さて、練習試合はいよいよ明日だ。レギュラーではないが、自主練はするに越したことはないよな。とりあえず近くの公園までいくか……。
「あれ?お兄ちゃん何処か行くの?」
今俺のことをお兄ちゃんと呼んだのは七海雪穂(ななみゆきほ)。妹ではあるが、理由ありで血が繋がっていないまぁ所謂義妹というやつだ。理由についてはこの場で話すことではないということだけ言っておこう。
「ああ、明日練習試合だし近くの公園まで行って自主練しようと思ってな」
「そっか……。ねえ、私も行ってもいい?お兄ちゃんからしたら捕手の私がいた方がいいと思うんだけど……」
確かにそれは魅力的な提案だな。雪穂は先日引退した野球部のキャプテンで捕手としてのセンスはかなりのものだ。俺もシニアで最後の試合は外野手としてのスタメン入りだったが、ピッチャーの練習も毎日欠かしていない。
それに雪穂とはリトルでバッテリーを組んでたしな。
「そうだな。雪穂、頼めるか?」
「うん!じゃあ早速準備するね!!」
なんか嬉しそうだな。良いことでもあったのか?
~そして~
「じゃあ早速投げ込みからいくか」
「いつでもいいよ」
雪穂の方もキャッチャーミットを構えて準備万端のようだ。
「よっ!」ビシュッ
「ナイスボール!」パァンッ ヒュッ
スピードメーターを見ると130と表示されていた。今のところの最速か……。この調子でどんどん投げ込むか。
~そして~
「ふっ!」ビシュッ
「」パァンッ
「これで99球……っと。次で投げ込みはラストだな」
「お兄ちゃん、最後の1球は『あの状態』で投げてほしい」
雪穂は真剣な表情でそう言った。
「……本気か?と聞くのは愚問のようだな。わかった。ちょっと待ってろ」
「ありがとう、お兄ちゃん」
雪穂もキャプテンを努めていただけあって随分頼もしくなったな。
「出てこい、キスショット」ズズズズ
俺の影から1人の女性が出てきた。この女性はキスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードといって俺が去年の春頃にこれもちょっとした理由で関わることになった。
「珍しいな。おまえ様がわしの力をこのような場面で借りようとするのは」
「可愛い義妹(いもうと)の頼みだ。義兄(あに)として聞くべきだと思ってな」
「相変わらずのシスコンじゃな……。まぁよい、おまえ様はわしの主じゃ。首を差し出せ」
その言い方だと今から俺がキスショットに殺されるみたいになってるんだけど……。
キスショットは吸血鬼で他人の血を吸うことで吸血鬼にすることができる。さらに血を与えるで吸血鬼特性のとてつもない力を得ることができるのだ。とはいえ始めの方は色々不便だったがな。
~そして~
「待たせたな雪穂」
キスショットは俺に血を与えると俺の影に戻っていった。正直さっきの現場を誰かに見られてないだけでも奇跡的である。
「わがままを聞いてくれてありがとね」
「気にするな。じゃあいくぞ……!」
「」スッ
雪穂は黙って構える。まぁミット内に投げるつもりだから手が痺れるくらいで済ませるつもりだ。それに雪穂はそこまで弱くない。
「」ビシュッ
「っ!」パァン!!
スピードメーターを見ると161と表示されていた。大体30キロはキスショットの力で俺の球速が上がる。あの日以降はこういったことには使わない予定だが、雪穂に頼まれたときや、緊急事態なんかにキスショットを呼ぶことにしてそれ以外は基本的に俺の影に潜んでもらっている。
「大丈夫か雪穂」
「うん、大丈夫。ちょっと手が痺れただけだから……」
やはり雪穂は天才だな。リトルを卒業してからは別々で野球をしていたが、俺が投げやすいようにしてくれている。捕手としてもハイレベルだ。
それからも俺と雪穂は公園で練習を続けた。
~そして~
「もう外も暗くなったね……」
「だな。今日はここまでにするか」
「明日の練習試合、出るの?」
「まぁベンチだろうな。1年で出ているのはあいつを除いては1人しかいない」
「あいつって?」
「2週間程前に転校してきた赤いのだよ」
「ああ……花丸高校では大騒ぎだったらしいね」
雪穂は苦笑いしていた。まぁあんな如何にもな戦隊ヒーローが学校に転校してきたらそうなるよな……。
「私も来年は花丸に入るよ」
突然雪穂がそう言ってきた。
「パワフル高校にするんじゃなかったのか?あそこはこの辺だとかなりのレベルだし」
「今日久し振りにお兄ちゃんと練習して思ったんだ。やっぱりもう1度バッテリーを組みたいって」
「そうか……。まぁ受験は雪穂の自由だ。雪穂のやりたいようにすればいい」
「うん、だからお兄ちゃんのいる花丸高校でお兄ちゃん達と野球をする」
雪穂が入るとさらにうちが強くなるだろう。……ライバルはレッドを始めとするチームメイトだけじゃなくなるってことか。俺も負けてられないな……!
やる気が上がった。
筋力が上がった。
技術が上がった。
変化球が上がった。
体力が減った。
今回はここまでです。
初登場のキャラを紹介
七海雪穂……『ラブライブ!』からのパロキャラ。元の名前は高坂雪穂。直人の1歳年下で小学生に上がる前に家族を亡くしてしまい、東京から七海家に住むことになった。よって直人とは血が繋がっていない。直人とリトルリーグが一緒でバッテリーを組んでいた。中学になってからはシニアに入らずに野球部に入り最終的にはキャプテンを努める。直人曰くハイレベルの実力がある。直人が吸血鬼になっていることを知っている数少ない人物。この作品の彼女候補の1人。
キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード……『物語シリーズ』からのパロキャラ。直人が中学3年生のときにあった事件(所謂原作でいうところの傷物語で阿良々木暦の代わり)に巻き込まれた直人に助けられて、直人を吸血鬼にする。事件のあとはずっと直人の影に潜んでいる。
チームメイトの能力
七海雪穂
右投左打
ポジション
キャッチャー(外野手)
弾道3
ミート C65
パワー E48
走 力 D56
肩 力 C65
守備力 B70
捕 球 B70
野手特殊能力
キャッチャー○ ブロック○ サブポジ○ バント○
次回もよろしくお願いします!感想評価誤字脱字をお待ちしております!