ソードアート・オンライン 黒の剣士と紅の剣舞士 二人の双剣使い   作:ソーナ

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「ヤッホー!ソーナだよ!今回も問題を出題するよ!そして今回のゲストはこちら!」

「久しぶりだねソーナ君。元気そうだね」

「今回のゲストはヒースクリフさんです!お久しぶりですねヒースクリフさん」

「まあね」

「それにしてもヒースクリフさんは目の熊がスゴいですけど・・・・・・ちゃんと寝てます?」

「なあに。ほんの数日寝てないだけさ」

「ちなみにどのくらい寝てないのでしょう・・・・・・」

「ふむ・・・・・・ざっと10日かね」

「と、10日!?」

「うむ」

「いやいやいや!ほんの数日ってレベルじゃないですから!」

「そうかね?アーガスでは1ヶ月徹夜も当然だったが」

「なんですかそのブラック企業!?」

「いや、他の者は寝ていたよ。熱中して私が寝てないだけさ」

「更に質が悪い!?誰か寝るように言わなかったんですか!?」

「さあ・・・・・・言っていたような気もするが・・・・・・・」

「な、なんちゅう驚異の集中力・・・・・・・」

「それよりそろそろ問題を出した方がいいのではないかね」

「そ、そうですね・・・・・・・。今回の問題はこちらです」


問題:『スキルの他に、キリトとレインが得たものは何?』


Ⅰ:剣

Ⅱ:防具

Ⅲ:アクセサリー

Ⅳ:食材



「答えは本文の最後に!」








「では、我々はゆっくりと見ようか」

「ですね。それとヒースクリフさんはこれを見たら寝るように!」

「む。どうしてもかね」

「当たり前ですよ!少しは寝てください!」

「む、むう、ソーナ君がまるで凛子君みたいなんだが・・・・・・・」







HF編 第126話〈シンクロ〉

 

~Outer side~

 

 

どことも知れない一つの部屋の中。そこにただ一人いた人物。

血盟騎士団団長にしてSAOのゲームマスターでもあるヒースクリフこと、茅場明彦は目の前のモニターを凝視していた。

 

「―――固有スキルと固有ソードスキルまで解放されるとは・・・・・・」

 

試練の空間で起きている戦闘を見て、ヒースクリフは信じられないと言うかのように言った。

 

「二人が≪シンクロ≫を取っているということは、いずれこのスキルも習得できるとは思っていたが・・・・・・。いやはや、彼らは私の予想を大きく越えるな」

 

ヒースクリフの予想ではこの固有スキルと固有ソードスキルを習得できるのはもう少しあとだと思っていたのだ。だが、そんなヒースクリフの予想を大きく覆し、キリトとレインは今習得していた。

 

「ふむ・・・・・・。基本あまり干渉はしないのだが、まあキリト君とレイン君には毎回苦労させてるからね。試練のクリア報酬にこれを付け加えるとしよう」

 

そう言うとヒースクリフは別のウインドウを表示させて素早く手元のホロキーボードをタップする。

 

「なるほど。76層に上がった際、カーディナルシステムの不具合でスキル値や武装にエラーが生じたのか。さらに76層より下の階層に行けないようだね。さすがにこれは私でも無理だが、キリト君とレイン君の武装を直すことは可能だね。いや、これは直すというより、新しく作り替えられるというのかな」

 

少し楽しそうな表情をしながらキーボードをタップするヒースクリフは視線を横に移動させた、試練の空間の映像を見た。そこにはキリトとレインの周囲に黒金色と紅白色のオーラが(ベール)のようにたゆたい煌めき、二人の持つ剣もそれぞれ黒と白、紅と白銀のオーラが出ていた。

 

「ふふ。キリト君とレイン君なら恐らく辿り着けるだろう。この歪んだSAO(ソードアート・オンライン)の頂きに。そして彼の事も何とかしてくれるはずだ」

 

そう言うヒースクリフの表情は先程の楽しそうな表情ではなく、真剣で険しい表情だった。

 

「まったく、ゲームマスターであるわたしを差し置いてこんなことをするとはね。さすがにこれは許容できないね」

 

