ソードアート・オンライン 黒の剣士と紅の剣舞士 二人の双剣使い   作:ソーナ

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今回はリーファとシノンが出ます。
セブンファンの方ごめんなさい。

誤字脱字がありましたらごめんなさい。


HF編 第53話〈妖精と落ちてきた少女〉

この層に『妖精』がいる、と聞いたのは夕飯でのことだった。

俺とレインは娘のユイの事をクラインたちに説明した。

アスナ、ユウキ、ラン、ラム、リーザの5人は知っているのだが、クラインたちには説明していなかったため話した。

説明すると事情を知っている5人は素知らぬ顔でお茶を飲んでいた。

案の定、クラインたちは驚愕の表情を浮かべていた。

そして、

 

「はじめまして、パパとママの娘、ユイです!」

 

とユイが自己紹介すると、リズとシリカはいまだに驚きながらも姉のような表情をし、クラインは顔はだらしなくなっていた。なんと言うかまるで、叔父さんになったような顔つきだった。

今日の夕飯はレインとアスナ、エギルが作った物が食卓に並んだ。

席につき食事にしてほぼ食べ終わった時のこと、クラインが『妖精がいる』と言ったのだ。

俺はカップに入っているコーヒーを一口のみ聞いた。

 

「クライン、妖精がいる、ってのはどういうことなんだ?」

 

「ああ、俺も聞いただけだから確証はないんだけどな、なんでも、北西の森に背中に小さな羽があるNPCがいる、らしい」

 

「らしい?どういうことだ?」

 

「それが、NPCにしては不思議なんだとよ。誰かを探しているみたいでな、声をかけたプレイヤーが言うには、一言も喋らずにどっか行っちまった、ってよ」

 

「なるほどな」

 

「んー。前にやった、エルフクエストのような感じなのかな?」

 

「いや、どうだろうな」

 

俺とレインはダークエルフのキズメルの事を思い出していた。

キズメルは、高度なAIを組み込まれていたのであろう。NPCにも関わらず俺たちと同じだったのだ。

今回もそれの類いなのかも知れない。

 

「一応、明日レインと一緒にその場所に行ってみるよ」

 

俺はクラインにそう言い、妖精について詳しく聞いた。

妖精の特徴は、髪が長く緑色の服を着て、腰に長剣を装備している、そして背中に羽がある、ことらしい。

クラインに特徴を聞いた俺とレインはユイと一緒に部屋に戻った。

 

 

 

 

 

 

 

部屋に戻った俺たちはソファーやベットに腰掛け休んでいた。

 

「にしてもユイ、どうして出てこられたんだ?」

 

俺はレインに抱きついて甘えているユイに聞いてみた。

 

「それが、わたしにもわからないんです。あのとき・・・・・パパとママとお別れした後のこと自体が。パパがわたしのデータをこの世界から切り離してオブジェクトとして持ち出したのは先程聞きましたが、どうしてわたしが目覚めたのかは・・・・・・」

 

「そうなんだ・・・・・・・。でも良かったよ、またユイちゃんと会えて。ね、キリトくん」

 

「俺もだ、ユイ」

 

「パパ・・・・・ママ・・・・・・嬉しいです!また、あのときと同じように3人で暮らせるんですね!」

 

「ああ、そうだな。22層にある俺たちの家にはもう戻れないけど上層にもきっと良い家があるはずだ」

 

「そのときは、また一緒に3人で暮らそうね♪」

 

「はいっ!!」

 

ユイは、天使のような輝く笑顔で頷いた。

俺は、此処に着て最初に嬉しかったことがユイと再会できたことだな、と思った。

 

「さて、わたしはお風呂入ってこよーと。ユイちゃんも一緒に入ろう♪」

 

「もちろんです。あれ、パパは一緒に入らないんですか?」

 

ユイがちょっとした爆弾を投下した。

ユイの言葉で俺とレインの時間が止まった。

だが、それはほんの10秒ほどの事であった。

 

「い、いや、ユイ、パパは一緒に入れないからな」

 

「そ、そうだよ、ユイちゃん」

 

俺とレインは顔を赤くしながら言った。

 

「えー、ダメですか?」

 

