ソードアート・オンライン 黒の剣士と紅の剣舞士 二人の双剣使い   作:ソーナ

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「こんにちは、ソーナです。今回もゲストとともに問題を出します。今回のゲストはこちら、どうぞ!」

「はじめまして、お招きいただきありがとうございます。リーザです」

「こんにちは、リーザ」

「こんにちは、ソーナさん」

「私のことはソーナで構いませんよ」

「そうですか?では、ソーナ、今日はありがとうございます」

「いえいえ。あれ、ところでラムはどうしたんですか?確か呼んだはずなんですが」

「ごめんなさい、ラムは急用が入ったみたいで来れないそうです。私にごめんなさい、と言っといて、と言って何処かに行ってしまいました」

「そうなんですね。ラムが来れないのは残念ですけど、リーザ、ラムの分まで頑張ってください!」

「はい!お任せです!」

「では、今回の問題を出します」

問題:『今回のストーリーで様子がおかしいのはだれ?』

Ⅰ:クライン

Ⅱ:レイン

Ⅲ:フィリア

Ⅳ:アルゴ

「正解は本文の最後に!」


HF編 第91話 〈フィリアの苦悩〉

 

~キリトside~

 

"フィリアの様子がおかしい"

 

俺は歩きながらフィリアを見て思った。

俺たちは今、昨日倒したボスの後ろ。転移碑の隣にある扉からホロウ・エリアの攻略をしていた。

扉の奥には紋章で先が封じられており、いつも通りペンダントを紋章の窪みに嵌め解除した。

フィリアの様子がおかしいと思ったのは管理区で合ったときからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数時間前

 

 

管理区

 

 

「プリヴィベート、フィリアちゃん」

 

「おはよう、フィリア」

 

管理区に転移して俺とレインは、コンソール前にすでにいたフィリアに挨拶した。

 

「・・・・・・・・・・」

 

「フィリアちゃん?」

 

「あ。ご、ごめん。ボーとしてた。おはよう、キリト、レイン」

 

「うん。おはよう、フィリアちゃん」

 

レインはウインドウを開くと昨日買ったポーション類をフィリアに送った。

 

「ありがとう、レイン」

 

「どういたしまして」

 

「さてと、今日は昨日の攻略の続きだな」

 

「うん!」

 

「・・・・・・ええ」

 

「?フィリア?どうかしたか?」

 

「う、ううん。なんでもない、なんでもない」

 

「そうか」

 

フィリアが何も言わなかったため、俺は特に聞かないことにした。

そして、俺たちはパーティーを組むと。

 

「「「転移!」」」

 

昨日転移した場所。『ならず者の玉座』へと転移した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

入り江エリア ならず者の玉座

 

 

「さすがにボスは現れないね」

 

「そりゃ、そうだろうな。昨日、俺たちが倒したんだし」

 

「そうだね」

 

俺とレインは昨日ボスと闘った部屋を見て言う。

部屋のなかはただ静けさが漂うだけだった。

 

「それじゃあ、行きますか」

 

「うん」

 

「ええ」

 

俺たちは転移碑の横にある扉を開け奥に進んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グレスリーフの洞門

 

 

「やっぱりあったね、これ」

 

「ああ」

 

「確か昨日ボスを倒したときにペンダントに光は灯ってるんだったよね?」

 

フィリアの言葉に俺はウインドウを操作し、アイテム『「貴重品」虚光の燈る首飾り』を取り出した。

 

「解除するぞ」

 

俺は二人にそう言うと、ペンダントを紋章の中央にある窪みに嵌めた。

嵌めるとペンダントの光を通じ、紋章が輝いた。

次の瞬間、紋章は消え先に進めるようになっていた。

俺はペンダントをストレージに収納し二人の方に振り向く。

 

「行こう」

 

俺の言葉に二人は頷きで返した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

円環の森

 

 

洞窟を抜け出た先には森があった。

だが、樹海エリアの森よりは見通しがいい。

 

