実験室のフラスコ(2L)   作:にえる

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原作:魔法少女リリカルなのは リリカル日記

 

 4月3日

 

 安売りされていた日記帳が流れ星と衝突してパワーアップしたので、日記を書いてみようと思う。

 何処がパワーアップしたかというと、まず勝手に日付が記入される。

 あと、勝手に文字として俺の体験が書き込まれる。

 さらに、他人には読めない。

 そして、2年前くらいに拾ったリニスとユウくんが言うには魔力を帯びててヤバいってことだ。

 日記帳……?

 

 ま、まあ、リニスもユウくんも魔法でびゅんびゅんばんばんやってるので、危険が危ないみたいな認識でいけばとりあえずまあまあ大丈夫っぽいっしょ。

 だって俺はもう高校生なんだぜ(爽やかスマイル)

 

 

 

 

 

 4月10日

 

 この日記に埋め込まれているマジックストーン的なサムシングが街中でばら撒かれてて危ないらしい。

 なのでリニスとユウくんが事件の発生を防ぐために、探索して封印処理を行っておこうという話になった。

 俺は保護者的なポジションなので後ろに着いていく。

 ちなみに戦えないので、マジで後ろにいるだけ。

 魔力はE+からD-という糞みたいなランクらしいが、念話という最強便利ウェポンが使える時点でどうでもいい。

 念話とは(こいつ、直接脳内に……)ができる能力だ、凄い便利。

 

 

 

 特に大きな事件でもないが、動物病院で化け物が出た。

 こいつがマジックストーン的なサムシングの影響らしい。

 マジか。

 俺の日記帳も変化するのだろうかと危惧したが、すでに変化後らしい。

 日付の自動更新とプライバシー保護とか、しょぼくない?

 リニスが言うには他にも俺のリンカーコアが濁っても、フィルターのように浄化してくれる作用があるとか。

 これがないと、ダイソン並みの吸引力を誇る俺の魔法特性のせいで、魔法行使の際に出る廃棄魔力で体調崩す恐れがあったとか。

 日記様さまやんけ!

 

 日記様の偉大さを話し合いながらマジックストーンを核とした暴走体を止めにきたら、小学生の男女が戦ってた。

 そこにユウくんとリニスも乱入した。

 もうぬるゲーと化してた。

 そして傍から見てた俺なんて現場まで走っただけで死にそうよ、体力がなくて。

 

 一、二分くらいで撃破し、戻ってきたユウくんを「よくやった!」と脇に手を回してくるくるする。

 良いことをしたら褒めるのが世の道理だ。

 ユウくんのポニーテール風の髪がさらさらと流れ、街灯に照らされる様は眼福であった。

 で、ユウくんを照れて茹だるまで存分に愛でたので、今度はリニスの番だ。

 バインドとか呼ばれている拘束用の魔法を、勝手に入ってた日記帳で防御した。

 魔法がじゅるっと飲み込まれた。

 日記様さまやんけ!

 日記様のパーフェクト防御に驚愕しているリニスも、ユウくんと同じようにくるくるする。

 途中で山猫の姿になったが、問題ない。

 俺は猫も好きだ!

 むしろ猫が好きだ!

 もうぐるんぐるんで、わしゃわしゃーってした。

 どうしてなかなか素晴らしいんじゃないですかねぇ……ふぅ。

 

 

 

 待たせていた小学生二人と人語を介すイタチと情報交換することに。

 ちなみに小学生二人は事情を知らなかった。

 お、おう。

 イタチが言うには古代のマジックストーン的な遺物を運んでいる最中に、なんやかんやあって街に散らばったので集めているとか。

 ただ、一人だと苦戦して怪我を負ったので、魔法に適正のある人を現地調達したらしい。

 方法は簡単、念話で呼びかけただけ。

 俺には聞こえなかったんですけどねぇ……。

 ユウくんとかリニスは聞こえたから来たとかどうとか。

 あとは、魔法のある世界がうんたらかんたらという話もあったが端折る、めんどいし。

 

 なるほどなー。

 とりあえず、曰くつきのマジックストーンであるジュエルシードの回収をイタチに任せる辺り、俺の常識では魔法世界の常識を計り知れない可能性が垣間見えた。

 怖い。

 それよりも救援とか期待できるならそっちに任せなさいとちょっと小言。

 ばら撒いてしまった罪悪感と責任感でうんたら。

 集めないと気が済まないらしい。

 ぐぬぬ。

 まあ、頑張ったというのはホントなので褒める。

 猫が好きといったな、あれは本当だ。

 そしてイタチも嫌いじゃない。

 あ、フェレットだった。

 フェレットも嫌いじゃない。

 ぐるんぐるんのわしゃわしゃもるんもるんよ。

 俺の手にかかれば、フェレットのユーノくんも即堕ち2コマだぜ。

 

 次は小学生二人である。

 高町さんという喫茶店をやってて、道場もあるとこの双子らしい。

 危ないから駄目っしょと小言。

 しょんぼりしながら謝られた、素直な子供の可愛さと言ったらないね!