ユイが首を傾げながら聞いてきた。

愛娘のその態度で拒否れる親がいたら是非とも会ってみたいな、と俺は思った。

 

「キリトくんが、いいならわたしは別に一緒に入っても構わないよ」

 

レインが顔をさっきよりよ赤くして言った。

ちょ、レインさん、それはちょっと。

 

「うっ。・・・・・・わ、わかったよ。それじゃ、一緒に入ろうか」

 

俺は二人に挫折して一緒にお風呂に入ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目を開けると外はもう明るかった。

時間を見ると朝の7時だとわかった。

 

「ん、んんー、あぁー」

 

俺は一回伸びをしベットから降りようとしたのだが。

 

「ん?」

 

降りれなかった。

よく見るとユイとレインが俺の服を握っていた。

そして昨夜の、お風呂から出た後の事を思い出した。

あのとき、ユイの提案で川の字で寝ることにしたのだ。

真ん中がユイ、左右に俺とレインが寝るかたちになった。

そして、今に至る。

俺は見るとユイを挟んでレインが俺の服の裾を握り締めユイは、俺の腰辺りを掴んでいた。

俺は暫し考えたが二人ともまだ起きそうにないので、

 

「もう一回寝るか」

 

二度寝をすることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「パパ、起きてください」

 

俺は耳元でする声により目を覚ました。

 

「ん、あぁ、おはようユイ」

 

「おはようございます、パパ」

 

「あれ、レインは?」

 

「ママなら下で朝ごはんの準備をしていますよ」

 

俺は、再度伸びをし時間を確認した。

見ると8時半を差していた。

一時間半ほどまた寝たと言うことだ。

俺は寝間着から着替え、

 

「よし、行くかユイ」

 

「はい!」

 

ユイと一緒に下に降りた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

下に降りるとすでに全員揃っていた。

どうやら俺が最後らしい。

 

「おはよう、キリトくん」

 

「おはよう」

 

下に降りるとちょうどレインが一人の朝ごはんを持ってきていた。

 

「よお、キリの字」

 

「おはよう、キリト」

 

席に着くとクラインとリズが挨拶をして来た。

 

「おはよう」

 

俺たちの席順は以下のようになっていた。

左からユイ、アスナ、ユウキ、ラン、リーザ、ラム、クライン、リズ、シリカ、エギル、レイン、俺となっている。

ユイのとなりに俺が座ると何故かみんなレインに俺の右隣を座らせたのだ。

 

「そんじゃ、いただきます!」

 

俺の合掌に、

 

「「「「「「「「「「「いただきます!」」」」」」」」」」」

 

全員後に続いて合掌した。

朝ごはんは、パンにスープ、目玉焼き等の洋食風になっていた。

相変わらすレインの料理は旨い、と思ったのは秘密だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

朝食を食べ終わると俺とレインはユイをエギルたちに任せて昨日クラインから聞いた妖精の出る場所に来ていた。

 

「此処に妖精がいるのか?」

 

周りは木々に囲まれており空気が清んでいた。

 

「クラインくんが言うにはそうみたいだけど・・・・・」

 

俺とレインは辺りを見渡してみる。

だが、一人も影も形もない。

 

「もう少し進んでみるか・・・・・」

 

「そうだね・・・・・」

 

俺とレインは森の奥に進んでいった。

 

「あれ?今なにか・・・・・?」

 

「レイン、どうかしたか?」

 

「んー・・・・・・・・・ん?キリトくん、あれ!」

 

俺はレインが見ている所を見た。

視線の先にはこちらに背中を向けている人がいた。

女性だった。

その背中には羽がある。

さらに腰には長剣を装備している。

どうやらクラインが言っていた妖精とは彼女のことらしい。話を聞こうと近づいていく。

と、不意に彼女が振り返って此方を見てきた。

 

「・・・・・!?」

 

彼女はどうやら何かを見て驚いているらしかった。

俺とレインはその場に止まり彼女を見る。

すると、

 

「お兄ちゃん?」

 

と、俺に言ってきた。

 

「お、お兄ちゃん!?」

 

「お兄ちゃん!?キリトくん、彼女と知り合いなの!?」

 

「い、いや、しら・・・・・ないと思うけど・・・・・・」

 

いきなり"お兄ちゃん"と呼ばれて驚いている俺たちのところに走って"お兄ちゃん"と、呼んだ彼女が来た。

来ると、俺の手を取り、

 

「会いたかったよ!お兄ちゃん!」

 

と言った。

 

「え、え~と・・・・・・・!?」

 

不意に背後から寒気がした。

 

"な、なんだ?"

