ソードアート・オンライン 黒の剣士と紅の剣舞士 二人の双剣使い   作:ソーナ

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「こほん!―――新年!」

「「「明けましておめでとうございます!!」」」

「こんにちは!ソーナです!」

「どうもキリトです」

「プリヴィベート!レインだよ!」

「いやー、ついに新しい年になったね」

「そうだな~」

「あっという間だね~」

「この話もあと少しで完結するよ~!」

「予定では?」

「3月までには次章!LS(ロスト・ソング)編に入れるように頑張るよ!」

「その意気だソーナ」

「頑張って!」

「ありがとうキリト、レイン!」

「それじゃ、前置きはこのくらいにして」

「そうだね。それじゃ、キリト、レイン、お願い!」

「ああ!」

「それでは、今年最初の物語(ストーリー)を」

「「どうぞ!!」」





HF編 第128話 〈管理区ボス、オクルディオン・ジ・イクリプス〉

 

~キリトside~

 

 

 

「ここが此処の最深部なのか・・・・・・?」

 

秘匿領域に入って2時間後。俺とレイン、フィリアは広間らしき部屋にいた。

 

「どうやら違うみたいだよ・・・・・・」

 

レインの言葉の通り、視線の先には上で見たのと同じ封印の紋章が通路を塞いでいた。

封印の紋章に近づくと。

 

「!?キリト、レイン、手が」

 

俺とレインの右掌に金色の紋章が浮かび上がった。

 

「もしかして・・・・・・レイン」

 

「うん」

 

上で解除したのと同じように、掌をレインと一緒に赤い封印の紋章に触れると。

 

「「「!」」」

 

閉ざされていた封印の紋章が光、すうっ、と手前から奥へと封印の紋章が消えていった。

そして、通路の奥の部屋の中央には紫のベールらしき物に包まれた転移装置があった。

 

「ここは・・・・・・」

 

「いかにもという場所だな」

 

「それじゃ、あれがが中央管理コンソールに通じる道・・・・・・」

 

「恐らく、この先には今までよりも比べ物にならない強敵がいるはずだ」

 

「最終ダンジョンだからね・・・・・・」

 

「ああ。レイン、フィリア、準備はいいか?」

 

「うん。もちろん!」

 

「ええ。これはわたしの・・・・・・自分自身を取り戻すための戦いなんだから」

 

「それに早くアップデートも止めないとね」

 

「そうだな・・・・・・」

 

「大丈夫だよキリトくん」

 

「レイン・・・・・・」

 

「私とフィリアちゃんが一緒に居るから」

 

「そうだよキリト。今までだって3人で戦ってきたんだから。だから、わたしたち3人なら絶対止められるよ」

 

「レイン・・・・・・フィリア・・・・・・そうだな。よし、これがホロウ・エリアでのラストバトルだ!」

 

「うん!」

 

「ええ!」

 

「行くぞ!」

 

同時に紫のベールに包まれた転移装置に触れ、俺たち3人はその場から転移した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バランサー・システムエントランス

 

 

転移して目を開けると、その場所はなにもない空間だった。俺たちが立っている場所は丸い巨大な透明なアクリル板のような場所だった。

 

「(これは、あのときと同じ・・・・・・)」

 

自分が立っている透明なアクリル板のような踏み台に目をやり、この間の≪シンクロ≫スキルの試練の場所を思い出した。

そのまま上を見やるとそこは星々や星屑が散りばめられたような、管理区と酷似した空間だった。

 

「ここは・・・・・・」

 

「コンソールもなにもないよ・・・・・・?」

 

俺とレインがそう呟くように言うと、鐘が鳴ったような衝撃と音が鳴り響いた。

 

「キリト、レイン、気を付けて!」

 

フィリアがそう言い終えるのと同時に。

 

「っ!レイン、フィリア、上だ!」

 

「「!?」」

 

なにもない、暗く星明かりのような輝きがあるなかに上からなにかが降りてきた。それは俺たち3人が立っているアクリル板の端部分に降り、その下を1回周って、再び下から姿を表した。

それは、巨大な、身体の上部はドラゴンのようで、下部は蜂のような鋭い剣のような尾があり、鉤爪と二本の真っ赤な大剣を持ち、背中の後ろには二つの魔方陣が重なりあったかのような紋章を浮かび出しているモンスターだった。

