ソードアート・オンライン 黒の剣士と紅の剣舞士 二人の双剣使い   作:ソーナ

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LS編 第154話〈次の島へ〉

 

〜キリトside〜

 

 

レインとの合体OSS、《ワールドエンド・オーバーレイ》を放ち浮遊草原のボス、ファフニールを討伐した俺達の目の前には、たった一文。『Congratulation』、と金色のフォントで浮かび上がっていた。その一文を見た俺達は。

 

「これで草原の島はクリアだな!」

 

「みんなすごかったよー!」

 

どこの世界でも、ボスを倒した時の快感は同じでみんな歓声を上げていた。

 

「やったねキリトくん!」

 

「ああ!お疲れさまレイン」

 

「うん。お疲れさま、キリトくん」

 

背中の鞘に双剣を仕舞った俺とレインはハイタッチをする。

辺りではラムやリーザが同じく拳を軽く打ち合ったり、クラインが。

 

「お前ら、オレ様の勇姿をちゃんと見てたかー?」

 

と言っていたりしていた。

そのクラインの言葉にシノン達は。

 

「えっ?」

 

「あ・・・・・・」

 

「えーっと・・・・・・」

 

目を逸らして言い淀んでいた。

 

「ええっ!?ちょ・・・・・・なんだよみんなしてオレから目を逸らすなよ!」

 

嘘だろぉー!?と言うような声を出すクライン。そのクラインの動作にシノン達はクスっ、と笑い。

 

「ふふ、冗談よ。仲間の動きくらいちゃんと把握してるわ」

 

「日頃の行いがあるから、プラマイゼロってところね」

 

「特に最近のお前の動向から考えれば、十分評価されてるだろ」

 

とクラインに言った。

まあ、確かにエギルの言う通り最近のクラインの動向から考えたら十分評価されているのかもしれない。例としてあげるなら《トントゥの花》を入手したときとかだ。

 

「そんなぁ・・・・・・」

 

「まぁまぁ、無事に大ボスを倒せたんだしよかったじゃない」

 

嘆くクラインを半ば無視してフィリアが言う。

 

「うん、初のフィールド攻略だもんね!」

 

「そうだね。すっごく楽しかったよー!」

 

「パパ、次の島が開放されたようです」

 

「よし!みんな、行こう!」

 

ユイか次の島が開放されたのを聞いた俺達は、次の島に向けて島の中央から更に北の方へ飛んで行った。

しばらくして俺たちの視界に、遠くからだが新しい島が見えた。

 

「わぁ・・・・・・!やったねキリトくん!次の島が開放されたよ!」

 

「おおっ、島が見えてきたな!」

 

「今度は砂漠の島ね。この草原の島とは地形が全然違うみたい」

 

遠目から見ても、次の島は砂漠の島だとわかった。

 

「あれが次の島なんだね、キリトくん」

 

「ああ。砂漠の島にはどんな冒険が待っているのか楽しみだなレイン」

 

「ふふっ、そうだね!私も楽しみでしょうがないよ!」

 

「ああ!みんな、この調子で次の島の攻略も頑張って行こう!」

 

『『『おう!!』』』

 

「パパ、次の島に行くにはあの転移門を経由して行けるみたいです」

 

ユイの指差す所には、前はウンともスンとも動いてなかった転移門が起動していた。

 

「前は使えなかった転移門が起動してるな」

 

「次の島にはこれを使って行けるんだね」

 

「ああ、早速行ってみるか!」

 

俺達はさっそく、その転移門を有効化(アクティベート)して次の砂漠の島へと転移して行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

砂丘峡谷ヴェルグンデ

 

 

浮遊草原ヴォークリンデにあった、新たな転移門から転移した俺達の目に写ったのは広大な砂丘峡谷だった。

 

「ここが新しい島・・・・・・」

 

「はい。ここが《砂丘峡谷ヴェルグンデ》ですね!」

 

「砂漠の島か・・・・・・」

 

見渡す限りでは、周囲は峡谷に囲まれ岩などが多数あった。

この雰囲気は、アインクラッドでも感じたことない感じだった。

 

「いままでにない雰囲気のフィールドよね。レアな素材が眠ってそうだわ」

 

「もお、リズっちは本当に素材に眼がないんだね」

 

「なによぉー。素材に眼がないのはレインもでしょうが」

 

「あははは!まあね。それもだけど、新しいクエスト攻略が気になるかな」

 

「ま、それもそうね」

 

「ねえねえ、まずはどこから攻略していけばいいのかな?」

 

「ヴォークリンデの時みたいにフィールドを一周してみるのはどうでしょうか」

 

「そうですね。とりあえず、このフィールドを回って見ましょうか」

 

「それじゃそうするか」

 

この島―――砂丘峡谷ヴェルグンデを一周してみる事にし、俺達は転移門から飛びだち、奥へと向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

空都ライン

 

 

「よし、それじゃあ砂漠の島の攻略作戦会議、始めるぜ!」

 

砂漠の島―――砂丘峡谷ヴェルグンデを一周した後、俺達は空都ラインに戻り、エギルの店のカフェでヴェルグンデの攻略作戦会議をしていた。

クラインの声に続いて話す。

 

「砂漠の島での最終目的はフィールドの大ボスを倒すことでいいよな」

 

「まあ、それが一番ですよね」

 

俺に続きランが当然、と言うように言う。レイン達も首を縦に頷き返す。

 

