ソードアート・オンライン 黒の剣士と紅の剣舞士 二人の双剣使い   作:ソーナ

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「プリヴィベートみんな!まずはごめんなさい!投稿まで長くなってしまいました!出来るだけ早く投稿できるようにします!えーと、今回は時間がないのでゲストはいません(ごめんなさい)今回の問題はこちらです!」




問題:『今回ストレアが持ってきた"もの"はなに?』

Ⅰ:『食材』

Ⅱ:『武器』

Ⅲ:『情報』

Ⅳ:『日用品』


「答えは本文の最後に!」


HF編 第113話〈みんなでパーティー〉

 

~キリトside~

 

 

ある日の夕方、アークソフィアのエギルの店でレインたちと談笑していると。

 

「あっ、キリト~!レイン~!」

 

「ストレア、きてたのか」

 

「ストレアちゃん!」

 

入ってきたストレアが俺とレインに気づくと、一直線にこっちに来た。

 

「うん!キリトとレインに会いに来たの!お土産があるんだ、早くこっちに来て」

 

「お土産?」

 

「なになに?」

 

「い~い?それじゃだすよー!」

 

ウインドウを開き操作してストレアは一つのアイテムを出した。

 

「じゃじゃーん!」

 

「おおっ!これは!」

 

「えーと、なになに?え・・・・・・《ヒドゥンバイソンの肉》!?」

 

ストレアの出したアイテム―――食材をタップしてアイテム名を確認したレインは驚きの声をあげた。

するとそこへレインの隣に座っていたリズが食材を見て驚きを浮かべていた。

 

「ちょっと・・・・・・これってすごいレア食材じゃなかった?」

 

「はい、S級食材ですね」

 

「それが、丸々一頭分・・・・・・」

 

「ふふ~ん。褒めて褒めて!」

 

「いや・・・・・・本当にすごいよ」

 

「うん。私もはじめて見たよ」

 

「今からアタシがキリトとレインにご馳走してあげる!」

 

「ちょっと待て。この量をキリトとレインちゃんだけで食べるのか?」

 

ストレアの言葉にエギルが「え?」、という顔を浮かべてストレアに聞いた。

 

「そうだよ!キリトとレインなら、このくらいの量、ペロッと食べちゃうよね?」

 

「い、いや、それはさすがに無理だと思う」

 

「わ、私も・・・さすがに無理だよ」

 

「ねえ、アンタの料理スキルってどれくらいなの?」

 

リズがストレアに疑問符を浮かべて聞いた。

それに対するストレアの答えは。

 

「料理スキル?持ってないよ」

 

なんとなく予想していた通りだった。

 

「スキルが無いって・・・・・・おいおい、それなら、そこの超級シェフたちに頼んだほうがいいんじゃねえのか?」

 

クラインは視線で超級シェフたちを見た。

超級シェフとは、料理スキル《完全習得》者のことで、この中でそれは。

 

「そうだな。料理ならやっぱりレインたちが適任だろう」

 

「ですね。リーザたちに任せた方がいいです」

 

レイン、アスナ、ユウキ、ラン、リーザ。の五人のことだ。

 

「うーん・・・・・・キリトがそう言うならアタシもそれでいいよ」

 

「私なら二つ返事で引き受けるよ。S級食材なんて、滅多に見れないから」

 

「私もよ」

 

「うん!」

 

「よし!それじゃあ、レイン絶品の料理をよろしく頼むよ」

 

「もちろん!レインちゃんにお任せあれ♪」

 

「リーザ、とびっきり美味しい料理をお願いね」

 

「もちろん!任せてラム」

 

俺とレイン、ラムとリーザのやり取りに周囲にいたリズやアスナたちが苦笑を浮かべていた。

 

「おい、キリト」

 

「どうしたエギル?」

 

「俺は《ラグーラビット》の件を常々恨みに思っていたんだが・・・・・・」

 

「ああ・・・・・・前にS級食材をゲットしたときか」

 

「あの時は私たちで食べちゃったんだよね」

 

以前ゲットした《ラグーラビットの肉》は俺とレイン、アスナ、ユウキ、ランの五人で食べたのだ。

 