そして、そのモンスターの頭上には、【BOSS】Occuldion The Eclipse、と表示され三本のHPゲージが現れた。

 

「こいつがラスボスか」

 

ボスの頭上に表記された名前。恐らく、オクルディオン・ジ・イクリプスと読むのだろうボスを見て言う。

 

「こいつ・・・・・・と戦うの?」

 

「みたいだね」

 

「ああ。俺たちは入ってはならない場所に紛れ込んだ侵入者だからな。システム側としてはなんとしても排除したいんだろうな」

 

「そうだろうね・・・・・・。あのボスみたことないからどんな攻撃してくるかわからないよ。キリトくん、フィリアちゃん、気を付けてね」

 

「うん!」

 

「ああ!」

 

俺たちはそれぞれ剣の持ち手を握り、一気に抜刀する。

 

「よし、いくぞ!―――戦闘開始だ!」

 

俺はそう言うと、足に力を入れ円形状の地形の端。視線の奥にいるオクルディオン・ジ・イクリプスへと一気に距離を積めた。

 

「はあああっ!」

 

システムアシストによって、今出せる全快の速度でオクルディオン・ジ・イクリプスに近づいた俺は、両手に握っている二本の片手剣。『エリュシデータ』と『ダークリパルサー』を横薙ぎに切り払った。

 

「グオオオオオオ!!」

 

最速で剣を振るった俺の攻撃を、オクルディオン・ジ・イクリプスは、その巨体に似合わないほどの速度で鉤爪でブロックした。

 

「―――っ!?」

 

「キリトくん、避けて!―――サウザンド・レイン!」

 

レインの声に瞬時に横に飛び退る。すると、俺が今までいたところを通って、蒼白い幾多の剣。レインの《サウザンド・レイン》がオクルディオン・ジ・イクリプスに突き刺さる。

 

「グルオオオオオ!!」

 

「っ!レイン!」

 

フィリアの声に《サウザンド・レイン》を撃ち終え、技後硬直時間が終わると同時にレインはすぐさた横に飛んだ。そしてそこに。

 

「グオオオオオオ!」

 

オクルディオン・ジ・イクリプスの口部分から白銀のブレスが放たれた。

 

「くっ!」

 

「わっ!」

 

しかもそのブレスは三方向に口元から分かれ、左右にいた俺とフィリアにも襲い掛かってきた。

 

「キリトくんっ!フィリアちゃんっ!」

 

「大丈夫だ!」

 

「わたしも大丈夫!」

 

直線に、レインの方に向かっていったブレスが巨大に対して、俺とフィリアの方に来たブレスはそこまで大きくなかったからギリギリのところで避けることができた。

レインに大丈夫だと言うと、俺はすぐさまオクルディオン・ジ・イクリプスへと駆ける。

 

「うおおお!」

 

片手剣ソードスキル《レイジスパイク》単発突進技を放つが。

 

「なにっ!?」

 

《レイジスパイク》はオクルディオン・ジ・イクリプスに当たらず、オクルディオン・ジ・イクリプスが先程までいた場所を貫くだけだった。

 

「レイン!フィリア!」

 

「うん!」

 

「まかせて!」

 

俺の声に、レインとフィリアがすぐに俺のいる場所から90度ずれた場所にいるオクルディオン・ジ・イクリプスに向かう。

 

「やあああっ!」

 

「はあああっ!」

 

レインとフィリアの斬撃がオクルディオン・ジ・イクリプスを斬り先、三段あるオクルディオン・ジ・イクリプスのHPをほんの僅かだが減らす。

 

「グルオオオオオ!」

 

「させるかっ!」

 

無いに等しい技後硬直から回復した俺はオクルディオン・ジ・イクリプスの振り下ろした真っ赤な大剣を受け止める。

 

「(っ!?―――重い!)」

 

受け止めた大剣にそう感じながら、俺は受け止めた位置から少し後ろに下がった。

 

「キリトくんっ!」

 

そこにレインが声とともに片手剣ソードスキル《ソニックリープ》単発重攻撃を大剣に当て軌道をずらした。

 

「サンキューレイン!」

 

「うん!」

 

レインのお陰で軌道がずれた大剣は、そのままもとの位置に戻っていった。

 

「キリト大丈夫!」

 

「なんとかな」

 

