ソードアート・オンライン 黒の剣士と紅の剣舞士 二人の双剣使い   作:ソーナ

156 / 171
LS編 第149話〈黒い妖精の世界(スヴァルトアールヴヘイム)

 

〜キリトside〜

 

 

俺達のアバターは、あの世界───SAO、アインクラッドの中で育て上げたステータスだ。ALOではSAOのアバターを使える仕様ではなかったが、幸い、完全という形ではないが、ほとんどのパラメーターを引き継ぐことが出来た。引き継げなかったのは、この世界に無く、あの世界だけのスキル、ユニークスキルだ。

俺の《二刀流》やレインの《多刀流》。ユウキの《紫閃剣》にランの《変束剣》。アスナの《神速》、リーザの《無限槍》、ラムの《抜刀術》。そして、それはアインクラッド最強のスキルであるらしい、俺とレインだけのスキル、《シンクロ》も例外ではない。だが、剣士として培ってきた俺の力は、このALOの世界で復活を果たした。リーファの的確な指導もあり、俺たちは次第にゲームに慣れ、楽しめるようになった。

そして馴染み深い仲間たちも一人二人と集待っていき、SAOの時と同じようにみんなで時間を共有出来るようになっていった。

また俺のナーヴギアの中のローカルメモリーに避難していたユイと、ユイが保存したストレアのデータも残されていた。二人をこの世界に出して、二人との再会に、俺達は涙ながらに喜び合った。

こうしてALOにログインしてからしばらくすると、歌姫セブンの記事はますます増えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『セブンをリーダーとする高位ギルド《シャムロック》のメンバーがついに五百人を突破!しかしシャムロックのメンバーですら、セブンに会える者は限られている。セブン効果のおかげか、ALOのプレイヤー数が急激に上昇!ALO内でのセブンが行うバーチャルライブツアーついに開催決定!科学者との兼業は可能?渡米してアルシャービン博士に単独インタビューを敢行!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

七色博士・・・・・・セブン。確かに面白そうなプレイヤーだ。一度会って話をしてみたい。

・・・・・・そしてそれから数ヶ月後の今日。待ちに待ったバージョンアップの日。新エリアが導入されたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、外へ戻ってこれたことだしいったん街へ戻ろうぜ」

 

ダンジョンから出た俺は、みんなにそう提案する。

 

「そうだね。街で一息入れようか」

 

「エギルさん達のパーティもクエストが終わった頃かもしれないわ」

 

「時間的にそうですね」

 

「じゃあ、街へ戻ってエギルさん達と合流しようよ!」

 

「さんせ〜い!」

 

俺達はダンジョンを後にし、空都ラインへと帰って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

空都ライン

 

 

ウォークリンデの転移門からラインに戻ると、待ち合わせの場所にはすでにエギルたちが帰ってきていた。

 

「キリトじゃねぇか、今戻ってきたのか?」

 

「ああ、エギル達の方が早かったみたいだな」

 

「いや、俺達もさっき戻ってきたばかりだ。・・・・・それで、待ち望んだ新エリアの初クエストは楽しめたのか?」

 

「ああ、かなり面白かったよ。解きがいのあるクエストだったぜ」

 

エギルの問いにニヤリと笑みを浮かべて返すと。

 

「あっ、キリトー!帰ってきてたんだ!」

 

ストレアが飛び込んできた。

 

「うおっ!ストレア!?」

 

飛び込んできたストレアを受け止めると。

 

「クエストお疲れ様。相変わらず、ご活躍のようね」

 

リズがそう聞いてくる。

 

「今のはスルーなんですね・・・・・・」

 

「そっちのクエストはどうだったの?」

 

ラムがツッコミ、シノンが逆に訊ねる。

 

「ふふっ、ちゃーんとクリアしてレアアイテムゲットしたよ♪」

 

シノンの問いにストレアが指をVの字にして言う。

 

「エギルさんがすっごく頼もしかったんですよー!」

 

「バトルの時前衛で構えてくれたから攻撃しやすかったな」

 

「盾役が私たちのメンバーにはあまりいませんからね」

 

「まあね」

 

「ははっ、悪ぃなクライン。俺ばっかり目立っちまったみたいだな」

 