 あとは人を助けようと頑張ってたようなので、褒めるしかない。

 「よくやった!」と脇に手を回してくるくるする。

 三人と二匹をくるくるしたのは疲れたが、満足感も半端ない。

 

 

 

 リニスとユウくんを先に帰し、ほくほくした気持ちで小学生二人を連れて高町さんの家へ。

 ちなみに双子は竜也くんとなのはちゃんという名前で、ユーノくんを引き取りたいとか言ってたが、飲食店なのでダメでしょ(真顔)

 夜遅くに連れ歩いてサーセンしたっと謝罪。

 お姉さんが優しくてよかったぜと安心したら、二人のお母さんだった。

 なるほど、人体の神秘やな。

 あとは高町さんちのお兄さんが能面みたいな顔でこっち見てた。

 めっちゃこわい。

 ゲザれば許してくれないかな。

 100回くらいなら余裕でゲザれるけど、どうよ?

 いや、マジで許してください。

 無表情こえー。

 

 

 

 

 

 4月11日

 

 学校帰りに小学生軍団と合流し、動物病院に寄ってユーノくんを引き取る。

 アリサちゃんというバーニングでツンデレな娘と大人しくておっとりしているすずかちゃんと挨拶。

 「イタチが森で倒れてた、飼い主としての監督責任とかどうなの」みたいなことを問い詰められた。

 良い娘すぎっしょ。

 すずかちゃんも真剣に見つめてくる。

 純真さに穢れた魂を浄化されそうになった。

 俺の不注意だった、見つけてくれてありがとう的なことを言ってユーノくんを頭に乗せて仲良くしといた。

 発言したらなんかめっちゃ見つめられるんですが……。

 ユウくんと高町ツインズは別に凝視する必要ないんじゃないですかねぇ……。

 

 とりあえず俺は許された!

 が、次は無いと怒られた。

 小学生に「ちゃんと世話できないなら生き物を飼ってはいけない」と説教される高校生の図である。

 傍から見たらかなり情けないんですけど。

 

 褒めようとしたら、鮫島さんという人が立ちはだかった。

 「そこを退いてくれ! 鮫島さん!」

 「させません! させませんぞ、百代様!」

 みたいな感じで互いの譲れぬ一線を守る戦いに身を投じた。

 決着は付かなかった。

 いや、守り切った鮫島さんの勝ちだろう。

 お互いの健闘を称え合いながら握手する、友情とはこういうことを言うのだろう。

 なおユーノくんは俺の頭部で酔ってた。

 

 あと俺らを置いて小学生組は喫茶店翠屋に行っていたので、勝負は結局ドローとなった。

 

 

 鮫島さんに車で送ってもらったが、乗り心地が凄くよかった。

 縦長は伊達じゃないんですね^q^

 

 

 

 翠屋に到着したので、高町さんちのご家族に挨拶する。

 ユーノくんは、外で待ってる鮫島さんに預けた。

 飲食店に動物は駄目っしょ。

 リニスも外で散歩してるとか。

 

 で、翠屋に来た理由は、ジュエルシードの回収についての話し合いだ。

 化け物が出たら危ないので、先んじて集めておきたいわけだが、何分俺は戦えない。

 ユウくんとリニス、ユーノくんで当面は対応していこうかな、みたいな。

 あんまりユウくんには戦ってほしくないんだけど、やりたいらしい。

 高町さんちの竜也くんとなのはちゃんも手伝いたいらしい。

 ダメでーすと念話で却下。

 俺は戦えないし面倒見れないので駄目です☆

 自己責任でやるからとか、なんでもするからとか、何処で覚えた言葉だよ……と思いつつも却下。

 両親の理解を得られたら問題ないんだけどなー、残念だなー。

 不満げな電波を飛ばして、念話は終了。

 ちなみに念話中、俺はカウンターに座って真顔でシュークリームを食べ続けてた、恭也さんと見つめ合って。

 無表情の野郎じゃなくて、なんだこの、この、なんだ、可愛いおにゃにょこを寄越せや^q^

 

 

 

 解散と相成った。

 そして、帰りは習い事があるというアリサお嬢様(ぐう可愛)の車に同乗させてもらった。

 途中まで送ってくれるとか。

 ユーノくんが心配なだけだから!とツンデレも戴けた。

 近年稀にみる良い娘である、なるほど天使か。

 

 きゅぴーんと、魔法使い特有の冴えわたる勘でジュエルシードの暴走体を捉えたらしい、ユウくんとリニス、ユーノくんが。

 俺?

 ないない。

 アリサちゃんと壮大な宇宙の話をしてたし、してなくてもわからなかっただろう。

 ここで降ろしてください、ありがとうございましたと神社の近くで下車。

 サンキューサッメ、フォーエバーハクタイと渾身の挨拶を交わし、ジュエルシード祭りにのりこめー^^

 

 つよそう な わんわんお が あらわれた !

 

 ヘイヘーイ、完封だぜ完封ぅー!と煽る。

 リニスとユーノくんで足止めして、ユウくんがヒットアンドアウェイでボコるという、さいつよ作戦だ。

 相手はだいたい死ぬ。

 特に危ない場面も無く倒して、良くやったとべた褒めして終了。

 

 飼い主の人もそのうち起きるだろうからと、呼吸のし易い姿勢に寝かせ、帰ろうかと振り返る。

 そこにはアリサちゃんの姿が!

 

 見た?

