ソードアート・オンライン 黒の剣士と紅の剣舞士 二人の双剣使い 作:ソーナ
それではどうぞ。
誤字脱字があったらごめんなさい。
『軍』の徴税部隊と闘った俺達はそのまま教会に泊まることにした。理由はまた徴税部隊がやって来る可能性と、ユイの昏睡状態にあった。
ユイは、あの後あの奇妙な悲鳴をあげてから一度も目を覚まさず眠っていた。その翌日、ユイは昨日の事など覚えていないかのような元気になって目覚めていた。
そして・・・・・。
「ミナ、パンひとつ取って!」
「余所見してるとこぼすよ!」
「あーっ、先生!ジンが目玉焼き取ったー!」
「かわりにニンジンやったろー!」
俺達は眼の前で行われる朝食風景に、呆然とした。
「これは・・・・・すごいな・・・・・」
「うん・・・・・」
「そうだね・・・・・」
「だね・・・・」
「「「ですね・・・・・」」」
俺達はそれに、それぞれ感想をのべた。
だけど俺達は、その風景に安堵を浮かべた。
「でもみんな元気だよ」
「そうですね。昨日あんなことあったと言うのに」
「ああ・・・・気にしないって感じだな、これは」
「ええ・・・・」
すると、一緒に座ってお茶を飲んでいたサーシャさんが。
「すみません。お客様なのに朝食の準備まで手伝ってもらっちゃって・・・・」
「いえ。昨日は私達も泊めてもらいましたから」
「そうですか。ありがとうございます」
「あのサーシャさん」
「はい。なんでしょう?」
「朝食って何時もこんな感じなんですか?」
俺は、サーシャさんに朝食の風景について聞いてみた。
するとサーシャさんは、苦笑いを浮かべながら答えてくれた。
「・・・・ええ。何時も静かにしなさいって言っているんですけどね・・・・」
「まあ、確かに・・・・・聞きそうにありませんものね、あの感じじゃ」
アスナは苦笑いを浮かべながら子供達の方を見てそう呟いた。
すると不意にレインが玄関の方を見ながら。
「ん?」
「どうしたレイン?」
「だれか来たみたい」
「「「「「「え?」」」」」」
レインがそう言うと同時に玄関の方から呼び出し音が聞こえた。
「お客様かしら?こんな時間に・・・・・ちょっと失礼しますね」
サーシャさんは俺達に断りを入れて玄関の方に向かった。
しばらくするとサーシャさんは一人の女性プレイヤーと共に戻って来た。
子供達は手を止めその女性プレイヤーを警戒しながら見ていた。
何故ならその女性が身に纏う服は濃緑色したものだったからだ。それはすなわち『軍』のプレイヤーだと言うことだ。するとサーシャさんは子供達の方を向き。
「みんな、この人は大丈夫よ。食事を続けなさい」
そう言った。
そう言うと流石に子供達から信頼を受けていることはあるという風に子供達はすぐに食事に戻った。
俺達のところに戻ってくるとサーシャさんは椅子を1つ追加し座った。
それと同時に女性プレイヤーも追加された椅子に腰かけた。
「お待たせしました。この方はユリエールさん、だそうです。何でもキリトさん達に用があるようなんですが」
「俺達に?」
俺達は訳が解らず首をかしげた。
するとユリエールさん、というかたが自己紹介をした。
「はじめまして、ユリエールと申します。ギルドALFに所属しています」
「「「「ALF?」」」」
レイン達はわからなかったそうでユリエールさんに聞いていた。
「ああ、すみません。《アインクラッド解放軍》の略称です。・・・・正式名称はどうも苦手で」
「はじめまして、俺はキリト。そしてレイン、この娘はユイです」
「はじめまして、私は血盟騎士団副団長アスナです。そしてこっちからユウキ、ランさん、ラムさん、リーザちゃんです」
俺達自分の名前をユリエールさんに教えた。
「《黒の剣士》に《紅の剣舞士》そしてKoBの・・・・・なるほど道理で連中が軽くあしらわれるわけだ」
連中、つまり昨日の徴税部隊の事だろう。
「もしかして昨日の事で何か言いに来たんですか?」