そう言うヒースクリフの目の前にはキリトとレインではなく、一人のプレイヤーが映し出されていた。その一人のプレイヤーの表情はニタニタと気持ち悪い表情をして、近くにいた意識のない数人のプレイヤーを観察していた。

 

「さて。予想よりもカーディナルシステムの被害が広いからね。あと少しだが出来るだけ速く復旧させなければな」

 

ヒースクリフはそう呟くと再び、ウインドウに複雑な英数字を入力していった。

 

~Outer side out~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~キリトside~

 

 

突如目の前に現れたウインドウに表示されている文に俺とレインは困惑していた。

 

「キリトくんこれってもしかして・・・・・・」

 

「≪シンクロ≫の、って書いてあるから恐らくそうなんだろう」

 

正直、いきなりすぎて戸惑ってはいるが二体のSNMの騎士モンスターは待ってくれないみたいだ。

 

「仕方ない!やるぞレイン!」

 

「了解キリトくん!」

 

レインにそう言うと、俺とレインはウインドウを消去したった今現れた固有スキルを唱える。

 

「「発動―――」」

 

「―――零落白夜!」

 

「―――絢爛舞踏!」

 

固有スキルを発動させると、俺とレインの身体の周囲を黒金と紅白色のオーラのようなものを纏っていた。そしてそれは両手に握る双剣にもだった。さらにイエローにまで落ちていたHPゲージが一瞬で右端にまで移動し、HPゲージが満タンにまでなった。そしてHPゲージ横には二本の剣。双剣の絵柄が付いたバフらしきものが表示された。

けど、今の俺たちにそんなことはどうでもいい。

 

「レイン」

 

「うん、キリトくん」

 

うなずきあい、少しの間だけ眼を閉じ意識を集中させる。そして眼を見開き、その場を思いっきり踏み締めて一瞬で黒騎士の懐に入り込んだ。

 

「グルォ!?」

 

「はあああっ!」

 

驚きの声を出す黒騎士に、右手の剣を黒騎士の腹に右横から薙ぎ入れ、中心点で止まり奥に突き刺し、背中を向けて思いっきり振り上げた。片手剣ソードスキル《サベージ・フルクラム》3連撃重攻撃技を放つ。数字の4、もしくはAを描くようにしたソードスキルの紫の軌跡が黒騎士を包み込む。

 

「まだだ!」

 

さらにそこから、片手剣ソードスキル《ホリゾンタル・スクエア》4連撃を放った。クリアブルーのライトエフェクトを煌めかせた右手の剣が《サベージ・フルクラム》の副自効果で発生したノックバックにより動けない黒騎士に、吸い込まれるようにして切り裂いた。

 

「グルオォ!!」

 

「ぜりゃああああ!」

 

《ホリゾンタル・スクエア》が放ち終えるのと同時に、ノックバックから回復した黒騎士が両手に握る剣を暴風の如く振り回してきた。無茶苦茶なその剣舞は通常だったら成すすべはないだろう。しかし俺はその暴風剣舞を、すべて的確に捌いた。

 

「(すごいな。全部がスローモーションのように見える。システム的にあり得ないだろうこれ)」

 

そう思いながらも、次々に迫り来る剣を防ぐ。

 

「今度はこっちの番だ!」

 

すべてを防ぎきり、動きが止まったその瞬間に攻防が入れ替わり、今度は俺が暴風剣舞のような剣技を繰り出した。ソードスキルではない、純粋な技術。嵐風剣舞とでもいうのか、暴風を越える、嵐のような剣舞。切り裂き、突きを目にも止まらぬ速度で放つ。黒騎士は最初の何合かはギリギリのところで防いだりしていたが、徐々に俺の剣速が速くなるにつれ、リズムが狂ったかのように遅くなり、今はもう既に所々に赤い、血のようなライトエフェクトをあちこちに出した斬面が黒騎士を覆い尽くしていた。

 

「(まだだ・・・・・・もっと早く・・・・・・!)」

 

思考を速くさせて、さらに両手の剣を振るうのを速くする。

 

「グルオォ!!」

 

黒騎士にラッシュを仕掛けていると、レインの相手していた紅騎士がこっちにソードスキルを仕掛けてきた。

そのまま当たるかと思いきや、しかし。

 

「キリトくんの邪魔はさせないよ!あなたの今の相手は私だから!」

 

