ソードアート・オンライン 黒の剣士と紅の剣舞士 二人の双剣使い   作:ソーナ

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LS編 第146話〈浮遊草原ヴォークリンデ〉

 

~キリトside~

 

 

「新エリアに上陸したわけだけど、さて、これからどうしようか?」

 

新エリア、スヴァルトアールヴヘイムに降り立ち意気込みを入れていたものの、俺たちはまず初めになにをするか悩んでいた。

 

「うーん、まずは小手調べとして定番のクエストがいいんじゃないですかね」

 

「いろんなのがあるみたいですけど、なにかいいクエストはありますかね?」

 

リーファとシリカがそう言うと。

 

「クエストか~。なんか強い相手と戦えるのないかなぁ~」

 

ユウキが意気揚々とワクワクした表情で言った。

 

「はぁー。考え無しに行動するのは止めなさいと何度言ったらわかるんですかユウキ?」

 

「まぁまぁランちゃん。リズっち、なにかいいのあるかな?」

 

「ふっふっふっ・・・・・・それなら持って来いのやつがあるわよ!」

 

そう言ってリズが見せたクエストをみんなで見る。

 

「うん、手軽に出来そうだから、初クエストにはちょうどいいんじゃないかな」

 

「ですね。実力を測るのにはちょうどいい感じです」

 

リズの見せたクエストに、アスナとランが良さそうに言う。クエストは二つあるが、どちらも手始めのクエスト難度としてはよさそうだ。

 

「キリト~。その小手調べクエストはどこに行けば受けられるんだ?」

 

「フィールドに出て、転移門から北東にあるダンジョンと、もう一つあるみたいだ」

 

クラインの質問に、クエスト受注場所欄を見て答える。

 

「それほど強い敵もいないだろうし、様子見としてはよさそうね」

 

「素材になるアイテムがあるらしいから、装備強化に使えるし、食材になる敵もいるらしいわ」

 

「えっ!ほんとリズっち!?」

 

リズの言葉を聞いた途端、レインは目をキランッ!と輝かせた。どうやら、素材アイテムと食材アイテムに目を光らせたらしい。

 

「ええ!どんな素材アイテムなのか、興味あるわ~!」

 

「私も!素材アイテムがあれば装備強化出来るし、食材アイテムはキリトくんとユイちゃん、ストレアちゃんに振る舞えるから!」

 

「レ、レイン、少し落ち着いて」

 

燃えているレインをリズが宥める。

 

「装備が鍛えられる素材は魅力的ですね!」

 

「私も欲しい食材がありますから楽しみです」

 

「あ、それわたしも!」

 

「ボクもかな。姉ちゃんに食べてもらえるし」

 

ドロップ報酬などにみんな興味津々みたいだ。

 

「それじゃあ決まりだな。二手に分かれてさっそくそのクエストをやってみるか!」

 

二手に分かれてクエストを行うことにし、パーティ分けをした。

それぞれのパーティは。

 

「さて、こっちのパーティの目的は転移門から北東にあるダンジョン。メンバーは俺とレイン、リーファ、シノン、ラム、ユウキか」

 

俺のパーティがこうなり。

 

「私たちのパーティは私と、アスナさん、リーザさん、フィリアさん、ストレアさん、クラインさん、エギルさん、シリカちゃん、リズさんですね」

 

ランたちのパーティがこうなった。

 

「今回はこのメンバーでパーティを組むんですね」

 

「ああ。ユイ、俺たちのアシスト頼んだ!」

 

「はい!分かりました!」

 

「それでは行きましょうか」

 

「だな。それぞゃあ、クエスト攻略、開始!!」

 

『『『『『おう!!』』』』』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

浮遊草原ヴォークリンデ

 

 

「さて、俺たちの目的地はここから北東にあるダンジョンだな」

 

「私たちはここから北西にあるダンジョンですね」

 

空都ラインから浮遊草原ヴォークリンデに転移した俺たちはそれぞれの目的地を確認しあう。

 

「それじゃあ行きましょうか!」

 

「ですね。それじゃあお先に失礼します」

 

そう言って、ランたちは羽を広げて目的地まで飛んで行った。

 

「俺たちも行くか」

 

「そうだね!」

 

「さんせーい!」

 

「了解!」

 

「はい!」

 

「うん!」

 

そして、俺たちも武器を確認して、羽を広げて飛んで行った。

 

「ん~!やっぱり空を飛ぶのって気持ちいな~!」

 

「でしょ〜!」

 

