ソードアート・オンライン 黒の剣士と紅の剣舞士 二人の双剣使い   作:ソーナ

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HF編 第77話〈現れた最凶〉

「ん?・・・・・・・なっ、あ、彼奴らは!?」

 

レインとフィリアとともに〈ホロウ・エリア〉『バスティアゲート浮遊遺跡エリア』を探索している最中、俺は1つのプレイヤー集団を見つけた。

 

「キリトくん?」

 

「キリト?」

 

レインとフィリアが俺を見て聞いてくる。

 

「二人ともあの集団」

 

「え・・・・・・・あ、あれは!」

 

「あのときの!」

 

「ああ・・・・・・・・・危険だが跡をつけてみよう」

 

「わかった」

 

「了解」

 

俺たちはフードを被ったプレイヤーたちを尾行した。

気付かれないように距離は保ちながら、時々俺は索敵スキルを活用して跡をつける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

浮遊遺跡エリア 思い人の手を引いた隧道

 

「彼奴らこんなとこで何をしてるんだ?」

 

俺たちはフードを被ったプレイヤー集団を追いかけて『思い人の手を引いた隧道』へとやって来ていた。

 

「さあ?」

 

「ん。誰かいる」

 

俺は索敵スキルで確認したことを二人に伝えた。

 

「片付けてきましたぜぇ、ヘッド」

 

俺たちは少し離れた場所からフードを被ったプレイヤーを見た。

 

「ヘッド?・・・・・・・何処かで」

 

「どうしたのキリトくん」

 

「あ、いや、ヘッドって呼ばれているプレイヤー、なんか聞いたことある気がしてな。・・・・・・いや、まさかな」

 

俺たちは再び壁端から覗いた。

奥からは声が聞こえてきた。

 

「遅ぇじゃねぇか。何手間取ってやがったんだぁ?」

 

「いやー、案外手強かったんスよ」

 

「言い訳はいいんだよぉ!」

 

俺とレインは奥から聞こえてきた声と姿に体を強張らせた。

 

"なっ。あ、あれはまさか・・・・・・"

 

"うそ。そ、そんな・・・・・"

 

「次はしっかりやれよぉ?」

 

俺とレインはその声の正体に確信を持った。

 

"間違いない・・・・・アイツは"

 

"もう間違いないよ。・・・・・あの人は"

 

"アイツは・・・・・・Pohだ!"

 

"あの人は・・・・Poh!"

 

俺とレインは互いの顔を見合って頷いた。

 

"Poh・・・・・・オレンジギルド《ラフィン・コフィン》のリーダー・・・・・何故アイツがここにいる!"

 

「それでNEXT・TARGETは・・・・・・んん?」

 

"ま、まずい!気づかれたか・・・・・・・"

 

「・・・・・・ふぅん?」

 

「なんかあったんスか、ヘッド?」

 

「・・・・・いいや、何でもねぇ」

 

"危なかった、気付かれてないみたいだな"

 

「少し場所を変えるぞ。ここは人が来るかもしれん」

 

「ういッス」

 

"・・・・・・・"

 

"・・・・・・・"

 

俺たちはPohたち《ラフィン・コフィン》の面々の足音が聞こえなくなるまで動かずじっとしていた。

足音が聞こえなくなると俺たちは息を吐いた。

 

「行ったか。しかし《ラフィン・コフィン》がどうしてここに」

 

「わからないよ。・・・・・・・でもおかしいよ、《ラフィン・コフィン》はあのとき壊滅したはずだよ」

 

「ああ。だがリーダーのPohは捕まえられなかった。まさか・・・・・・・こちらに潜伏していたのか。あの時からずっと」

 

「そんな・・・・・・。もしあの人たちがこっちで手に入れたアイテムやスキルで戦力を増強でもしていたら・・・・・・」

 

「ああ・・・・・・かなりまずい」

 

「取り敢えず管理区に戻ろう」

 

「ああ、そうした方が良い。フィリアすまないがすぐに管理区に帰るぞ」

 

「え、う、うん」

 

俺たちは今日の攻略を急遽取り止め管理区に戻ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

管理区

 

俺たちは緊急の為転移結晶を使用して戻った。

以前ホロウ・エリアのあちこちにある転移碑を通らずとも転移結晶を使用すれば管理区に戻れることは既に試しており実証済みだ。

今までは転移碑を使ってきたが今は緊急の為転移結晶を使用して帰ってきた。

管理区に戻ってきた俺とレインはフィリアにさっきの集団の事を説明した。

 

「そんな・・・・・・あれが《ラフィン・コフィン》なの」

 