俺はユリエールさんに聞くと、彼女は眼をパチリとしたあと首を横に振った。
「いえそんな、とんでもありません。むしろお礼を言いたいぐらいです」
「「「「「お礼?」」」」
「何故です?」
俺達は、訳が解らずユリエールさんに聞くと。
「順を追って説明します。元々ギルドは『アインクラッド解放軍』と言う名前ではなかったんです。最初の名前はMTDという名前です。・・・・・・・・聞いたことありませんか?」
レイン達は聞いたことないのか首をかしげていた。
だが俺以外にとラムは知っていたらしく首を縦に振った。
「『MMOトゥデイ』の略・・・・・・でしたよね」
「はい」
「確かギルドマスターの名前は・・・・・・シンカー」
俺がシンカーの名前を言うとユリエールさんは、悲しげな表情を浮かべた。
「ええ・・・・・・ですけど誤解しないでください。シンカーは今のギルドをはじめから作る気は無かったんです。彼の思想はここにいる子供たちや困っている人にアイテムを平等に分配し困っている人を無くす事だったんです」
「なるほど・・・・・ユリエールさん、サーシャさん」
「はい」
「なんでしょう」
「俺が知っている『軍』は昨日のような事はしないところでした。むしろ治安維持を積極的に行っていた。けど昨日のような恐喝はまるで・・・・犯罪者みたいでした。一体何時からああなったんですか」
俺は『軍』のプレイヤーをみて思っていたことを二人に聞いた。最初に口を開いたのはサーシャさんだった。
「確か・・・・・今から半年ほど前です。ああ言うのが始まったのは・・・・」
ユリエールさんはサーシャさんの言葉に頷いた。
「確かに今から半年ほど前から昨日のようなプレイヤーが出ました。そのようなプレイヤーは今や『軍』のほぼ全てを掌握しているキバオウ、という名のプレイヤーの傘下に所属しています」
ユリエールさんの言ったキバオウ、という名にラムとリーザ以外すぐに解ったようだ。
「もしかしてあのキバオウ、か?」
「そうじゃないかな」
キバオウは、第1層ボス攻略戦で起こった件を強く俺を非難して《ビーター》という名を着けさせた張本人だからだ。
「彼は、シンカーが放任主義なのをいいことに、同調する幹部プレイヤーたちと共に体制の強化を打ち出して、ギルド名をアインクラッド解放軍に変更させました。彼の傘下プレイヤーは更に調子に乗り昨日のような恐喝紛いの行為すら始めました。ですけどキバオウ派にとて弱みはありました。それは、資材の蓄積だけにうつつを抜かし、ゲーム攻略をないがしろにし続けたことです。そして彼は末端のプレイヤー達の不満を抑えるためつい最近、キバオウは無謀な事をし始めました」
「それってもしかして」
俺は脳裏にあることが浮かんだ。
「はい。予想している通りだと思いますが、彼は配下の中で、最もハイレベルのプレイヤー十数人による攻略パーティを組み、最前線のボスを攻略するという事を行ったんです。ですが、それはあまりにも無謀な事だったんです。
いかにハイレベルと言っても、元々我々は攻略組の方々に比べれば力不足は否めません」
「・・・・・・コーバッツのことですね」
「はい。結局、パーティは敗退、隊長であるコーバッツは死亡を含め二名が死亡という最悪の結果となりました。
私達は、その無謀さにキバオウを強く糾弾しました。あと少しのところで彼を追放できるところまで行ったのですが・・・・・・」
そこでユリエールさんは高い鼻梁に皺を寄せ、唇を噛みお茶を少し飲んだ。
「三日前、追い詰められたキバオウはシンカーを罠に嵌めるという強行策に出たんです」
「罠・・・・ですか」
「はい。出口をダンジョンの奥深くに設定してある回廊結晶を使い、逆にシンカーを放逐したんです」
俺達は、その言葉に驚いた。
「でも、転移結晶を使えば・・・・・」
俺がユリエールさんに言うと。
「シンカーはその時転移結晶を持っていなかったんです。キバオウに『丸腰で話し合おう』と言われたみたいで」