 

 頷かれた。

 

 なるほどなー。

 

 

 

 詳しく説明……する時間も無いので、掻い摘んで話す。

 奇跡も、魔法も、あるんだよ(迫真)

 おっし、解決した。

 ちなみにアリサちゃんはリンカーコアが無いので魔法が使えないため手伝えないでフィニッシュ。

 それでも食い下がるアリサちゃんだったが、危ないから俺が人間盾になるしか……と呟くと「迷惑はかけられないから手伝うのは諦める」と言ってくれた。

 言質が取れたので安心だ。

 俺も危ないんじゃねって話になったが、 「『例外のほうが多い日記帳(アンリミテッド・ダイアリー)』―――僕はキメ顔でそう言った」みたいなことを日記帳を見せつけながら、ドヤ顔でかました。

 日記帳様が盾になるっぽいから大丈夫だ。

 アリサちゃんがずるいだとか、それなら私も、とか言っていたが駄目。

 ごめんなアリサちゃん、この日記帳は一人用なんだ。

 しかも、さっき諦めるって言ったっしょ。

 

 約束は守らないと、ね?

 

 

 

 

 

 4月12日

 

 ユウくんが学校でジュエルシードを2個拾ってきたとか。

 おお、偉い偉いとぐるぐるである。

 回していると、ユウくんの長い髪に首筋に触れてくすぐったかった。

 いや、ほんとに長くなったわ。

 切るか、いや、でも切るのも勿体ないような。

 結局切らないまま保留である、何回目だろうか。

 俺が手伝ってるから、本人はそこまで不便だと思っていない……といいなぁ。

 

 俺の日記帳に張り付いているジュエルシードをどうするかという会議が開かれた。

 メンバーは俺、ユウくん、リニス、ユーノくん。

 現状として

 ・利点

  安定している・高性能フィルター・魔力タンク・魔法無効

 である。

 安定しているのは、日記と融合しているからじゃないかという推測しか立てられなかった。

 フィルターは俺のスキル、というかリンカーコアが、容量を無視して周囲の廃棄魔力を率先的に回収して体調不良を起こすのを、浄化して防いでくれるのだ。

 タンクは、余剰分をジュエルシードが蓄積してくれる。

 タンク機能がなかったら爆ぜてた可能性があるとか。

 リンカーコアって臓器らしいから、爆ぜるとか想像したくないわ……。

 で、魔法無効はジュエルシードの純魔力でかき消す的な感じだ。

 チャージされている限り、日記で防げば無敵を誇るかもしれん。

 

 ・欠点

  暴走する可能性がある・ロストロギア

 らしい。

 暴走は、最近見かける暴走体的なサムシングに変化する恐れだ。

 日記帳が何に変化するというんですかねぇ……と疑ったが、実際は日記を介して、俺の願いをかなえようとするかもしれん、ってことらしい。

 ジュエルシードは願いを、まあ、あさっての方向にだが、叶えてくれるとか。

 近距離能力が糞みたいな俺も、願えば強くなれる可能性が……?とか期待したら、日記帳なので外部にしか影響しないと思うとか。

 マジか。

 体に埋め込んだら身体能力が半端無さそうだわ。

 まあ、俺は家族が健康ならそれでいいです(イケメンすぎるスマイル)

 もしくは生き物天国とか。

 フクロウ、エリマキトカゲ、オオサンショウウオとかが俺の好みでな。

 パラダイスを作りたいが、運営費がキツいだろうし諦めた。

 ジュエルシードも大したことないね。

 とりあえず暴走しかけたら封印する必要があるので、ユウくんとリニスといる時間を長くすることで解決。

 いつも引っ付いている気がするんですが。

 で、ロストロギアは過去に滅んだ超文明が生み出したロマンあふれるハイパー兵器らしい(意訳全開)

 危険が危ない未曾有の危機を、管理局が管理したり保管したりしているらしく、物によっては所持してたら犯罪だとか。

 地球の法律バリアーを貫通して逮捕される可能性があるらしい。

 俺の日記は献上品に決定だな。

 

 まあ、ほどほどに使って駄目そうなら封印しようってことになった。

 駄目なときは駄目だし、大丈夫ならずっと大丈夫だ。

 知らんけど。

 

 

 

 家族会議も終わったので、PS1を接続し、モンスターファーム2を起動。

 PS2版やGBA、DSでもいいが、やはり2が一番だと思う。

 膝上に座ったユウくんのお腹に腕を回し、コントローラーを持つ。

 なぜPSの起動画面はこんなに怖いのだろうか。

 とか考えてたら、地震が起きた。

 ユウくんとリニス、ユーノくんを抱えて、本棚などの上から物が降ってこない場所に退避。

 どうやら暴走体が街をぐちゃみそにしているとか。

 それはヤバいな。

 

 原因を探らないとなー、と呑気に考えていたら、窓をぶち破って巨大な樹が突撃してきやがった。

 日記様の究極防御によって、間一髪でマジヤバい枝さん乱舞攻撃を防御できた。

 枝の高さがちょうど心臓ほどの位置という殺意の高さ、魔導生物は半端ないぜ……。

 

 抱えていたユウくんたちを解放して外を見ると街がぼろぼろだった。

 ピノッキモンになれないジュレイモンが勝率集めに無差別戦闘でも起こしたのかもしれん。

 デジタルワールドに帰してやる必要がある。

 というか、ここまでされたらオメガモンとか出てきちゃうんじゃね。

 期待して外に行ったが、特にオメガモンとかいなかった。

 