フィリアと合流し、視線の先にいるオクルディオン・ジ・イクリプスを見る。

 

「それにしてもあのボス強さが異常だぞ!?」

 

「キリトくん。キリトくんの識別スキルだとあのボス、どのくらいの強さ?」

 

「たぶん・・・・・・・・・・100層クラス」

 

「ひゃっ・・・・・!?!?」

 

「100層!?」

 

識別スキルで見た結果をレインとフィリアに伝える。

今のアインクラッドの最前線は第95層だ。その5層も上。しかも100層クラスとなると強さが違ってくる。

遺棄エリアにある、宮殿エリアボス、ヴァルナギア・ジ・エンプレスでさえ、強さは90層ほどだったのだ。まさか、ここで100層クラスと相対するとは完全に予想外だった。

 

「まだ、あいつの攻撃パターンに対する情報が少なすぎる」

 

「スイッチしながら少しずつダメージを与えていくしかないってことね」

 

「ああ」

 

「キリトくん、"あれ"使うしかないよ」

 

「"あれ"?」

 

「固有スキル」

 

「!」

 

レインの言いたいことを理解できた俺は昨日見た固有スキルの詳細を思い出す。

 

「(確かに、あの固有スキルは時間制限とか無かったはずだ。なら、往けるか・・・・・・?奥の手の神双解放(リミットリリース)は最後の最後だし・・・・・・)」

 

ほんの一瞬だけ考え込み、すぐさま答えを出す。

 

「やろう、レイン」

 

「うん」

 

レインとともに、手に握る双剣を構え。

 

「―――零落白夜!」

 

「―――絢爛舞踏!」

 

先日獲得した固有スキルを発動させた。スキルを発動させると、俺とレインのHPゲージにさまざまなバフが表示された。

 

「いくぞ!」

 

バフが発現すると同時に俺はその場から前に駆け出した。

 

「うおおお!」

 

「グルオオオオオ!」

 

突き出されたオクルディオン・ジ・イクリプスの右の鉤爪を左手の『ダークリパルサー』で軌道をずらし、右手の『エリュシデータ』で片手剣ソードスキル《ハウリング・オクターブ》8連撃を放つ。

 

「グルオオオオオ!!」

 

「させない!」

 

ソードスキルを放つ俺に、上から右の赤い大剣が振り下ろされるがフィリアが間に入り、大剣の刃を短剣の峰で受け止める。

 

「レイン!」

 

「まかせて!―――はあああっ!」

 

フィリアの後ろからレインが≪多刀流≫ソードスキル《ディバイン・エンプレス》15連撃を赤い大剣に向けて放った。

 

「やあああっ!」

 

《ディバイン・エンプレス》の一点集中攻撃により、オクルディオン・ジ・イクリプスの振り下ろした赤い大剣は放射状にヒビが入り。

 

「フィリアちゃん!」

 

「うん!」

 

《ディバイン・エンプレス》の15連撃目の終わりと同時に追撃してきたフィリアの短剣ソードスキル《インフィニット》5連撃で破壊された。

 

「グルオオオオオ!!?」

 

「まだだ!」

 

大剣が破壊され、怯んだオクルディオン・ジ・イクリプスに俺はすかさず防御から攻撃に転じ、≪二刀流≫ソードスキル《スターバースト・ストリーム》16連撃をブーストさせて放つ。

 

「うおおおおおお!」

 

防御を捨てた攻撃の一点特化の攻撃をオクルディオン・ジ・イクリプスは鉤爪で防御しようとするが、遅い。

 

「グルオオオオオ!」

 

三段あるHPが少しずつ削れていき16連撃目には一段すべてを消し飛ばせなかったが半分ほどにまで削り取れた。

 

「グルオオオオオ!!」

 

HPが半分ほどにまで削られるとオクルディオン・ジ・イクリプスは高い雄叫びのような声を上げ、縁から後ろのなにもない空間に移動した。

 

「っ!」

 

またブレス攻撃や赤い大剣、鉤爪で攻撃してくるのかと警戒していると、オクルディオン・ジ・イクリプスは予想外の行動をとった。

 

「下!?」

 

「何をする気!?」

 

俺たち三人がいる円盤上の透明な台の下に潜り込み。

 

「はっ!レイン、フィリア!避けろ!」

 

