ソードアート・オンライン 黒の剣士と紅の剣舞士 二人の双剣使い 作:ソーナ
「まさかわたしが呼ばれるなんて思わなかったよ、ソーナくん」
「いえ、こちらこそ来てくださりありがとうございます!」
「ふ。なに今回はあの二人の大事な場面だからね。わたしとしても観てみたいのさ」
「なるほど。おっと失礼しました。今回のゲストはSAOの開発者にしてゲームマスター。ヒースクリフこと、茅場さんです!」
「どうも。それと、今のわたしはヒースクリフと呼んでくれたまえ」
「わかりました。ところでヒースクリフさん、今回のクエストはヒースクリフさんが設計したものなんですか?」
「ふむ。確かにSAOのクエストの大半はわたしが考案したものだ。中にはカーディナルシステムが作成したクエストもあるがね」
「へぇー。では、ここで今回の問題を出します!」
問題:『今回のクエスト、《祝福の儀式》の別名はなんでしょう?』
Ⅰ:『成婚クエスト』
Ⅱ:『結婚クエスト』
Ⅲ:『祝願クエスト』
Ⅳ:『儀式クエスト』
「答えは本文の最後に!」
~キリトside~
攻略が進んだとある昼間。第76層アーソフィアのカフェで。
「キリトくん、ちょっといいかな・・・・・・?」
「ん?どうしたんだ?」
俺は目の前にいるレインにそう言われた。
「あのね、86層のマップを確認してみてくれるかな」
「86層?」
レインに言われてウインドウを開き、第86層のフィールドマップを開いた。
「・・・・・・おっ、クエスト情報が更新させれてる。場所は・・・・・・迷宮区の北の方だな」
フィールドマップの一ヶ所に『!』のマークが表情されていた。
「キリトくんのも更新されてるんだね。それじゃあやっぱりこれって・・・・・・」
「ああ。これが《祝福の儀式》だな」
「うん。確か、神父さんの言葉によればこのクエストで最後・・・・・・のはずだよね?」
「ああ」
「それじゃあ今すぐ86層に行ってクエストを攻略しよう!」
「だな。準備は?」
「バッチリだよ。キリトくんは?」
「問題ない。俺も大丈夫だ」
「うん♪それじゃあクエスト攻略目指して頑張ろー」
即日実行。俺とレインはテーブルの上にあった飲み物を飲むと、駆け足のような速度で転移門広場に行き、第86層へと、転移した。
第86層 迷宮区北側
第86層に転移した俺とレインはそのまますぐに、クエストポイントへと向かっていた。
「いよいよここが、《祝福の儀式》の最終地点だな」
クエストポイント付近に到達し、俺はそう声を漏らす。
「うん!このクエストをクリアできたら私たち・・・・・・」
「よし。行こう、レイン」
「うん!キリトくん!」
クエストポイントに着くと、辺りの府陰気が変わった。
どうやらクエスト専用のインスタンスエリアに入ったようだ。
そのまま歩くと開けた場所があった。
「うわぁ・・・・・・キリトくん、上見て!スッゴく綺麗だよ」
隣にいるレインが上を向いてそういうのが聞こえ、俺も上を見上げると、そこには満天の星空があった。
おそらくインスタンスエリアで、他のエリアと隔絶されているから時間の進みが違うのだろう。
「すごい眺めだな。ゲームの中でこその光景だよな。リアルでこんな風景、見たことない」
「そうだね。あ、でも都会とかじゃなかったらなかったら綺麗に見えるんじゃないかな?」
「あー、確かに。リアルの家の窓からも綺麗な星空は見えるからな」
俺は昔、子供の頃に自室の窓から見た流星を思い出して言った。
「へぇー。今度リアルで連れていってね♪」
「あ、ああ。機会があればな」
「それにしても・・・・・・」
「ああ・・・・・・」
近くにあった草地に座り込み、俺とレインは滅多に見たことない満天の星空を眺めた。
その光景に、俺とレインは言葉を失った。
やがて、レインが。
「・・・・・・リアルでもキリトくんとこうしてみたいな」
「そうだな・・・・・・俺も向こうでレインとこうして見てみたいな」
「うん。あ、見て!流れ星」
レインの視線の先にはレインが言ったように流星が流れていた。
「ホントだ。アインクラッドで流星なんて初めてみた・・・・・・」
「私も・・・・・・」
俺とレインの視線の先では満天の星空を切り裂くように流れ落ちる流星がいくつも流れていた。
「・・・・・・現実の家の近くに星が綺麗に見える場所があるんだ」
「そうなんだ。じゃあ、向こうの世界に戻ったら一緒に行こうよ」
「そうだな」