 竜也くんが剪定して、なのはちゃんがバスターで吹き飛ばすというバイオレンス庭仕事に励んでいた。

 合流して、協力して倒そうぜみたいな感じの空気になった。

 防御のための魔法を使わずにあの固さなのだから、攻撃に回したらどうなるのだろうと興味本位で日記帳様の魔力を解放。

 軒並み消し飛んだ。

 もう日記帳という名の兵器だよ、これ。

 次元震とか起きたんじゃねって話である。

 

 戦闘終了。

 一息ついていると、暴走体による惨状、守る力がある、見ているだけじゃ嫌だ的な話を高町ツインズが告げられた。

 で、手伝いたいので、家族を説得するので手伝ってくださいとかなんとか。

 心の準備がgっがががあg

 

 

 

 突発的に発生した三者面談である。

 高町夫婦、兄姉を相手にする俺だから五者面談か……アウェーってレベルじゃねーぞ。

 魔法の真偽、暴走体の影響、対策のための力、などなどを話し合う。

 そして、俺は戦う力が無いから守れなくて弟のユウくんにおんぶにだっこアピール。

 ここで無力の俺を嘲笑って日常に回帰、高町ツインズは幸せになるというのが俺のイメージだったんだけど。

 自己責任でやれるとこまでやりなさいというのが高町さんちの反応だった。

 常識とかけ離れてておかしいのですがそれは^q^

 

 わけがわからないよ。

 いや、マジで。

 

 まあ、それでも街を守るために頑張ったので褒め……「そこを退いてくれ! 恭也さん!」「させんぞ!」みたいな流れの後、夕飯をご馳走してもらった。

 うまいわー。

 人んちで食べる飯がうまいわー。

 

 

 

 鮫島さんとゲートボールする約束したの忘れてた。

 街が若干崩壊したし、セーフっしょ。

 せ、セーフだよね(震え声)

 

 

 

 

 

 4月17日

 

 すずかちゃんの家には猫がいっぱいいるらしい。

 招待を強請るゲザからの懇願で一発でした。

 嘘だ。

 ユーノくんの様子が見たいから来いって言われた。

 信用されてない的なサムシングですね、わかりたくありません。

 

 途中でアリサちゃんと合流。

 近況について尋ねられたので、軽く報告。

 ジュレイモンの被害はでかかったが、あれはしょうがない。

 あんなん防げない、無理。

 ボランティア的な活動なんで失敗もあるが、次は起きないように気を付けると真摯に対応。

 呆れられた。

 いや、だって引き摺ってもしゃあないし。

 そもそも、俺の戦闘能力とかうんこだし。

 防御も攻撃も究極的に高いことがわかったが、魔力を放出しているだけなんで被害がでかいというか、死人が出るというか。

 ハイパーピーキーなんで期待しないでくだしあ。

 

 俺たちの後ろには恭也さんがついてきている。

 すずかちゃんのお姉さんが、恭也さんと付き合っているので遊びに行くとか。

 羨ましいわ。

 俺も彼女が欲し……欲しいか?

 いや、いなくてもいいか。

 満足してるし。

 

 恭也さんは表情が変わりにくいから、いまいち感情が読み取れない。

 しかもこの人、真顔で冗談言うからどう判断すればいいのか。

 なのはちゃんや竜也くんが冗談であたふたする姿を見るのが好きというのは理解したけど。

 ちょっと世間知らずなユウくんも流れ弾が当たるときがあるのでやめてくれませんかねぇ……。

 

 

 

 俺はこのまま猫山に埋もれて幸せに暮らしたいぜ……^q^

 

 

 

 すずかちゃんの家はぱらいそだった。

 マジで猫天国。

 猫の毛とか、吐しゃ物とかちゃんと片しているようで、見た感じ汚れはなかった。

 真剣にすずかちゃんと結婚したいわ。

 ただ、相手は小学生だからなぁ。

 ぐぬぬ。

 ちなみにアリサちゃんの家は犬天国らしい。

 犬か、いいなぁ。

 大型も小型も好きだ。

 真剣にアリサちゃんと結婚したいわ。

 でも、やっぱり相手は小学生だからなぁ。

 ぐぬぬ。

 

 真面目な話、そういう資産で結婚相手を選ぶのはどうなの的な話になった。

 なんで諭されているんですかね。

 俺って高校生にもなって、小学生に教えられてしまった。

 情けない。

 情けない自分に情けないふりをして猫天国に飛び込む。

 

 

 

 俺は今日から一生ここで過ごすことにするわ^q^

 

 

 

 ダメでした。

 当たり前だよね。

 すずかちゃんの家のお手伝いさんがおやつを持ってきたら、散ってしまった。

 お手伝いというかメイドというか、ブルジョアだなぁ。

 しかし、薄情なやつらだ。

 猫に袖にされるなんて。

 悲しい。

 悲しいのでリニスを撫でようとしたら、尾で叩かれた。

 嫉妬しているのか。

 かわいいやつである。

 

 魔導師特有のニュータイポォ!能力でピキィン!と来たらしい。

 俺の勘には何の反応も無かったがな。

 暴走体が、雑木林にいるとかなんとか。

 マジでブルジョアすぎなんですけど。

 

 あっちに猫がいたはず!と駆け出す。

 ユウくんが追いかけてきた。

 すずかちゃんも来ようとしたが、なのはちゃんと竜也くんがやれやれ的な雰囲気で自分たちが行くと追っかけてきた。

 俺のクールイケメンキャラが子供っぽい駄目なやつになっちゃうからやめてぇ!