俺の声と同時にオクルディオン・ジ・イクリプスは尾部分にある蜂のような尾の鋭い剣を透明な台の中央から下から突き上げ、ライトグリーンのライトエフェクトを煌めかせながら突き上げた剣から四方に向けて衝撃刃を床を伝って飛ばしてきた。

滑ってきた衝撃刃を横にかわしてやり過ごしオクルディオン・ジ・イクリプスの位置を探す。

 

「グルオオオオオ!」

 

「なにっ!?」

 

いつの間にか背後にいたオクルディオン・ジ・イクリプスに驚くと、オクルディオン・ジ・イクリプスは鉤爪を交差させてクロスに振り払ってきた。

 

「うぐっ!」

 

対する俺もギリギリのところで『エリュシデータ』と『ダークリパルサー』を交差させて、剣の腹部分でクロスブロックして受け止める。が、完全には受け止められず、後ろに飛ばされた。

 

「キリトくん!」

 

「大丈夫だ!」

 

脚が床を擦りながら後ろに飛ばされ、剣を突き立てて止める。

 

「このぉ!」

 

フィリアが短剣を逆手にもって、短剣ソードスキル《ラピットバイト》単発突進技を仕掛ける。しかし、それは軌道上に盾のようにして置かれたもう一つの赤い大剣で防がれる。

 

「レイン、スイッチ!」

 

「うん!」

 

そこに《ラピットバイト》の技後硬直後、体術スキル《弦月》で赤い大剣を蹴って後方に宙返りしたフィリアとスイッチしたレインが≪多刀流≫ソードスキル《クリア・コンパッション》16連撃を放つ。

 

「グルオオオオオ!!」

 

「キリト!」

 

「ああ!」

 

レインがオクルディオン・ジ・イクリプスの動きを止めている間に、フィリアと共にがら空きの胴体を薙ぎ払い。

 

「フィリアちゃん!」

 

「まかせて!」

 

《クリア・コンパッション》で破壊された赤い大剣を持っていた腕を伝って登っていき。

 

「やああああっ!」

 

オクルディオン・ジ・イクリプスの面部分で短剣ソードスキル《アクセル・レイド》12連撃を放った。

 

「グルオオオオオ!」

 

これでオクルディオン・ジ・イクリプスのHPは残り二段と一割程にまで削り取られた。赤い大剣を破壊したためか、防御力がかなり落ちてるらしい。

だが、俺たちもHPは6割ほどにまで削り取られた。

ポーションを使ってローテーションで回復してるが攻撃力が高い。

それからどのくらいの時間が過ぎたのか、約一時間後オクルディオン・ジ・イクリプスのHPゲージは残り一段にまで削り取られていた。

あのあと、二段目に突入するとオクルディオン・ジ・イクリプスの身体から闇色に近い、濃い紫の禍々しいオーラが出た。そして、それを気に、攻撃をする度に明るい緑の光(ライトグリーン)明るい黄色い光(ライトイエロー)濃い赤の光(クリムゾンレッド)純白の光(ホワイト)やらを出し威力を高めて攻撃してきた。巨大な鉤爪による薙ぎ払いや、破壊したがまた復活した赤い大剣による突き刺しや切り払い、ブレス攻撃や、尾の刃による四方状への斬撃刃、そして攻撃の中で一番厄介だったのが、遠距離からによる黒い球体の攻撃だ。正直、魔法がないこのSAO(ソードアートオンライン)の世界の中で遠距離からの攻撃は投擲やシノンの保有するユニークスキル≪射撃≫による弓とモンスターの弓やブレスによる攻撃、そしてレインの≪多刀流≫最上位ソードスキル《サウザンド・レイン》とランの≪変束剣≫最上位ソードスキル《ラスティー・ネイル》だけだ。しかし、今目の前にいるボス、オクルディオン・ジ・イクリプスは魔法に近い攻撃をしてきた。過去にこれに酷似した攻撃をしてきたボスはただ一体だけ。遺棄エリアの雪原エリアボス、ヴェイバー・ザ・ヴァイブレイターの固有能力、音を使った球体の振動攻撃のみだ。だが、あれは音という特性を使った物であり、今オクルディオン・ジ・イクリプスが放った黒い球体とはまったく違うものだ。あの黒球はブラックホールのようでもあり、日蝕(イクリプス)のようでもあった。複数の黒球を生み出して、攻撃してきたそれは所見の時はヤバかった。何故なら、二つほど発動せずに追尾機能が付いた待機形態で、接触した瞬間に発動する遅延魔法のようだったからだ。しかもデバフとして目隠し(ブラインド)や出血、遅効性の麻痺(パラライズ)やスタンらを確率で与えてきたのだ。デバフのときはポーションや浄化結晶で回復した。