「くっそー!まさかエギルにいいところを持ってかれるとは・・・・・・」

 

アスナたちの言葉にエギルは笑ってクラインに言う。そのクラインはというと、悔しそうな表情をしていた。

 

「クラインの活躍はさておき、───「おいキリト、それはねぇだろ!?」───滑り出しは順調って感じだな。この調子で攻略も進めて行こうぜ」

 

「無視かよ!?」

 

クラインのツッコミはさておき、みんなもクラインのツッコミをスルーする。

 

「あ、そう言えば鍛冶屋っどこにあるの?ここにはリズの店もないし・・・・・・。武器を強化できないと困るわよね」

 

思い出したようにアスナがリズに聞く。

 

「私は一応簡易的な装備があるけど」

 

リズと同じ鍛冶妖精(レプラコーン)のレインが言うと。

 

「それについては俺にちょっと心当たりがあるんだ。しばらくしたは、工房によってくれ」

 

エギルがそう言った。

来たばかりなのだが、何かツテでも有るのだろうか?そう思っていると。

 

「それじゃあ今日はこれで失礼するぜ」

 

エギルはそそくさと放れて、どこかに行ってしまった。

 

「おいおい。しばらくってどれくらい待てばいいんだよ・・・・・・」

 

「あはは。たぶん後でメッセージが来るんじゃないかな・・・・・・」

 

「エギルさん、あたし達を工房に集めて何をするんだろう?」

 

「まぁ・・・・・・行ってみればわかるんじゃないか?」

 

「楽しみにしとこーっと!」

 

エギルが何をしようとしてるのか謎だが、一応楽しみに待っておくとしよう。

 

「なぁみんな、まだ時間あるけどどうする?」

 

どこかに行ってしまったエギルを除く、みんなに訊ねる。

 

「悪い、オレはちょっと風林火山の連中と約束があるんで、しばらく別行動させてもらうぜ」

 

「そうか、またなクライン」

 

「おう。またなキリト」

 

挨拶をすると、クラインはエギルの向かった方向とは反対の方向に向かって行った。どうやら予め風林火山のメンバーの人達と待ち合わせ場所を決めといたらしい。

これで残ったのはエギルとクラインを除いたメンバーとなった。

 

「それじゃあ、とりあえず情報収集しつつ・・・・・・」

 

「サブクエストとか受けてみたらいいんじゃないでしょうか?」

 

ラムとランがそう提案する。

 

「うん、それいいね!」

 

特に否定がと起こるわけでもなく、俺達はサブクエストを受けることにした。

 

「酒場にあるクエストカウンターに行くとサブクエストを受けられるんでしたよね」

 

「うん。キリトくん、早速行ってみようよ!」

 

「ああ!」

 

俺達はサブクエストを受けるため、空都ラインにある酒場のクエストカウンターに向かって行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

十数分後

 

 

浮遊草原ヴォークリンデ

 

 

「えーと、サブクエスト内容はスライム討伐と、オーク討伐の二種類あるけど・・・・・・」

 

「手分けした方が早いですね」

 

「だな。それじゃあ、パーティメンバーは・・・・・・」

 

少し相談して。

 

「俺のところはレイン、ユウキ、ラン、シリカ、フィリア、だな」

 

「こっちは俺とリーザ、アスナさん、リズさん、リーファさん、シノンさん、ストレアさんですね」

 

となった。

 

「それじゃあどっちが早く片付けるか競走しようぜ」

 

「ええ!負けませんよキリト」

 

「それじゃ、いくぞ!」

 

俺達は二組に別れて、それぞれサブクエストを攻略しに向かったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一時間後

 

 

「「くっ。引き分けか!」」

 

「「こぉの!おバカさん!!」」

 

サブクエストが終わり、空都ラインに戻って来た俺とラムはレインとリーザにハリセンで頭を引っ叩かれていた。

 

「「二人ともいつの間にハリセンなんかゲットしたの!?」」

 

頭を押さえながらそれぞれの恋人にツッコミを入れる。

何故頭を叩かれたのかと言うと、俺とラムの二人がさっきのサブクエストで競い、クエスト報告が同時だったからだ。

ちなみにであるが、俺もラムも負けず嫌いである。

というわけで俺とラムはレインとリーザにお仕置き?を受けさせられたのだった。

 