「空気が清んでいるな」

 

「ホントだね。見通しもいいし」

 

「なんか安らぐわね」

 

洞窟を抜けた俺たちは、三者三様の答えをだす。

そのまま、しばらく歩いて行くと途中でモンスターとエンカウントし、それを撃破して進んだ。

それを数度やり歩いていき、フィリアの様子が気になり今に至る。

 

「フィリア、大丈夫か?」

 

「大丈夫って?」

 

「いや、なんか心ここにあらず、って感じだったから」

 

「・・・・・・大丈夫よ。少し、考え事をしていたの」

 

「フィリアちゃん、私たちに手伝えることがあったら言ってね」

 

「ええ。わかったわ、レイン」

 

すると突然目の前から、走ってくる斧を持った男プレイヤーが来た。

 

「はあ、はあ、はあ・・・・・・・・」

 

「ごめん、二人とも・・・・・・ちょっと待ってくれ」

 

「えっ!?」

 

「キリトくん!?」

 

「おい、そこのあんた!」

 

「もう少し、もう少し先へ・・・・・・」

 

「ずいぶん消耗してるようだけど、大丈夫なのか?」

 

「ん?ああ・・・・・・大丈夫だとも。とにかく、先に進まなくては」

 

「でも、HPがずいぶん減ってるぞ。もうゲージが黄色いじゃないか」

 

「・・・・・・」

 

「お、おい!人の話を聞けよ!」

 

斧を持った男プレイヤーはそれだけ言うとまた走り去っていった。

 

「キリト!危ないよひとりで・・・・・・」

 

「放っておけないだろう!あのままだと・・・・・・死ぬぞ!」

 

「いいんだよ。どうせわたしたちは・・・・・・」

 

「言い分けないだろう!」

 

「キリトくん。私がフィリアちゃんといるから、キリトくんはあの人を連れ戻してきて」

 

「わかった。頼むぞレイン!」

 

俺はフィリアをレインに任せ、さっきの男プレイヤーを追いかけようとした。

 

「どうしてそこまで頑張れるの!?オレンジギルドの罠かもしれないじゃない!」

 

だが、フィリアは俺にそう問いかけてきた。

 

「その時はその時だ。罠じゃなかったら、あの人は死ぬだろう?見過ごすわけにはいかないんだ」

 

「キリトくん・・・・・・」

 

「何もしなかったら、俺がPKしたのと同じ事になる・・・・・・」

 

「PK・・・・・・」

 

「もう、嫌なんだ。俺の前で誰かが死ぬのは・・・・・・」

 

「キリト・・・・・・?」

 

「とにかく、行ってくる!」

 

俺はそう言うと、さっきの男プレイヤーを追い掛けるため駆け出した。

 

~キリトside out~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~レインside~

 

「キリトくん、まだ引き摺ってるんだね・・・・・・あの時の事・・・・・・」

 

私は斧を持った男プレイヤーを追い掛けていった、キリトくんの後ろ姿を見てそう口走る。

 

「レイン、さっきのキリトの言ったこと・・・・・・あれってどういう意味」

 

「・・・・・・キリトくんは、前にあるギルドを壊滅させた事があるの。でも、それはキリトくんのせいじゃない」

 

私は近くの樹に背を預け、フィリアちゃんに話す。

キリトくんの言葉の意味を。

 

「どういう事?」

 

「キリトくんは、そのギルドに頼まれてトレーニングをしたりしてあげてたの。もちろん、キリトくんは自分が《ビーター》や攻略組であることを隠して。キリトくんは時間を見つけては彼らと一緒にいて、特訓してあげてたよ。もちろん、私もたまに手伝ったけど。あの時のキリトくん、本当に楽しそうだった。そして、その一ヶ月後、そのギルドのメンバー4人とキリトくんで迷宮区に行った。そして、その途中で宝箱があってそれを開けようとした、ギルドメンバーの1人の解除ミスでトラップに引っ掛かった。それは最悪のアラームトラップだったの。しかも、トラップは2重に仕掛けられていて、そこは結晶無効化エリアだったの」