さらにもう一つ厄介だったのがあった。それはこっちの攻撃がまったく通らず、オクルディオン・ジ・イクリプスが障壁を張って防いだことだ。さすがにこれは俺とレインの≪シンクロ≫スキルでも破れなかった。だが、永久的ではないようで短時間だけ、それこそ30秒だけとかという短時間のみで連続使用は出来ないようだった。

オクルディオン・ジ・イクリプスの円の縁をぐるぐると不規則に動くのもなんとか対処し少しずつHPを削っていき一段にまで減らした。

 

「ぜりゃあ!」

 

「はああっ!」

 

俺とレインの同時斬りが命中し、オクルディオン・ジ・イクリプスが雄叫びを上げる。

俺とレインのHPゲージ上には固有スキルでのバフに加え、《ロストオブ・エンデュミオン》と《マテリアル・イグニッション》でのバフやら《共鳴(レゾナンス)》のバフが重複しあってものすごい数のバフが表示されていた。

 

「グルオオオオオ!!」

 

「ブレス攻撃が来るよ!」

 

フィリアの声でそれぞれ分かれ、ブレス攻撃を避ける。

 

「今度は下か。フィリア、レイン!同時のソードスキルであの尾の剣を破壊するぞ!」

 

「うん!」

 

「わかった!」

 

「カウント(スリー)で往くぞ!」

 

オクルディオン・ジ・イクリプスが床下に潜り込んだのを視てタイミングを見計らう。

 

(スリー)・・・(ツー)・・・(ワン)―――ゴー!」

 

オクルディオン・ジ・イクリプスの尾の剣が床下から中央に競り上がり、四方に衝撃刃を飛ばすと同時に衝撃刃の攻撃範囲外から尾の剣に接近し、それぞれソードスキルを放つ。

 

「はああああっ!」

 

「やああああっ!」

 

「せぇええいっ!」

 

フィリアの短剣ソードスキル《ファッド・エッジ》8連撃を放ち、フィリアの8連撃目が放ち終えると同時に俺とレインの≪シンクロ≫ソードスキル《アブソリュート・ゼロ》24連撃を放ち、オクルディオン・ジ・イクリプスの尾の剣を破壊する。

 

「グルオオオオオオオオオ!!!!」

 

尾の剣を破壊されたオクルディオン・ジ・イクリプスが甲高い悲鳴をあげた。甲高い悲鳴をあげたオクルディオン・ジ・イクリプスはそのままフィリアのいる方に姿を表した。

 

「逃がさない!」

 

そのままフィリアがオクルディオン・ジ・イクリプスへと駆けて行き短剣で攻撃するがその直前に障壁が張られフィリアの攻撃は届かなかった。

 

「くっ!」

 

バックステップで下がり俺とレインと合流し、ポーションで回復する。

 

「あと少しだが・・・・・」

 

「まずいよキリトくん、ポーションの数が・・・・・」

 

「わたしもあとグランポーション2本とハイポーションが1本しかない」

 

「俺も同じぐらいだ」

 

ありったけの数を用意してきたはずの回復アイテム類はそろそろ数が心許なくなってきていた。

 

「―――レイン、"あれ"を使うぞ」

 

「!――――うん、わかった!」

 

俺の"あれ"でわかったレインはすぐに返事を返し。

 

「「―――神双解放(リミットリリース)!」」

 

同時に、最後の≪シンクロ≫スキルを発動させた。

神双解放を行うと、固有スキルで付いた双剣のバフの横に、神々しい輝きを放つアインクラッドの紋章のバフが表示された。

 

「いくよ!」

 

「うん!」

 

「ええ!」

 

オクルディオン・ジ・イクリプスとの距離を一瞬で詰め、片手剣ソードスキル《ファントム・レイブ》6連撃を放つ。

 

「グルオオオオオ!」

 

