ソードアート・オンライン 黒の剣士と紅の剣舞士 二人の双剣使い 作:ソーナ
「よっ!キリトだ」
「プリヴィベートみんな~!レインだよ」
「補佐はキリトとレインです」
「久しぶりだなソーナ。元気だったか?」
「うん、大丈夫だよ。現実が忙しくて司会にこれなくてごめんね」
「大丈夫だよ~。ソーナさんも現実では気を付けてね」
「ありがとうレイン。さて、今回のゲストはこの二人、どうぞ!」
「ヤッホーみんな!今回はゲストとしてでるねフィリアだよ!」
「くくっ。PoHだ。三回連続呼ばれるとは俺様も驚いてるぜ」
「今回のゲストはフィリアとPoHです!」
「三回連続で同じメンバーってのは珍しいな」
「ホントだね。私も驚いてるよ」
「四人はホロウ・エリアでのキーマンだからね~」
「アハハ、なるほどね」
「ほぉぅ。キーマンとは嬉しいねぇ」
「さて、ゲストも出たところで今回の問題はこちら!」
問題『第1層の地下迷宮はどこの下にあった?』
Ⅰ:黒鉄宮
Ⅱ:教会
Ⅲ:転移門
Ⅳ:時計塔
「答えは本文の最後に!」
~キリトside~
「終わった・・・・・・か」
PoHが消滅してポリゴンの欠片となり散ったのを見た俺は、双剣を左右に軽く払い背中の鞘にしまいレインとフィリアに振り向いた。
「大丈夫、キリトくん」
「ああ、問題ない。そっちの方は?」
「私もフィリアちゃんも大丈夫だよ。フィリアちゃんのHPはポーションで回復させといたから」
「サンキュー、レイン」
俺はレインとフィリアの方に行きながらそう答える。
「残りはPoHが残したアップデート、だね・・・・・・」
「ああ。こればっかりは何が起こるかわからないな」
「そうだね・・・・・・」
「とにかく、一旦管理区に戻ろう二人とも」
「わかった」
「・・・・・・うん」
管理区
管理区に戻った俺たちは、早速管理区のコンソールをレインと手分けして調べていた。
「キリトくん、そっちはあった?」
「いや。いくら調べてもアップデートの項目がない」
「もしかして・・・・・・このコンソールじゃないのかな・・・・・・」
「あり得るな・・・・・・。大空洞の地下にあったのと、この管理区。そして、遺棄エリア。今俺たちが見つけてるだけで合計三つはコンソールがあるからな・・・・・・俺たちがまだ見つけてないコンソールがあってもおかしくない」
すでに俺たちが見つけてだけでも三つはあるのだ、まだどこかにコンソールがあってもおかしくない。だが、三つ目の遺棄エリアのコンソールは除外だろう。さすがにPoHもあそこには行ってないはずだ。
するとそこへ。
「・・・・・・ねぇ・・・・・・二人とも」
「どうしたのフィリアちゃん?」
「・・・・・・そのコンソールの場所、わたし知ってる」
「え!?」
「フィリア、ほんとか?もちろん教えてくれるよな?」
「こら!ダメだよキリトくん。教えてくれる?って聞かないと」
「す、すまん」
「ううん・・・・・・いいの、気にしないで・・・・・・。場所はもちろん教える・・・・・・」
そう言うとフィリアはコンソールから離れ、転移門とコンソールの間に向かった。
そして、そこでフィリアは床にに手をつき何らかの操作をした。すると。
「これは!?」
「わっ!?」
いきなり俺とレインの手の甲に浮かぶ高位管理者権限と同じ紋様を周囲に囲んだ転移装置のようなものが現れた。
「さっき言ったコンソールがあるダンジョンに飛べるワープエリアみたい」
「こんなところにあったのか・・・・・・」
「あいつが行ったのはここの地下・・・・・・奥にダンジョンがあった。多分その先にある・・・・・・はず」
「ここにダンジョンがあるなんて・・・・・・」
俺がフィリアの言葉に驚いているなかレインはこめかみに指を当てて難しい顔をしていた。
「どうしたレイン?」
「ううん、なんか前にもこんなことがあったような~、って。ものすごくデジャビュのような・・・・・・」
「そうか?」
「う~ん・・・・・・」
確かに言われてみればなんか前にもこんな似たようなことがあったような気がする。第一層で。
とまあ、それは置いといて。
「よし、すぐにそのダンジョンへ行こう」
俺はワープ装置のなかに入り転移しようとしたがフィリアに止められた。
「ダメ!キリト・・・・・・ごめんなさい」
「え、どう言うことフィリアちゃん?」
