ソードアート・オンライン 黒の剣士と紅の剣舞士 二人の双剣使い   作:ソーナ

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「プリヴィベートみんな!今日はこの作品のヒロイン、レインの記念すべき誕生日!レイン、誕生日おめでとう!これからもよろしくね!では、LS編の第三話をどうぞ!」




LS編 第147話〈ALO(アルヴヘイム・オンライン)

 

〜キリトside〜

 

 

ー回想ー

 

 

 

無事に家に戻り、《アインクラッド攻略記念パーティー》も終わり、ようやく現実の世界に慣れつつあった頃・・・・・・。

 

「お兄ちゃん、ちょっといい?」

 

妹のスグが声をかけてきた。

 

「あたしが前に遊んでた別のVRMMOがあるってこの前紹介したよね!」

 

「ああ。《アルヴヘイム・オンライン》だよな。通称ALO。空を自由に飛べるゲームで、種族間の争いが一つの要素なんだよな。俺たちもやるつもりだけど」

 

「そうそう。そして、あのSAOのサーバーをコピーしたゲームが、そのALOなんだよね」

 

俺の恋人の虹架(レイン)が俺の言葉に続いて言う。

俺たちがいるのは家ではなく、東京のとあるレストランだ。今日は俺とスグ、虹架で出かけに来ていたのだ。隣に越して来た幼馴染の木綿季と藍子も誘ったのだが、あの二人は別の用事があるらしい。

 

「で、お兄ちゃん!ちょっとこの記事を見て」

 

「えーと・・・・・・『ネットワーク世界で人気の歌姫セブンは、実は天才科学者だった』・・・・・・へーえ」

 

スグがスマホで見せてきた記事は、マニアックな人が読む記事ではなく、テレビのニュースで流れるような大衆に向けて用意された、ごく普通の記事だった。内容は、今ネットワーク世界で人気絶頂の歌姫セブンというプレイヤーについてだった。

 

「えーと、『歌姫セブンは十二歳ながらその天才的な頭脳で様々な学位を飛び級で取得し、アメリカのMITを首席で卒業したという・・・・・・天才科学者である。本名《七色・アルシャービン》女史』・・・・・・だって」

 

俺は記事に目を通して文を言うレインの表情がどこか妙だったのに気づいた。が、すぐに元の表情に戻ったため気のせいかと思い続ける。

 

「ああ、それ知ってるぞ。日本人とロシア人のハーフの子なんだろ?仮装ネットワーク社会を研究してるんだって。ネットにもVRやフルダイブについて考察した論文がいくつも掲載されてたぞ」

 

「和人くん、よく知ってるね?調べたの?」

 

「あ、ああ、まあな・・・・・・」

 

俺はまだ誰にも言ってなかったが、将来は留学してVR技術の研究をしたいと思ってた。だから、この幼い研究者のことは多少気になっていたのだ。

 

「そう言えば、虹架も日本人とロシア人のハーフ、だったよな?」

 

「え?!あ、うん!そうだよ!」

 

「?どうかしたのか?」

 

「ううん!なんでもないよ和人くん!」

 

どこか様子が変なレインが気になりながら話す。

 

「それでね、VRMMOの中でアイドル活動してるんだって!SAOで戦ってきたあたし達としては、ビックリだよね?」

 

「う、うん、そう・・・だね」

 

スグの言葉にも、魂ここに在らずとは言わないが、どこか様子がおかしかった。

 

「でもこういうお祭り的な感じが本来のオンラインゲームなんだよ」

 

「確かに。オンラインゲームって一種のお祭りみたいだもの」

 

「でも、科学者がアイドルなんてすごいよね。あたしだったら恥ずかしくて絶対ムリ!って思っちゃうけど。十二歳で天才で、しかも歌だけじゃなくて自分で作詞・作曲・アレンジもしてるなんて・・・・・・」

 

「この記事『歌姫の七色に透き通るような歌声が、世界を照らし、種族同士の争いを止め、和平の道へと誘う』って書かれてる。ALOってプレイヤーキルが有り・・・・・・。というか種族同士の競い合いが前提なのに攻略のある意味、足枷にならないか?」

 

「うーん、やっぱり外国の人のゲームの楽しみ方はスケールが違うなぁー!」

 

「どうかな。たぶん、ALOを研究者としての眼でしか捉えてないんじゃないかな・・・・・・」

 

「虹架?」

 

スグの言葉に、小さな声でボソッと呟いたレインの言葉を聞いた俺は不安になった。いつものレインなら、「人それぞれじゃないかな?」とか言うはずなのに、今の発言は七色・アルシャービンの言葉をまるっきり否定しているように感じた。

そう不安になっていると。

 

