ソードアート・オンライン 黒の剣士と紅の剣舞士 二人の双剣使い   作:ソーナ

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HF編 第129話〈極光の双剣使い(キリトとレイン)VS虚像の双剣使い(ホロウキリトとホロウレイン)

 

~キリトside~

 

 

『《ホロウ・エリア》実装テスト。最終シークエンスを開始します』

 

 

「「・・・・・・・・・・」」

 

「コイツらは・・・・・・」

 

システムアナウンスの後に現れた二人の男女を見て俺は驚愕する。何故なら現れたのは。

 

「どうして・・・・・・キリトとレインが・・・・・・」

 

「「・・・・・・・・・・」」

 

「ふたりいるの・・・・・・」

 

俺とレインだったからだ。しかし、その目は光が点っていなく暗い。丸で虚像の影のようだ。

現れた俺とレインを見て、俺は先程のシステムアナウンスの最終シークエンスがどういうものか理解した。

 

「ここにきてそういう趣向かよ・・・・・・」

 

「ど、どういうことキリトくん!?なんで私とキリトくんが二人もいるの!?」

 

「簡単なことだレイン」

 

「もしかして・・・・・・!」

 

「ああ・・・・・・・最後は俺とレインの・・・・・・いや、《ホロウ》の俺とレインがテストするってわけだ」

 

「そんな・・・・・・コイツらの強さも・・・・・・キリトとレインと同じってことなの!?」

 

動けないフィリアが驚愕した表情で言う。

そこに。

 

 

『なお、テスト完了後《ホロウ・データ》のアップデートが開始されます』

 

 

無機質にシステムアナウンスが流れた。

 

「《ホロウ》か俺たち・・・・・・勝ったほうが生き残る・・・・・・そう言うことだよな」

 

「「・・・・・・・・・・」」

 

俺の問い掛けに答えない《ホロウ》の俺とレインはまるで生気を感じなかった。

 

「いけるかレイン」

 

「もちろん」

 

背中と腰の鞘から同時に剣を抜刀し、背中合わせに構えを取り確認する。俺とレインに合わせるように、《ホロウ》の俺とレインも全く同じ動作を取った。

 

「いくぞ!」

 

「いくよ!」

 

俺とレインの声に合わせるかのように、《ホロウ》の俺とレインはその身にPoHが纏っていたのと同種のオーラを出した。《ホロウ》の俺は青で、《ホロウ》のレインは白のオーラだ。

そして、俺とレインは瞬時に。

 

「―――零落白夜!」

 

「―――絢爛舞踏!」

 

≪シンクロ≫スキルの固有スキルを発動させた。

固有スキルを発動させると俺とレインのHPが一気に全快し、HPの上に双剣の紋章のバフをはじめ様々なバフが表示された。

 

「はあっ!」

 

「やあっ!」

 

俺とレインが動いたのとと同時に《ホロウ》の俺たちも動いた。

俺たちは一瞬で相対する中央の位置でぶつかり合う。それぞれの《ホロウ》を相手にし剣戟の応酬を始める。

 

「はああっ!」

 

「・・・・・・!」

 

俺の声にたいして目の前の、《ホロウ》の俺は無言で、ただ機械のように剣を振るう。

 

「(自分の《ホロウ》と闘る事になるとはな。やりにくい・・・・・・)」

 

自分の《ホロウ》ということはつまり、俺自身の戦闘経験(データ)を目の前の俺に知ら(インプット)されているということだ。悪質克つ最悪だ。目の前にいる俺は、俺であって俺でない。光と闇。極光(リアル)虚像(ホロウ)。相反する二人の俺。恐らく≪シンクロ≫スキルも使ってくるだろうが、俺とレインは絶対に負けないし、負けてやる気も微塵もない。今俺の中にあるのはレインと一緒に目の前の《ホロウ》を倒し、アップデートを阻止し、フィリアとともにアインクラッドに帰還するという想いだけだ。

 

「うおおおおっ!」

 

想いを強くさせて、両手に握りしめる片手剣。『エリュシデータ』と『ダークリパルサー』を交互に、バフで増幅(ブースト)した速度で振う。

 

「(もっとだ・・・・・・まだ、上がれる!付いてこられるか《ホロウ》の俺!)」

 

