ソードアート・オンライン 黒の剣士と紅の剣舞士 二人の双剣使い 作:ソーナ
誤字脱字があったらごめんなさい。
俺は今一人で第41層にある経験値稼ぎが最も効率良いい《アリ谷》でモンスターのアリ達を連続で何時間も駆逐していた。
俺は最後のアリに先日片手剣の熟練度が950を越えるとソードスキルリスト出現した《ヴォーパルストライク》を放ちポリゴンの欠片に変えた。俺は此所最近この《ヴォーパルストライク》をかなり使用していた。理由は片手剣のソードスキルでありながらやや技後硬直の時間は長いが身の倍以上のリーチにそこに腕を限界まで伸ばすと槍の間合いの2倍以上になるに加え両手用の重槍に匹敵する威力があるからだ。対人ではタイミングを読まれてしまうがモンスター相手にはかなり有効であった。
俺は《アリ谷》での戦闘が終わった後その入り口にいた顔馴染みのギルドに右手でのろのろ「行ってくれ」言ったとするとメンバーの一人が
「わりぃ、オリャちょっとお前達とレベルの差が広いち待ったからな、今日は抜けとくわ。何時も通り円陣を組んで両隣の相手をカバーしながら戦えよ。もし女王アリが出てきたら直ぐに逃げろよ。分かったな」
その言葉に"彼"のギルドメンバーは、うす、おう、と返事をして《アリ谷》に入って行った。
「たくっ、キリト、オメェよ。まーた長時間潜っていたのかよ。ほら」
聞いてきた"彼"はクラインだった。あの時、デス・ゲームが始まった時見棄てた彼は自力で努力し誰一人としてメンバーを欠けさせる事なくここまで来たのだ。
「・・・・・何か悪いか」
俺はよれよれになりながらクラインから受け取ったポーションでHPを回復させながら言った。
「いや、そういやレインちゃんはどうしたんだ?」
「レインなら今寝ているよ」
「なるほどな。オメェ、レインちゃんが寝ている間ずっと此所でレベリングしていたのか。キリト、オメェがそこまでするのは5日後の12月25日のフラグイベントバトルが関係しているんだろ」
「・・・・・あぁ、そうだ」
俺はクラインの問いに肯定した。
「やっぱりか。オメェ、まだ例のギルドの件引きずってんのか。確か《月夜の黒猫団》だったか。だけどそいつらが死んだのはオメェのせいじゃないだろうが。メンバーが宝箱のトラップを解除出来なかったのが原因だろうが」
「うるさい。黙れ、俺のせいで俺以外全員死んだんだぞ!」
「てことはやっぱり、狙いはアレか。《背教者ニコラス》の袋の中には死んだ者を生き返らせる事が出来る神器があるって言われているアイテムだろ」
「あぁ、そうだ」
「ただの噂かも知れないんだぞ」
「それでも構わない」
俺はそう言ってクラインに背を向け現在泊まっている第47層《フローリア》に帰って行った。
~レインside~
キリト君また出掛けてんだ。もしかしてクラインさんから聞いた、フラグイベントバトルと半年前のギルドが関係しているのかな。今度、アスナやユウキ、ラン、クラインさんと話し合って相談してみよう。
~レインside out~
第47層主街区「フローリア」
俺はレインに気付かれない用に部屋に戻った。今日の戦闘で俺のレベルは68に到達した。レインとの差は10も離れてしまっていた。
昼間はレインとパーティーを組んで現在の最前線である第49層の攻略をしていた。そして夜になるとまた一人で第41層の《アリ谷》で戦闘していた。そして、そのまま5日すぎ12月24日の午後21時、俺は第47層の宿にあるクローゼットからありったけのポーション類や結晶アイテムを取りだし今装備している物からとっておきの剣と防具を引っ張り出し装備した。そしてアルゴから買った情報のもみの木のある第35層の迷いの森に向かった。
第35層主街区「ミーシェ」
俺は転移して背後に注意しながら地図を見ながら走ってもみの木のある印を付けた場所まで駆けた。
俺は途中途中索敵スキルを使い周辺を確認しながら移動しもみの木に繋がる最後のワープポイントに着いた。
俺が今装備しているのは俺が持っている中でかなり高性能の剣と防具、剣は「ナイト・オブ・レクイエム」、防具は「ダークネス・コート」という名称の装備を着けていた。
俺はもみの木に繋がるワープポイントに行こうとすると背後から複数のプレイヤー反応が出た、背後を視ると
「やっと追い付いたぜ」
「クライン、やっぱりお前か」
「キリト、俺達とパーティーを組め。そしてボスを一緒に討伐しよう。アイテムはドロップした者の物で良いだろ」
「なるほどな、だが断る。もしも俺の邪魔するならクライン、お前と言えども斬るぞ」
「やっぱりな、俺は、オメェを止められる人達を連れてきた‼」
「・・・・俺を止められる人?だと」
俺がクラインに問うとクラインは、横にずれて隠れていたプレイヤーを前に出した。
「なるほどな、お前達か。レイン、それにアスナ、ユウキ、ラン」
クラインが連れてきたのはレインだけではなくアスナやユウキ、ランまでも連れて来ていた。
「キリト君、クラインさんのいう通り私達と一緒にボスを倒そうよ」
「そうですよ。一人でフラグイベントのボスに挑むなんて無謀過ぎますよ」
「キリト君、事情があるのはわかるけどボスを一人で相手はランさんの言う通り無謀だよ」