「ダンジョンへの入り口は封印されているの。全てのエリアを開放しないと開かないの」
「なに!そうなのか!?」
「うん。わたしも後を追って入ろうとしたけど・・・・・・。入ろうとした瞬間にメッセージが出て無理だった。先に残りのボスを倒さないと・・・・・・」
「なるほどね。ていうことはキリトくん・・・・・・」
レインはフィリアの声にうなずき俺を見る。
俺も同じ結論に至り言った。
「ああ、ボスを倒せばいいんだな」
「・・・・・・うん」
「ありがとう、フィリア。教えてくれて助かった」
「ありがとうフィリアちゃん」
「・・・・・・・・・・」
「ん?フィリアどうした?」
「フィリアちゃん?」
反応しなかったフィリアを不思議に思い、俺とレインはフィリアの顔を見た。
フィリアの表情は辛辣といった感じだった。
「・・・・・・ねぇキリト、レイン。二人と、少し・・・・・・話したい」
「そうだな・・・・・・」
「そうだね・・・・・・」
「ありがとう二人とも、こっちに座って・・・・・・」
「・・・・・・わかった」
「・・・・・・うん」
フィリアに促されて俺たちはコンソールの後ろに寄り掛かって、レイン、俺、フィリアの並びで座った。
座ってフィリアが管理区の宙を見て言う。
「わたし・・・・・・この世界に来てから自分が自分じゃない気がしてたんだ。わたしの中が空っぽな気がして・・・・・・わたしはどこの誰なんだろうってね。だから生きることに必死だったのかな?」
「フィリアちゃん・・・・・・」
「そんなとき・・・・・・。わたしはキリトとレイン・・・・・・二人と出会っちゃったんだ。一番初めに出会ったのはキリト、だったよね」
「ああ、そうだったな・・・・・・」
俺は初めてフィリアと出会ったときのことを思い出した。
「キリトに初めて会ったとき・・・・・・わたし、キリトに攻撃しちゃったからびっくりしたよね・・・・・・」
「そりゃそうだろ。なにせ初めて出会った女の子がいきなり武器をもって襲い掛かってくるんだから」
「ええっ!?そうだったのキリトくん!?」
「あ、ああ。そう言えばレインには言ってなかったな」
「そうだよ、なんで言ってくれなかったのよ~!」
「フフッ・・・・・・。わたし、あの時のごめんなさいもまだ言ってなかった」
「いや、別に俺は気にしないんだけど・・・・・・」
レインを宥めつつ俺はフィリアに返事を返す。
いきなり目の前に誰かが現れたら警戒するのは当然だし、フィリアの場合は事情が事情だったわけだしな。
「そして、次に出会ったのがレイン・・・・・・」
「うん、あの時はキリトくんとフィリアちゃんがデモリッシュ・リーパーと戦闘中だったからまともに挨拶もできなかったんだよね・・・・・・」
「そうだったね・・・・・・。わたしはレインにもあの時助けてくれてありがとう、って言ってないね」
「私はそんなの気にしないよ。困ってる人を見かけたら助けるのが当然だもん」
「アハハ。レインらしいな」
「でしょ♪」
レインは胸を張るように笑顔で言った。
「フフッ・・・・・・。二人は本当に仲良しだよね」
「え?あ、う~ん、そう・・・・・・かな」
「ハハハ。どうだろうね」
俺とレインはフィリアの言葉に表情を少し苦虫を噛み潰したような感じになった。なにせ、ここに来る前にレインと喧嘩のようなことをしたのだから。
まあ、それは結局俺たちらしい決闘で決めたけどな。
「今さらだけど・・・・・・、キリトあの時はほんと、ごめん・・・・・・。レイン、あの時助けてくれてほんと、ありがとう」
「いいよ、出会わなかったらこうやって話すこともなかったし」
「うん♪私はフィリアちゃんと出会って良かったよ」
「へへっ・・・・・・ありがと」
表情に少し笑みを出して言うフィリアは、ありがと、を言うと俺たちに聞いてきた。
「・・・・・・二人はさ。そのあとなんでわたしが一緒にそっちへ帰らなかったかわかる?」
「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
確かに最初、なんでフィリアがアインクラッドに来ないのか分からなかった。
なにか事情があるのかと思ったが、さすがに聞くわけにもいかなかった。まあ、その理由は思わぬ形で知ることになったが。