 ちなみにアリサちゃんは膝上に猫を寝かせながら、手伝えなくて悔しそうだった。

 猫に好かれるツンデレなんて、そこで安全にクッキーを食べていればいいのよ!

 

 

 

 雑木林を抜けると、そこにはでかい仔猫がいた。

 

 

 

 でかい仔猫という矛盾、その欲望グッドだね!

 どうも猫が成長したいという願いを、大きくなりたいというストレートな形で叶えたっぽい。

 ジュエルシード、無能。

 日記帳様を見習うべきだな。

 俺の日記帳様なんて、周囲をふわふわ浮かびながらオート防御までしてくれるようになってきた。

 日記帳様、有能。

 

 ここは俺に任せるんだ!とでかい仔猫の前に立ちふさがる。

 さっきまで遊んでたから俺になついているに違いない。

 俺のフレグランスで安眠を与えてやろうじゃないか!

 

 

 

 ぐわぁぁっぁぁぁ^q^

 

 お、おれダイーン!!!

 

 

 

 でかい仔猫による幸せプレスを喰らった。

 ふかふかで温かいが、その質量は殺人的だ。

 は、早くしないと俺が幸せに包まれて死んでしまうぞー!

 なんて思ってたら、日記帳様がでかい仔猫に張り付いた。

 そしたら、仔猫が元のサイズに戻っていた。

 リニス先生に話を伺うと、魔力を吸収したんじゃねって感じだった。

 

 日記帳様のおかげで平和的かいっけつ!と調子扱いてたら、犬耳オレンジ美女に腹パンされた。

 なお日記帳様の防御により、カウンターもどきになったが。

 ユウくんに似た少女……いや、ユウくんは男の子だし、少年の可能性もあるか。

 金髪の子供と犬耳の二人が、ジュエルシードが欲しいと襲ってきた。

 

 いや、駄目だよと諭す。

 金髪の子だが、ユウくんに外見が似ていると思ったが内面の純真さも似ているらしい、ごめんなさいと謝られた。

 良い子じゃん!

 全部許す!

 ほんわかしてたら、犬耳が怒りだした。

 ジュエルシードを集めないとダメとかなんとか。

 

 人の物を盗ったらダメなんだよと諭す。

 金髪の子だが、ユウくんに外見が似ていると思(略

 犬耳が襲い掛かってきた。

 なるほど、美女で野獣ってやつか。

 夜はきっと激しいのだろう(意味深)

 

 なのはちゃんにどうしたらいいのかと相談された。

 そうだなぁ。

 矛を出したままでは話し合いなど出来ないし、取り上げるか折るかしよう。

 リニスをサポートに小学生組に突撃指令。

 とりあえず勝てば官軍、捕まれば話放題である。

 なのはちゃんが凄いきらきらした目をしていたのが気になったけど、まぁいいか。

 

 完全に俺をタゲってる犬耳を日記帳様のパーフェクトバリアーで決め顔で防ぐ。

 俺は弱くても日記帳様はさいつよなんだよぉ!と胸元からユーノくんを取り出して投擲。

 バインドで動きが止まった瞬間、宙に浮遊している日記様の自由落下ダイアリーアタックで頭を叩く。

 峰打ちだ、完璧に犬耳を避けていた。

 ノートで頭を叩く峰打ちとは一体……とユーノくんが悩んでいた。

 魔法世界に峰打ちがあるのか、俺もちょっと悩んだ。

 

 

 

 あっちも終わってるかなと思ったが、思いのほか手こずっていた。

 コンビネーションがぼろぼろなのと、相手の子が凄い気迫で粘っていた。

 失敗したわ。

 選手交代を知らせる。

 OUT ユウくん、リニス、竜也くん

 IN 俺

 

 完璧な作戦を思いついた。

 気絶して、バインドで縛れている犬耳を見せる。

 若干、動きが悪くなったところで俺が日記帳様に乗って突撃。

 羽交い絞めにして、俺ごと撃てー!とか言ってみたり。

 

 

 

 マジで撃たれた^q^

 

 

 

 なのはちゃん容赦ないわぁ……。

 俺は日記帳様があるから問題なかったけど、金髪の子は一撃でダウンだ。

 バインドで縛られた二人。

 よし、持って帰るか。

 

 撤収を指示、してたらユウくんが泣いた。

 もう捨て身なんてしないよ!って約束させられた。

 弟のヒロイン力が高いんですが。

 

 

 

 肩に担いで戻る。

 で、ユウくんの妹が来たけど体調を崩したので帰る的なテキトーをぶっこく。

 休んでいけばとか言われたが、大丈夫っす。

 リニス先生という万能マスターが転移してくれるし。

 

 

 

 

 

 4月18日

 

 犬耳美女、アルフという名前なのだが、めっちゃ警戒された。

 が、リニスがなんやかんや話したら落ち着いた。

 険しさが無くなれば可愛いじゃないか!

 犬耳は至高だな。

 

 で、金髪の子がフェイトちゃんという子で女の子だとか。

 知ってた(したり顔)

 リニスが詳しく話を知っていて、掻い摘むとユウくんとフェイトちゃんは兄妹らしい。

 な、なんだってー!!!?