「そう言えばそうだったな。今回はエギルにも食べてもらうからそれで勘弁してくれ」

 

「よーし、言ったな!今回は食わせてもらうぞ!」

 

俺の言葉にエギルが気分揚々に言った。

そこへシリカがレインに話しかけた。

 

「あっ、レインさん!もし食材に余裕があるならあたしもお料理してみたいんですけど」

 

「もちろんだよシリカちゃん!一緒に作ろう!」

 

「はいっ!」

 

「それじゃあ・・・・・・。あたしもなにか、作ってみようかな」

 

「え!?リズっちが料理するなんて珍しいね」

 

「ちょっとレイン?!それどういう意味よ。悪かったわね!ちょっとした気まぐれってやつよ」

 

「わたしも、お料理したいです!」

 

「それじゃ、パパにとってもおいしいもの食べさせてあげようかユイちゃん!」

 

「はい!」

 

「じゃあ・・・・・・。あたしも一緒に作ってもいいですか?」

 

「もちろんだよ!リーファちゃん!」

 

「え?リーファも作るのか?」

 

俺は以前リーファが作った料理・・・?なのか?を思い出して聞いた。

 

「だって、みんなでお料理するみたいだし・・・・・・」

 

「そうだよ!みんなでお料理しよう!」

 

「はい、よろしくお願いします」

 

まあ、レインたちがらいるなら大丈夫・・・・・・だと思うが。

 

「えーっ!みんなが作るならアタシも作るし!」

 

「なんだか、大事になってきたな・・・・・・」

 

「あはは・・・・・・」

 

一気に料理する女子が増えたことに俺は呆気に取られながら呟き、ランは乾いた苦笑いを浮かべていた。

 

「・・・・・・・・・・」

 

「ところでシノンはどうする?」

 

そんな中、静かにしていたシノンに聞いた。

 

「・・・・・・どうするって?」

 

「あ!いや、すまん。何となく流れで、シノンも料理するって言い出すとのかと思って」

 

「食べたいの?私の料理」

 

「え・・・・・・っと、その・・・・・・」

 

「冗談よ・・・・・・で、何を作ろうかしら。相当いい食材なのよね、これ」

 

やはりシノンも他の女子同様、料理好きの女の子みたいだ。

 

「滅多にお目にかかれない、S級食材ってやつだ・・・・・・やってみるのか?」

 

「まあ、勝手はわからないけど。聞きながらやれば、なんとかできるんじゃないかしら」

 

「そのかわり、ちゃんと完食しなさいよ」

 

「は、はい・・・・・・」

 

「わ、わかりました・・・・・・」

 

シノンの言葉に俺とラムは重々しくうなずき返した。

 

「シノンちゃんも一緒に頑張ろ!わかんないところは、教えてあげるね!」

 

「じゃあ、誰が一番美味しい料理を作れるか、競争してみようか」

 

「競争ね・・・・・・それだとレインやリーザたちがトップ争いしそうだけど」

 

「それなら大丈夫だよリズっち!」

 

ストレアの発言にリズがレインたち五人を見て言うと、レインが親指を立ててリズに返した。

 

「私たちがみんなのお料理を完全監修してあげる!」

 

「それよりも何を作りたいか・・・・・・こっちの方が重要になってきますよ」

 

「確かに・・・・・・」

 

「悩むわねこれは・・・・・・」

 

「なるほど・・・・・・味は料理スキルコンプリート者の保証付きって訳ね」

 

「それじゃあ、誰が一番、キリトとラムか気に入る料理を作ったかで勝負しましょうか」

 

「俺が判定するのか!?」

 

「俺が判定するんですか!?」

 

リズの突拍子の言葉に俺とラムはリズに慌てて聞く。

そんな俺たちにリズは片目を瞑って親指を立てた。

 

「うん!審査員よろしくねんお二人さん」

 

「わ、わかったよ・・・・・・」

 

「わ、わかりました・・・・・・」

 

こうして俺とラムは何故か、レインたちの料理の審査員をすることになったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後