『ダークリパルサー』による左薙ぎから『エリュシデータ』での突き、さらに足払いをして体制を崩し、片手剣・体術複合ソードスキル《メテオ・ブレイク》重攻撃を放つ。《メテオ・ブレイク》は連撃数は基本3連だが、繋げることによって連撃数を増やすことができる、剣技連携(スキルコネクト)に似たソードスキルなのだ。

その俺の攻撃を、《ホロウ》の俺は『ダークリパルサー』の左薙ぎを屈んで避け、『エリュシデータ』による突きを左手に持つ『ダークリパルサー』で軌道をずらして避け、足払いをバックステップでかわした。俺の《メテオ・ブレイク》は空を切り、『エリュシデータ』は《ホロウ》の俺の着ているコートのボタンを飛ばすだけで終わった。

 

「くっ!」

 

ほぼ0に等しい技後硬直を終え、《ホロウ》の俺の追撃をかわすため後ろに飛び退った。案の定、先程まで俺がいた場所に《ホロウ》の俺の剣が空を薙ぎった。

 

「・・・・・・・・・・」

 

《ホロウ》の俺は無表情で、そもそも感情すらあるのか分からないが、ただ機械のように、与えられた命令を忠実に実行する機械人形(アンドロイド)のように動く。

 

「(この俺、もしかして過去の戦闘データから構成されてるのか?なら、ここ最近の戦闘データは無いはず。勝機があるとした≪シンクロ≫スキルのみだが、《ホロウ》のコイツらが使ってこないとは限らない・・・・・・。まったく、こんなところで自分と戦えるとはな・・・・・・・やりにくいったらありゃしないな。いや、寧ろ自分自身だからやりにくいのかもな・・・・・・ヒースクリフのやつこれを見越して俺とレインにこの剣を送ったのか?なら、アイツはホント策士だな)」

 

高速の剣戟の応酬の最中、俺は頭の片隅でそう思考する。

そのまま剣戟の応酬が何合したのか分からないほど撃ち合った後、俺と《ホロウ》の俺は同時に床を滑るようにして下がった。

下がった俺の隣に。

 

「はぁ、はぁ、はぁ・・・・・・」

 

「大丈夫、キリトくん!?」

 

レインが紅色と白銀の双剣を携えて聞いてきた。

 

「大丈夫か大丈夫じゃないかって言ったら大丈夫じゃないな」

 

「私の方もだよ。自分と闘うのがこんなにキツいなんて」

 

「俺もだ。だが、最後のボスとしては相応しい」

 

「はぁ・・・・・・まったくもうキリトくんは~」

 

「な、なんだよ」

 

「ううん。ホントキリトくんはいつも楽しそうだなって」

 

「まあな。自分自身と闘うのもそうだが、このデスゲームの世界を俺はもう楽しんでいるんだ。レインもだろ?」

 

「ふふ。うん、私もだよ。それに―――」

 

「それに?」

 

「キリトくんと一緒ならどんな場所だって楽しいし、どんな相手にも――――――例え自分の《ホロウ》が相手でも負ける気がしないよ♪!!」

 

レインはそう言うと双剣を構え直して切っ先を視界の先にいる《ホロウ》の俺たちに向けた。

 

「ああ――――――そうだな。俺もだ。俺も、レインがいるならどんな相手にだって負ける気はまったく無い!」

 

「うん!」

 

レインと背中合わせになり。

 

「いくよキリトくん!」

 

「ああ!」

 

「「――――――神双解放(リミットリリース)っ!!」」

 

同時に≪シンクロ≫スキル《神双解放》を発動する。

《神双解放》を発動させると、HPゲージの上のバフに神々しい輝きを放つアインクラッドの紋章が表示される。

表示されたバフに視線を向けず、俺とレインはその場を蹴り、一瞬で《ホロウ》の俺たちの懐に潜り込む。

 

「「はあああああっ!」」

 

「「・・・・・・・・・・!」」

 

懐に潜り込んでからの数擊の斬りを《ホロウ》の俺たちは視認すら出来ずに、ただ呆然としていた。《ホロウ》の俺たちが気付いたのは俺とレインが《ホロウ》の俺たちの後ろに移動し終わったときだった。

 

「はああっ!」

 

「やああっ!」

 

俺は《ホロウ》のレインに、レインは《ホロウ》の俺に向かっていく。

 