「不安だったんだよね・・・・・・。自分自身のこともよくわからないのに、空っぽなわたしが帰ることはすっごい怖かった。・・・・・・でも、それから二人と一緒に冒険して、いっぱい話をして、わたしの中の不安が少しずつ無くなっていったんだ。すっごい楽しかった~~~」
フィリアは無邪気な子供のような笑みを出して言った。
「だけど・・・・・・謎のエリア・・・・・・素性不明のオレンジプレイヤー。普通なら怖がられて当たり前なのに、二人はよく付き合ってくれたよね」
「俺は楽しかったよ。レインとフィリアの三人で一緒にここを冒険できて」
「うん、私も・・・・・・。私もキリトくんとフィリアちゃんと一緒に冒険できてよかったよ」
「!!」
「二人が・・・・・・いて・・・・・・くれたから・・・・・・。わたしは人だって実感できた。温かさを感じられた」
嬉しそうに眼から涙を流すフィリアに俺とレインは無言で見守る。
「・・・・・・ねぇ・・・・・・二人は、なんで、わたしのこと信じてくれるの?」
「なんでって言われても・・・・・・」
「言われてもね・・・・・・」
フィリアの唐突な質問に俺とレインはつい、互いの顔を見合わせる。
「まあ、俺は人を見る目に自信があるからな」
「でも!!・・・・・・でもでも、わたしはそんなキリトとレインを裏切って・・・・・・。しかもオレンジで・・・・・・。二人と一緒にいる資格なんてない・・・・・・。本当なら絶対わたしを・・・・・・嫌いになるよ・・・・・・」
「そんなこと思うわけないじゃないか。俺はフィリアが好きだよ」
「そうだよ!私もフィリアちゃんのこと好きだよ!」
「・・・・・・・・・・す、・・・・・・好き!?」
「ああ、フィリアは俺にとって信頼できる・・・・・・大切な仲間だ」
「そうだね。私もフィリアちゃんは信頼できる大切な仲間だよ。そうじゃなかったらこうして会話したり冒険してないもん」
「・・・・・・卑怯だよ・・・・・・二人は・・・・・・」
「え?」
「フィリアちゃん?」
「ううん・・・・・・なんでもない・・・・・・・」
「そう?」
「うん・・・・・・。キリトとレイン。二人の言葉は・・・・・・空っぽだったわたしの隙間を埋めてくれる・・・・・・あったかい気持ちのかけら・・・・・・ホロウ・フラグメントなんだね」
「ホロウ・フラグメント・・・・・・『影の断片』か」
「フィリアちゃんの隙間を影のように断片を埋めるから、ホロウ・フラグメント、なんだね」
「うん」
俺とレインは顔を見合わせ軽くうなずくと立ち上りフィリアの前に立ち、手を差し伸ばす。
「さてと、フィリア。ここまで来たんだから俺たちと一緒に最後まで行こうぜ!」
「一緒に行こう、フィリアちゃん!私とキリトくんとフィリアちゃんの三人で!」
俺とレインの言葉にフィリアは涙を流しながら、俺たちの手を握り立ち上がった。
「キリト・・・・・・レイン・・・・・・。うん!一緒に行こう!最後まで!」
「おう!」
「うん!」
フィリアを前に俺とレインは何時もの感じで返事を返した。
そしてフィリアに告げた。フィリアのオレンジカーソルのことを。
「あ、でも、そのまえに・・・・・・フィリア」
「なに!?」
「―――オレンジの問題なんだけど、わかったんだ」
「えっ?」
「ほんとだよフィリアちゃん」
「・・・・・・ええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」
フィリアの慌てた声にとっさに俺たちは耳を塞いだ。
そして俺たちはユイに協力してもらって得た情報を伝える。
「フィリアは人を殺してないよ」
「え!?ど、どどど、どう言うこと!?」
「フィリアちゃんが殺したと思っていたフィリアちゃんは、AI・・・・・・。つまり、《ホロウ・データ》だったんだよ」
「え!?で、でも!わたしが《ホロウ・データ》で殺した向こうのわたしが本物かもしれないじゃない!もしそうだったら、わたしは・・・・・・」
「落ち着け、フィリア」
「落ち着いて、フィリアちゃん。順に話すね」
「う、うん」
「まず、フィリアのカーソルがグリーンではなくオレンジなのはシステムエラーだ」
「エラー・・・・・・」
「ねぇ、フィリアちゃん。フィリアちゃんがここに来たのって11月7日じゃないかな?」
「え?え~と・・・・・・。うん、確か11月・・・・・・日にちもその頃だったと思う・・・・・・・」
