ソードアート・オンライン 黒の剣士と紅の剣舞士 二人の双剣使い 作:ソーナ
「やった!またボスを撃破したね」
ボス、刃竜ゾーディアスが消え去りこの場に仄かに暖かい風が吹き抜けて来た。
俺とレインは双剣を鞘にしまい後ろのフィリアに顔を向けた。
「ああ、手強かったな・・・・」
「ほんとだよ~流石にもうあれは勘弁してほしいな~」
「いや、レイン。お前のあれは流石にヒヤッ、てしたからな。向こうに帰ったらちょっとお説教な」
「ええ~。勘弁してキリト君」
「あはは。わたしは傷だらけ・・・・・ってこの世界なら傷は残らないか」
フィリアは自身を見てそう言った。
「まあね。でも疲れるよ~」
「そりゃ、そうだろう」
「それじゃあ、管理区に戻ろうか」
「・・・・・いや、ちょっと待ってくれ」
「どうしたの?」
「アイツらがいないとも限らないからな、ちょっとを見てくる。レイン、フィリアを頼むぞ」
「うん」
俺はレインに一旦まかせ少し離れ辺りを見た。
「どうだった?」
戻ってきた俺にフィリアが聞いてくる。
「今回は誰もいないみたいだな。だが・・・・・油断は出来ない。アイツらがここにいるなら尚更な・・・・・」
「そうだね・・・・・」
「じゃあ、帰ろう」
俺たちは近くの転移碑をアクティベートし管理区に戻った。
管理区
~フィリアside~
「それじゃあ、またな」
「ダスヴィダーニャ、フィリアちゃん」
「うん。またね」
わたしは管理区にある転移門を通じてホロウ・エリアからアインクラッドに戻る二人を見送った。
「・・・・・・行っちゃった、か。やっぱりキリトとレインは・・・・・向こうの人なのか」
わたしは誰もいない管理区でそう独り言を口にした。
だが。
「よくわかってるじゃねぇか」
わたししかいないはずの管理区に声がした。
その声はわたしの独り言に答えた。
「!!!誰っ!?」
わたしは腰の『ソードブレイカー・リノベイト』抜き、声のした方に突きつけた。
「おっと、危ねぇ。そんなモン突きつけるなよ。怖くて膝がブルッちまうじゃねぇ」
声のしたところには一人の男がいた。
「どうやってここに・・・・・」
わたしは短剣を突き付けたまま聞いた。
「そんな事はどうだっていいだろう?世の中、不思議な事だらけだしなぁ」
「お前は・・・・・・キリトとレインが言っていた・・・・・《ラフィン・コフィン》の・・・・・・!」
「おーおー、俺らも有名になったな。こっちの世界でも知られているとは」
「Poh・・・・・・・。わたしを殺しに来たの?そう簡単にやられると思って・・・・・」
「おーいおいおい、まぁ落ち着けよ。別にお前ぇ殺しに来たわけじゃねぇ」
わたしはPohが殺しに来た訳じゃないと判断し短剣を腰の鞘にしまった。何故なら、もし本当に殺しに来ているのだとするならばこうして会話をしないだろうからだ。
だが、わたしはもしもの時のため短剣が取りやすいようにした。
「・・・・・じゃあ、何の用」
「そんな怖ぇ顔するなよ。同じオレンジ同士だろぉ?」
「・・・・・・だったらなんだって言うの?」
「オレンジ、オレンジ、オレンジ、オレンジ。肩身の狭いオレンジ同士。仲良くやろうぜ」
「ハッ、よく言う・・・・・」
「知ってるぜ、俺はお前が何をしたか」
「それは・・・・・・、どういう意味?」
「言えないよなぁ・・・・・・言えないよなぁ・・・・・・あのビーターと紅にはよぉ」
「ビーターに紅・・・・・?キリトとレインのこと?キリトとレインに何かしたら・・・・・」
「おお怖い怖い。別に何もしねぇよ。・・・・・今はまだな」
「・・・・・・」
「まあ今日は帰るわ。でも、俺たち話が合うと思うぜ、オレンジ同士。あんな、ヒーロー気取りのヤローたちよりはな」
「・・・・・・ようが無いなら消えろ」
「OK、わかったわかった」
Pohはそのまま素直に転移門に歩いて行った。
だが途中で止まり、背を向けたまま。