 「じゃあ俺もフェイトちゃんの兄じゃん」と言うと、アルフが「いや、それはおかしい」と否定してきた。

 どこからどう見ても完璧な理論武装だったはずだが……。

 兄、というかきょうだいに憧れていたのかフェイトちゃんは「ほわぁぁぁ」ときらきらした目で言うだけだった。

 だ、大丈夫かな、この子。

 いきなりで悪いが、ぽんこつ臭が半端ないんだけど。

 この複雑な家庭環境について、リニスが語ってくれるらしい。

 そういえば俺も詳しく聞いたことなかった。

 

 ユウくんは追い出されたらしい。

 いきなり重すぎないんですかね……。

 少し遅れてリニスが合流し、俺に拾われて生きてきたとか。

 ユウくんのお母さん、怖くね。

 でもユウくんやフェイトちゃんの話を聞くと、昔は優しかったとか。

 なるほどね。

 最近は厳しいけど、それは自分が悪いとかフェイトちゃんが言っているが、ちょっと違うと思う。

 なんかモヤモヤする。

 線で繋がる事実が、ちょっとした点しか見えていない状態というか。

 

 アルフを連れてお茶を用意すると席を離れる。

 真相は、行き過ぎた体罰がヤバいとか。

 うーん。

 このままだとフェイトちゃんの体と精神が限界を迎えるので、なんとかしてほしいとのこと。

 それに関しては同意だ。

 とりあえず、母親であるプレシアさんはジュエルシードをたくさん求めていて、纏まった数を持ってこいと主張しているようだ。

 全部、もしくは八割くらい集まったら融通するって言っておこう。

 頭上にいたユーノくんがテンパったが、ほんとに渡すわけではない。

 そもそも、俺の日記帳がすでに仔猫のジュエルシードも取り込んだので、全部集まらないんだよなぁ。

 見た目は鮮やかな装飾の付いた日記に変化したし。

 途中で持っていきたいと言ったら、付いて行って柔軟な思考で臨機応変に対応する的な感じだわ。

 だって話の全貌が見えてこないし。

 

 当面は一緒に行動するが、プレシアさんとこへの転移禁止、通信禁止とかそんな感じか。

 フェイトちゃんに提案したが、頑固なのか最初は遠慮された。

 なので全員でどれほどフェイトちゃんと一緒にいたいか主張した。

 押しに弱そうなので、弱みを見せたら叩きまくった結果、デバイスまで渡そうとしてきた。

 そのうちちゃんと教えないと、この娘は駄目になると確信した。

 

 

 

 

 

 4月26日

 

 アリサちゃんが来た。

 お土産くれた。

 いつもの愛らしいツンデレではなく、棘を感じる。

 苛立っているようだ。

 どうもなのはちゃんと喧嘩したらしい。

 魔法について相談したいのに、ちゃんと話を聞いてくれないとか。

 話をしてくれるように待つのが大事だと思うが、アリサちゃんは突撃タイプだし。

 まあ、ほどほどにねと茶を濁した。

 

 

 

 数分後、竜也くんとなのはちゃんお土産を持ってきてくれた。

 温泉に行ってたらしい。

 俺も今度友達や家族と行きたいなぁ的な感じで話していると、なのはちゃんが暗い顔になった。

 アリサちゃんと喧嘩したらしい。

 さっき聞いたような話題である。

 ちゃんと仲直りしたほうがいいと思うけどなぁ。

 なかなか難しいらしい。

 魔法について秘密なので、相談するのが難しいとか。

 アリサちゃんは魔法について知っていると伝えると、ひどく驚いていた。

 そのまま走ってどっか行った。

 あーうん、まあ、ねぇ。

 一人残された竜也くんも誘ってゲームやった。

 バンジョーとカズーイ2のおまけの、ゴールデンアイみたいなFPSだ。

 結構おもしろい。

 

 

 

 

 

 4月27日

 

 あ、よく考えたらすずかちゃんだけハブられてんじゃん。

 バラしに……俺が言ってもしょうがないか。

 なのはちゃんに電話しとこう。

 ユーノくんが魔法の秘匿がどうこう言ってた。

 ああ、なるほど、ハリーポッター的な設定があるのか……。

 まあ、でも、被害出てるし、ジュレイモンが暴れたし、無視できるレベルだろ。

 

 そもそも管理局という組織が来るって話だが、いつ来るんですかね……。

 もう半分は回収してるんだけど。

 来なかったら来なかったで、こっちはいいんだけど。

 一般人が頑張ってたという話で面子とか潰れたりしないだろうか。

 ショバ代払えよこの野郎!とか言われないだろうか。

 無いか。

 どんなヤクザ組織だよ、それ。

 

 

 

 

 

 4月28日

 

 俺は今、誘拐されています。

 なぜこんなことになってしまったのか、おそらく誘拐犯たちも想定外だったのだろう。

 キョドッてる。

 あとテンパってる。

 

 アリサちゃんに送ってもらって、車から降りたら俺を拉致だからなぁ。

 タッパとか、ダンチじゃん。

 そもそも俺、男じゃん。

 何やってんすかね。

 

 あと銃を向けるのはやめろぉ!

 

 

 

 日記帳を片手に、俺は賭けに出た。

 誘拐犯が自分に発砲する前に、見知らぬ愛らしい女の子で人生のヒロインが「助けに来たよ、光陰くん♪」って、入り口から救援に来てくれることに、生死を賭したのだ。

 

 実際に助けに来てくれたのは恭也さんだったけど。

 こんなの絶対おかしいよ!