レインがかなりの余裕をもって紅騎士と俺との間に入り込んで、紅騎士の剣をパリィしてカウンターを叩き込んだ。

 

「やああああっ!」

 

視線をレインに向けなくても、意識だけでレインが今、何をしたのか、どこにいるのか、何をやっているのか、が視れる。一層からずっと背中を預けてきたパートナーだからわかる。

 

「グルオォ!」

 

「はあっ!」

 

防ぐのをやめ、後ろに飛び退って距離をとって高速の一撃を繰り出してくる黒騎士の右の剣を最小の動きで、軌道を反らして、続けて上から来る左の剣を同じく左の『ホワイト・ユニヴァース』で受け止める。

 

「ぜりゃああああ!!」

 

一連の攻撃を防ぎ、がら空きの胴体に片手剣ソードスキル《バーチカル・スクエア》4連撃を撃つ。薄オレンジのライトエフェクトを輝かせた4撃目の横薙ぎで黒騎士は後ろに吹き飛ばれる。

 

「グルオォオ!!」

 

吹き飛ばされながらも雄叫びを上げる黒騎士。吹き飛ばされた黒騎士は、剣を杖代わりにして立ち上がる。そして黒騎士のHPは残り一段となった。

黒騎士が立ち上がった瞬間。

 

「やああああっ!」

 

「グルオォォォ!!」

 

凄まじい金属音と、レインの声と紅騎士の雄叫びが聞こえた。その一秒後、金属と金属が激しくぶつかる音が聞こえた。

意識を少しだけそっちに向けると、紅騎士が目の前の黒騎士と同じように吹っ飛ばされて、揉みくちゃになって倒れている姿があった。そして黒騎士と同様、紅騎士のHPは残り一段にまで減っていた。

特に目を引くのが、紅騎士が杖代わりに床に突き立てている両手の片手剣だ。

 

「(ど、どうやったらあんなに剣が刃こぼれするんだ・・・・・・?)」

 

紅騎士の両刃の双剣は、所々、至るところが刃こぼれしていた。正直、一体どうやったらああなるのか不思議でしかたがないのだが。さらに、紅騎士の紅色の鎧はボロボロと言うかなんと言うか・・・・・・、あちらこちらに赤い斬断面が血のように光っていた。

少しだけ、レインの双剣捌きに冷や汗をかきながらレインと背中合せになるように動きをとる。

 

「―――どうキリトくん」

 

「―――ああ。力が溢れてくるようだ」

 

「私もだよ」

 

無意識にそう会話し、構えを取り直す。

そのまま、俺はレインにある提案をした。

 

「なあレイン」

 

「なに?」

 

二人(デュエット)でやらないか?」

 

「―――奇遇だねキリトくん。私もそう提案しようとしていたところなんだ」

 

「じゃあ・・・・・・」

 

「うん」

 

視線を交わして頷き合うと、一息ついてその場から消え去った。

正確には脚力を全開にして、一瞬で俺は黒騎士の、レインは紅騎士の背後に回り込んだのだ。

 

「はあっ!」

 

「やあっ!」

 

「「グルオォオ!?」」

 

一瞬の出来事に反応できていなかった黒騎士と紅騎士は全力で振り払った俺とレインの双剣にまたしても吹き飛ばされ、今まで俺とレインがいた場所に飛んだ。

 

「レイン!」

 

「うん!」

 

紅騎士を吹き飛ばしたレインは、それを追いかけるように紅騎士の後を追う。そして、倒れ付している紅騎士とそれに重なるようにして倒れている黒騎士を通り越し俺に近寄ってくる。

レインが近寄ってくるのと同時に、右足を一番上にまで上げ靴底にジャンプしたレインが軽く着地して、さらに高く飛んだ。

 

「やああああっ!―――サウザンド・レイン!」

 

紅騎士と黒騎士の遥か頭上を取り、そこから剣が雨のように降り注いだ。

 

「「グルオォォォオオオ!!」」

 

起き上がっているところに不意打ちのような形で、頭上からの剣の雨を黒騎士と紅騎士は防ぐまもなく、その鎧の所々にレインの《サウザンド・レイン》の剣が突き刺さった。

 

「よっ、と」

 