ウォークリンデの空を翔んでいるとレインがそう言った。

レインの言葉に、リーファが自慢気に返す。

 

「それにしてもキリト君たちみんな、ホント飛ぶの上手いよね〜」

 

「いきなりどうしたリーファ?」

 

「どうしたのリーファ?」

 

「いやー、始めた頃はあたしが一から教えたのにあっという間に覚えて、普通の人じゃ怖がるような速度を平気で出すんだもん。言いたくもなるよ」

 

ALOを始めた時、元々ALOをプレイしているリーファがこの世界のことを一から教えてくれたのだが、俺たち全員あの世界での経験が活かされてるのか、飛行をコントローラ無しの随意飛行で飛び、普通の人じゃ出さない速度も出せるようになっていた。

 

「あーあ。スピードだけは自信あったのに」

 

この世界でスピードホリックと呼ばれてるリーファは、飛ぶことに関しては他の追随を許さないほどだったみたいなのだが、それを俺たちが簡単に許してしまったみたいなのだ。ちなみに、高速飛行の早い順は俺、レイン、ユウキ、ラン、リーファ、アスナ、ラム、リーザとなっている。

そんな会話をしながら、俺たちはクエストの目的地に辿り着いた。

しかし、ダンジョンがあるはずの所は大きな石の扉で塞がれており、とても入れるような感じではなかった。

 

「この扉は・・・・・・」

 

「魔法で封印されてるみたいだね」

 

扉を見聞したリーファがそう言い。

 

「という事は、物理攻撃では破壊できないかしら?」

 

「うーん・・・・・・やってみる?」

 

「いや、止めといた方がいいかと思いますよ」

 

シノン、ユウキ、ラムが次々に言う。

 

「だな」

 

「でも、これじゃあ先に進めないよ?」

 

「となると、恐らくこの扉の封印を解除する仕掛けがあると思うんだけど・・・・・・」

 

そう言って再び石の扉をこまなく検分する。やがて、石や扉の真ん中に不自然な穴が空いているのを見つけた。

 

「ここに不自然に穴が空いてるぞ」

 

「ほんとだ。この穴の大きさは・・・・・・石版かな?」

 

不自然な穴の形は長方形で、石版のような物がすっぽり収まる大きさだった。

 

「石版か何かを収めるのかしら。怪しいわね・・・・・・」

 

「他にも何か手がかりがあるのかもしれないな・・・・・・」

 

そう呟くと。

 

「ねえキリトくん、ちょっとこれを見てくれる?」

 

リーファが声をかけてきた。

 

「どうした?」

 

「ほらここ。何か書いてあるよ?」

 

「え?」

 

リーファの指先には、石の扉に小さな文字で何かが書かれてあった。幸い、書かれている文字は日本語の為なんとか読めた。というか、英語とかだったら読めないやつ多数いるだろ。

そう思いつつ、書かれてる文字を読む。

 

「・・・・・・トールの耕地?」

 

「耕地ってことは農場とかですかね?」

 

書かれていた文字について考えていると。

 

「あっ、そういえばさっき移動してる時にこの先に農場みたいな場所があったよ!」

 

思い出したかのようにレインが言った。

 

「きっとその農場の事を言ってるんですよ!」

 

「扉を開けるヒントがあるかもしれないわね」

 

「そうかも!行ってみる価値はあると思うよ!」

 

「ああ。それじゃあ、トールの耕地に行ってみようぜ!」

 

「おっけー!」

 

俺たちは扉を開ける手懸かりを探すため、この先の農場に行くことにした。

目的地の農場は飛んで行ったためすぐに着いた。

 

「確かに農場だな」

 

「牛さんとかはいないけどね」

 

目的地である農場―――トールの耕地は現実世界の農場に似て、広大に広がっていた。近くには小屋と思わしき小さな建物が存在していた。まあ、ここにいるのは現実世界にいる動物などではなく・・・・・・。

 

「うわっ!」

 

「急にモンスターがPOPしてきたよ!」

 

ゲームの世界ならではの、モンスターが現れた。

 

「しかも数が多いわね・・・・・・」

 

「クアジット系の通常種だからそんなに強くはないと思うけど・・・・・・」

 

「軽く30体はいるね」

 

「どうします?」

 

俺たちの視線の先にいるモンスターはどれも同じ種類で、宙に浮かんでいた。

 

「取りあえず全部倒すしかないな。シノンは後ろから援護を頼む!」

 

「任せて!」

 

