パワプロクンポケット7 ~凡人達の意地~   作:銅英雄

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今回もよろしくです。


第10話 七海直人は埋め立て地で1人の少女と出会う

俺は今雪穂と埋め立て地へと来ている。

 

「へぇ~こんなところがあったんだ」

 

「雪穂はこの辺には余り来ないのか?」

 

「うん」

 

確かにここは知らない人は知らない所だからな。

 

「でもここで野球の練習とかできそうじゃない?」

 

雪穂がここでの練習を提案する。

 

「それは厳しいかもな。ここは時々トラックとか通るし何より人がいたら危ないしできても素振りくらいだろうな」

 

「そっか……残念」

 

「練習ができそうな所はこの辺りだと公園とか河原とかだな」

 

「ああ、昔よく2人でバッテリーの練習をするために公園に行ったり河原に行ったりしてたもんね!懐かしいなぁ……」

 

そう言われるとリトルリーグの時のことを思い出すな。

 

「……ねぇお兄ちゃん、お兄ちゃんさえ良かったらなんだけどまた2人で練習しない?」

 

「いいぜ。雪穂の受験が終わったらな」

 

「やった!ありがとうお兄ちゃん!!」

 

「……例を言うのはこっちなんだけどな」ボソッ

 

「?」

 

「いや、なんでもない。……そろそろ帰ろうか」

 

「そうだね」

 

今日のところは……な。

 

 

 

~数日後~

 

今日も埋め立て地へと来てみた。前に来たときは口に出さなかったが上の方に人影を見つけたのを俺は見逃さなかった。だからその真相を確かめに来たのだ。

 

(そういえばワルクロ団って普段何処に住んでるんだ?案外この埋め立て地だったりしてな。……ん?)

 

散策を続けていると1人の少女を見つけた。緑色の髪をアップにしている。……同い年くらいだろうか?

 

「痛~……人遣いの荒いバイトなんだから……!ん……?」

 

……目が合ったな。どうしようか?

 

 

A 放っておけないので手を貸す

 

B 放っておく ←

 

 

(下手に関わると面倒なことになりそうだし放っておくか……)

 

見なかったことにして俺は散策を続けることにした。

 

ヒュー……カコーン!!

 

「……なんだ?これは空き缶……?なんでこんなところに……まさか」

 

まさかと思い後ろを振り返るとさっきの少女が笑いながらこちらを見ている。空き缶を投げたのは間違いなくコイツだな。

 

「おい、いきなり何をする……」

 

「あんた、こんなに可愛くていたいけな少女が道で倒れているのに男として助けようとか思わないわけーーーーー!?」

 

「…………は?」

 

「『どうかたんですか?』とか『何かあったんですか?』とかあるでしょ!?」

 

ハアハアと息を切らせながら少女は言う。そんな元気があれば自力でなんとかできそうな気もするが……しょうがない、付き合うか……。

 

「……ナニカアッタンデスカ?」

 

「……………………」

 

「……………………」

 

我ながら酷い棒読み具合だがまぁそれはよしとしよう。

 

「遅いわーーーっ!!」

 

ヒュー……カコーン!!

 

「ぐえっ……!」

 

「フン!」スタスタスタ

 

やっぱ1人で歩けんじゃねぇか……。はぁ……今日のところは帰るか。

 

 

~数日後~

 

(そういえばこの間はここで変な奴と出会ったな。なんなんだあの女は……)

 

そんなことをぼやいていると前方から誰か歩いてくる。

 

「はぁ……今日もバイトしんどかったなぁ……。まぁ時給がいいから我慢我慢……」

 

「ん?」

 

「ん?」

 

おいおい……コイツはこの間の……!

 

「あんた……この間の薄情男!!」

 

出会い頭に口悪いなコイツ……。

 

「そう言うおまえは空き缶女だな」

 

「なんですってぇ……!」

 

「初対面の人間相手にいきなり空き缶を投げる奴にはピッタリだと思うがな」

 

「か弱い女の子を見捨てようとしたあんたが悪いんでしょ!」

 

か弱い女の子(笑)の間違いじゃないのか?

 

ヒュー……カコーン!!

 

「……何をする」

 

「ゴメーン!失礼なことを考えてる気がするからつい!」

 

失礼じゃなくてまんまだろうが……!ていうか何故考えてることがわかった……?

 

「ねぇ、ジュース奢ってよ」

 

「は?なんで?」

 

「失礼なことを考えたお詫びに」

 

理不尽極まりねぇな本当に……!どうしてやろうか?

 

 

A お詫びとして奢る

 

B そんな筋合いはないから断る ←

 

 

「断る。なんでおまえなんかに奢らなければいけないんだよ。……そもそも会って間もない奴に何かを奢るほど俺の金に余裕はない」

 

「ケチ!!」

 

ヒュー……カコーン!!

 

いてぇ……!だからいちいち空き缶を投げるなよ……。いつの間にかあの女がいなくなってるし。

 

とりあえず帰るか……。

 

 

~数日後~

 

「あれ?あいつは……」

 

「あっ、金なしケチ薄情学生君だ」

 

本当に口が減らない女だな……。しかし最近コイツと縁がありすぎるような気がするんだが……気のせいか?

 

「なんか最近よく会うね」

 

「そうだな……。おまえはここで何をしてるんだ?」

 

「バイト帰りだよ」

 

そういえばそんなこと言ってたような……。

 

「ねえねえ、これから暇?」

 

「……だったらどうする?」

 

「これからお茶でもいかない?勿論君の奢りで」

 

「なんで奢らなきゃいけないんだよ……。まぁいい。そこの喫茶店でいいか?」

 

「お寿司屋さんがいいな!」

 

「1人で行ってろ」

 

「冗談冗談」

 

いい性格してるな全く……。

 

 

~そして~

 

「私は石川梨子(いしかわりこ)っていうんだ。ヨロシクね!」

 

「七海直人だ」

 

「それだけ?もっと他にはないの?」

 

おまえも名前だけしか言ってないじゃないか……。

 

「まぁいいや。君は何か部活とかしてるの?」

 

「野球部だ。そういうおまえは……バイトだっけ?」

 

「うん、何時もバイト三昧だよ!」

 

「学校とかどうしてるんだよ……。この辺の学校なんだろ?」

 

「…………まぁ…ね」

 

どうやら踏み込みすぎたようだ。

 

「あっ、もうこんな時間だ!あたしまだバイトがあるからもう行くね!!」

 

「休憩中だったのか?」

 

「うん……。ねぇ、また会ったらこうしてお茶してくれるかな?」

 

「別に構わないぞ。また会うことがあれば……な」

 

「やった!直人のこと気に入ったよ!!」

 

そう言って石川は去っていった。……いきなり名前呼びかよ。

 

……しかしあの埋め立て地でやっているバイトってどんなバイトなんだ?あの辺は特に何もないはずだが……。

 

 

 




今回はここまでです。

初登場のキャラを紹介

石川梨子……空き缶を投げることで有名な緑髪の少女。夏頃まで花丸高校に通っていた。パワポケシリーズでは様々な伝説を残している。この作品の彼女候補の1人。
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