《サウザンド・レイン》を撃ち終えたレインは華麗に着地して、俺の真横に並び立った。

 

「決めるぞレイン!」

 

「うん!」

 

そう言うや否や、俺とレイン、そして立ち上がった黒騎士と紅騎士は同時に動いた。

黒騎士の突きをレインが受け止め、そのすぐ後に来る紅騎士の横薙ぎを俺が防ぐ。あちこちで剣と剣が撃ち合わさる剣戟の音が鳴り響く。少しずつ、徐々に俺とレインのHPは削れていくが、その減少量は微々たるものだった。それに対して黒騎士と紅騎士のHPはレッドゾーンに突入し、残り3割ほどにまで減少していた。

 

「「グルオォォォ・・・・・・」」

 

黒騎士と紅騎士、それぞれ両方とも二本の剣はすでにボロボロとなり、最初は神々しかった鎧もボロボロになっていた。

二体が膝をついたところに。

 

「はあああああっ!」

 

「ぜりゃああああっ!」

 

俺とレインはそれぞれソードスキルを発動させる。

 

「―――零爛星双(れいらんせいそう)!!」

 

「―――緋双黒星(ひそうこくしょう)!!」

 

両の剣に、黒と金、緋と黒のライトエフェクトを目映く煌めかせて俺とレインはまるで互いのソードスキルを鏡に写しているかのように、シンクロしてソードスキルを打ち出した。

 

「「グルオォォォ!」」

 

最後の悪足掻きなのか、今までよりも人一倍高い雄叫びを上げた黒騎士と紅騎士は俺とレインの固有ソードスキルの5撃目で立ち上がり、何時壊れてもおかしくない双剣で反撃をした。

 

「なっ・・・・・・!」

 

「えっ・・・・・・!」

 

17撃ある固有ソードスキルの残り6撃となる12撃目で、黒騎士と紅騎士の剣が片方ずつ儚く砕け散るのと同時に、俺とレインの左の剣がその砕け散った剣により吹き飛ばされ、手から離れてしまった。まさか剣が手から離れるとは思っても見なく、一瞬驚きながらも、俺とレインは目線も、声も何も話してないのに、何時意思疏通をしているのかと言う程の行動をとった。

吹き飛ばされた左手の剣。俺の『ホワイト・ユニヴァース』とレインの『レイン・オブ・セイント』をそれぞれ吹き飛ばされた左の剣の代わりに掴んだのだ。幸いにも、それぞれの剣が吹き飛ばされた所は手の届く範囲だったため、空中に浮かんでいる剣を素早く掴んで残りの6撃を撃つ。

左からの逆袈裟斬りに右突きからの垂直切り上げ、一回転してクロスに切り払い―――。

 

「うおおおおおおおおおっ!」

 

「やあああああああああっ!」

 

ラスト17撃目の右突きを俺とレインは同時に打ち出し、それぞれ黒騎士と紅騎士の丁度心臓部分に突き刺さった。

二体のHPがそのままゼロへと減っていき、やがて黒騎士と紅騎士は一瞬ぶれるような動作をした後、音高い爆散音出して虚空へと散っていった。

 

「・・・・・・終わった・・・のか・・・・・・」

 

「・・・・・・うん・・・終わった・・・みたい・・・・・・」

 

もう何も起きないことを確認した俺とレインはその場に崩れ落ちるかのように、背中合わせでその場に座り込んだ。それと同時に、固有スキルの効果で付いていたバフが消え去り、俺とレインを包み込んでいたオーラのようなものも消え去っていった。

 

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・。つ、疲れたぁ~」

 

「う、うん・・・。本当に・・・疲れた・・・よ・・・・・・」

 

息を整えながらゆっくりと話す。

そんな俺たちのところに。

 

 

『汝らの、確かなる真の絆は証明された。今ここに、我、神の名において汝らの絆を認めよう』

 

 

そう告げる声が響き渡った。

 

「キリトくん、この神の名ってもしかして・・・・・・」

 

「ヒースクリフか、また・・・・・・?」

 

以前の結婚クエストで訪れた、絆の神殿で聞いた声が名乗った名と、今聞こえた神の名、と言うのに対して俺とレインは唖然して呟いた。

そう呆然と呟いていると、目の前に突然ウインドウが表示された。

 