 

 

 

「お。美味しそうな匂いがしてきたな」

 

「あれから五分も経ってないのにもう出来るなんて・・・・・・・」

 

「さすがSAOの料理は出来上がるのが早いな・・・・・・」

 

席に座って料理が出来るのを対面して座っているラムと話していると。

 

「出来たわよ、キリト!ラム!」

 

リズが大きなお皿に料理を盛ってやってきた。

 

「リズが一番手か。何を作ったんだ?」

 

「リズベット特製チンジャオロースー!一丁あがりっ!」

 

「おおー!これは旨そうだな!」

 

「ですね!この照り具合が食欲をそそります!」

 

「では、さっそく一口・・・・・・」

 

「もぐもぐ・・・・・・」

 

俺とラムは一口食べてみる。

 

「どう?って言っても、味はレインたちの保証付きだけど」

 

「うん、うまいっ!」

 

「はい!ご飯が欲しくなる味です!」

 

リズに感想を言うと、

 

「赤ピーマンの彩りの代わりに、ちょっと人には言えない食材使っちゃったけど・・・・・・」

 

リズが変なこと言った。

 

「でも、問題なく食べられているみたいだし、大丈夫みたいね!」

 

「・・・・・・おい。然り気無く恐ろしいこと言ったな・・・・・・」

 

「リズさん!?一体何を入れたんですか・・・・・・!?」

 

「えーと・・・秘密・・・・・・」

 

「俺とラムは毒味役か!?」

 

「俺とキリトは毒味役ですか!?」

 

ラムと同時にリズに突っ込むとそこにユイの声が聞こえてきた。

 

「パパー!出来ましたよ!」

 

「次はユイの料理か!何が出てくる?」

 

「ハンバーグです!食べてください!」

 

「すごいじゃないか、ユイ!それにしても、かわいいひと口サイズだな」

 

「ええ。ミニハンバーグですね」

 

ユイが作ってくれた料理はハンバーグでユイの掌のように小さく、程よいサイズだった。

 

「それは、手がちっちゃくて・・・・・・。でも数はいっぱいありますよ!」

 

ユイの言った通り、ユイの持ってきてくれた皿には沢山のミニハンバーグが乗っていた。

 

「ユイの手のサイズってことか。食べやすくていいじゃないか。さっそく、いただきまーす!」

 

「いただきます!」

 

「んぐ・・・・・・もぐ・・・・・・うん!文句なしに旨い!」

 

「美味しいよユイちゃん!」

 

「うわあ、良かったです!ママにもたくさん手伝ってもらったんですよー」

 

「ママはお料理が上手いからな」

 

「えへへっ。またお料理作ったら食べてくださいね、パパ!」

 

「もちろんだ」

 

ユイの喜びようにその場が和やかになると、

 

「はい、できたわよ一応」

 

シノンが戻ってきた。

 

「お、次はシノンか」

 

「・・・・・・でも、いくらなんでも出来上がるのが早すぎて・・・・・・不安だわ・・・・・・」

 

シノンの顔には不安げな表情が醸し出されていた。

 

「シノンは、何を作ったんだ?」

 

「ローストビーフよ。最低でも作るのに二時間はかかると思ってたんだけど・・・・・・」

 

「普通の料理ならそうだろうけど、ここはあくまでSAOの中だからな」

 

「確かにそうなんだけど・・・・・・」

 

「それじゃ、いただいていいかな?」

 

「どうぞ、口に合えばいいんだけど」

 

「もぐ・・・・・・」

 

「もぐ・・・・・・もぐ・・・・・・」

 

ラムと一緒にシノンが持ってきた皿に盛られてる、ローストビーフを食す。

 

「ん・・・・・・うまい!!」

 

「そ、そう?」

 

「この柑橘系ソースがローストビーフによく合ってますよ!」

 

「ああ。さっぱりしていて、いくらでも食えるよ」

 

「褒めすぎよ。美味しいのは食材の良さと、リーザが手伝ってくれたおかげ」

 

「ですけど、このソースを考えたのはシノンじゃないんですか?」

 

「まあ、そうだけど」

 

