ソードアート・オンライン 黒の剣士と紅の剣舞士 二人の双剣使い   作:ソーナ

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SAO編は今回で終了です。
次回からはSAO HF(ホロウ・フラグメント)編をやります。
アンケート等を送ってくださった方々ありがとうございます。
原作、と言う声も多数ありましたが、HFをやってほしいと言う声が多くありましたので原作をやってほしいと言ってくれた方々スミマセン。

誤字脱字等がありましたらごめんなさい。
感想や評価、等お願いします。


SAO編 第44話〈決着、そして・・・・〉

「やあぁぁぁぁあ」

 

「スイッチ!」

 

「オッケー!」

 

「はあぁぁぁぁあ」

 

俺達は、スカルリーパーを相手に幾度となく攻撃をしていた。

2時間程経ったのだろうかようやくスカルリーパーのHPゲージが残り10%になった。

それによりスカルリーパーの動きが止まった隙を逃さず。

 

「全員、突撃!」

 

ヒースクリフの号令の元、攻略組全員の総攻撃を開始した。ユウキとランはユニークスキル《紫閃剣》と《変束剣》を解放した。

アスナは細剣上位ソードスキル《スター・スプラッシュ》8連撃、ユウキは《紫閃剣》ソードスキル《ブラッディー・エッジ》5連撃、ランは《変束剣》ソードスキル《エルネイト》5連撃、クラインは刀ソードスキル《暁零》4連撃、エギルは斧ソードスキル《グラウンド・フォール》5連撃、ヒースクリフは《神聖剣》ソードスキル《ゴスペル・スクエア》4連撃、レインは《多刀流》上位ソードスキル《ディバイン・エンプレス》15連撃を放った。

そして俺は、《二刀流》最上位ソードスキル《ジ・イクリプス》27連撃を繰り出した。

全員の渾身のソードスキルをまともに受けたスカルリーパーは、体を上体にさせ動きを止めた後ポリゴンとなって消滅した。

無限とも言える戦いが終わったが、誰一人として歓声を上げる余裕のある者はいなかった。

皆、倒れるかのように崩れ落ちある者は床に倒れ付していた。

 

"終わったーーーのかなーーーーー?"

 

"ああーーーー終わったーーーーよーーーーー"

 

どうやら、戦闘が終わると同時にレインとの意識が切れたようだ。

俺とレインは互いの背中を合わせて座っていた。

すると、左側でしゃがみこんでいたクラインが聞いてきた。

 

「何人ーーーーー殺られた・・・・?」

 

俺はメニューウインドウを開き今いるプレイヤー数と戦闘が始まる前のプレイヤー数を数えた。

 

「ーーーー14人・・・・・死んだ・・・・・」

 

「・・・・・うそだろ・・・・」

 

エギルの声に、数えた俺も信じんことが出来なかった。

此処にいるプレイヤーは、皆トップレベルの、歴戦プレイヤーだったのだ。たとえ離脱や瞬間回復不可の状況とは言え、生き残りを優先した戦いかたをしていればおいそれと死ぬような事はないからだ。

 

"ようやく4分の3・・・・・"

 

俺は、まだこの上に25層もあることを考えた。

一層ごとにこれだけの数の犠牲者を出してしまえば、最後にラスボスと対面出来るのはただ一人・・・・

 

"恐らくその場合は、あの男だろうな・・・・・・"

 

俺は視線を部屋の奥に向けた。

そこには、他の者が全員床に伏す中、背筋を伸ばし毅然とたっているヒースクリフの姿があった。

無論、ヒースクリフも無傷ではすまなかった。彼のHPゲージはかなり減っておりギリギリイエローにはなっておらずブルーで止まっていた。

俺とレインが二人でどうにかしたあの鎌を、ヒースクリフはなんとたった一人で捌いてたのだ。  

数値的なダメージではなく、精神も消耗しているはずなのだがヒースクリフからは一切それが見えない。

俺は、ヒースクリフの視線を見た。

彼の視線は倒れている団員たちを見下ろしていた。だが、その瞳に宿るのは暖かい、慈しむような感じだった。

そして、その表情は遥かな高みから慈悲を垂れる。

まさに、神の表情、という感じだった。

俺は、かつてヒースクリフとデュエルしたときの事を、思い出した。あのとき、ヒースクリフの最後の反応は人間の速度の限界を超えていた。いや、この世界。SAO、システムに許された限界速度を、だ

そして、ある1つの仮説がたった。 

だが、それを確かめるすべはない。

いや、1つだけ、今此処で出来ることがある。

 

俺はゆっくりと右手に握る《エリュシデータ》を握り直した。

徐々に右足を引いていく。腰を僅かに下げ、低空ダッシュの準備姿勢をとる。

だが、仮に予想が全くの外れなら、俺はすぐさま犯罪者プレイヤーに転落し、容赦ない制裁を受けるだろう。

 

"そのときは・・・・・ごめんな・・・・"

 

俺は背後にいるレインを見た。

同時にレインも俺の方を見て視線が交錯した。

 