「えっと・・・・・・『≪シンクロ≫スキルの最終制限(リミッター)が解除されました。以下のスキルが発動可能となります』・・・・・・だって」

 

ウインドウに表示されてる文をレインが読み上げると、別のウインドウが開き、そこに新たに使えるスキルが表示されていた。

 

 

 

 

 

 

  使用可能スキル

 

 

  《神双解放(リミットリリース)

 

 

 

 

 

 

 

と。そしてそのスキルの説明が。

さらにその下には、≪シンクロ≫スキルの補正パラメーターが変化して、幾つかの数値が上昇した≪シンクロ≫スキルの補正リストが表示されていた。

 

「うわっ。これまたチートクラスの補正がかかってる」

 

「というかこんなにチートクラスのパラメーター補正していいのかよ・・・・・・」

 

俺とレインは表示されているパラメーター補正とスキルを凝視して何とも言えない呆気に取られた感じだった。

そんな呆気に取られているところに。

 

 

『真の絆を持ちし者よ。汝らに神より授けられし武装を与えよう。汝らの力の糧となることに願おう』

 

 

再びそんな声が聞こえてきた。

 

「え、武装?」

 

「まだ何かあるのか?」

 

聞こえてきた神の名と名乗る声の主の声に俺とレインは首をかしげた。首をかしげていると、上からキラキラと光何かがゆっくりと落ちてきたのが見えた。

 

「あれは・・・・・・」

 

「剣・・・かな・・・・・・・?」

 

ゆっくりと目の前に落ちてくる4本の剣を視て立ち上がる。

そのまま切っ先が床に突き刺さる一歩手前で4本の剣は止まり、その場に浮遊した。

 

「こ、この剣は・・・・・・!」

 

「う、うそでしょ・・・・・・!」

 

目の前に浮かんでいる剣を視て俺とレインは驚愕した。

俺の目の前に浮いているのは2本の片手剣だ。片手剣の片方は刀身も束も全て漆黒の片手剣。もう片方は純白の少し透けている刀身に青みがかった碧の束を持った片手剣。そしてレインの目の前に浮いている2本の片手剣は、片方は白銀の刀身に覆われ黒い束の片手剣。もう片方は緋色と白の混じりあった刀身に赤い束を飾った片手剣だった。その4本の剣たちは俺とレインにとって忘れられない、大切な剣で、今は76層に来た影響でノイズ化してしまった剣だったのだ。

 

「―――『エリュシデータ』に『ダークリパルサー』・・・・・・」

 

「―――『トワイライトラグナロク』と『キャバルリーナイト』・・・・・・」

 

「どうしてこの剣がここに・・・・・・」

 

「76層に来たときにノイズ化して、戦いがキツくなって今の剣に変えたはずなのに・・・・・・」

 

ノイズ化したとはいえ使えることは使えるため、今もストレージに収納されているはずの剣が目の前にあり俺とレインは驚きを隠せなかった。

 

「・・・・・・まさかヒースクリフが・・・・・・・」

 

ふと、脳裏に茅場のことがよぎった。

 

「(あの戦いの以降行方が分からないヒースクリフ(茅場)がこの剣を創ったのか・・・・・・?システムに干渉できるのはゲームマスターであるあいつ以外ないが・・・・・・。いや、そもそもこのSAOはカーディナルシステムによって統治されているはず。ならカーディナルシステムがこのクエスト報酬に俺とレインのかつての相棒(愛剣)を作成したのか?だが、76層に来てからのシステムの不具合といい、このホロウ・エリア。カーディナルシステムに何かあったとしか思えない。まてよ・・・・・・・カーディナルシステムに何かあったと仮設して、と言うことはつまりカーディナルシステムに何らかの異変があってそれをヒースクリフが対処してるってことか?それでこの剣がここに・・・・・・。つまりこの剣はヒースクリフのやつが・・・・・・・)」

 

今までの異変を思いだし、俺はあるひとつの仮説を立てた。

それは。

 

「(この仮説が正しいとするとやつは何処かで俺たちのことを見ている。そして現れないのはそのトラブルに対応しているからってことか・・・・・・)」

 

そう思考していると。

 

「ん?(メッセージ?)」

 