「なら、やっぱりシノンもすごいよ。ほら、もう半分も食っちゃった」

 

「食べ過ぎだよキリト」

 

「・・・・・・まあ、気に入ってもらえたなら、良かったかな」

 

シノンの作ったローストビーフを食べ終わると、丁度いいタイミングでシリカが戻ってきた。

 

「キリトさん、ラムさん、アタシの料理もできました」

 

「シリカは何を作ったんだ?」

 

「その・・・・・・あたし、あまり料理とかしたことないから普通の肉じゃがなんですけど・・・・・・」

 

「肉じゃが!?とっても美味しそうだよシリカさん」

 

「へえ、美味しそうにできてるじゃないか!いただきます!」

 

「うう。緊張します・・・・・・」

 

「・・・・・・ん・・・・・・もぐ・・・・・・うまい!」

 

「ええ!やっぱり、肉じゃがっていいですね!」

 

「ほ、本当ですか?」

 

「ああ、なんだか懐かしい。家庭の味って感じがする」

 

「俺も同じです。何て言うかお母さんの味って言うんですかね」

 

「そんな・・・・・・大袈裟ですよ」

 

「大袈裟なんかじゃないって。シリカって、いいお嫁さんになりそうだな、ラム」

 

「ですね」

 

「お、お嫁さんっ!?なななっ、なに言ってるんですか!キリトさん!ラムさん!」

 

「え?なにって、感想を・・・・・・」

 

「あっ、そうだ!みんなの取り皿を出してこなきゃ!!そ、それじゃあっ!」

 

「あ、うん・・・・・・」

 

「どうしたんでしょうかね・・・・・・」

 

顔を赤くして慌てて厨房に走り去ったシリカに俺とラムは呆然とそれを見ていた。

そして、シリカと入れ替わりにリーファが気落ちしたようにやって来た。

 

「キリト君・・・・・・」

 

「ど、どうした、リーファ?」

 

「う・・・・・・それが・・・・・・。ランさんに手伝ってもらって途中までは上手くいってたんだけど・・・・・・。盛り付けたら、なんか美味しくなさそうになっちゃって」

 

「はい・・・・・・これ・・・・・・」

 

「(なんか、ぐちゃっとしたものがどんぶりに盛ってある・・・・・)」

 

リーファが俺とラムの目の前に出したのは何か、肉の塊?みたいなものだった。

 

「リーファ、これは・・・・・・」

 

「牛丼・・・・・・」

 

「ああ、言われてみれば・・・・・・」

 

「言われてみれば見えますね・・・・・・」

 

リーファが作ったのは牛丼だったらしい。

 

「じゃあ、えっと、食べてみるぞ」

 

「・・・・・・大丈夫?」

 

「そりゃまあ、せっかくリーファが作ってくれたものだし・・・・・・」

 

「お、お兄ちゃん・・・・・・!」

 

「いただきます・・・・・・もぐ・・・・・・もぐ・・・・・・うん!うまいっ!」

 

「ほ、ほんと!?」

 

「味も旨いけど、なによりも牛丼って言うのが、たまらないな。現実世界では、牛丼のチェーン店に食いに行ってたから・・・・・・」

 

「久しぶりです、この感じ」

 

「そ、そんなに急いで食べなくても」

 

掻き込むようにして食べる俺とラムにリーファが少し引いたように言った。

 

「リーファ、牛丼っていうのはかきこんで食べるから旨いんだよ」

 

「同じく」

 

「そうなの?・・・・・・とにかく、普通に食べれるみたいで良かったぁ・・・・・・」

 

「はははっ、ごちそうさま」

 

「ごちそうさまですリーファさん」

 

二人同時に食べ終わったところに。

 

「そっかそっか~。見た目がヘンでも味がおいしいなら、合格だよね」

 

ストレアが戻ってきた。

 

「ストレアはなにを作ってくれたん・・・・・・」

 

「どうしたんですかキリ・・・ト・・・・・・!?」

 

「・・・・・・・・・・!?」

 

「なんか・・・・・・あたしのよりすごい見た目・・・・・・」

 