「やっぱりな・・・・・・」
「思った通りだね・・・・・・」
「え?」
「フィリア、通常《ホロウ・エリア》にはプレイヤーは立ち入ることは出来ないんだ。それともう一つ。プレイヤーと《ホロウ・データ》は同時に存在することが出来ない。万が一、同時に存在してしまった場合は《ホロウ・データ》がシステムによって削除される仕組みになっている」
「・・・・・・でも、あたしは自分と・・・・・・」
11月7日、俺とレインはそこで何があったのか知っている。なにせ、その場所にいたのだから。
「11月7日。75層のボス攻略の際にアインクラッドに大きなエラーが生じたんだ。恐らくフィリアは、そのときの影響で《ホロウ・エリア》に飛ばされたんだよ」
「そして、システムが問題を感知して《ホロウ・データ》のフィリアちゃんを削除する前に、フィリアちゃんは混乱して、自分の《ホロウ・データ》を攻撃しちゃった」
「つ、つまりそれって・・・・・・・」
「ああ。予測外の出来事が重なった結果、システムはフィリアのデータにエラーが生じていると認識したんだ。それが、オレンジカーソルという形で現れたんだよ」
「本当・・・・・・なの?でも、わたしがプレイヤーだなんて確証は・・・・・・」
「大丈夫だよ、フィリアちゃん。私たちの仲間に手伝ってもらって、ちゃんとこの目でログを確認したんだ。フィリアちゃんが攻撃しちゃったのは《ホロウ・データ》だよ。そして削除したのはシステムだよ」
「つまりフィリアは、誰も殺してない。俺やレインと同じプレイヤーだよ」
「・・・・・・じゃあ、わたしは・・・・・・」
「中央コンソールの場所さえわかれば、エラーを解除できる。そうすればステータスももとに戻る」
「そしたら、ここからアインクラッドへの転移も可能だよ。フィリアちゃん、一緒に戻ろう!アインクラッドへ!」
「キリト・・・・・・レイン・・・・・・、二人は、本当に・・・・・・。・・・・・・怖かった。わたし・・・・・・このまま一人で死んでいくのかと思った・・・・・・」
「もう大丈夫だ」
「もう大丈夫だよフィリアちゃん」
「キリト・・・・・・レイン・・・・・・・本当に・・・・・・ありがとう」
レインが優しく抱き締める中、フィリアはこのエリアに来てから貯まっていたであろう涙を流した。
「(アインクラッドも残り十層。絶対に全員生きて現実に帰って見せる!)」
俺はレインとフィリアを見て改めてそう自分に言い聞かせた。
「みんな答えはわかったかな?今回の答えの正解発表はフィリアにお願いするよ!」
「任せて!今回の問題の答えは、Ⅰ:黒鉄宮、よ」
「そう言えば第一層の黒鉄宮の地下に地下迷宮が有ったんだったな」
「あ、それだよ。だから管理区のやつでデジャビュだと思ったんだよ」
「へぇ、黒鉄宮の地下にそんなのあったんだ」
「ああ、上層攻略具合で開放されるタイプみたいでな、中のモンスターはそんなに強くはないんだけど奥にいた死神タイプのボスがとんでもなく強かったんだ」
「そんなに!?」
「おい、キリト。お前ぇがそこまで言うのか?」
「うん。あのときはまだ≪シンクロ≫も持ってなかったから。階層的には90層クラスなんだよ」
「まあ、それはユイが消したけどね」
「ああ、あのときはユイのお陰で助かったんだよな」
「そうだったね」
「そんじゃあ今なら倒せるのかよ?」
「あー、どうだろうな。まあ、場合によるな」
「くくっ。お前ぇがそこまで言うとはな。さすが俺の宿敵なだけある」
「何かってに宿敵にしてんだよ」
「んなことべつに構わねぇだろうが。ここでの会話は本編に影響しねぇんだからよ」
「それはそうだが・・・・・・って、ん?なんか今デジャビュな気がするぞ」
「そう?」
「そうかな?」
「気のせいだろ」
「アハハ・・・」
「なんか釈然としないな」
「ハハハ・・・・・・。おっと時間になってしまいましたので今回はここまで」
「もうそんな時間か」
「速いね~」
「うん。これからどうなるのか楽しみ」
「俺様は本編にでねぇがここで楽しませてもらうとするぜ」
「PoHそれメタ発言だよ」
「む?そうか?それはすまねぇな」
「それじゃまた次回お会いしましょう!」
「「「「また次回!!Don't miss it.!!」」」」
「くくっ!Don't miss it.!!」