 

俺は眼を背後に向けるとレインがにこやかな表情でいた。

だが、眼はにこやかではない。

 

「ちょ、レイン、落ち着け。俺にだって訳がわからないんだよ!!」

 

「へえ、そうなんだ~」

 

俺は再度手を取っている彼女に視線を向けた。

 

「あのさ、君はだれ?それに、俺の妹は此処にはいないぞ」

 

「え?キリトくん、妹がいるの!?」

 

「ああ、その話は後で話すから」

 

「ちょっと、酷いよお兄ちゃん!あたしだよ、あたし!桐ヶ谷直葉、だよ!」

 

「はい?」

 

俺は彼女の言った名前に驚いた。

 

"今、桐ヶ谷直葉って言わなかったか?"

 

その名前は俺の現実世界にいる俺の妹の名前だからだ。

だが、直接な血の繋がりはないのだが・・・・・・。

 

「スグ?なのか・・・・・?」

 

「ようやくわかった?」

 

「あ、ああ、でもなんで此処にそれにその姿は・・・・?」

 

「わたしにもよくわからないんだ。他のゲームをやっている最中、目の前が暗くなったと思って気がついたらこの場所にいて・・・・・あと、この姿はそのゲームのアバター姿だよ」

 

「へえ、ゲームに全く興味を持たなかったスグがゲームね・・・・・」

 

「「驚くところそこなの(なんだ)!?」」

 

俺が別なところに感心してると、スグとレインの突っ込みが入った。

 

「あと、この姿の時の名前はリーファだからよろしくね」

 

「わかった」

 

「ところで・・・・・・その女性はだれ、お兄ちゃん?」

 

「ああ、俺の妻のレインだよ」

 

「はじめまして、リーファちゃん。キリトくんの妻のレインだよ、よろしくね♪」

 

レインの自己紹介にリーファは固まった。

 

「つ、妻、ってことはお兄ちゃん、まさか・・・・」

 

「ん、ああ、結婚してるぞ」

 

俺が言うとリーファはその場で崩れ落ちてしまった。

 

「お兄ちゃんが結婚・・・・・てことはわたし、叔母さん・・・・・」

 

小さくてよく聞き取れなかったのだが表情は暗かった。

 

「あー、スグ、俺達と一緒に来ないか?」

 

「え?」

 

「いや、まだ此処に来たばかりなんだろ、それに久しぶり妹に会えたんだから」

 

「うん!もちろん行くよ」

 

「オッケー、あと、ここではキリトで頼む」

 

「わかったよ、キリトくん」

 

俺とレインはスグ・・・・・リーファとともに主街区アークソフィアに向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アークソフィアに向かう道中リーファはレインと仲良く会話をしていた。

どうやら早速打ち解けたようだ。

アークソフィアについた俺たち3人はエギルの店に行くことにした。

その道中、

 

「キリトくん、アレ!」

 

レインが上空をみて言った。

俺とリーファもつられて見ると、上空の一角がノイズらしきもので覆われておりその中心辺りから何かが落ちてきた。

プレイヤーだとわかると俺は落下地点に駆け出した。

 

「・・・・・・・っ!」

 

落ちてきたプレイヤーは女子だった。

目は閉じており気絶しているらしい。

俺は受け止めたプレイヤーをどうするか考えた。

 

「レイン、この子も一緒に連れていってもいいか?」

 

「うん、どうやら気絶しているみたいだしエギルさんの店で保護しよう」

 

俺は落ちてきたプレイヤーをおんぶしてエギルの店に向かった。

 

"あのノイズ、茅場と戦っている時に発生した物と同じやつか?どうして、この子は落ちてきたんだ?"

 

と、俺は道中考えた。




次回はシノンが目覚めます。

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