「キリトくん・・・・・どうしたの・・・・?」

 

レインは怪訝そうな表情で俺をみるが、俺は声に出さず口だけを動かし、地面を蹴った。

俺とヒースクリフの距離は約10メートル、床ギリギリの高さを一瞬にして駆け抜け、右手の《エリュシデータ》を突き上げた。

片手剣ソードスキル《レイジスパイク》単発突進技。

威力の低い技故に当たったとしても、ヒースクリフを殺してしまうことはないが。

だが、俺の予想通りならーーーーー。

ペールブルーの閃光を引きながら迫る剣尖に、ヒースクリフは流石の反応速度で気付き、目を見開いて驚愕の表情を浮かべ、咄嗟に左手の盾を掲げ、ガードしようとした。

しかし俺は、その動きのクセを、デュエルの時に何度も見て覚えていた。

俺の剣は空中で鋭角に軌道を変え、盾の縁を掠めて引いていくの胸に突き立つ。

だがその寸前で、目に見えないしょうへきと衝突し、激しい衝撃が俺の腕に伝わってきた。

俺とヒースクリフの間には紫のーーーシステムカラーのメッセージが表示された。

[Immortal Object]。不死存在。

本来、プレイヤーに付けられる筈のない属性。

 

「キリトくん、いったい何を・・・・・それは・・・・」

 

追い掛けてきたレインがヒースクリフを見て頭上に表示されているメッセージを見て言った。

 

「これが伝説の正体だ。この男のHPゲージは、どうやろうと決してイエローにまで落ちることはない。そうシステムに保護されているのさ。不死存在、をもつ者はこのゲームのシステム管理者しかない。だが、このゲームには管理者はいない、ただ一人を除いてな・・・・・。この世界に来てからずっと疑問に思っていたことがあった。・・・・あいつは今、何処から俺達を見てこの世界を調整しているのかとな。だが、俺は単純な真理を忘れていたよ。どんな子供も知っていることさ」

 

俺はヒースクリフの顔を見て綴った。

 

「《他人のやっているゲームを傍から眺めるほど詰まらないことはない》」

 

そして俺は一拍おき。

 

「そうだろ・・・・・ヒースクリフ、いや、茅場明彦」

 

辺りが凍りついたかのように静まった。

やがてヒースクリフ、茅場が口を開いた。

 

「・・・・・何故気が付いたのか参考までに教えてもらえるかな」

 

「・・・・・最初におかしいと思ったのはあのデュエルの時だ。

最後の一瞬、あんたあまりにも速すぎたんだよ。それも、システムの許容範囲内をな」

 

俺が言うと茅場は肩をすくめ。

 

「やはりそうか。あれは私にとっても痛恨事だった。君の動きに圧倒され、ついシステムのオーバーアシストを使ってしまった」

 

そしてヒースクリフは、周りを見て言った。

 

「確かに、私は茅場明彦だ。付け加えるのならば、君たちを待つはずだったこのゲームの最終ボスでもある」

 

周りのプレイヤーは騒然とした。

俺の隣にいるレインは衝撃のあまり寄り掛かってきた。

 

「趣味が良いとは言えないぜ。最強のプレイヤーが一転最悪のラスボスかよ」

 

「中々、良いシナリオだろう?予定では攻略が第95層に着くまで言わないつもりだったのだがな。・・・・まさか、4分の3で看破されるとは。・・・・君はこの世界では特に不確定因子だとは思っていたが、君は私の予想を大きく越えてくれたよ」

 

ヒースクリフは薄い笑みを浮かべ言った。

 

「・・・・最終的に私の前に立つのは君とレイン君だと予想していたよ。全10種存在すらユニークスキルで≪二刀流≫スキルは全プレイヤー中、最大の反応速度を持つ者に与えられ、その者が勇者の役割を担うのだ。≪多刀流≫スキルは全プレイヤー中、最大の反射速度と鍛冶スキルを持つ者に与えられる。まさか、レイン君のようなプレイヤーが現れるとは思いもせんかったがな。そして、ユウキ君とラン君の持つ≪紫閃剣≫スキルと≪変束剣≫スキルは特に習得が難しい筈なのだが・・・・まさか、そのスキルを持つ者が現れるとは。ユウキ君とラン君から聞いたときは驚かされたね。・・・・まあ、これがネットワークRPGの醍醐味と言うべきかな・・・・」

 

ヒースクリフは、俺とレイン、ユウキとランを見てそう言った。

その時、凍りついていた用に動きを止めていた血盟騎士団な幹部プレイヤーの一人がゆっくりと立ち上がった。

 

「貴様・・・・貴様が・・・・。俺達の忠誠を----希望を・・・・よくも・・・・よくも」

 

巨大な斧槍を握り締め、

 

「よくもーーー!!」

 

絶叫しながら地を蹴った。

大きく振りかぶった斧槍が茅場へと迫る。

だが茅場の動きが一瞬速かった。

'左手'を振り、出現したウインドウを素早く操作したかと思うと、幹部プレイヤーの体が空中で停止し床に落下した。

HPバーにはグリーンの枠が点滅していた。

 