オクルディオン・ジ・イクリプスは当たらないと思っているのか、容易に次の攻撃の準備をしていた。オクルディオン・ジ・イクリプスの前にはさっき張られた障壁が展開している。障壁が無くなるのはあと10秒後だろう。本来ならそのまま弾かれるはずだが―――。

 

「――――――!?」

 

右手の『エリュシデータ』は障壁をガラスのように破壊してダメージを与えた。予想外のことなのかオクルディオン・ジ・イクリプスは先程のものとは比べ物にならないほどの奇声を上げた。

 

「はああああっ!」

 

少しずつだが、確実に削り取られていくHPを見ながら後ろから来るレインとフィリアとスイッチする。

 

「スイッチ!」

 

「まかせて!」

 

「ええ!」

 

「フィリアちゃん!」

 

「オッケーレイン!」

 

「「やああああっ!」」

 

スイッチしたフィリアとレインは交互にカバーし合うようにして攻撃する。

 

「フィリアしゃがんで!」

 

「うん!」

 

フィリアがしゃがんだ頭上をオクルディオン・ジ・イクリプスの鉤爪と俺の剣がぶつかり、鍔迫り合いを引き起こす。

そこに下からフィリアがソードスキルを放ち、鉤爪の付け根部分を攻撃する。

 

「ぜりゃあ!」

 

「グルオオオオオ!」

 

フィリアのソードスキルで鉤爪にダメージが入り、オクルディオン・ジ・イクリプスはその巨体を後ろに移動させると、背後の魔方陣を赤く不気味に輝かせ両の鉤爪を上に持ち上げ、その中央に黒い球体を作り出した。

 

「っ!」

 

その球体が現れると、俺たちの周りに黒い球体が数個現れる。

とっさにその黒い球体を避ける。避けると、黒い球体は波打つように脈打ち、やがて小さくなって消えていった。

 

「あとは・・・・・・」

 

発動しなかった黒い球体を探すと、それはレインの後ろにあった。

 

「レイン!」

 

レインに声をかけると。

 

「キリトくん、後ろ!」

 

「っ!」

 

レインの声で後ろを振り向くと、そこには俺に追尾しているもう一つの発動しなかった黒い球体があった。

 

「っの!」

 

接触し、発動しようとしたその瞬間に俺は片手剣ソードスキル《ホリゾンタル・アーク》2連撃を破れかぶれで放った。

放たれた《ホリゾンタル・アーク》は黒い球体の核といわれる場所らしきところに命中し、黒い球体はパリンッ!と音を立てて消えた。

 

「えっ!?」

 

さすがの俺もこれは予想していなかったため驚きが出た。

 

「(そういえば雪原エリアのボスのときも出来たな・・・・・・。これもシステムのバグなのか・・・・・・?)」

 

俺は今の行動にそんな疑問を抱いたが、すぐにそれを後回しにした。まずは。

 

「レイン!」

 

「っ!うん!」

 

目を逢わせて意思疏通し、レインは上げた俺の脚の裏を踏み台にして高くジャンプした。レインをジャンプさせると、俺はすぐにレインの後ろを追尾していた黒い球体に向けてソードスキルを放った。

なぜか知らないが、また出来ると感じたのだ。

 

「はあっ!」

 

片手剣ソードスキル《スネーク・バイト》2連撃を放つとさっきと同じようにパリンッ!と音を立てて消えた。

そしてそれと同時に頭上から。

 

「はああああっ!―――貫いて!―――サウザンド・レインッ!」

 

オクルディオン・ジ・イクリプスに向かって、幾多の蒼いライトエフェクトを輝かせた剣が飛んでいった。

 

「グルオオオオオ!」

 

幾多の剣に貫かれ、オクルディオン・ジ・イクリプスのHPは残り半分にまで削られていた。

 

「このまま一気に畳み掛けるぞ!」

 

そう言うや否や俺はオクルディオン・ジ・イクリプスの懐に潜り込んでソードスキルを発動させる。

 

「うおおおおっ!」

 

「グオオオオオ!!」

 

≪二刀流≫ソードスキル《デブス・インパクト》重攻撃5連撃を放ち、追加効果でオクルディオン・ジ・イクリプスに防御低下のデバフを与える。さらに《デブス・インパクト》により、ノックバックが発生し少しの間だけ動きが止まる。そこに。

 

「キリト、スイッチ!」

 

「ああ!―――スイッチ!」

 