ストレアの持ってきた料理を見た俺とラムは思わず目を見開いて二度見した。

 

「ストレア・・・・・・これは?」

 

「えっとね・・・・・・わかんない!食べて食べてー!」

 

「(わかんないって・・・・・・そもそも、食べ物なのか・・・・・・)」

 

「(一応食材ですから食べ物なのでは・・・・・・)」

 

「(と、取り敢えず食べるか)」

 

「(そ、そうですね・・・・・・)」

 

ストレアの無邪気な表情を見て俺とラムは静かに回りに聞こえないようにして会話した。

 

「ちょっと見た目は悪いけど味は大丈夫!はい、キリト、あーん」

 

「いや待て、ストレア・・・・・・。・・・・・・む、むぐ・・・・・・」

 

「はい、ラムも、あーん」

 

「ストレアさん!?ちょっと、待って・・・・・・むぐ・・・・・・」

 

「キ、キリト君・・・・・・?ラム君・・・・・・?」

 

ストレアに抵抗空しく口に入れられた俺とラムはとにかく口を動かしてストレアが作ってきた料理?と思わしきものを食べた。

 

「・・・・・・・・・・うまい」

 

「・・・・・・・・・・おいしい」

 

「やった!でしょでしょ?」

 

「見た目のおぞましさとのギャップがすさまじいが、とにかくうまい!」

 

「なんでしょう。とにかく不思議な味ですが、とにかくおいしいです!」

 

「ああ!でも、もっと食べたいのに箸が伸びない!でも食いたい!なんていう食い物なんだこれは!食文化に一石を投じる一品だ!一種の革命だな!」

 

「まさに革命料理ですね!」

 

「すごい褒められてる!」

 

「褒めてるのかな・・・・・・それ・・・・・・」

 

俺とラムの褒めてるようで褒めてない言葉に喜ぶストレアと疑問顔のリーファのところに。

 

「はい、キリト君!ラム君!おまたせー!」

 

アスナが料理を盛った皿を持ってやって来た。

 

「次はアスナか。何が出てくるのかな?」

 

「コトレッタ・・・・・・ミラノ風カツレツだよ。付け合わせのサラダとトマトソースを作ってたら遅くなっちゃったけどね」

 

「こ、これは・・・・・・!黄金色のカツレツに緑のサラダ。赤いトマトソースと、目にも鮮やかだ」

 

「赤、黄、緑と三色揃っていて見た目も綺麗です」

 

「よし、いただきます!」

 

「いただきますアスナさん」

 

「はい、どうぞ」

 

「・・・・・・うん!うまい!カリッとした衣の食感に肉汁の旨味、付け合わせの爽やかさも加わって・・・・・・」

 

「これが料理スキル《完全習得》者の実力・・・・・・」

 

「ありがとう二人とも」

 

アスナのコトレッタを食べ終わると。

 

「次はボクと姉ちゃんの料理だよ!」

 

ユウキとランが皿を持ってやって来た。

 

「次はユウキとランか。二人は何を作ったんだ?」

 

「ボクはしょうが焼きだよ!」

 

「私はビーフシチューです」

 

ユウキの持ってる皿には沢山のしょうが焼きとキャベツが。ランの持ってる鍋からはビーフシチューが覗いていた。

 

「お、どれも美味しそう」

 

「ですね。では、いただきます」

 

「いただきます!」

 

ラムと一緒にユウキとランの料理を食す。

 

「ど、どうかな?」

 

「どうですか?」

 

「美味しい!このしょうが焼き美味しいですユウキさん!」

 

「ありがとうラム!」

 

「うん、味が染み込んでいて肉も柔らかくて口にいれた瞬間トロけた。旨いぞラン」

 

「ありがとうございますキリトさん!」

 

ユウキとランにそれぞれ感想を言うと。

 

「お待たせしましたラム」

 

「お待たせキリトくん!」

 

残り二人。レインとリーザが戻ってきた。

 

「待ってたよリーザ」

 

「お、最後はレインのか」

 

「私のは唐揚げです。バリエーションが沢山あるので、飽きないと思いますよ」

 