「!」

 

「でりゃあああああ!!」

 

片手剣ソードスキル《ヴォーパル・ストライク》単発重攻撃をバフで増幅させて勢いよく放つ。

 

「!!?」

 

《ホロウ》のレインは咄嗟に右手の『トワイライトラグナロク』の腹で《ヴォーパル・ストライク》の軌道を滑らせるようにしてずらす。

 

「まだだ!」

 

《ヴォーパル・ストライク》を放ち終えると、《ヴォーパル・ストライク》の技後硬直を無視して、いや、意識を《ヴォーパル・ストライク》から新しいソードスキルに繋げた。

 

「うおおおおっ!」

 

「!?」

 

《ホロウ》レインの眼に驚愕の雰囲気が観れる。俺は《ヴォーパル・ストライク》から、二刀流ソードスキル《エンド・リボルバー》範囲2連擊技を放った。《ホロウ》レインもさすがレインの《ホロウ》なだけあって反応速度が速い。《エンド・リボルバー》が当たるギリギリのところで、『トワイライト・ラグナロク』と『キャバルリーナイト』で盾にし受け止めたのだ。

本来なら不可能なソードスキルの連携をしたのだ、ここで技後硬直が発生するはずだが。

 

「ハァァアアアアア!!」

 

《エンド・リボルバー》の振り切った体勢から強引に次のソードスキルへと繋げた。片手剣ソードスキル《ハウリング・オクターブ》8連擊を突き撃つ。

5連の突きから3連の切り下げ切り上げ、切り下げを《ホロウ》のレインは同じ片手剣ソードスキル《ハウリング・オクターブ》で相殺してくる。

相殺した8連のソードスキルを終えた俺と《ホロウ》のレインは後ろに滑ず去った。後ろに下がると今度こそ1.5秒ほどの技後硬直が発生した。

 

「(今の剣技連携(スキルコネクト)か・・・・・・?一か八かだったけど、どうやら出来たみたいだな)」

 

未だに未完成だった、ソードスキルとソードスキルを繋げて繰り出すシステム外スキル、《剣技連携》をこんなところで、しかも2回も出せたことに俺は正直驚いていた。

そう感じていると、《ホロウ》レインは≪多刀流≫ソードスキル《ディバイン・エンプレス》を繰り出してきた。

 

「・・・・・・・・・!」

 

「そのソードスキルはレインの傍で何度も見てる!」

 

《ホロウ》レインの《ディバイン・エンプレス》を≪二刀流≫ソードスキル《ナイトメア・レイン》16連擊で迎え撃つ。

《ディバイン・エンプレス》の連擊数は15。対して《ナイトメア・レイン》は16連擊、ラスト一撃こっちの手数はある。同じ15連擊なら《シャイン・サーキュラー》があるがあれだと《ディバイン・エンプレス》を受け止められない。なにせ《シャイン・サーキュラー》は速度特化タイプのソードスキルだからだ。攻撃力重視の《ディバイン・エンプレス》には同じく攻撃力と速度重視タイプの《ナイトメア・レイン》が有効だ。あとは同じく16連擊の《ブラックハウリング・アサルト》がやや防御重視の速度タイプだ。

一撃、二撃と互いのソードスキルが相殺していき、《ホロウ》レインの15撃目が終わり、ラスト一撃、俺の《ナイトメア・レイン》が《ホロウ》レインのHPを削る。

 

「・・・・・・・・・・!」

 

《ホロウ》レインのHPは5割以下にまで削られ、そのまま後ろに下がった。

 

「はぁ、はぁ、はぁ・・・・・・」

 

《ホロウ》レインが下がり、俺は息を整えた。ゲームの世界なのに汗が滲み出る感覚や、疲れをなんとかし、呼吸を整える。

 

「(《神双解放》が使えるのはあと7分・・・・・・それまでに決着を着けないと・・・・・・!)」

 

そう脳裏によぎらせていると。

 

「キリトくん」

 

俺と同じようにHPを5割ほどにまで減少したレインが構えをとったままやって来た。

 

「レイン」

 

「さすがキリトくんだね。私の《ホロウ》を相手しても負けてない」

 

「レインもだろ?」

 

「ふふ。キリトくんの動きや癖は一番私が知ってるもん。ずっと、キリトくんの傍で・・・・・・隣で見てきたんだから!」

 

