ソードアート・オンライン 黒の剣士と紅の剣舞士 二人の双剣使い 作:ソーナ
「みなさん、お久しぶりです。ランです」
「ヤッホー、みんな。久しぶり!ユウキだよ」
「今回のゲストはランとユウキの二人です。二人とも久しぶり」
「ソーナさん、お久しぶりです。また、呼んでくださりありがとうございます」
「久しぶりっ、ソーナ!また、呼んでくれてありがとう!」
「今回はキリトとレインが銭湯に行くみたいですけど・・・・・二人は行ったことありますか?」
「昔、キリトさんとリーファちゃんと行きましたね」
「うん!また、4人で行きたいな~。ソーナさんは?」
「私ですか?私は、温泉なら行ったことありますけど銭湯は行ったことないですね」
「へぇー」
「そうなんですね」
「ええ。ですので、機会があったら行ってみたいですね」
「行けるといいですね」
「そうですね。っと。それでは今回の問題を出します」
問題:『銭湯から出るとき、天井から落ちてきたものはなに?』
Ⅰ:タライ
Ⅱ:スライム
Ⅲ:冷水
Ⅳ:熱湯
「答えは本文の最後に!」
~キリトside~
「「銭湯?」」
82層にある、《禊ぎの湖》から戻りエギルの店で少し遅めの昼食を取っていると、エギルから銭湯がある、という情報を聞かされ、その詳細を聞いていた。
「温泉、じゃなくてか?」
「ああ。まあ、俺も知り合いから聞いただけなんだけどよ。なんでもあるフィールドのダンジョンの近くの入り口の側にあった木にトラップが仕掛けられていたらしいんだが、それを解除すると地下への階段が現れたらしい」
「へぇー」
「そんで、地下へ続く階段の先へ歩いて行ったら、銭湯のようなものがあったらしいんだとさ」
「あまり信憑性のない話だな・・・・・・・」
「まあな」
「でも行ってみようよキリトくん」
「まっ、そうだな。行ってみるか」
そんな訳で、俺とレインはエギルから銭湯のある場所を聞くと着替えをストレージに入れ、銭湯へ向かった。
「♪♪」
道中、隣でレインがものすごく嬉しそうな顔をしていたのを俺は見逃さなかった。
ダンジョン
「エギルの話だとこの辺りにあるはずなんだが・・・・・・・」
エギルから聞いた話を頼りに、銭湯があるであろう場所の近くに、俺とレインは来ていた。
「あ。あれじゃない?」
レインの視線の先には地下へと続く階段があった。
「降りてみるか」
「うん・・・・・・」
俺とレインは階段を下っていく。
少しして視界が開けた。
「あ!キリトくんあったよ!」
「ほんとにあったな」
そこには『ここからは入湯料50コル』と書かれた看板があった。
50コル払い、中に入ると。
「女湯の入り口ってないのかな?」
そこには入り口が1つだけあった。
「男湯の入り口もないな」
「ね、ねえ、キリトくん。あそこに『混浴』って書かれてない?」
「確かに書かれてるな」
「もしかして『混浴』しか・・・・・・ないとか?」
「入り口がこれだけと言うことはそうなんだろうな」
「どうしよう・・・・・・・」
「どうしようか・・・・・・・」
「あ、あのねキリトくん・・・・・・私は別にキリトくんと一緒に入っても・・・・・・いいよ」
「え、けど・・・・・・」
「他の人の気配もしないし、キリトくんと私だけみたいだから・・・・・・それに、入湯料払っちゃったし・・・・・」
「そう・・・・・だな。それじゃあ、ちょっと中見てくるから待っててくれ」
「うん」
俺は入り口の扉を開き銭湯の中に入る。
中は男と女と書かれた暖簾がかかっているがさの間の木には混浴とかかれていた。つまりこれは更衣室は別だが、中は同じということらしい。まあ、外に混浴と書かれているから予想はしていたが――――
更衣室を抜け、奥に行くと。
「え、ダンジョンなのに露天風呂・・・・・・・?」