リーザの言った通り、唐揚げにもそれぞれ油淋鶏や塩胡椒、醤油、レモン、ポン酢など、様々あった。

 

「そして私のはビーフストロガノフだよ~」

 

レインもランと同じように鍋を置いて、お皿によそった。レインのビーフストロガノフは肉の量もさることながらキノコ類や野菜類も入っていてとてもボリュームがあった。

 

「それじゃいただきます」

 

「俺もいただきます」

 

「ど、どうですかラム」

 

「ど、どうかなキリトくん」

 

俺とラムはレインとリーザの料理をなにも言わずにただ食べ続けた。

そして食べ終わると。

 

「レイン」

 

「リーザ」

 

「な、なにかな?」

 

「ど、どうかしました?」

 

「「とっても、美味しかった!」」

 

俺とラムは同時に親指をあげてサムズアップをとって見せた。

 

「ありがとうキリトくん///」

 

「ありがとうラム///」

 

「さあ。それじゃキリト、ラム。そろそろ決めてもらいましょうか」

 

「キリトとラムは誰の料理が一番だった?」

 

「うーん・・・・・・非常に難しい選択だけど・・・・・・」

 

「ですね・・・・・・」

 

「けど・・・・・・」

 

「はい・・・・・・」

 

「「やっぱりレイン(リーザ)の料理が一番だな(です)!」」

 

俺とラムは同時に一位を言った。

 

「さ、さすがキリトとラム・・・。予想通りの答えだわ」

 

「まさか同時に言うなんて・・・」

 

「レインとリーザが赤くなってるわよ」

 

「やっぱり、一番は自分のお嫁さんなんですね」

 

「あはは・・・」

 

「なにも言えないですね・・・」

 

俺とラムの言葉にリズとアスナをはじめ、シリカ、シノン、ユウキ、ランが苦笑して答えた。

そんなわけで俺とラムの一位も決まりそれぞれ椅子につくとクラインとエギルが。

 

「よし!そんじゃキリトとラムの選んだ一位も決まったことだし、さっそくみんなで食おうぜ!こっちは早く食べたくてさっきからうずうずしてるんだからよ!」

 

「俺もだ、二人とも!早く食べようぜ」

 

「ああ、悪い悪い!それじゃ改めて、いただきますっ!」

 

俺の合図でクラインは閃光のような速さで料理を取り、食べた。

 

「いただきまーす!!よっしゃーっ!一生分の肉を食うぜー!」

 

「がっつくんじゃねーぞ!しっかり味わえよ!」

 

「そうは言っても・・・・・・んぐ・・・・・・むしゃ・・・・・・高級食材なんだから、もぐ・・・・・・もぐ・・・・・・止まらねぇよ」

 

「そんなに焦らなくてもまだ、たくさんあるのに・・・・・・」

 

「も、ものすごい食欲です・・・・・・」

 

「でも、こうやって自分の作ったものを食べてもらうのは、悪くないわね」

 

「そうそう、あたしが鍛冶屋をやっているのも相手に喜んでもらいたいからだしね」

 

「み、みなさーん。お代わりもありますからね」

 

「わたしたちも早く食べないと自分の分が無くなってしまいそうです!」

 

「アタシのも、どんどん食べてねー!」

 

「あはは!楽しいね姉ちゃん」

 

「そうね。こんな食事風景もいいですね」

 

「はい、ラム」

 

「ありがとうリーザ」

 

「どういたしまして♪」

 

「はい、キリトくん、ユイちゃん。食べよう」

 

「ああ!」

 

「はい!」

 

レインたちの作った料理を俺たちは和気藹々とパーティーをしている雰囲気だった。

そしてすべてが食べ終わると。

 

「いやあ、堪能したぜえ。オレ、生きてて良かったよ!」

 

「まったくだ。三日に一度は、こんな日があるといいな」

 

クラインとエギルは満足そうに言った。

 

「もう、大袈裟ね。でも、本当にどの料理も美味しかった。思い出すだけで幸せになれそう」

 

「全員で食べても結構な量になったな」

 