「約束だからねキリトくん?帰ったら一緒に、いろんな場所に行って、いろんな風景を見に行こうね」
「ああ、約束だ」
レインと右手の小指をあわせて指切りをして約束する。
その約束は俺にとってもレインにとっても大切な目標になったと俺は、星空を見上げて感じた。
流星を眺めた場所で休んでさらに進んでいくと、洞窟があった。ほかに道もないため洞窟に入りしばらくすると。
「あれ?なんだろうここ。雰囲気が教会みたい」
扉があり、その中にはいるとレインがそういった。
「レインもそう思うか?」
「うん。あ、そうだ!お祈りをしようかな、キリトくんが浮気をしないように、って」
「えっ!う、浮気なんか絶対しないよ!」
「アハハ♪冗談だよ冗談♪キリトくんが浮気をするわけ無いもんね♪」
「あ、あたりまえだろ」
「あ・・・・・・ね、ねぇ!キリトくんあれ見て・・・・・・」
レインの指差す先には一段上がった台座のようなものがあった。
「ん?あれは・・・・・・祭壇か?・・・・・・とすると、ここで儀式を行うのか?」
祭壇に近づき、石でできている祭壇を見ていると。
『・・・・・・絆の神殿を訪れし者たちよ・・・・・・』
どこからかそんな声が聞こえてきた。
「「・・・・・・・・・・!(きた・・・・・・!)」」
『・・・・・・汝、健やかなるときも病めるときも喜びのときも悲しみのときも・・・・・・これを愛し、これを救い、これを慰め、これを助け、その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか?』
「・・・・・・え?」
「・・・・・・は?」
俺は続いて聞こえてきた謎の声の言葉に声を漏らした。何故なら、この言葉はどう考えても。
「これって・・・・・・どう考えても・・・・・・」
「結婚式・・・・・・だよね?」
結婚式での誓いの言葉そのまんま・・・・・・なのか?だからだ。
『・・・・・・誓いますか?』
急かしてくるように再び聞いてくる声に
「「は、はい!誓います!この命に変えても!」」
俺とレインは同時に。同じ言葉を発した。
『よろしい。ならば、その絆を示せ・・・・・・』
「絆を・・・・・」
「示せ・・・・・?」
俺とレインは謎の声の言葉に嫌な予感が芽生えた。
そしてそれはすぐさま当たった。
何故なら―――。
『NM"Knight Of Dath"』
『NM"Knight Of Living"』
と表示された二体の騎士モンスターがポップしたからだ。しかも二体とも
そして嫌な予感は的中し。
『汝らの力を・・・・・・絆を、その騎士に伝わらせよ』
と謎の声が言った。
「な、なんでいきなりこうなるのよー!」
「いろいろつっこみたいが今はとりあえず目の前のモンスターを倒すのが先だ。行けるかレイン」
「もちろん!」
「よし。戦闘開始だ!」
俺の開始の言葉を合図に俺とレインは鞘から双剣を。目の前にいる二体の騎士モンスターは両手剣を構えた。
「最初からやるぞ!」
「うん!」
俺とレインは同時に同じスキルを言う。
「「―――
≪シンクロ≫スキル《共鳴》を発動させた。
俺とレインのHPバーには《共鳴》による様々なバフが表示された。
「はあああっ!」
「やあああっ!」
気合の入った声と共に、俺はNM"Knight Of Dath"へ。レインはNM"Knight Of Living"へと迫る。
「ぜあっ!」
接近した俺はそこから片手剣ソードスキル《バーチカル・アーク》2連撃を放つ。放たれた《バーチカル・アーク》の一撃目はモンスターの両手剣により防がれる。そして二撃目はモンスターの籠手部分に当たり、僅かにHPを減らした。
「まだだ!」
そこから追撃で体術スキル《幻月》による蹴りを放ち距離を取る。
「やっぱりNMだからかそんじょそこらのモンスターとは違うな」
今の攻防で俺はそう声に出して言う。
騎士モンスターはそんなことを言う俺を無視し両手剣ソードスキル《アバランシュ》単発突進技を仕掛けてきた。
「はあっ!」
放たれたソードスキルを俺は双剣をクロスさせて受け止める。受け止めた威力を受け流して、両手剣を弾きあげがら空きの胴体に連続で攻撃する。
両手剣は小回りが効かないぶん威力は高い。その点に関して俺やレインの双剣は小回りが効き、威力も十分ある。まあ、他のプレイヤーが聞いたら、一緒にするなって!言いそうだが。
「キリトくん!」
そう思っているとレインから声が聞こえた。