「なんてね♪まあ、私たちと外国のプレイヤーの思っていることはそれぞれ違うんだろうね」

 

いつもの雰囲気でレインが言った。

レインの様子が気になる中、俺はVRMMO研究で注目を浴びている少女に、ちょっと興味が湧いてきていた。そんなことを考えて・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

POPしたクアジットのすべてを倒した俺たちは農場の傍にある小屋へと向かっていた。そこに。

 

「あ、プレイヤーがいるぞ」

 

俺たちが向かっている小屋の前に二人のプレイヤーがいた。

両方とも男プレイヤーで、種族はシルフとサラマンダーだった。そして両プレイヤーとも髪に、羽のような飾りを付けていた。

 

「よし、ここのモンスターの討伐は完了した。次に進むぞ!」

 

「ああ、他のプレイヤーに先を越されるわけにはいかないからな。早く行こう」

 

そんな会話をして両プレイヤーは俺たちに気づかないまま、羽を広げてどこかに飛んで行った。

 

「行っちゃったね・・・・・・」

 

「ええ・・・・・・」

 

リーファとラムが両プレイヤーが飛んで行った方を見て呟く。

 

「あいつら、あの様子だと結構上級者みたいだな・・・・・・」

 

「うん・・・・・・」

 

「そうだね。武器のレアリティもさながら、気配が上級者並の感じだったよ」

 

俺とレイン、ユウキはさっきのプレイヤーの装備品や佇まいからそう判断した。アインクラッドでは一つ一つが命懸けのため、こういうプレイヤーを観察する目が俺たち元攻略組には身についていた。

 

「ここのフィールドに来ているパーティだもの。腕に覚えがあるやつらだと思う」

 

「もしかすると、ボクたちのライバルになるかもしれないね・・・・・・」

 

「だな・・・・・・。しかし、一体どこのギルドだったんだ・・・・・・」

 

俺がさっきのプレイヤーの所属ギルドについて考えてると。

 

「・・・・・・さっきの羽の飾り・・・もしかして・・・・・・」

 

ボソッと、耳を良くすまさないと聞こえないほどの声量でレインが何かを言った。

 

「レイン、さっきのプレイヤーたちの所属してるギルド知ってるのか?」

 

「え!?ううん!しらないよ。でも、あんなプレイヤーがいるってことは、そのギルド、かなり強いかも・・・・・・」

 

「うーん。規模にもよるけど、もしかしたら聖竜連合なみのギルドかも」

 

レインの言葉に続いて、血盟騎士団副団長補佐だったユウキが言う。

 

「さて、あたし達もクエスト進めようよ!」

 

「ああ、そうだな」

 

俺たちは気を取り直して、小屋に向かった。

小屋は大きいとはいえないが、立派な木造建築で倉庫のようだった。

 

「ここで何かヒントが見つかるといいよね」

 

「ああ、片っ端から調べてみるか」

 

小屋の周辺を、手分けして探し───。

 

「おっ、鍵があったぞ!」

 

小屋の隣の貯水槽のような物の下にあった鍵を発見した。

鍵をタップしアイテム名を見る。現れたアイテム名ウインドウには『ビルスキルニルの鍵』と表示されていた。『ビルスキルニル』とはおそらくこの小屋の事を指してるのだろう。

 

「これで建物の中に入れるわね」

 

「キリトくん、早く開けてみてよ!」

 

「ああ、わかった!」

 

小屋の扉の前に立ち、手に入れた『ビルスキルニルの鍵』をドアの鍵穴に差し込んで回し、扉を開ける。

 

「・・・・・・どうやら、建物の中にモンスターはいないようだな」

 

扉を開け中を見ると、そこには簡易な書籍やデスクなど、農場関連のものが置かれていた。そしてその奥のデスクの上に、ひとつの石の板が置かれていた。

 

「あ!あそこにあるのって石版じゃない?」

 

「おお、早速見つけたか!」

 

中に入り、見つけた石板を手に取る。が。

 

「ん・・・・・・?でもこれ、岩の扉にあった穴より随分小さくないか?」

 

その石版は岩の扉にあった穴の半分ほどの大きさしかなかった。石版に描かれているレリーフは竜で、なにか割られたような感じだった。

 

「うん、この石版。元の大きさの半分くらいの大きさだと思うよ」

 

「もしかして、もう半分必要なのかな?」

 

半分に欠けた石版について悩んでいると。

 

「ねぇねぇキリトくん、向こうに日記が置いてあったよ!」

 

リーファが一冊の本。日記を持ってきた。

 

「でかした!何かヒントが隠されてるかもしれないな。・・・・・・かなり古びてるけど、どうにか読めそうだ」

 