俺にメッセージが届いた。

届いたメッセージには。

 

 

『キリト君。この剣を使って今起こっている出来事をわたしの代わりに対処してほしい。そして招かるざる者よりこのSAO(世界)を守ってほしい。H』

 

と添付されていた。

 

「("H"ってまさかヒースクリフのHか!?)」

 

突如送られてきたメッセージに目を見開いた。

 

「(このメッセージの"今起こっている出来事"ってこのホロウ・エリアやアインクラッドのことか?それに"招かるざる者"って一体・・・・・・)」

 

ヒースクリフが送ってきたのであろうメッセージに疑問符を抱きながら考える。

 

「(あいつの代わりにやるってのは癪だが、どこの馬の骨とも知れないやつに俺たちのSAOを滅茶苦茶にさせてなるものか)」

 

メッセージウインドウを消し、未だに浮いている2本の片手剣の束を握りしめる。

握りしめたその時、どこか懐かしい感じの雰囲気を感じた。

横のレインもまた、自分が握っている双剣を視てどこか感じているようだった。

 

「(取り敢えずこのメッセージのことはレインにも伝えて方が良さそうだな)」

 

両手の剣を見ているレインを視てそう考え、レインに声をかける。

 

「レイン」

 

「なに、キリトくん?」

 

「ちょっと話があるんだ」

 

「???」

 

可愛らしく首をかしげたレインに、俺はさっき送られてきたメッセージの内容を伝えた。

 

「つまりこの剣はヒースクリフさんが・・・・・・」

 

「恐らくあいつが俺たちの馴染みのある、使い勝手のいい最適な剣を選んで創ったんだろうな。その証拠に、剣の銘は一緒だが、パラメーターは以前のものより数倍上がってる」

 

「ホントだ」

 

ヒースクリフから送られたらしい双剣のパラメーターリストを表示させると、そこには以前のものよりはるか数倍。今使っている剣の倍以上の数値が書かれていた。

 

「それでキリトくんはヒースクリフさんからのメッセージどう思ってるの?」

 

「・・・・・・たぶんヒースクリフの言っていることは事実なんだろうな。あいつはこんなことで冗談を言うようなやつじゃない」

 

「うん。私もそう思う」

 

ヒースクリフ、いや茅場は見る限りこの世界に本気で取り組んでいた。デスゲームを作った張本人だが、あいつは訳の分からない冗談を言うようなやつじゃないと言うことは、幾つものボス攻略を共にした俺達にもわかる。

 

「恐らく何らかの事情で自分で対処できないから俺たちに頼むんだろうな」

 

「たぶんね・・・・・・」

 

「癪だが、あいつの代わりにやるか」

 

「ふふ。そうだね」

 

ヒースクリフから送られてきた双剣をストレージに収納し、軽く伸びをして言った。

 

「さてと。それじゃ、取り敢えず帰るか」

 

「うん」

 

いつの間にか現れていたフィールドの中央に浮かぶ転移石に触れ、俺とレインはその場から転移して消え去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




「それでは答えを発表します!ヒースクリフさんお願いします!」

「うむ。答えはⅠ:剣だ」

「みんな分かったかな~?それにしてもヒースクリフさんなんで新たに剣を、しかも『エリュシデータ』たちを送ったんですか?」

「うむ。キリト君とレイン君の剣は76層以降、76層に来たときのエラーによりノイズ化が発生したことは覚えているかね」

「はい」

「武器としては使えるがノイズ化していては十分なパフォーマンスを発揮できなくてね、エラーによっておかしくなってしまった76層より上層では今キリト君とレイン君が使っている剣のようではないと難しくなってしまったのだ。わたしが今回2人にあの剣を送ったのは・・・・・・・・・このまま言ってしまうと本編のネタバレになってしまうのだが・・・・・・・。ふむ、ソーナ君、にだけ教えるとしよう」

「――――――――――なるほど。そう言うことだったんですね」

「うむ。まあ、いずれ彼らとは相対するのだろうがね」

「避けては通れぬ道、ですか・・・・・・・。おっと!時間になってしまいましたので今回はここまで!」

「うむ。ではまた次回も読んでくれたまえ」

「ては!また次回お会いしましょう!」

「「Don't miss it.!!」」

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