露天風呂があった。
「って、よく見てみるとこれ絵なのか!露天風呂気分が味わえる銭湯ってことだな・・・・・・・ご丁寧に空の絵まで・・・・・・」
よく見てみると、周囲の岩に現実の露天風呂と同じように、絵が描かれていた。しかも空の絵まで。
「・・・・・見た感じ、誰もいないみたいだし入るなら今の内かな・・・・・・まあ、あまり広まってないからだろうけど・・・・・・」
中を見て、誰もいないことを確認すると、俺はレインのところに戻った。
「露天風呂みたいな見た目の凄い銭湯だったよ。しかも、まだ誰もいなかった」
「うん♪それならいいよ。せっかくのキリトくんと二人で銭湯だしね♪」
「よし。決まりだ」
銭湯に入ることを決め、俺とレインは中に入った。
腰にタオルを巻き、更衣室から出るとすでにレインがバスタオルを体に巻いて待っていた。
「お待たせ。早いなレイン」
「うん♪それにしても・・・・・・・・」
レインは銭湯の中を見渡す。
「うわ・・・・・広いね~・・・・・!しかも貸し切りだよキリトくん!」
「そうだな。今回はラッキーだったのかもな」
「そうだね・・・・・うわぁ・・・・・・」
「ハハ。どうせなら、思いっきり楽しむかレイン」
「うん!賛成~!あ、キリトくん。あれ、もしかしてジャグジーじゃないかな?」
「ホントだ。しかもその奥には『水風呂』って書いてあるお風呂があるな」
「あ!向こうには『薬湯』って書いてあるのもある・・・・・・・『打たせ湯』もあるよ!」
「ああ。『寝湯』に『菖蒲湯』『柚子湯』。『サウナ』に『ミストサウナ』まであるな」
「スゴいね!こんな銭湯、現実でも見たことないよ!なんでも揃ってる!」
「ああ・・・・・・これは驚いた。予想以上の充実っぶりだ・・・・・・現実にもそうないぞこんな設備・・・・・・」
「スパみたいなところだね!来て良かった~。ね、キリトくん」
「ああ!」
「キリトくん、早く入ろう」
「そうだな」
「あっ。他の人の気配を感じたら、すぐに伝えてね」
「わかってるよ」
「うん♪それじゃあ入ろうか」
「あぁ~~気持ち良かった」
「ああ。疲れが取れた気がするよ。疲労回復の効果でも付与されているのか?」
「ん~どうだろう。でも、現実でも疲労回復効果のあるお風呂もあるから似たようなものじゃないかな?」
「なるほどな」
あちこちのお風呂を周り、俺たちは今普通のお風呂で一緒に入りのんびりしていた。
サウナでは、柔肌に滴る汗で、妖艶のような色っぽさがレインから滲み出ていた。正直、見蕩れるほどだった。
すると
「フフ」
「ん?どうした?いきなり笑って」
「ううん。さっきもこうして湖に裸でキリトくんと入ったのに、お風呂とかではなんか雰囲気が違うなって」
「確かにな。まあ、普通湖で裸になることなんてないからな普通」
「そうなんだけど・・・・・・何て言うのかな・・・・・・気持ちが違うの、かな?湖より、こうしてお風呂だと落ち着くんだ」
「まあ、そりゃそうだろうな。俺も何故かお風呂だと落ち着いた気分になるからな」
「フフ。そうだね」
周囲の岩に描かれている風景を見ながら会話する。
正直、ここは銭湯ではなく露天風呂でなないかと思うほどだ。
「そろそろ出ようか」
「そうだな。結構長湯しちゃったな」
「うん」
俺たちはバスタオルを身に付け更衣室の方へと向かい、扉を開こうとした。が。
「ん?」
"ガタッ!"
「どうしたのキリトくん?」
「いや・・・・・扉が開かない」
そう何故か扉が開かなかったのだ。
"ガタッ!ガタッ!"
「ちょっといい?」
「ああ」
"ガタッ!"
「・・・・・・・・・・ホントだ。開かない」
「仕方無いから破壊するか?」
「却下だよ」
「冗談だよ。・・・・・・・二人で開けてみ――――」
すると突然。
"バシャーーン!!"