「それじゃシンカーさんは・・・・・?」
「ええ。シンカーいまだにダンジョンにいます。それに加え一人ではダンジョンを突破するのは難しいみたいで・・・・幸いなことに《生命の碑》のシンカーの名前はまだ無事なので、どうやら安全地帯には辿り着けたようです。
それであなた方にお願いがあります」
ユリエールさんは頭を下げ言ってきた。
「私と一緒にシンカーを助けてくれないでしょうか。このままでは『軍』は完全にキバオウに掌握されてしまいます。どうかお願いします!シンカーを助けてください!」
俺達は、ユリエールさんのその言葉にお互いの顔を見て頷いた。
「頭を上げてくださいユリエールさん。もちろんシンカーさんを助けることに協力します」
俺がユリエールさんにそう言うとユリエールさんは顔を上げ言った。
「本当ですか。ありがとうございます!」
「わたしも手伝います。一緒にシンカーさんを助けましょう」
「私も手伝うわ」
「僕も」
「私もです」
「俺もですよ」
「もちろん私も」
俺を含めレイン、アスナ、ユウキ、ラン、ラム、リーザ全員手伝うことを決めた。
「ありがとうございます」
俺は、ユリエールさんにどこのダンジョンなのか聞くことにした。
「それでそのダンジョン、てのは・・・・何処に?」
「ここです」
「「「「「「「ここ?」」」」」」」
「はい。シンカーが閉じ込められているダンジョンがあるのはここ・・・・アインクラッド第1層、黒鉄宮の裏にあるところから行けるんです」
俺達はその言葉に驚いた。
何故なら今までそんな情報は聞いたことがないからだ。
「驚いたな、まさかこことは・・・・・」
「うん。βの時はあったの?」
「いや、βの時はそんなのは無かった」
「恐らく上層の解放と共に解放されるタイプのものなのだと思います」
「なるほどな」
「それで問題が1つ。そのダンジョンなんですが階層的に60層クラスだそうなんです。そして奥に巨大なボスモンスターを見たと・・・・・失礼ですがみなさんは・・・・」
「ん~、ま~、60層ぐらいなら」
「あそこのボスってどんなのだったけ?」
レインが聞くとアスナが答えた。
「確か、石像みたいなボス・・・・・だったはずだけど」
60層のボスは防御力が高く余り攻撃が通らなかったと記憶している。
すると今まで静かだったユイが。
「パパ」
「ん、どうしたユイ」
「私も一緒に行く!」
「「え?」」
「一緒に行く!」
「いや、あのなユイこれから俺達が行くところはとっても危険なんだぞ」
「いいの!パパとママと一緒に行くの!」
俺達がいくら言ってもユイは頑なに拒否した。
俺とレインは顔を見合わせて話した。
「どうする?」
「ん~。仕方ないから連れていこうか」
「いいのか?」
「わたしがユイちゃんと一緒にいるから大丈夫だよ」
「そうか。それじゃ、頼む」
俺は、ユイの顔を再びみて話した。
「ユイ・・・・ずっとママと一緒にいられるか?」
俺が聞くとユイは元気よく「うん!」と頷いた。
「よし、それじゃ一緒に行こうか」
「うん‼」
ユイは嬉しそうに俺に抱きついた。
その光景に俺とレインを除くもの達の眼が何故か"親馬鹿だ~"という風に語っていた。何故だろう?
「え~と。それじゃ今からでもよろしいでしょうか?」
ユリエールさんが、俺達に聞いてきた。
「ええ、大丈夫です」
「それじゃ、ダンジョンまでご案内します」
サーシャさんと子供たちに見送られながら教会を出た俺達は、ユリエールさんの先導のもと黒鉄宮裏に向かった。
ユイはきちんとレインの手を繋いでいた。
ダンジョンの手前で俺達は武器を装備した。ダンジョンへと入るとダンジョン特有の気配を皮膚に感じた。
「シンカーのいる場所はここから先・・・・・奥にある安全地帯にいます」
「わかりました。それじゃ、行きましょう」
「「「「「「了解」」」」」」
俺達はアスナの号令のもと武器を構え奥へと進んでいった。
次回はダンジョン探索
アンケート、感想お待ちしてます。