「ああ。俺もだレイン」

 

互いの動きや癖を熟知しているからこそ分かる。本物(俺とレイン)と《ホロウ》の俺たちの違いは意気のあったコンビネーションだ。《ホロウ》の俺たちも動きや癖はコピーされていて同じなのだが、一つ一つの動作が違う。敢えて無くしているのか、もしくは消したのか分からないが、《ホロウ》の俺たちの剣には感情や、意思そして思い。剣に込める想いを感じない。剣に何を込めるのか、それ次第によって剣の重みは違ってくる。その重みは実在するようなものではないが、感じ・・・・・・意思の重みとでも言うのか覚悟を感じられる。それは俺やレイン、アスナたちも勿論のこと、それはPoHにもあり、PoHの場合は人を殺すという意思の重みがある。そしてヒースクリフ。ヒースクリフ・・・・・・茅場には絶対的な強者、ゲームマスターであるという重みがある。この世界に生きるプレイヤーすべてが持つ意思の力。現実に帰る、生き残ってみせる、誰かと一緒にいたい、死にたくない、目の前の敵を倒す・・・・・・など、それこそがプレイヤー全員が持っている己の信念(ユニークスキル)。意思の力だ。

すべてのプレイヤーが持つ、意思の力を目の前の《ホロウ》の俺たちからは感じ取れない。ただ、システムによって定められた動作を行うだけ。そんなの最早ただの人間ではなく、人形。もしくは・・・・・・仮初めの器。

 

「アイツら≪シンクロ≫を使ってこないな。まさか使えないのか?」

 

「私とキリトくんの《ホロウ》なのに?」

 

「いや、《ホロウ》だからこそなのかもしれない」

 

「どういうこと?」

 

「≪シンクロ≫スキルは俺とレイン、二人の想いと願いで発現したものだ。例え、俺とレインの姿形や剣技、スキル、戦闘技術、動作がアイツらにインストールされていても、俺とレインの想いや願い、絆までは絶対にコピー出来ない!」

 

断言するかのように言う俺の言葉に、レインは。

 

「そう・・・だね!」

 

頬を少し赤らめて嬉しそうに返した。

正直俺も少し恥ずかしいのだが・・・・・・。

 

「やるぞレイン!俺たちの絆を《ホロウ》の俺たちに!」

 

「うん!私とキリトくんの絆の力は真似できないと言うことを教えてあげよう!」

 

再び背中合わせに立ち、剣を構える。

 

「シッ!」

 

俺と《ホロウ》の俺が動いたのは同時だ。

 

「はああっ!」

 

「・・・・・・・・・」

 

右振り下ろしからの左切り上げ、足払いからの右突きの攻撃を素早く行う。対する《ホロウ》の俺は見切ったように的確に、最小の動きで軌道を反らし、避けたりするがその動きは徐々に遅くなっていた。そして後ろからは。

 

「サウザンド・レインッ!!」

 

レインが《サウザンド・レイン》を放った。

対する《ホロウ》レインも《サウザンド・レイン》を放ち、《サウザンド・レイン》同士がぶつかり合い対消滅を引き起こした。

 

「やああっ!」

 

レインは素早い速度で《ホロウ》レインを攻撃範囲(レンジ)内に捉え、舞い踊るかのような剣舞を行う。

その動作は緩やかに、しかし激しく。最小の動きで行う攻防一体の剣戟。俺の速度と攻撃に特化した剣嵐暴風に対し、レインのは攻防一体の剣舞舞踏。そんなレインの攻撃がただコピーしただけの意思を持たない《ホロウ》のレインに防がれるはずがない。その証拠に、ギリギリのところで焦るかのように体を反らしたり受け止めたりしているがその動きも少しずつ遅くなっていき、《ホロウ》レインの身体には赤い、斬られたエフェクトがあちこちに切り傷のように存在していた。

 

「・・・・・・・・・!?」

 

「やああああっ!!」

 

レインの強攻撃で後ろに吹き飛ばされた《ホロウ》レインはそのまま俺と対峙していた《ホロウ》の俺の背中にぶつかった。

 

「!?」

 

《ホロウ》の俺は驚いたかのような表情を光のない眼の顔で表す。

 

「決めるよキリトくん!」

 