 いや、嬉しいんです。

 嬉しいけど、やっぱりこんなの絶対おかしいよ!

 

 

 

 救出後、道場に通うことが内定した。

 体捌きがゴミ過ぎて、可哀そうとかそんなんだろうか。

 悲しい。

 しかも才能ないとか言われて凹む。

 なんでこうなるのか……。

 

 

 

 

  

 4月29日

 

 高町ツインズの兄姉の二人とランニングしています。

 しかも早朝から。

 空気が爽やかだね、みたいなことを眼鏡が言ってますが、全然興味ないです。

 というかツラくてゲロ吐きそう。

 誘拐された翌日から謎のハードワーク。

 高町家の闇は深い……。

 

 その後は竹刀をもるんもるんと振る。

 俺は普通の型を行える程度の才能を持っているらしい。

 え、普通はみんな持ってるんじゃねと思うじゃん。

 そうです。

 普通はその先もあるはずが、俺は型を行える程度にしか届かないのです。

 意味不明。

 横では恭也さんと美由希さんが小太刀二本でチャンバラってる。

 残像とか出しそうな速さなんだけど、気のせいだよね。

 俺の知ってる剣道(メェエン!コテェェ!チャァハァン!オォモリィィィ!みたいな掛け声のやつ)とは違う……。

 

 あまりにも才能がないので、躍起になったのか、棒手裏剣みたいなやつやワイヤーを渡してきた。

 高町家では、これも使うらしい。

 俺の知ってる剣道ではないし、剣術でもない。

 剣とは一体……。

 

 

 

 5分くらいで不慣れながらも扱えるようになった。

 それを見た高町家が引いてた。

 やれって言ったのはあんたらじゃんかよぉ!!

 

 

 

 

 

 

 5月1日

 

 朝から走るじゃん?

 ゲロ吐きそうになるじゃん?

 情けない型を披露するじゃん?

 棒手裏剣を空中で落とし合うじゃん?

 ワイヤーで翠屋で使う果物の皮むきとかするじゃん?

 管理局が現れるじゃん?

 

 

 

 _人人人人人人人人人_

 >結果、次元震発生!<

  ̄YYYYYYYYY ̄

 

 

 

 

 

 5月2日

 

 ランニングからの早朝トレーニングを終えたので、昨日の顛末を纏めてみよう。

 といってもそんなに大きな問題が起きたわけではない。

 単に、街中で見つけたジュエルシードが暴走して謎の力場が発生していたので、力場を砕こうと砲撃したら、管理局の人が転移してきた。

 で、管理局の人がジュエルシード近くで杖を掲げてシールドっぽいのを展開していたので、砲撃とサンドイッチ。

 結果がジュエルシードによる次元震である。

 

 管理局の執務官という役職の人で、名前はクロノさん。

 今は満身創痍というか、なんというか。

 どうも怪しい本を片手にジュエルシードを刺激して犯罪を起こそうとしているようにしか見えなかったとかなんとか。

 ……。

 ……互いに運が悪かった(確信)

 

 

 

 今日は今後のスタンスを詰めようということになった。

 といっても「民間人が集めるのは危ないから我々がやりまぁす!」「任せた!」で終了。

 いやぁ、肩の荷が下りたわ。

 

 ジュエルシードが21個あって、回収済みが10個、日記に1個と伝えた。

 ロストロギアであるジュエルシードと赤裸々日記帳は管理局によって調査され、管理されるだろうとか。

 管理局の人たちはアースラという母艦に乗っているのだが、日記様は解析不能なので、本局に輸送するとか。

 なん……だと……?

 まあ、わかってたけど。

 とりあえず日記様との別れだ。

 サンキューニッキ

 

 とりあえずフェイトちゃんも集めたいとか言い出した。

 ああ、お母さんとの約束か。

 仕事の邪魔にならない程度なら探してもいいけど、暴走体との交戦や封印以外に魔法を使わないようにと伝えた。

 魔法がない文明だからね(遠い目)

 ちょっとグズったが、最終的に俺の粘り勝ちだった。

 というか、フェイトちゃん以外はジュエルシードを集める気がないので圧勝だった。

 4対1だし。

 

 

 

 

 

 5月3日

 

 朝起きたら日記様が机の上にあった。

 呪いかなにかか^q^

 

 

 

 管理局の人たちに連絡をとる。

 紛失に慌ててた。

 ジュエルシードの件もあるので、盗まれたのかと焦っていたっぽい。

 すまんな。

 

 とりあえず、日記様は俺との距離が離れたら勝手に転移するらしい。

 すげぇぜ。

 お利口過ぎだわ。

 

 安定しているから所持してていいって話になった。

 定期的に検査する必要はあるけど。

 アースラに滞在という話もあったが、魔法文明のない民間人を乗せておくのもどうなのってことで、無しに。

 まあ、日記様は魔法の塊でユウくんもリニスもじゃんじゃか使ってるけどね。

 

 あとユーノくんが人間になった。

 いや、戻ったというか。

 魔力消費を抑えるためにフェレットになってたとか。

 なるほどなー。

 魔法ってホントに意味わからんが、ハリーポッターとは違うっぽい。

 未知のエネルギーを高度な数学によって演算して用いられている新しい物理、が一番近い表現かもしれない。

 俺らの生活にも随所に高等数学が利用されているから、発展していけばそれが魔法になるのだろう。

 ただ、人間がフェレットになるとか未知すぎ。

 失敗して戻れなくなったら怖くね?

