ソードアート・オンライン 黒の剣士と紅の剣舞士 二人の双剣使い   作:ソーナ

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ユイ好きの人お待たせしました。
今回はユイ、ちゃんと目覚めます。

アンケート募集期間残り僅かです!

誤字脱字があったらごめんなさい。


SAO編 第36話〈目覚めた少女〉

~レインside~

 

「♪♪♪♪♪」

 

"アレこの音楽って確かわたしが何時も目覚ましにセットしているやつじゃ?"

 

わたしは耳に届いてきた音に目が覚めた。

 

「ん、ん~。あれ?」

 

"何で本来ならわたしだけに聞こえるはずの音楽が耳から聞こえるんだろう?何時も耳からじゃなく頭に直接聞こえるのに"

 

わたしは不思議に思い首を傾げてみると何時もわたしが使っている隣のベットからハミング音が聴こえた。

 

"ハミング?"

 

隣のベットを見てみると黒髪の少女が瞼を閉じたまま、わたしの起床アラームを一拍たりともずれずにメロディーを口ずさんでいた。

 

「え、ちょ、き、キリト君、キリト君!」

 

わたしは、急いですぐ横に寝ているキリト君に呼び掛けた。

 

「・・・・・おはよう、レイン。どうかした?」

 

~レインside out~

 

寝ていると何故か慌てた様子のレインが俺を起こしているのが見え、まだ眠かったが慌てているようなので起きることにした。

 

「・・・・・おはよう、レイン。どうかした?」

 

「キリト君、アレ!」

 

「ん?」

 

俺は、レインの視線を追い掛けた。レインの視線の先は隣のベットにいる少女に向けていた。少女を見た俺は、すぐに眼を見張り急いで隣のベットに向かった。

 

「歌ってる・・・・・!?」

 

「う、うん・・・・・」

 

レインは、少女の体を軽く揺すりながら呼び掛けた。

 

「ね、起きて。眼を覚まして・・・・・」

 

すると少女の唇の動きが止まりハミングが鳴りやんだ。

やがて、長い睫毛がかすかに震え、ゆっくりと持ち上がった。濡れたような黒い瞳が、至近距離からまっすぐにレインの眼を見据えた。数度の瞬きに続き色の薄い唇が僅かに開かれた。

 

「あ・・・・う・・・・・・」

 

少女の声は、儚く美しい響きを伴わせた。

 

「よかった。目が覚めたんだね。自分がどうなったか、解るかな?」

 

少女は、しばらくしてからレインの質問に首を横に振って答えた。

 

「そうなんだ・・・・・・。それじゃ、お名前は?言えるかな?」

 

「・・・・な・・・・・・まえ・・・・。わた・・・・・・しの・・・・なまえ・・・・」

 

少女が首をかしげながらそう呟くと、艶やかな黒髪がひとすじ頬にかかった。

 

「ゆ・・・・・い。ゆい。・・・・それが・・・・わたしの・・・・なまえ」

 

「ユイちゃんか。いい名前だね。わたしはレインだよ。こっちの人はキリトだよ」

 

「れ・・・・・・りん。き・・・・・・と」

 

ユイと名乗った少女は、たどたどしく唇を動かし、切れ切れの音を発した。

 

「ユイちゃん。どうして第22層にいたの?お父さんやお母さんはどこかにいるの?」

 

「わかん・・・・ない・・・・。なん・・・・・にも、わかんない・・・・」

 

ユイは、眼を伏せ首を、ふるふると横に動かし言った。

 

俺達は、そのあと二階から一階に降りた。ユイは、イスに座ってレインが入れた温かく甘いミルクを少しずつ飲んでいた。

俺とレインは、それを反対側のイスに腰掛けて見ていた。

 

「・・・・・ねぇ、キリト君。ユイちゃんってやっぱり・・・」

 

「・・・・ああ、記憶喪失だろうな・・・・・くっ!こんなの酷すぎだろ」

 

「キリト君・・・・・」

 

俺は、そのあとユイの隣のイスに移動し明るい声で話しかけた。

 

「やぁ、ユイちゃん。・・・・・君の事、ユイ、って呼んでもいいかな?」

 

カップから顔をあげたユイは、頷いた。

 

「そうか。じゃあ、ユイも俺の事、キリトって呼んでくれ」

 

「き・・・・・と」

 

「キリト、だよ。き、り、と」

 

「・・・・・・・きいと」

 

「ちょっと難しかったかな。ユイが、言いやすい呼び方でいいよ」

 

ユイは、再び考え込んだ。

やがて長時間考えたユイは、俺の顔をみて、おそるおそる、と言うふうに口を開いた。

 

「・・・・・パパ」

 

次いでユイはレインの顔をみて言った。

 

「れりんは・・・・・ママ」

 

「うん。うん。そうだよ・・・・・ママだよ、ユイちゃん」

 

レインは、ユイを抱き締めてそう言った。

 

「ママ!」

 