チラリとレインの方を見て、同時にうなずく。
騎士モンスターと攻防をしながら少しずつレインに近寄る。やがて、十分に距離が縮まったところで。
「「・・・・・・!」」
同時に斬りかかってきた騎士モンスターを背中合わせのレインと位置を交換して防ぐ。
そしてそのまま。
「「―――レディアル・シンズ!」」
≪シンクロ≫ソードスキル《レディアル・シンズ》範囲技8連撃を放つ。《共鳴》の効果で威力が
このソードスキルの最大の特徴はソードスキル中にパートナーとスイッチ出来ることだ。通常のソードスキルの発動中はスイッチ出来ず、ソードスキル終了後にスイッチできる。だが、このソードスキルは二対二のとき、ソードスキル発動中にスイッチが出来るのだ。いや、正確にはスイッチしてもソードスキルが発動中だから、スイッチではないかと思うが。
そんなこと考えながらソードスキルで騎士モンスターを攻撃しHPを減らす。
「やっぱりNMモンスター相手だとキツいね」
「確かに・・・・・・な」
背中合わせに会話する。
視線の先の騎士モンスターのHPは二段のうち一段目の半分にまで減っている。
「《共鳴》の終了まであと10分、それまでには終わるか?」
「終わるか?じゃなくて終わらせるんだよキリトくん♪」
「はは、だな」
「だから、この先は私たち二人で闘おう」
「奇遇だな。俺もそう言おうと思ってたところだ」
俺は意地の悪い笑みを浮かべて答える。
そんな俺を見てレインは苦笑しながら双剣を握り直す。
「さて・・・・・・行こう!」
「うん!」
俺とレインは背中合わせに騎士モンスターに双剣を突き出して言う。
「ぜりゃっ!」
まずは俺が先に攻撃を仕掛ける。
接近した俺に騎士モンスター二体は俺に両手剣を振り下ろしてくる。だが―――。
「遅いッ!」
振り下ろしてくる前に俺は騎士モンスターの懐に入り込み≪二刀流≫ソードスキル《エンドリボルバー》範囲技2連撃を発動させていた。
《エンドリボルバー》が胴体に直撃し、騎士モンスターの動きが止まる。そしてその隙を逃す俺とレインではない。
「やあっ!」
後ろからレインの≪多刀流≫最上位ソードスキル《サウザンド・レイン》が飛翔し騎士モンスターの甲冑姿を次々と斬りつけていく。その隙に俺は騎士モンスターの横に移動してソードスキルを放つ。
「りゃあ!」
放たれた≪二刀流≫ソードスキル《ローカス・ヘクセドラ》7連撃を受けた二体は七撃目の衝撃波で吹き飛ばされ、揉みくちゃになって倒れた。
《ローカス・ヘクセドラ》は範囲技ではなく単体技だが、こうして敵に衝撃波を与えることができ、後ろにいるモンスターにも衝撃波が飛び、攻撃できる。まあ、《共鳴》とレインの《サウザンド・レイン》で動きを止めているからできる芸当だが。
吹き飛ばされ倒れた騎士モンスターは立ち上がろうとするが、動きがぎこちなく遅い。
騎士モンスター二体のHPバーには《ローカス・ヘクセドラ》の追加効果で麻痺が与えられていた。
「決めるぞレイン!」
「うん!」
「「はあああっ!―――インフィニティ・モーメント!」」
≪シンクロ≫最上位ソードスキル《インフィニティ・モーメント》30連撃を受け、二体の騎士モンスターは見る見るうちに甲冑とHPが削られていき、ラスト二撃目で同時にHPをゼロにした。
「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・。終わった・・・・・・のかな・・・・・・キリトくん!」
騎士モンスターがポリゴンの欠片となって爆散したのを確認すると、レインがそう聞いてきた。
「ああ・・・・・・。というか、結婚式を挙げるのになんでモンスターを倒すんだよ。しかも
「同じく・・・・・・」
「さて・・・・・・ボスは倒したが」
息を整え、剣を鞘にしまいそう訊ねる。
「うーん・・・・・・。儀式ってどうしたら変化が起きるのかな。指輪にも変化はないみたいだし・・・・・・」
「これまでのところ、イベントに展開があるたびに指輪が光っていたから、今度も指輪を光らせないといけないんだろうけど・・・・・・」
今までの展開を思い出してそう言うと、レインが恐る恐る声をかけてきた。声をかけてきたレインの顔は真っ赤になっていた。
「・・・・・・あ、あのね、キリトくん。これが結婚式だということは、さっきのが誓いの言葉・・・・・・ってことになるから、次にやることって・・・・・・」
