴が来たよ...ヘファイストス後で話すことにするよ...」
「?なら、うちの工房くる?」
「お願いできるかい?」
「なら、行きましょヘスティア?ロキと話すとあなた達毎回喧嘩するんだもの」
「ごめんねヘファイストス、それじゃお暇するよフレイヤ」
「あぁ、ヘスティア?一ついいかしら?」
離れようとするヘスティアを呼び止めるフレイヤ
ロキが近ずいて来る中早く離れたいと思うヘスティアは急かす
「なんだい?」
「あなたの眷属大切にしなさいよ?」
意味深な笑みを浮かべるフレイヤに寒気のしたヘスティアはヘファイストスの手を引いてその場を離れる
「それでヘスティア。あなたの最後のお願いって?」
「うん、ボクの眷属...アルトリア君に武器を作って欲しいんだ!」
「おや?フレイヤ、ファイたんとドチビは?」
「あなたが来るのを見てヘスティアは逃げちゃったわ」
「なんや。ドチビの眷属について聞こうとしとったのに」
《
・一定速度を超えると俊敏に超高補正
(通常ソニックLvのマッハ1)
・超高補正時、更に加速可能
(TASソニックLv)
・スキル発動時、頭髪が青に染まる