ユイも嬉しそうにレインを抱き締めた。

俺は、その光景に目に涙を浮かべて"よかった"と思っていた。

しばらくしてユイは、再び眠くなったのか椅子の上で寝はじめてしまった。俺とレインは、それを見ながらこれからの事を相談していた。

 

「とりあえず、出来ることをしよう。ユイが起きたらはじまりの街に行って、この子の親とか兄弟がいないか探しに行こう」

 

「そうだね。でも、キリト君、もし・・・・・・・もしこの子が一人のままだったら・・・・・・」

 

「ああ、その時はもちろんだ」

 

ユイは、お昼前には眼を覚ました。

昼食のときユイはずっと俺の、激辛サンドイッチを興味深そうに眺めていて俺とレインを慌てさせた。

 

「ユイ、これはな、すっごく辛いぞ」

 

「う~・・・・・。パパとおんなじがいい」

 

「そうか。そこまでの覚悟なら俺は止めん。何事も経験だ」

 

「え、ちょ、キリト君!?」

 

レインは、慌てて静止に入るがすでにユイは、俺が渡したサンドイッチをためらわず小さな口でがぶりと噛みついた。

俺とレインが、固唾をのんで見守るなかユイは、難しい顔で口をモグモグさせていた。

 

「ゆ、ユイちゃん。大丈夫?」

 

「おいしい」

 

「おお、中々根性のある奴だ」

 

俺は、笑いながらユイの頭を撫でて言った。

 

「よし。晩飯は激辛フルコースに挑戦しような」

 

「うん♪」

 

「そんなわけで晩飯は激辛フルコースで頼むぞ、レイン」

 

「え、う、うん。・・・・・ってそんなの作るわけないでしょうキリト君!あんまり調子に乗らないでよ、もう。ユイちゃん、こっちの辛くない方を食べようね」

 

結局、残り全てのサンドイッチを平らげてしまい、満足そうにユイは、レインが入れたミルクティーを飲んでいた。

 

「ユイちゃん。午後はちょっとお出かけしようか」

 

「おでかけ?」

 

「ユイの友達を探しに行くんだ」

 

「ともだち・・・・・・って、なに?」

 

「う、う~ん。・・・・・友達ってのはユイの事を助けてくれる人の事だよ」

 

「なるほど~」

 

「さ、準備しよ。ユイちゃん」

 

「うん♪」

 

「あ、ユイ。ウインドウって開けるか?」

 

「?」

 

「こうするんだ」

 

俺は、レインがユイに合う服を見繕っている最中ウインドウが開けるか聞いていた。

だが、わからないと言うふうにユイは首をかしげた。

俺は、それに右手を振ってウインドウを表示する、と言うことを教えていた。

ユイは、俺がやった通り右手を振っていたがウインドウは出ず、やけになって今度は左手を振ると、突如としてウインドウが表示された。

 

「でた♪」

 

「ユイ、ちょっとごめんな」

 

俺は、ユイの手を借りて勘で可視モードのあるボタンあたりをクリックした。

すると、ウインドウが可視モードになり俺にも見ることが出来るようになった。可視化ウインドウを見て俺は、驚いた。

 

「な、こ、これは一体・・・・」

 

「ん、どうしたの、キリト君?」

 

「レイン、これを見てくれ」

 

俺は、やって来たレインにユイのウインドウを見せた。

 

「キリト君、これって!?」

 

本来ならば、他人のウインドウを見ることはマナー違反なのだがこれはそうとも言ってられなかった。

何故なら、そこには本来あるはずのHPバーやEXPバー、レベル表示すらなくあるのは《YuiーMHCP001》という奇怪なネーム表示と装備フィギュア、《アイテム》《オプション》だけだった。

 

「これも、システムのバグ、なのかな?・・・・・」

 

「・・・・・いや、どっちかと言うと始めからこんな感じだと見えるな」

 

「確かにね。う~ん・・・・・・とにかく、ユイちゃんの準備をしちゃおう。これは、あとで考える必要があるね」

 

「ああ、そうだな」

 

レインは、ユイの元に行き手に持っていたセーターをユイのアイテム表示乱に置くと、アイテムはウインドウに収納された。

次いで、セーターの名前をアイテム欄からドラッグし、装備フィギュアへとドロップさせた。直後、鈴のような効果音とともにユイの体に淡いピンク色のセーターがオブジェクト化された。

 

「わあー」

 

ユイは、顔を輝かせながら両手を広げ自分の体を見下ろした。

レインは、そこから更に同系色のスカートに黒いタイツ、紅い靴をユイに表示させ、元々着ていた白いワンピースをアイテム欄に戻しウインドウを消去した。

 

「それじゃ、行こうか。あ、レイン一応武装の準備もしといてくれ。あそこは『軍』のテリトリーだからな」

 

「あ、そう言えばそうだったね。大丈夫だよ」

 

「よし、行こう」

 

俺達は、家をあとにし右に俺、左にレイン、真ん中にユイといった感じで手を繋いで第1層はじまりの街に向かった。




次回は、『軍』が相手!?

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