フィリアとスイッチし、スイッチしたフィリアは右手に持つ短剣『ソードブレイカー・リノベイト』を肩の高さにまで上げるとフィリアを覆うように虹色のオーラが円錐状に現れた。そのまま2秒ほど溜め、円錐状から一つに集束し。

 

「やああああっ!」

 

一気に解き放った。

短剣秘奥義ソードスキル《スターライト・スプラッシュ》8連撃を繰り出した。

フィリアの秘奥義でオクルディオン・ジ・イクリプスのHPはみるみるうちに削られていき、瞬く間に半分から3割ほどにまで削られた。

 

「グルオオオオオ!!」

 

「キリト!レイン!最後頼むわよ!」

 

「おう!」

 

「まかせて!」

 

秘奥義《スターライト・スプラッシュ》を放ち終えたフィリアはそう言うと、俺とレインの後ろに下がった。その間には既に秘奥義の準備が出来ていた。

 

「往くぞレイン!」

 

「うん、キリトくん!」

 

俺とレインもフィリアと同じように秘奥義を。俺は≪二刀流≫秘奥義ソードスキル《ネビュライド・エンプレス》22連撃を。レインは≪多刀流≫秘奥義ソードスキル《アンリミテッド・オーバーレイ》22連撃を同時に繰り出す。

 

「はああああっ!!!」

 

「やああああっ!!!」

 

《神双解放》でさらにブーストさせた秘奥義をシステムアシストに沿って放つ。

俺とレインの秘奥義は瞬く間にオクルディオン・ジ・イクリプスのHPを削り取っていき。

 

「「これで終わりだぁぁーーーーっ!!」」

 

ラスト2擊。俺の上からの振り下ろしと、レインのクロスの切り裂きで、オクルディオン・ジ・イクリプスの三段あった膨大なHPはゼロになった。

 

「グギャオオオオオオオ!」

 

最後にひときわ甲高い絶叫を上げて、ホロウ・エリア管理区地下のボス、オクルディオン・ジ・イクリプスはその巨体をポリゴンへと変え、虚空の中へと消えた。

 

「―――やったか?」

 

剣を鞘にしまいそう呟くと。

 

 

 

『《システムガーディアン》が討伐を確認。最終シークエンスに移行します』

 

 

 

何処からかそんな無機質なシステムアナウンスが聞こえてきた。

 

「最終・・・・・・シークエンス・・・・・・?」

 

システムアナウンスの言葉を呟くように言う。

その時。

 

「なに!?」

 

鐘のような音が鳴り響き渡り、フィリアの身体が麻痺したように固まった。

 

「!?フィリア!?どうしたっ!?」

 

「フィリアちゃん!?」

 

「身体が・・・・・・動かない・・・・・・!」

 

「もしかして麻痺!?どうして!?」

 

「恐らく・・・・・・システム側からフィリア強制的にを麻痺状態にしたんだ」

 

「それって75層のときの・・・・・・!」

 

レインがそう言うと。

 

「「!!?」」

 

再び鐘のような音が鳴り響き、俺たちとは反対側の場所にオクルディオン・ジ・イクリプスの攻撃と同じ黒い球体が二つ現れた。

黒い球体が消え去ると、そこから二人の男女が両手にそれぞれ片手剣を持って、顔を少し下に俯かせて現れた。

 

「「・・・・・・・・・・」」

 

「なんっ・・・・・・だと・・・・・・!?」

 

「うそっ・・・・・・でしょ・・・・・・!?」

 

二人の男女を視た俺とレインは言葉に出なかった。

そこに。

 

 

 

『《ホロウ・エリア》実装テスト。最終シークエンスを開始します』

 

 

 

無機質なシステムアナウンスの声がそこに響き渡った。

 

 

 

 

 

 




「―――どうだった?」

「いやー、次回が楽しみだな」

「うん。次回はついに最後の戦いだね」

「だね。今から楽しみで仕方ないよ」

「だな」

「うん」

「さて、それじゃ、今回はここまでにして」

「みんな、これからも俺たちの活躍を!」

「楽しみにして待っていてね!」

「感想などもどんどん送ってきてくれよ!」

「みんなの声を待ってるよ!」

「「「今年も【ソードアート・オンライン 黒の剣士と紅の剣舞士 二人の双剣使い】をどうぞよろしくお願いいたします!!」」」

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