 

「そ、それじゃあ、そのギルドのメンバーは・・・・・・」

 

「うん。キリトくんを残して全員亡くなった。キリトくんは、そのギルドには隠していた上位ソードスキルでモンスターを蹴散らしたんだけど数が多すぎたみたいで1人2人と亡くなり、最後の女の子も助けられずに、たった1人だけそこから生還した。そして、その事をそのギルドのリーダーに話、そして、自分の事をすべて話した。けど、そのリーダーはキリトくんの心に深い傷を残し、キリトくんの目の前で外周区から飛び降りた。私は後日この話を聞いたの」

 

私は、当時の事を思い出して悲しくなった。

もちろん、彼。ケイタくんが悪気があって言ったんじゃないことは分かる。けど、彼はきっと話してほしかったんだと思う。彼は、キリトくんに憧れているみたいだったから。

そして、その事をキリトくんから聞いた後、私は泣いた。そこの唯一の女の子だった、サチちゃんとは気が合い、仲が良かったから。

 

「だから、キリトは・・・・・・」

 

「うん。キリトくんは、1人でいるときよく悲しげな顔をするの。それは、あの時の事を思い出しているから。そして、キリトくんは今も自分が彼を殺したと思ってる」

 

「そうだったんだ・・・・・・」

 

フィリアちゃんは、さっきのキリトくんの言葉の意味がわかったみたいで、悲痛な顔をしていた。

しばらくすると、キリトくんが戻ってきた。

 

~レインside out~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~キリトside~

 

斧を持った男プレイヤーに追い付いた俺は、無理矢理ポーションを飲ませ、男のHPが回復するのを見ると、レインとフィリアのいる場所に戻った。

 

「ふう。ただいま。こっちには何もなかったか?」

 

「うん・・・・・・」

 

「大丈夫だったよ。キリトくん、あの人は?」

 

「無理矢理ポーションを飲ませてきた。ダンジョンを出るように行ったけど、全然聞かないんだ」

 

「聞かないって、なんでだろう?」

 

「さあ」

 

「そう・・・・・・やっぱりすごいね、キリトは・・・・・・」

 

「いや、当たり前の事だって。しかし、ここにいるプレイヤーたちは何であんなにも無鉄砲なんだろう」

 

「そういえばそうだね。なんだろう、危険に鈍感過ぎる気がするよ・・・・・・」

 

俺とレインは今まであったプレイヤーを思い浮かべそう言った。

 

「・・・・・・・・・・・」

 

「フィリアは気にならないか?」

 

「気にならないよ・・・・・・」

 

「フィリアちゃん?」

 

「だって・・・・・・ここにいるプレイヤーはみんな、ホロウ・・・・・・影の存在だから」

 

「フィリア?」

 

「あの人も・・・・・・ここからは出られない。わたしもずっと・・・・・・ずっとこうして、ずっと・・・・・・」

 

「フィリアちゃん、大丈夫?顔が真っ青だよ」

 

「・・・・・・大丈夫、なんでもない」

 

「・・・・・・今日はここを出たら戻るか」

 

「そうだね。管理区で休めば、少しは落ち着くと思うよ」

 

「わかった・・・ごめん・・・・・・キリト・・・レイン」

 

俺たちは手早く、その森を攻略しその先にあった転移碑をアクティベートすると、管理区に戻ってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

管理区

 

「ここで、しばらく休もう」

 

管理区に戻ってきた俺たちは、コンソールの後ろに背中を預け座る。

 

「うん・・・・・」

 

「一緒にいた方がいいかな?」

 

「ありがとう2人とも。でも、大丈夫」

 

「そうか」

 

「フィリアちゃんがそう言うなら。でも、何かあったらすぐに呼んでね」

 

「わかった。じゃあ、またねキリト、レイン」

 

「それじゃ」

 

「ダスヴィダーニャ、フィリアちゃん」

 