「ダンジョンがいくつかあったから、その中のどこかにフィールド攻略に関連したアイテムがあるんじゃねぇか?」

 

「確かに、かなりの数のダンジョンがあったわね」

 

「ええ。未確認のもあるかもしれませんが、地形からしてまだかなりのダンジョンがあるはずです」

 

「でも、それをひとつずつとなると・・・・・・」

 

「かなりの時間がかかりますね」

 

ラムとリーザの言う通り、砂丘峡谷にあるダンジョンは数が多い。それをひとつずつとなるとかなりの時間がかかること間違いない。

 

「そうね。・・・・・・キリトはどう思う?」

 

「ああ。パーティを二、三に分けたほうがいいだろうな」

 

シノンに訊ねられた俺は腕を組みながら返す。

そこにマップを見ていたフィリアが。

 

「どんな強さの敵がいるかわからないし、転移門近くのダンジョンから攻略するのがいいと思うんだけど・・・・・・」

 

と言った。

 

「そうだな」

 

転移門の近くにあるダンジョンはふたつだ。

 

「転移門の近くダンジョンはふたつだけど、どちらから攻略する?」

 

ユウキがそう言うと、エギルが口を挟む。

 

「いや、もう少し情報を集めてから攻略だな」

 

「なんでですかエギルさん?」

 

「あ、そっか!専用のアイテムとかが必要かもしれないからだね!」

 

「そうですね。では、情報を集めつつ、準備が出来たら近くのダンジョンで探索開始ですね!」

 

「それじゃあ、砂丘峡谷ヴェルグンデ。攻略開始!」

 

『『『おお!!』』』

 

俺達は腕を振り上げヴェルグンデへの攻略に勢いを付けたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宿屋 金冠の雄鶏亭(グリムガンビ)

 

 

エギルの店で作戦会議を終えた後、俺とレインはユイとストレアと共に宿屋の金冠の雄鶏亭にいた。

 

「ふう〜。草原エリアのボス倒せて良かったぁー」

 

「ホントだよぉ〜。なかなか手強かったねあのボス」

 

「強さ的には、アインクラッドの五十層くらいですね」

 

「うわぁー。さすが高難度エリア。ボスのレベルも尋常じゃないな」

 

レインの淹れたコーヒーを飲みながらユイたちと今日のボス戦について話していた。

 

「それにしてもさすが竜種だったな。攻撃力も防御力も半端なかったぜ」

 

「あははは。それはそうだよキリトくん」

 

俺の言葉に、レインは紅茶を飲みながら言う。

 

「やっぱりパパとママはすごいです!」

 

「ユ〜イ、そりゃそうだよぉ。だって、私たちのキリト(パパ)レイン(ママ)だもん」

 

「ふふ。ありがとうユイちゃん。ストレアちゃん」

 

自身の膝の上に座ってるユイの頭を撫でるレイン。

ユイは気持ちよさそうに笑みをうかべる。

そこにストレアが思い出したように言った。

 

「そういえばさ、今日のボス戦でキリトとレインが最後に使ったソードスキルって確か・・・・・・」

 

「はい。SAOでユニークスキルの上位スキル、アルティメットスキル《シンクロ》のソードスキル、《ワールドエンド・オーバーレイ》ですね」

 

「だよね。って、あれ?《シンクロ》スキルって確か【二人で放つソードスキル】だったよね?なんで二人とも使えるの?」

 

「あ、ああ、それはだな・・・・・・」

 

ストレアの問いにさすがの俺も言い淀む。

 

「あれ、ただのソードスキルじゃなくて OSS(オリジナルソードスキル)なんだよね」

 

「OSS!?」

 

俺の言葉に驚くストレア。

 

「もしかして、ふたり同時に放ったソードスキルをひとつとして登録してるの!?」

 

「そうだよ」

 

「ホント、パパとママは仮想世界のあらゆる法則を超えますね」

 

「ユイ、それは褒めてるのか・・・・・・?」

 

ユイの言葉にひきつり笑いを浮かばせて言う。まあ、俺自身もおかしいなぁー、とは思ってるけど。

 

「いやあ、さすがにこれは骨が折れたよ」

 

「だなー」

 

さすがの俺たちでも《シンクロ》ソードスキルの全てをOSSとして登録するのには骨が折れた。正直、《二刀流》や《多刀流》をOSSに登録した方が簡単だった。なにせ、アインクラッドではシステムアシストで発動していたソードスキルを、アシストなしで再現しなければならないのだ。いったい何度、失敗したことか・・・・・・。

 

「まあ、この世界、ALOの機関プログラムがSAOと同じだから出来たんだろうな」

 

「いやいや、普通ふたりでひとつのソードスキルなんか出来ないからキリト」

 

「まま、ストレア。そこは、パパとママですから」

 

「それもそっか。今更って感じだね」

 

「もう!ユイちゃん、ストレアちゃん、私とキリトくんを化け物扱いしないでよ!」

 

「「はーい」」

 

「もお」

 

「ははは」

 

家族の団欒を眺めつつ、俺は今ここに生きている幸せを感じた。茅場から託された、俺とレインの娘であるユイとストレアとともにいる時間。みんなと一緒に居られるこの時間が、俺にとってとても心地よかった。

 

「キリトくんも笑ってないでよー」

 

「はは、すまんすまん」

 

家族との、この幸せな時間を、俺は楽しんで、思い出に刻むようにして過ごして行った。

 

 

 

 

 

 

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