「え!?な、なに!?」
「風呂の上から何か落ちてきた!?」
さっきまでいた場所に上から何かが落ちてきた。
振り向いて、落ちてきたものを見た。
落ちてきたものは――――
「え!?スライムタイプのモンスター!?」
透明なスライムタイプのモンスターだった。
その数6体。
「なんで風呂にスライムが上から落ちてくるんだ!?」
「さ、さぁ?」
「レイン、武器はすぐ装備できるか?」
「スロットに入ってるからすぐに装備できるよ」
「よし・・・・・・防具は・・・・・・・装備する暇がないからこのまま武器だけで行くぞ!」
「ええ!こ、この格好で戦うの!?・・・・・・・もぅ!!」
俺とレインは双剣・・・・・・・・・ではなく片手剣を右手に装備すると向かってくるスライムに迎え撃つため向かっていった。
「はああぁぁぁあっ!!」
「やああぁぁぁあっ!!」
俺とレインは6体のスライムの内2体を倒した。
「それほどレベルは高くないみたいだよ。このまま・・・・・・・って、ちょ、いや・・・・・・なにこれ!?」
「どうしたレイ・・・・・・ン!?」
レインの驚きの声が聞こえ、レインを見ると。
「キリトくん、こっちみないで!」
「なんで、バスタオルが溶けてるんだ!?」
レインのバスタオルがあちこち溶けていた。
「スライムの特殊能力か!?」
「多分、防具の耐久値を下げる効果があるんだと思う」
「マジか!?って・・・・・・・おわっ!」
「キリトくん!」
目の前のスライムが俺にもレインに攻撃したように何かの液を浴びせてきた。
俺はギリギリでそれをステップで避けたが腰に巻いていたタオルに僅かだが飛び散った。
スライムの液が飛び散った場所は小さく、溶けた感じの穴が出来ていた。
「レインは俺の後ろにいてくれ!その格好はマズイ!」
「う、うん。ゴメンねキリトくん」
「気にするな」
俺は少し離れて後ろにいるレインを守りながら4体のスライムと相対する。
「レイン、すまんちょっと下がっててくれ。一撃でケリをつける」
「う、うん」
レインが俺から僅かに離れたのを感じると、俺は右手の片手剣『ブラックローズ・ナイト』を正中線に構え接近する。
「はああぁぁぁぁぁあ!!」
俺は片手剣ソードスキル《ホリゾンタル・スクエア》4連撃を放った。
《ホリゾンタル・スクエア》4連撃で4体のスライムを切り裂くと、スライムたちはポリゴンの欠片へと変わり消えた。
「ふぅ・・・・・・・・終わったぞ」
「う、うん。ありがとうキリトくん」
「!///////と、とにかくまた何か落ちてきたらヤバイから早く出よう」
「う、うん」
扉の取っ手を握り、右にスライドさせると今度はちゃんと開いた。
俺とレインは更衣室で手早く着替え、外に出た。
「はぁ。せっかく、ゆっくりできたのに最後の最後で疲れたよ」
「まったくだな」
「でも、SAOの中で銭湯に行けるとは思わなかったから楽しかったよ」
「俺もだ。現実では銭湯にもう何年も行ってなかったからな」
「あ。それ私もだよ」
「はは。今度は現実でもレインと行きたいな」
「私はもちろんいいけど。でも、それってもしかしてまた混浴?」
「い、いや、それは・・・・・・・って言うよりそもそも現実に混浴できる銭湯なんかあるのか?」
「う、う~ん。どうだろう。キリトくんと二人だけなら入ってみたいけど、他の人がいるところでだと嫌かな」
「同感だ」
「フフフ」
「ハハハ」
「さてと。それじゃあ帰りますか」
「うん」
俺とレインは銭湯を後にし、アークソフィアのエギルの店へ帰っていった。
「みんな分かったかな?それでは答えを発表します。今回はユウキ、お願い!」
「うん!答えはⅡ:スライムだよ」
「・・・・・・何故、銭湯にスライムが落ちてくるんですか」
「「さあ?」」
「タライや冷水、熱湯はよくあることだけど、スライムってのはないよね」
「ええ。しかも何故銭湯で戦闘なんてしなければならないんですか?」
「「・・・・・・・・・・」」
「ソーナ?ユウキ?どうかしましたか?」
「ラン、今のそれって狙ったの?」
「姉ちゃん、それは狙ったの?」
「?・・・・・・・・・!!///////////」
「どうやら狙ったわけじゃないようだよ、ユウキ」
「うん。姉ちゃんってたまに微妙に抜けてるんだよね」
「そ、そんなことないです!」
「アハハ。それでは時間になりましたので今回はここまで。また次回お会いしましょう」
「またね、みんな!」
「またお会いしましょう」
「それでは、また次回にDon't miss it.!」