レインの言いたいことがわかった俺は、レインと同様にこのあとのことを理解し、気恥ずかしさに顔を赤くする。
「な、なるほど・・・・・・。それじゃレイン・・・・・・こっちを向いて」
「・・・・・・はい」
祭壇の前で向かい合い、俺とレインは顔を近づけてキスをする。
今までの何度もしてきたはずだが、今回のは少し・・・・・・違うような感じがした。
『・・・・・・汝ら、神の前において夫婦たる誓約をなせり』
キスをすると、どこからか謎の声が聞こえた。
「おおっ」
「合ってたんだね!」
会っていたことに喜ぶ俺たちに。
『故に我、神の名において、汝らの夫婦たることを宣言す。神の合わせ賜いし者は人これを離すべからず』
謎の声(神?)がそう宣言した。
謎の声が宣言したその瞬間、俺とレインの指輪が光だした。
「あ、指輪が・・・・・銀色に変わったよ・・・・・・」
レインがそう言うと、目の前にウインドウが開き。
『アクセサリー:マリッジリング』
と、新しいアイテム名が表記された。
「終わった・・・・・・のか?」
「たぶん、ね。あ・・・・・・!キリトくん、システムウインドウ。急いで見てみよう!」
「おう」
急いでシステムウインドウを開き確認すると。
「・・・・・・アイテムストレージがひとつになってる・・・・・・」
「キリトくんのステータス画面も見れるよ・・・・・・!」
「俺もだ。レインのステータス画面が見れるようになってる・・・・・・!」
俺とレイン、両方のステータス画面が見れ、アイテムストレージが一つになっていた。
「キリトくん、私たち・・・・・・」
「無事、元に戻れたみたいだな」
「や・・・・・・やったぁーー!よかったよーー!」
「やっぱりこの方が落ち着くな(レインも喜んでくれているし)」
「それにしても、このクエストって結婚式クエストだったんだね」
「最初のトリガーが、神父の前で指輪の話をする、だったけど・・・・・・。結婚や婚約指輪の話をしてクエストを発生させるって流れが想定されていたんだろうな」
「でも、こんな神聖な場所で私たち二人だけで結婚式を挙げられるなんて・・・・・・私とキリトくん二人の秘密だね」
「だな。俺とレイン二人の秘密だ」
「うん♪ところでさっき聞こえてきた声。神の名においてって言ってたけど、神って・・・・・・」
「ヒースクリフ?あ、いや、茅場か?」
「・・・・・・ふっ、あはははっ!ヒースクリフさんが仲人かぁ。確かにヒースクリフさん仲人にピッタリかも」
茅場が仲人している姿を想像し、少し苦笑いを浮かべた。
「ヒースクリフ。いや、茅場のことは許したつもりはないけど・・・・・・ある意味、SAOがなかったらレインと出会えなかったわけだしな」
「そうかも。キリトくん、私ね・・・・・・キリトくんと会えてよかったよ」
「俺もだよ」
「うん・・・・・・♪」
「・・・・・・さ~てと。そろそろ帰ろうか。みんなのところに」
「そうだな」
「(・・・・・・ふう。これで結婚の件も一件落着か?かなり凝ったイベントだったな・・・・・・)」
俺はそう思いながら、レインとともにアーソフィアへと帰っていった。
アーソフィアに着き、みんなにクエストクリアの報告と、レインと結婚状態に戻ったことを伝えると、俺とレインはみんなから祝福されたのだった。
その際ユイがとても嬉しそうにレインに抱き付いていたのが印象だった。
「みんな答えはわかったかな?それではヒースクリフさん、答えをお願いします」
「うむ。今回の問題の答えはⅡ:『結婚クエスト』だ」
「いやー、キリトとレインが結婚状態に戻って良かったですね」
「うむ。やはり、あの二人は結婚していてこそだな」
「ところでキリトとレインの二つ名の『最強夫婦』って誰が着けたんですか?」
「む?ああ、その二つ名はわたしが着けたのだよ」
「へぇー・・・・・・え?」
「ユニークスキル保持にして、攻略組トップの二人が結婚しているのだから『最強夫婦』の名に相応しいと思ってね。まさか、ここまで広まるとは・・・・・。さすがのわたしも予想できなかったよ」
「そ、そうなんですね・・・・・・」
「うむ。おっと、ソーナくん、そろそろ時間ではないかね?」
「あ!ほんとですね。ヒースクリフさん、今回はありがとうございました」
「なに、かまわんさ。またよければ呼んでくれたまえ」
「わかりました。では、また次回!」
「「Don't miss it.!!」」