「それじゃ、読んてみるわね」

 

メガネを掛けたシノンに日記を渡し、日記の内容を読んでもらう。

 

「『【XX年XX月XX日】代々伝わる石板を割ってしまった!どうしよう・・・・・・。』『【YY年YY月YY日】ワイバーンに一枚奪われてしまった。この事は誰にも言えない・・・・・・。一生秘密のまま生きるんだ!』『【ZZ年ZZ月ZZ日】秘密を守ったまま生涯を終えることが出来そうだ。でも本心では、誰かに見つけてほしいんだ・・・・・・』。・・・・・・これで終わりみたいね。この日記を読む限り、誰かがこの石版を半分に割ってしまったみたいね」

 

「ワイバーンって、モンスターの名前だよね?」

 

「ああ。そいつのいる所に石版の片割れがあるってことだな。ユイ、どこにいるかわかるか?」

 

「はい!ワイバーンはここから北にある浮島に生息していますパパ」

 

「これで次の目的地が決まったな」

 

「うん、次はその浮島に行ってみよう!」

 

俺たちは石版のもう半分を奪った、ワイバーンのいる浮島に向かうことにした。一応、小屋の中にあった日記と石版をストレージにしまう。日記のアイテム名は『古びた日記』と見たまんまで、石版は『シアルフィの石版』と書かれていた。

小屋を出て五分ほどして、ワイバーンの生息している浮島についた俺たちは浮島の周囲を飛行していた。

 

「パパ、あの辺が目的地の浮島です」

 

「ここが日記に書いてあった浮島が。さて、ワイバーンはどこにいるのやら・・・・・・」

 

そう言って辺りを見渡していると。

 

「キリトくん、あそこ!」

 

レインが頭上を指さした。

レインの指さしたところを見ると、そこには一体の飛竜・・・・・・ワイバーンがいた。

 

「Graaaaaa!!」

 

「うおっ!?いきなりボスのお出ましか・・・・・・」

 

雄叫びをあげるワイバーンに少し驚きつつ背中の剣の柄に手を伸ばす。

 

「このモンスターを倒せば、もう一つの石版の欠片をゲットできるんだね!」

 

「よし。みんな、行くぞ!」

 

「「「「「おう!」」」」」

 

次々と武器を抜刀し、シノンは後方から、俺たちはワイバーンに向かって行った。

 

「はああっ!」

 

「やああっ!」

 

まず最初にダメージを与えたのは俺とレインだった。俺とレインの初撃を受け、ワイバーンは甲高い雄叫びを上げ鉤爪で攻撃してくる。しかし、ワイバーンのその攻撃は俺たちに掠りもせず、空を切った。

 

「遅いよっ!」

 

「はああーっ!」

 

「ふっ!」

 

ワイバーンの鉤爪攻撃が空を切ると、すかさずユウキ、ラムの二人がワイバーンの胴を薙ぎ払う。シノンは遠距離で、ワイバーンの翼に矢を穿つ。

 

「Gaaaaaaa!」

 

「させないっ!」

 

ワイバーンが突進してシノンに突っ込もうとする寸前に、リーファの風魔法がワイバーンの動きを阻害する。

 

「ぜりゃっ!」

 

リーファの風魔法で動きを阻害されてるワイバーンに向かって、上空から二刀を突き刺す。

 

「Gyaaaaaa!!!」

 

「シノンちゃん!」

 

「任せて!───狙い撃つわ」

 

絶叫を上げるワイバーンの目に向かってシノンが矢を放つ。

 

「──────!!!」

 

シノンの矢は吸い込まれるようにワイバーンの目に突き刺さり、ワイバーンは奇声を叫ぶ。

ワイバーンのHPはボスのため二段と設定されているが、俺たちの攻撃によりそのHPはみるみると減って行っていた。

そのまま大したダメージも負うことなく、戦闘を始めて八分後。

 

「Gyaaaa!!」

 

今までで一際高い声を上げてワイバーンはポリゴンへと姿を変えた。

 

「やったー!!」

 

「やった!みんな、お疲れさま!」

 

「みなさん、やりましたね!」

 

ワイバーンを倒し、ドロップした残りの石版の欠片をゲットした俺たちは歓声を上げた。

 

「ああ、これで石版の欠片が揃ったな」

 

「この石版をはめれば封印されていた扉が開くんだよね」

 

「やっとダンジョンの中に入れるわね」

 

「早速行ってみようよ!」

 

「ああ、そうだな!」

 

俺は入手した石版の片割れ、アイテム名『レスクヴァの石版』をアイテムストレージに収納し、岩の扉で塞がれていたダンジョンの入口に向かって飛んで行ったのだった。

 

 

 





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