「リーファとラムは左側の。ユウキとレインは俺と一緒に残りのモンスターを倒すぞ!」

 

「「「「了解!!」」」」

 

「それじゃあ、戦闘開始だ!」

 

俺は背中に吊るしてるレイン作の片手剣、右手に『ユナイティウォークス』。左手に『フェイトリレイター』を装備し構える。

レインたちもそれぞれの武器を―――レインは自身で作成した片手剣、右手に『ソード・オブ・ホグニ』。左手に『ダーインスレイヴ』を。リーファは片手剣『ジョワイユーズ』を。シノンは弓『アッキヌフォート』。ユウキは片手剣『マクアフィテル』。ラムは刀

『ドウジギリ』をそれぞれ抜刀し抜き構え、それそれPOPしたモンスターを殲滅しにかかる。

 

『『『『『キシャアアーーッ!』』』』』

 

「はああっ!」

 

「せいやっ!」

 

「やあーっ!」

 

「てりゃあーっ!」

 

「はあっ!」

 

俺たちの接近に気づいたモンスター・・・・・・クアジットが奇声を上げて襲い掛かってくる。俺たちも、空での戦闘を始める。

 

「せりゃあっ!」

 

クアジットの一体一体は大して強くなく、

 

「やああっ!」

 

「はああっ!」

 

「せえぇいっ!」

 

「はっ!」

 

「ふっ・・・!」

 

俺たちは一体一体を瞬時に片付けて行った。

俺とレインの二刀で大群を斬り、素早い動きでクアジットを翻弄して切り裂くユウキとリーファ。遠距離から的確にクアジットの急所を狙い撃つシノン。一刀ごとにクアジットを屠るラム。

あの世界で培った戦闘スキルが、この世界でも十全に発揮されていた。途中から参加したリーファとシノンは勿論のこと、元からいた俺、レイン、ユウキ、ラムの実力は他のALOプレイヤーより抜きん出ている。それはもちろん、アスナ、ラン、リーザ、クライン、エギルら元攻略組の面々もだ。リズとシリカは戦闘値は低いが、その分リズなら鍛冶、シリカならピナとの連携、とそれぞれ個性がある。空中での三次元戦闘や魔法を相手にするため、俺たちSAOサバイバーにとっては苦戦を強いられるが、慣れればどうってことない。そう思考している間も。

 

「リーファ!」

 

「ありがとうございますシノンさん!」

 

リーファの背後から攻撃しようとしたクアジットをシノンが連続で射抜き消滅させ、

 

「ラム!」

 

「はい!」

 

ラムがクアジットの動きを鈍らせ、ユウキがとどめを刺す。

そして俺たちも。

 

「レイン!」

 

「うん!」

 

リズムよく。あそこと同じ戦闘リズムでクアジット共を掃討していた。

やがて。

 

「ふう・・・・・・全部倒したな」

 

最後の一体を倒した俺は剣を背中の鞘に収納して言った。

 

「やったね!」

 

「数のわりにはたいしたことなかったね」

 

「ええ。一体一体が強かったらやばかったかもしれませんね」

 

「ん?そうか?あんまり歯応えを感じなかったけど」

 

「うーん、私的にはもうちょっと強い敵が欲しいかな〜」

 

「あー、それボクもかな」

 

俺、レイン、ユウキはどこか不完全燃焼で、物足りなかった。

ぇぇー、と呆れるリーファとシノンに。確かに、と呟くとラム。アインクラッド最前線で戦っていた俺たちには、今の戦闘では微妙な感じなのだ。

 

「はぁー。でも、この調子なら先に進めばかなり手強くなっていきそうじゃない?ALO、面白いじゃない」

 

「ああ、たしかに。今回はザコ敵だったけど、これからどんどん強敵が出現するんだろうな」

 

シノンの呆れながらも燃えてる言葉に返すと。

 

「あははっ、二人とも目がギラついてるよー!って!レインさんたちもギラついてる!?」

 

リーファが驚きの表情で言った。

 

「別にいいだろ!純粋にゲームを楽しめる空間なんだからさ!」

 

「そうそう!」

 

「だよね!」

 

「はい!」

 

目をギラつかせて答える俺らにリーファは微妙に引きながら。

 

「さすが、生粋のゲーマーたちは違うね~。しかも、キリトくんってば、私が提案する相当前からこのゲームに目を付けてたもんね」

 

「ああ、そうだったな」

 

俺はリーファの言葉に、このゲーム。ALOを始めるきっかけの事を思い出した。

 

 

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