「・・・・・お前ぇ・・・・・・あの二人と一緒にいたら死ぬぜ・・・・・」
「ちょっとそれどういう意味!?」
「おお~怖い怖い。じゃあ、帰るぜ。また来るからよぉ」
Pohはそのまま何も言わずに転移門から何処かに転移して消えた。
「・・・・・・・キリトとレインといると・・・・・わたしが死ぬ・・・・・?」
わたしはPohの言った意味が分からずその場に立ち尽くした。
~フィリアside out~
アークソフィア 自室
「それでレイン、何か言いたいことはある?」
「ごめんなさい」
俺は先程のボス戦で危険な事をしたレインに軽くお説教をしていた。
「ふぅ~・・・・・・まあ、反省しているならいいよ。それに、レインのお陰で倒せたんだからな」
「うん」
「でもなレイン。あれ、やるならやるで、今度から教えてくれよ。そうじゃないと心配するから」
「うん。分かった」
俺はレインが淹れてくれた紅茶を一口のみ喉を潤わせた。
「さて。問題はこれなんだが・・・・・」
「うん・・・・・」
俺とレインは可視化にしたウインドウを表示させスキルメニューを見た。
「あの時は無我夢中で使ったが。≪シンクロ≫・・・・・・か」
「ユニークスキルって表示されてあったからこの≪シンクロ≫もユニークスキルだと思うよ」
「まあ、そうだろうな。て言うかなんだよこのユニークスキル。俺たちの≪二刀流≫や≪多刀流≫も十分チートだが・・・・・」
「これは・・・・・・チート、って問題じゃないね」
「ああ。これ補正がヤバいだろう」
「技後硬直の短縮にステータス上昇補正、経験値補正、≪シンクロ≫ソードスキルの威力2.5倍補正。だって」
「しかもなんだよこれ、『互いの思いに比例してスキル値が変動』って」
「完全にゲームバランス崩壊してるね」
「・・・・・ヒースクリフのこと言えるような状況じゃないなこれは」
「うーん。でもヒースクリフさんはGM権限を使用していたから」
「あー、うーん、まあ、そうなんだがな」
「ははっ・・・・全くもう、キリト君は。・・・・・・ところでこのスキルどうするの?アスナちゃんたちに言う?」
「あー、どうするかな。しばらくは言わないでおこう」
「そうした方が言いかもね」
「すまないな、レイン」
「ううん、大丈夫だよ。元々私もまだ言わない方がいいかな、って思ってたから」
「そうか。ところでこのアイテムってなんだ?」
俺はストレージからゾーディアスを討伐した際にドロップしたアイテムをオブジェクト化させた。
「ん~。なんだろう?ゾーディアス戦でのドロップアイテム?」
「多分・・・・・そうだと思う」
そのアイテムは手の平サイズのメダリオンだった。
「あれ?でもこれ、なんか前に見たような・・・・・・・あっ!」
レインは何か思い出したかのようにアイテムストレージを表示させしばらくの間操作し一つのアイテムをオブジェクト化した。
「キリト君、これ!同じじゃない?」
レインが取り出したのは以前《サンクチュリア》と言うNMと戦闘の際にレインが入手したドロップアイテムだ。
「ほんとだな、よく見るとこれと同じところが幾つかあるな」
二つのメダリオンはほぼ同じだが、大きく違うのは表側でレインが入手したメダリオンには星が描かれているが、俺が今回入手したメダリオンに描かれてあったのは星ではなく交差した双剣が描かれていた。
「これもまた「貴重品」みたいだな。えーと、アイテム名は『「貴重品」剣創の星欄』か」
「この二つのメダリオンって、向こうに関係するアイテムなのかな?」
レインが二つのメダリオンを持って聞いてきた。
「どうだろうな。まだなんとも言えないな」
「そうだね」
俺とレインはそれぞれメダリオンをしまい紅茶のお代わり飲んだ。
その時、俺とレインはホロウ・エリアで起こっている闇に気が付かなかった。
そしてこの闇がフィリアにも迫っていることを・・・・・