「レインやアスナ、姉ちゃんの言う通りだよ。キリト、僕達とパーティーを組もうよ」
上からレイン、ラン、アスナ、ユウキが言って来た。
俺はレインがいるのは少し驚いたがアスナやユウキ、ランまでいるのは流石に予想外だった。
アスナは現在最強ギルドである「knights of blood (KOB )血盟騎士団」の副団長でありユウキとランは副団長としてのアスナの補佐を二人でやっているらしい。レインの装備は何時もの「クリムゾン・コート」にアスナとユウキ、ランは血盟騎士団の装備をアスナは赤、ユウキは黒と紫の基調のコート、ランは青と白を基調のコートを装備していた。
「いくら、お前達に言われても断る。もし邪魔するならクラインに言った・・・・ってクラインにレイン、お前達もどうやら尾行されていた様だな」
俺はレイン達に言った。
「アスナさん、クラインさん、アレ「聖竜連合」ですわね。レアアイテムを得るためならカーソルがオレンジになるのを躊躇わない連中ですね」
ランがその場の皆に言った。
「くっ、おいキリト、アレは俺達に任せて先に行け‼」
「キリト君、アレは私達に任せて先に行ってボスを倒して」
レインとクラインは同時に俺に向かって言った。その言葉に俺はもみの木に繋がるワープポイントに移動した。
第35層《迷いの森 もみの木前》
俺はもみの木の前に日付の変わる5分前に着いた。
ボスが現れるまで俺はアイテムと装備の最終をした。そして日付が12月25日午前零時になるともみの木上空から一つの巨大な影が降りてきた。
降りてきた影は地面に大きな振動を立てて姿を現した。
俺は遂にイベントボス《背教者ニコラス》と対面した。《ニコラス》はシステムに定められた言葉を喋ろうとしたのだろうが、
「うるさい。黙れ」と言いながら抜刀し一気に距離を詰め片手剣中位ソードスキル《ホリゾンタル・スクエア》4連撃を放った。《ニコラス》は基本的に斧系のソードスキルを使って来た。俺は神経を張り詰めさせて《ニコラス》の技をパリィやステップで避けるが広範囲の技は僅かにダメージを喰らってしまう。俺はHPがイエローになると下がり結晶やポーションで回復し直ぐに攻撃を開始した。
《ニコラス》のHPゲージは4段の内もう既に半分に減っていった。HPが一段減る事に《ニコラス》の攻撃パターンが変わって行った。俺は、《ホリゾンタル・スクエア》の4連撃の他《バーチカル・スクエア》の4連撃、ノックバックが発生する《サベージ・フルクラム》重攻撃3連撃、《スター・Q・プロミネンス》6連撃、《カーネージ・アライアンス》6連撃、等を繰り出し《ニコラス》のHPゲージを削り取り残り5%まで減らし俺は、《ヴォーパルストライク》からの片手剣上位ソードスキル《ファントム・レイプ》6連撃を放ち《ニコラス》をポリゴンの欠片に変えた。
俺は《ニコラス》を倒した後自信のHPゲージを視ると全てのポーションや結晶アイテムを使用したのにも関わらずレッドの危険域に入っていた。それを確認すると剣を左右に振り背中の鞘に納め《ニコラス》からドロップしたアイテム群をスクロールし目当てのアイテムを捜した。
そしてそれを見つけた。俺は震えながらそのアイテムを選択しアイテムを取り出した。そしてそれをタップしアイテムを確認した。
『アイテム名、還魂の聖昌石。このアイテムをメニューから使用を選ぶか、あるいは手に保持し《蘇生対象者のプレイヤー名》を発することで、対象プレイヤーが死亡してからその効果光が完全に消滅するまでの間(約10秒)ならば、対象死亡プレイヤーを蘇生させる事が可能です』
たった10秒、それがナーヴギアが人間の脳を破壊する時間か。俺は放心してそれを手に持ったままレインとクライン達がいる場所にワープした。
ワープした先ではクラインや彼のギルドメンバー、レイン、アスナ、ユウキ、ランが全員いた。
其処にいた全員ワープしてきた俺に視線を向けた。
「これが噂の蘇生アイテムだ。効果時間は10秒だ。今度はお前の目の前で死んだ者に使え」
俺はクラインにアイテムを投げ渡しそう言った。
俺はそのまま森を出た。後ろにはクラインのギルドメンバー以外、レイン達がずっと無言のまま着いてきた。
俺は第35層《ミーシェ》につき後ろにいた皆に声を掛けた。
「レイン、アスナ、ユウキそれにラン、今日はすまなかった。特にアスナ達は血盟騎士団の業務があるのに」
俺は後ろの4人に謝罪した
「ううん。大丈夫だよ、キリト君。私はキリト君が無事なら良かったよ」
「そうだね。全くキリト君はまた無茶するんだから」
「「そうだね~」」
「それじゃ、私達はギルドに戻るね。またね、キリト君、レインちゃん」
「うん。また何かあったら連絡するね、そっちも何かあったら連絡してね。それじゃ今日はありがとう」
「「「それじゃ、またね」」」
そう言ってアスナ達は帰って行った。
其処にいるのは俺とレインの二人きりになった。
「レイン、すまなかった。また迷惑を掛けて」
「そうだね。でももうすっかり馴れたよ。でも、もう絶対に一人で抱え込まないでね」
と言う会話をして俺とレインは第47層の《フローリア》に転移し帰って行った。
キリトの装備した剣と防具、レインの装備した防具はオリジナルです。