俺とレインはフィリアにそう言うと、管理区にある転移門に立ち。

 

「「転移、アークソフィア」」

 

管理区からアークソフィアへ転移した。

 

~キリトside out~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~フィリアside~

 

「・・・・・・・・・・さようなら、キリト、レイン」

 

キリトとレインが転移したのを見たわたしは無意識にそう言っていた。

 

「キリト・・・・・・レイン・・・・・・わたしやっぱり・・・・・・怖いよ・・・・・・」

 

~フィリアside out~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~キリトside~

 

 

アークソフィア 自室

 

管理区からアークソフィアに戻った俺とレインは、特に買うものも無いため、そのままエギルの店にある俺の自室に戻った。

 

「フィリアちゃんの様子、おかしかったね」

 

俺の横に座るレインがそう言った。

 

「ああ。なんか、思い悩んでいる感じだったな」

 

「フィリアちゃん、大丈夫かな・・・・・・」

 

レインが紅茶の入ったティーカップを持ちながら不安げに言う。

 

「そうだな・・・・・・」

 

俺はレインにそう言うことしか出来なかった。

すると。

 

「・・・・・・」

 

レインが俺の頭を押さえ、自身の膝に乗せてきた。

 

「ちょ、れ、レイン!?」

 

「キリトくん、サチちゃんたちの事思い出していたんでしょ」

 

「っ!!」

 

「やっぱりね」

 

「なんで、わかったんだ・・・・・・」

 

「キリトくん、1人でいる時よく悲しげな顔をするから。それにさっきの言葉を言ったときの顔がそれと同じだったから」

 

「・・・・・・かなわないなレインには・・・・・・」

 

俺は思っていたことを当てられ降参した。

 

「まだ、引き摺ってるん、でしょ」

 

「ああ・・・・・・サチやケイタを殺したのは俺だ。例え、自分で殺してないとは言え、5人を殺したのは間違いなく俺なんだ」

 

「キリトくん・・・・・・キリトくん、あの時言ったでしょ。なんでもかんでも1人で抱え込まないでって。キリトくん1人で背負えないなら、私にも半分背負わせてよ。私はキリトくんの奥さんなんだから」

 

「レイン・・・・・・」

 

俺はレインがいてくれて助かったと、ほんと何度思ったことか。事実、レインがいなかったら、今の俺はいないだろう。

 

「ありがとう、レイン」

 

「うん。どういたしまして」

 

レインは俺の頭を優しく撫で言う。

俺はしばらく、レインに撫でてもらっていた。

正直、疲れていたのかいつの間にか眠っていた。

 

~キリトside out~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~レインside~

 

私は膝の上で寝るキリトくんの頭を優しく、子供のように撫でる。

 

"多分、今の私はキリトくんのお母さんかお姉さんって言ったところなのかな?"

 

私はそんなこと思いながらキリトくんの頭を優しく撫で続ける。

キリトくんは、第一層からなんでもかんでも背負っている。たった1人で。

 

"私はキリトくんの味方。何があって、キリトくんを裏切らない。私だって、キリトくんがいるから今の私がいるんだから"

 

そう考えると私は、寝ているキリトくんの顔に近づき、唇と唇を合わせる。

優しく、軽いキスをして起こさないようにする。

 

「これからもよろしくね。私の王子様」

 

私は小声で誰にも聴こえないように言った。

そして、私もキリトくんの眠りに導かれるかのようにして、いつの間にか眠ってしまった。

 

~レインside out~

 




「みんな、答えはわかったかな?それじゃあ、リーザ、お願いね!」

「わかりました。今回の問題の答えはⅢ:フィリアです」

「大丈夫かな、フィリア」

「そうですね・・・・少し心配です」

「そうだね。リーザも何か悩みがあったら誰かに相談してみるといいよ」

「ええ。そうします」

「では、今回はこの辺りで」

「みなさん、また今度会いましょう!」

「それでは、また次回にDon't miss it.!」
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