「ああ。アインクラッドで彼奴らは沢山のプレイヤー・・・・・・人を殺した。理由は単純に快楽を求めるためだけに・・・・・」

 

「彼らの殺したプレイヤーの数は、今まで殺されたプレイヤーの7割に該当するよ。つまり百数十人彼らは殺してるんだ」

 

「そんなに・・・・・」

 

「そのリーダーがPoh・・・・・・さっきフードを被ったプレイヤーに指示を出していた奴だ」

 

「Poh・・・・・・そいつらがここに」

 

「ああ・・・・・・・。もう一年くらい前になるか・・・・・。奴ら《ラフィン・コフィン》は一年前に壊滅した。理由は俺とレイン。攻略組で大規模な討伐隊が組まれたからだ。討伐時間は深夜と決まった。だが・・・・・・・」

 

「でも、討伐当日の情報が何処からか漏れていて私たちは奇襲の筈が逆に不意をつかれた」

 

「その討伐隊には俺やレイン。アスナ、ユウキ、ラン、クラインも参加した。・・・・・戦いは到底戦闘と呼べるものじゃなかった。双方・・・・多大な犠牲者がでた。まさに地獄だよ。俺たちは大きな犠牲を払ってアイツら・・・・《ラフィン・コフィン》を壊滅したんだ。・・・・・なのに、どうしてアイツらがここに・・・・!」

 

 

「・・・・・・・・」

 

フィリアは固唾を呑んで俺とレインの話を聞く。

 

「アイツらは平気でプレイヤーを・・・・・・人を殺す!そんなの許される筈がない・・・・・・!」

 

「キリトくん・・・・・・」

 

レインがそっと俺の右手を優しく包み込んだ。

 

「大丈夫だよキリトくん。一人で抱え込もうとしないで」

 

「ああ、すまないなレイン」

 

「うん♪」

 

「兎に角フィリア。もしまたアイツらを見たらすぐに逃げろ。一対一、ならフィリアでも大丈夫だろう・・・・だがアイツらは姑息な手を多用に使ってくる。集団戦、待ち伏せ、不意討ちなど・・・。気を付けてくれ」

 

「う、うん。わかったわ」

 

フィリアは緊張した趣で頷いた。

その日はそのまま攻略はせず俺とレインはアークソフィアに、フィリアは自分の拠点としているところに帰っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アークソフィア

 

アークソフィアに帰ってきた俺とレインはすぐさまエギルの店に行き2階の俺の部屋に来ていた。

 

「くそっ・・・・・・・・・なんでPohがいるんだ」

 

俺は部屋に着くとレインが淹れてくれた紅茶を飲み言った。

今この部屋は俺とレインの二人しかいない上に防音も完備されているため外に声が洩れる事はない。

 

「また・・・・あの時と同じことが起こるの?」

 

「わからない・・・・・・だが、幹部のジョニー・ブラックとザザは黒鉄宮にいる。流石のPohもあの二人ほどの実力者を見つけることは無理だろう」

 

Pohを除き殺しに焚けていたのは幹部のジョニー・ブラックと赤目のザザの二人だ。

事実その二人はPohの側近としてかなりの数のプレイヤーを殺している。《ラフィン・コフィン》でもその三人は別格だったのだ。

その二人がいない今、脅威なのはPohただ一人だけだろう。たがレッドプレイヤーは死を恐れない。事実あの討伐戦では殺すことに躊躇した俺たち攻略組はそれにより十数人死んでしまったのだから。

 

「・・・・・・・アスナちゃんたちに話した方がいいよね・・・・」

 

「ああ。一応俺たちと一緒に行くのだから大丈夫だとは思うが・・・・・・問題は」

 

「フィリアちゃん・・・・・・だよね」

 

「ああ、フィリアは何故か此方に来ないし常にホロウ・エリアにいるからな。途中でPohと鉢合せする可能性がある」

 

「大丈夫かなフィリアちゃん」

 

「万が一でも管理区に行けば安全だろう。彼処は今のところ俺とレイン、フィリアしか入れないみたいだし」

 

「そうだね・・・・」

 

「定期的に連絡のやり取りをすれば大丈夫だろう」

 

「うん」

 

俺とレインはその夜アスナたちにホロウ・エリアにいたPohの事を伝えた。

リーファとシノンは頭に疑問符を浮かべていたがレインとラン、アスナの説明で理解したようだ。

ホロウ・エリアに行くには俺とレインと一緒でなければならないがそれでも十分に準備をしておくには構わないだろう。

アスナから『気を付けてね』と言われ俺とレインはすぐさま頷いた。

そのあと、俺は自室に戻りスキルとアイテムを確認し眠りに落ちた。だがそのとき俺はまだこれから起こる事に気付いてなかった。

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