「ふふふ」

 

「お粗末様でした。あれだけの食べっぷりを見せられると作って良かったーって思っちゃうよ」

 

「みんなでこうやって、わいわいやるのってすごく楽しいね!そうだ!ねえねえ、キリト!アタシ、今日はここの宿屋に泊まっていくね!」

 

突如言ったストレアの言葉に少し驚くが。

 

「アタシ、もっとみんなとこうしていたいな」

 

「大歓迎ですよ!夜はいっぱいお喋りしましょう」

 

「うん!賛成だよ!私もストレアさんのこといろいろ聞かせてほしいな」

 

「ということだ。みんな、ストレアの気が済むまで付き合うよ」

 

「ありがとう!」

 

俺たちとしても賛成のため特に拒否することはなかった。

こうして、今日はストレアがここに泊まることになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

"コンコン"

 

 

「・・・・・・はーい?」

 

レインと話していたところに扉のノック音が聞こえてきた。

扉を開けるとそこには

 

「アタシ・・・・・・」

 

何時もの無邪気な表情を出していなく、なにか思い詰めた表情をしたストレアだった。

 

「ストレアちゃん?」

 

「ストレア?こんな時間にどうしたんだ?」

 

「ごめん・・・なんか苦しくて眠れないの・・・・・・」

 

「苦しいってまた頭痛か?」

 

俺は以前階層攻略の際、ストレアと出会ったときのことを思い出した。

 

「ううん、ちょっと違う・・・・・・」

 

「キリトくん、ストレアちゃんを中に入れたら・・・」

 

「そうだな・・・・・・ストレア、とりあえず中に」

 

俺はストレアを中に入れ、ソファーに座らせた。

 

「どうストレアちゃん・・・具合は?」

 

「うん、まあまあ」

 

「まさか、食べた料理が悪かったってこともないよな」

 

「それはないと思うよキリトくん」

 

「だよな」

 

「ごめんね、心配かけて・・・・・・。たぶんアタシ自身の問題だから・・・・・・」

 

「もしかしてストレアちゃんの頭痛に関係していることなの?」

 

「うーん、関係しているのかな・・・・・・?」

 

「どう言うことだ?」

 

「えっとね・・・。アタシ・・・・・・時々、頭の中に自分でない誰かがいる気がするの。その誰かの頭が痛くなると、アタシも一緒に痛くなって・・・・・・。いろいろなものが、アタシの頭の中に流れ込んでくるの」

 

「いろいろなもの?」

 

「うん。なんかいろんなもの・・・・・・。でも、それがなんなのかはよくわからない。なにかすごく大事なことなんだけど、忘れちゃってるみたいな・・・・・・。でも、それを思い出しちゃうとアタシがアタシじゃ、無くなっちゃう気もするの。それが、とっても不安・・・・・・」

「ストレアちゃん・・・・・・」

 

「・・・・・・大丈夫だ。ストレアにどんなことがあっても俺たちとの関係は変わらない。約束する」

 

「キリト・・・・・・レイン・・・・・・」

 

「そうだよストレアちゃん」

 

「みんなストレアのことを大切な仲間だと思っている。無邪気でいつも楽しそうなストレアに、みんな惹かれたんだ。まあ、最初はあまりに無邪気過ぎるからみんな驚いていたけどな」

 

「あはは。一番初めに合ったときの行動がキリトくんを胸に抱き締めるってやつだったからね」

 

レインは苦笑いを浮かべて思い出したかのように言った。

 

「えへへ・・・・・・」

 

「だから、なにも不安がることはない」

 

「うん。大丈夫だよストレアちゃん」

 

「キリト・・・・・・レイン・・・・・・みんな・・・・・・ふふ、ありがとうね」

 

そのあと、ストレアと軽く会話をしてストレアとレインは部屋から出ていきそれぞれ自分の部屋へと帰っていった。




「みんなわかったかな?今回の問題の答えはこちら、Ⅰ:『食材』だよ。このHF編もあと少し、これからも頑張っていきますので、応援よろしくお願い致します!それではまた次回!Don't miss it.!!」

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