「ああ!」

 

《ホロウ》レインを追い掛けてきたレインとともに、互いのHPがほぼレッドゾーンに入りかけてる《ホロウ》の俺たちに向かって攻撃を仕掛ける。

 

「デリャアアアアアア!!」

 

『エリュシデータ』を肩の高さにまで上げ、腕を限界まで引き絞り、クリムゾンレッドのライトエフェクトが輝く『エリュシデータ』で鋭い突きを放つ。

 

「!」

 

『エリュシデータ』の攻撃。片手剣ソードスキル《ヴォーパル・ストライク》単発重攻撃を《ホロウ》の俺は両手に握る片手剣、『エリュシデータ』と『ダークリパルサー』を交差して受け止める。

 

「スイッチ!」

 

「うん!」

 

予測していた動作を、緩やかにレインとスイッチし。

 

「ヤアアアアッ!」

 

レインが重ねて片手剣ソードスキル《デッドリー・シンズ》7連撃で追撃する。そして俺は。

 

「ゼリャアアッ!」

 

《ホロウ》レインに≪二刀流≫ソードスキル《ローカス・ヘクサドラ》7連撃を放つ。

《ホロウ》の俺たちが動きを止めた瞬間を逃さず。

 

「キリトくん!」

 

「ああ!」

 

「「―――ホロウ・フラグメント!!」」

 

≪シンクロ≫最上位ソードスキル《ホロウ・フラグメント》44連撃を繰り出す。

神速を彷彿させる超高速の速度で《ホロウ》の俺たちを斬り着ける。息が詰まるなか、限界まで引き絞って放つ。

《ホロウ》の俺たちも防御(ガード)するが、≪シンクロ≫の最上位ソードスキルの威力に押され、HPが残り2割ほどにまで削り取られる。これでHPがすべて削り取られないのに軽く驚嘆するが、《ホロウ》の俺たちの刀身はすでにボロボロだった。

本来ならここで一秒ほどの技後硬直に入るのだが。

 

「これで――――!!」

 

「終わらせる――――!!」

 

そんな技後硬直時間を無視して、最後のソードスキルを放つ体勢を取る。

 

「キリトとレインの眼が・・・・・・金色になってる・・・・・・?」

 

そんなフィリアの声が僅かに聞こえるが、俺とレインは意識を集中し、背中合わせに俺の右手の『エリュシデータ』とレインの左手の『キャバルリーナイト』をクロスするようにして重ね合わせる。そこへ俺とレインを包み込むように黒金と虹色の交じりあったオーラがベールのように円錐上に包む。約5秒ほど溜め込み。

 

「「――――――!!!」」

 

《ホロウ》の俺たちが動けるようになったのとほぼ同時に、俺とレインのソードスキルが発動した。発動したソードスキルは俺の双剣には黒金の、レインの双剣には虹色のライトエフェクトを輝かせる。

《ホロウ》の俺たちはなんとか防御しているが俺たちのソードスキル――――――≪シンクロ≫ソードスキルの秘奥義には意味を成さず。何撃目かの攻撃で《ホロウ》の俺とレインの双剣が真っ二つに折れポリゴンの欠片へと変わり―――。

 

「「―――トワイライトエデン・・・・・・・」」

 

幾数の斬撃をレインと意気のあったコンビネーションで与え、≪シンクロ≫スキルと自分のステータスを限界にまで引き上げた秘奥義を放つ。ラスト2撃、俺の『エリュシデータ』による横凪ぎ払いとレインの『トワイライトラグナロク』の横凪ぎが交差するように《ホロウ》の俺たちを捉え、

 

「「―――デュオクライシスッ!!!!」」

 

そのHPを1ドットも残さず奪い尽くした。

HPゲージがゼロになり、≪シンクロ≫ソードスキル秘奥義《トワイライトエデン・デュオクライシス》100連撃の余波で風が吹き荒れるなか、《ホロウ》の俺たちはポリゴンが一瞬ぶれたかと思うと次の瞬間には爆散して辺りの虚空に溶け去った。

それと同時に俺とレインの《神双解放》のバフが解除され、神々しい輝きを放つアインクラッドの紋章が消え去った。

HPを見ると、俺とレイン二人のHPはどちらもレッドゾーンに突入しており、残りは約2割ほどだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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