俺は今部活の帰りに湯田と一緒に商店街を歩いている。
「ん……?やけに商店街が賑わってるな」
「今日は商店街で福引のイベントがあるらしいでやんす」
「成程な……」
等と会話をしていると……。
ドカーン!!
「!!なんだ?今の爆発は!?」
「クックックッ……この福引の景品は我々ワルクロ団が頂く!!」
「そしてなんだ?あの怪しい連中は!?」
「むっ、あれはワルクロ団のワルドス!」
「レッド?」
いつからここにいたんだ……?
「おまえら、やってしまえ!」
『オスッ!!』
「うわっ!何をするんだ!?」
ワルクロ団?と呼ばれている連中は商店街を暴れ始めた。早く警察に通報しなきゃ……!
「そこまでだ!ワルクロ団!!」
「貴様はレッド……!またしても現れたな!」
「この世に悪の栄えた試しはない。正義の目を誤魔化すことはできないぞ!」
「…………あっ、今のうちにみんな逃げるでやんす!」
「そうだな。おーい、早く安全な場所へ避難するんだ!!」
~そして~
なんとか騒ぎは収まったがワルクロ団と呼ばれる連中は騒ぎに紛れて逃げていってしまった。
「ワルクロ団ってどういう集団なんだ?」
「所謂犯罪者の集まりだな。恥ずかしい連中だっただろう?」
「あ、ああ……」
(俺からしてみればレッド達といい勝負だがな……)
「しかし福引の景品を盗むだなんてスケールの小さい連中でやんすね~」
「何を言うんだ!商店街のイベントが台無しになるところだったんだぞ!!」
レッドのいう通りではあるが湯田の言いたいこともわかる。名の知れた犯罪者連中の集まりならもっととんでもないことをしでかすはずだ……。にも拘らず福引イベントを荒らしただけ……。恐らくあのワルクロ団はまだできたばっかりだな。
……もしかしてこの間河原で聞いた話と何か関係があるのか?
~数日前~
「ここの河原は広くて野球の練習に向いてそうだな……」
自主練向きの場所だな。小学校の頃は雪穂とよくここで練習したもんだ。
「おや?少年、久しぶりじゃな」
「黒野博士……おひさしぶりです」
俺に話しかけてきたのは黒野鉄斎(くろのてっさい)さん。80近いであろう年齢の割りにはとても行動的でアグレッシブなおじいさんだ。自称悪のサイエンティストを名乗っているが去年この人にはかなり助けてもらった。
「博士はどうしてここに?」
「ちょっと問題が発生してな。これから作戦の練り直しじゃと思いながらここを歩いておったのじゃよ」
「問題……?何かあったんですか?」
「うむ、ワシはこの前怪人量産機という素晴らしいものを造ったんじゃよ」
「……なんですか?その物騒なものは……」
如何にも危ない名前だなおい。
「その名の通り怪人を産み出すものなのじゃ!……しかしそれが盗まれてしまったのじゃ」
「盗まれた……?」
「そうじゃ!おのれレッドとやらめ!!」
(盗んだのはレッドだったのか……。博士の悪行を阻止したのか?)
~現在~
もしもその怪人量産機とやらが今回のワルクロ団の登場と何か関係があるとしたら……。考えるのは後にしよう。
「それはそうでやんすけど……折角変身ヒーローがいるんだからもっとすごい悪事を働いてほしいでやんす」
「まぁ言いたいことはわかるけどな」
テレビの特撮とかと比べるとかなりスケールが小さいと思っても仕方がないものかもしれない。
「…………そういうものなのか?」
「そういうものって?」
「……いや、なんでもない」
レッドは何を言いたかったんだ?まぁとにかく今後はワルクロ団についても調べた方がよさそうだな。
今回はここまでです。
初登場のキャラを紹介
黒野鉄斎……後の『悪はロマン』で有名なマッドサイエンティスト。ヒーローの活動を活性化(ワルクロ団の結成)させた原因の1つを担っている。この作品では既に直人と知り合っており、直人が巻き込まれた事件で直人を助けた。
ワルドス……ワルクロ団のリーダー。ワルクロ団の結成理由とかに関してはまた後の方にわかるかも……。現状ただの怪しい覆面男。