「あ、これ?これはね、私が造ったんだよ」

 

「「はい?」」

 

「私とレインがラムたちの暴走を止めるための物です」

 

「いやー、リーザちゃんからこういうの造れないかなって言ってたから造ってみたんだ」

 

「「なんつう無駄な創作!!」」

 

ハリセンを持つレインとリーザにツッコむ俺ら。

アスナ達は引きつり笑いを浮かべつつ、レインたちを止めることもなく見ていた。

 

「ここは?」

 

場所を移動し、俺達は空都ラインの中で一番高い塔へと来ていた。

 

「えっと、普段はギルドマスターや領主の会合などで使用する場所みたいだよ。今は確か、それぞれ妖精族の領主が会合中って聞いたけど・・・・・・」

 

「ということは・・・・・・あっ」

 

レインの言葉にリーファが塔のほうを見ると、奥のほうから三人のプレイヤーがやって来た。やって来たプレイヤーの一人、シルフの女性がリーファを視ると。

 

「やぁ、リーファ。久しぶりだね。元気そうで何よりだ」

 

気さくに声をかけてきた。

 

「サクヤ!久しぶり!」

 

どうやらリーファの知り合いみたいだが・・・・・・。

そう思っていると。

 

「さすがにアップデート直後を狙ってきたプレイヤー達は多いネ」

 

「ふん。実力がない者ほど、出し抜こうとするものだ」

 

さらに二人のプレイヤー。ケットシーの女性プレイヤーとサラマンダーの男プレイヤーが言ってきた。

そこに、リーファと話していたシルフのプレイヤーが声をかけてきた。

 

「君が噂のリーファの兄君・・・・・・キリト君だね。話には聞いていたよ、会いたかった。自己紹介は私からさせてもらおう。私はサクヤ。シルフの領主をしている」

 

「あたし達の種族シルフのリーダーなんだよ」

 

どうやらこのプレイヤーはシルフの領主らしい。ということは、残り二人も領主となる。

 

「そしてこの猫娘がアリシャ・ルー。ケットシーの領主だ」

 

「よろしくネ!黒の速攻剣士サマ~!」

 

「黒の速攻剣士・・・・・・?」

 

何か新たな名前が付けられてるが気にしないことにした。

 

「騒がしいのが玉に瑕だが、まぁ私の茶飲み友達なのでな。仲良くしてやってくれ。そしてこの男が・・・・・・」

 

「・・・・・・!」

 

最後の男プレイヤーを見た俺は息を飲んだ。

そのプレイヤーの雰囲気や佇まいが他のプレイヤーより上だったからだ。気配で言うなら、俺達に近い感じがする。

 

「ユージーンだ。貴様が噂のキリトか・・・・・・。一度手合わせ願いたいものだな」

 

「確か、サラマンダー部隊を指揮する将軍で、あんたの兄が領主を務めているんだよな」

 

「実力はこいつの方が上だぞ。ALO内では最強プレイヤーと呼ばれていた事もあった・・・・・・」

 

「最強・・・・・・」

 

ALO最強という言葉に俺たちは警戒というより、好奇心が勝った。最強という強さに興味があるのだ。しかし、呼ばれていた事もあった、ということは今は最強ではないのだろう。

 

「今は違うんですか?」

 

「ふふふっ・・・・・・この話、今は止そう。これ以上この男を不機嫌にしても仕方がないからな」

 

「ふん・・・・・・」

 

「こ、こわ~・・・・・・」

 

何処か不機嫌そうなユージーンにリーファが怯える。

 

「ははっ、この館はバトル不可設定だから安心したまえ」

 

それはこの館から出たらバトルするということだろうか?

サクヤの言葉に俺はそう感じざるを得なかった。

 

「さぁ・・・・・・それではお互いに新エリア攻略を楽しむとするか」

 

「みんな、健闘を祈るネ~!」

 

出ていく三人を見ながら俺達も。

 

「さて、じゃあ俺達も行くか」

 

と言って時間も時間なため、宿屋に戻った。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。