「麻痺・・・・・?」

 

茅場はそのままウインドウを操作し続けた。

 

「キリトくん・・・・・」

 

横を見ると、レインが地面に倒れていた。

さらに周囲を見渡すと、俺と茅場の二人以外の全員が不自然な格好で倒れていた。

俺はレインの上体を抱え起こし、茅場に視線を向ける。

 

「 ・・・・・どうするつもりだ。この場で全員殺して隠蔽する気か・・・・?」

 

「まさか。そんな理不尽な真似はしないさ」

 

茅場は微笑を浮かべたまま首を横に振った。

 

「こうなってしまっては致し方ない。私は最上層の≪紅玉宮にて君たちの訪れを待つことにするよ。90層 以上の強力なモンスター群に対抗し得る力として育てて来た血盟騎士団、そして攻略組プレイヤーの諸君を途中で放り出すのは不本意だが、何、君たちの力ならきっとたどり着けるさ。だが・・・・・その前に・・・・」

 

茅場は右手の剣を軽く黒曜石の床に突き立て述べた。

 

「キリト君、君には私の正体を看破した報酬を与えなくてはな。チャンスをあげよう。今この場で私と一対一で戦うチャンスを。無論不死属性は解除する。私に勝てばゲームはクリアされ全プレイヤーがこの世界からログアウト出来る。・・・・・どうかな?」

 

「な・・・・・!?」

 

「ダメだよ、キリトくん・・・・・・。君を消すつもりだよ・・・・・・ 」

 

俺は、顔をうつむかせ今までの事を思い出していた。

ディアベルやサチ、ケイタ、クラディールなど死んでいったプレイヤーの事を思い起こしていた。

 

「ふざけるな・・・・・」

 

俺は、俯かせていた顔を起こし茅場を見据えた。

 

「いいだろう。決着をつけよう」

 

「キリトくん・・・・!」

 

「ごめんな。ここで逃げるわけには行かないんだ・・・・・」

 

「・・・・・わかった。その代わり絶対に死なないでね」

 

「ああ、約束する。勝ってこの世界を終わらせてみせる」

 

俺はレインの手を強く握り手を放した。

レインを黒曜石の床に横たわらせ立ち上がる。

無言で此方をみる茅場にゆっくり歩みながら、両手で音高く双剣を抜き放つ。

 

「やめろ、キリト!」

 

「キリトーッ!」

 

「キリト君!」

 

「キリトーー!」

 

「キリトさん、止めてください」

 

エギルやクライン、アスナ、ユウキ、ランの5人が必死に体を起こそうとしながら必死に叫んでいた。

 

「エギル。今まで、剣士クラスのサポーター、サンキューな。知ってたぜ、お前が儲けのほとんど全部、中層ゾーンのプレイヤーの育成につぎ込んでいたこと」

 

目を見開くエギルに微笑みかけてから、顔を動かしクラインを見た。

 

「クライン。・・・・・あの時、お前を・・・・・置いていって、悪かった。ずっと、後悔していた」

 

クラインは滂沱な涙を溢れさせ、再び起き上がろうと激しくもがき、喉が張り裂けんばかりに絶叫した。

 

「て・・・・てめえ!キリト!謝ってんじゃねぇよ!許さねえぞ!ちゃんと向こうで、メシのひとつでも奢ってからからじゃねぇと、絶対許さねぇからな!!」

 

「解った。向こう側でな」

 

俺は視線をアスナたちに向け。

 

「アスナ、ありがとうな色々と俺を助けてくれて。ほんと助かった。・・・・・・ユウキ、ラン。俺は二人に久しぶりに会えて嬉しかったよ。次は向こうで会おう」

 

「キリト君・・・・・」

 

「キリト・・・・」

 

「キリトさん・・・・・・」

 

俺は最後にレインを見て、くるりと体を翻した。

超然とした表情を保ち続けている茅場に向かって、口を開く。

 

「・・・・悪いが、一つだけ頼みがある」

 

「何かな?」

 

「簡単に負けるつもりはないが、もし俺が死んだら、しばらくでいい、レインが自殺出来ないように計らってほしい」

 

「ほう。良かろう」

 

「キリトくん、そんなのないよ!キリトくんーーーー!!」

 

レインが俺の後で絶叫するが俺は振り返らなかった。

右足を引き、左手の剣を前に、右手の剣を下げて構える。

茅場が左手のウインドウを操作し、俺と茅場のHPゲージが同じ長さに調整された。

次いで、奴の頭上に、[changed into mortal object]ー不死属性を解除したシステムメッセージが表示された。茅場はそこでウインドウを消去すると、床に突き立てた長剣を抜き、十字盾の後ろに構えた。

俺と茅場の間に緊張感が高まっていく。

 

"これはデュエルではない。単純な殺しあいだ。そうだーー俺は、あの男をーー"

 

「殺す・・・・・っ!!」

 

鋭い呼気と共に吐き出しながら、俺は床を蹴った。

 

「はあぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」




次回からはHF編です。
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