「ふぅ、今日も練習で疲れたな……。でもまだまだ頑張らないといけない……!」
「おや、七海君じゃないか」
「お、忍野さん!?戻ってきてたんですか!?……っていうか急に声をかけないでくださいよ」
俺に声をかけてきたのは忍野(おしの)メメといってアロハのチャラいおっさんである。とはいえ俺も去年この人にはかなり助けられたものだ。……そのぶん金も毟り取られたが。そのときにこの町を去ったと思っていたが、いつの間に戻ってきてたのか……。
「七海君は相変わらず元気いいなぁ。何かいいことでもあったのかい?」
「……ここ最近悪いことしかないですね」
主にレッドが野球部に来たときとか、東さんがドジで怪我をしたこととか、その入れ替わりでブルーが野球部に来たときとか、勝野さんがありえないエラーをしたことで秋季大会で1回戦負けしたこととか、その勝野先輩が行方不明で、代わりにイエローが野球部に来たときとかだが……。
「そういえば最近如何にもな戦隊ヒーローがこの町で蔓延ってるようだねぇ」
……この人はどこでそんな情報を仕入れてくるんだ?
「忍野さんはレッド達が何者かわかるんですか?」
「あくまで僕の推測だけど、ハートアンダーブレードと同じで具現化の類いじゃないかな?」
「具現化……。じゃあ連中は誰かが願ったことによって出現したってことですか?」
「多分ね。そのあたりに関してはもう少しこっちの方で調べてみるよ」
「いいんですか……?」
「まぁこっちの事情に巻き込んでしまったからね。その償いってことで」
そう思うなら金を取らないでほしかった……。
「じゃあね。そうそう、情報を仕入れるためにはもっと辺りを彷徨いてみるのもいいんじゃないかな」
そう言って忍野さんは夜の街の中へ消えていった。
「……確かにヒーローの正体……については忍野さんの推測通りだとして、どこに住んでいるのか、どんな活動をしているのかを調べてみるか」
この辺りを彷徨けるようになった。……まぁ今日のところは家で休んでおこう。
「ただいま」
「おかえり、お兄ちゃん」
家に帰ると雪穂が迎えてくれた。
「今日も練習?」
「ああ」
「毎日大変だね~」
「来年花丸の野球部に入るのになんで他人事なんだよ」
「あはは……」
雪穂は苦笑いしながら目をそらす。まぁ可愛いから許すけどな。……俺も雪穂に甘いな。
「親父と母ちゃんは?」
「今日も残業で遅くなるって」
七海家の親父と母ちゃんは共働きで所謂社畜というやつだ。なので家事は基本俺と雪穂が交代でやっている。
まぁ俺も雪穂も野球部で帰りが両親程じゃなくても遅くなるのだ。よって必然的に飯の時間も遅くなる。
「ごはんできてるよ」
「マジか……。すまんな、今日は俺の当番だったのに」
「気にしないで。お兄ちゃん毎日頑張ってるし」
「ありがとな」ポンッ
俺は感謝の気持ちを込めて雪穂の頭を撫でた。
「う、うん……///」
雪穂の顔が赤い気がするが気のせいか?まぁいいか。
ともあれこれからは練習の他にも近辺を彷徨いて情報を集めてみるか……。
今回はここまでです。
初登場のキャラを紹介
忍野メメ……『物語シリーズ』からのパロキャラ。去年直人が巻き込まれた事件に介入して直人を助けた専門家。専門家にはサイボーグ、超能力、具現化の3種類があり、彼は具現化の専門家である。