 たぶん、ザ・フライみたいな映画とか小説があるんだろうなぁ。

 

 

 

 そういえば、日記様が5個取り込んでいるのを伝え忘れてた。

 片手間だったしなぁ。

 まあ、いいか。

 ああ、でも暴走したらヤバいよなぁ。

 

 ふむ……。

 

 

 

 

 

 5月9日

 

 連休とか、高町さんちのハードトレーニングとか、管理局とか、色々ツラかったわ。

 筋肉痛も半端ないし、魔力チャージで体も怠い。

 日記様に搭載されている3個の宝石が変形して、表紙を赤と青の鮮やかな装飾で彩っている。

 

 まあ、なんだ。

 めっちゃ眠い^q^

 

 

 

 

 

 5月11日

 

 久しぶりにフェイトちゃんがお母さん、つまりプレシアさんに会いたいと言ってきてた。

 管理局が来てからは回収できていないけど、進捗も伝えたいらしい。

 あとジュエルシードもいくつか渡したいとか。

 なるほどなー。

 ジュエルシードは管理局の人たちが管理しているけど、まあ、いいか。

 無くても大丈夫かな。

 

 ああ、必要もないから大丈夫か。

 

 

 

 時の庭園に転移した。

 プレシアさんが今住んでる場所だ。

 ユウくんもリニスもフェイトちゃんもアルフも、ここから来たのだ。

 なるほどなー。

 空間が不安定にあっており、虚数空間が顔を見せているところもあった。

 何かあったのだろうと皆で急ぐ。

 虚数空間の影響か、内部を守っていたり、管理していた傀儡兵とやらが欠けていたり、穴に落ちてたりした。

 ちょっと廃墟っぽいかなと内心で思った。

 

 調査に向かっていたリニスが戻ってきた。

 内部のエネルギーが切れているのを訝しんだためだ。

 どうやら動力炉が消えていたらしい。

 何か大変なことが起きているとみんなで急ぐ。

 俺は飛べないので、日記様に乗って、魔力を吹かす。

 次元震が発生して、廊下の物を吹っ飛ばしてしまった。

 フェイトちゃん、激おこ。

 ご、ごめんなさい。

 

 

 

 プレシアさんの研究室に辿り着く。

 そこには口から血を垂れ流して倒れているプレシアさんの姿があった。

 手元にはユウくんとフェイトちゃんの写真が一枚ずつ握られていた。

 内部は荒れ果てており、エネルギーが空になった4番と13番のジュエルシードが転がっていた。

 何らかの実験を行ったのだろうか。

 プレシアさんを快方していたリニスが、首を横に振った。

 

 そうか……。

 

 

 

 取り乱したフェイトちゃんをなんとか宥めて管理局を呼んだ。

 艦長であるリンディさんが悪いようにはしないと言っていたし、クロノさんも怪我が治って捜査を手伝うから心配とのこと。

 安心だな。

 

 

 

 

 

 5月15日

 

 フェイトちゃんが落ち込んでいるが、話せない状態ではない。

 ユウくんも少しツラそうだが、大丈夫だろう。

 アースラで、状況検分からの報告を聞く。

 といっても大した話では無く、プレシアさんがひどい病気を抱えたまま無理して、亡くなってしまったという話だった。

 あとは無くなった娘のクローンを作って、ユウくんとフェイトちゃんが生み出されたことも。

 なかなか難しいな……。

 

 

 

 プレシアさんの手元には二人の写真があった。

 そして重い病気。

 謎は全て解けた!

 プレシアさんは重い病気を患っていたが、ユウくんに心配かけないようにと時の庭園の外に行かせたのだろう、面倒を見るリニスもいるので間違いない。

 地球に来たのは手違いで送ってしまったとか、そんなん。

 フェイトちゃんにも気を使わせないようにジュエルシード集めをさせていたのだろう。

 で、ジュエルシードは動力炉のエネルギー源とかそんな感じのやつじゃね。

 独自に集めていたプレシアさんだったが不注意で暴走させ、抑えていたら亡くなった。

 だが、きっとプレシアさんはフェイトちゃんとユウくんを愛していたに違いない。

 なぜなら死の間際まで写真を握っていたのだから……。

 

 完璧な推理だ。

 時系列がおかしかった矛盾が生じてたりするが、どうでもいい些末なことだ。

 だってフェイトちゃんとユウくんが納得すればいいんだし。

 

 

 

 

 

 リニスが矛盾に気付いたのかジト目で見てた。

 が、フェイトちゃんの心が少しだけ晴れた姿を見せられたら何も言えなくなっていた。

 ユウくんは信じてはいないだろうが、ありがとうと言ってくれたので問題なし。

 それでいいんだ。

 縋ることのできる幸福こそが事実で、心の淀みになる不幸は夢ですらなくとも。

 

 

 

 愛されていたというのが嘘でも、今はそれが真実だ。

 

 

 

 

 

 5月21日

 

 時の庭園が虚数空間に飲まれて消え去ったと伝えられた。

 管理局の追加応援が来て、詳しく調べるはずだったが、不可能になったとも。

 運び出した研究資料や魔法関連の物品、遺体しか運び出せなかったという話も聞かされた。

 

 あとでこっそりとジュエルシードの輸送船を襲ったのが、プレシアさんの可能性もあったがわからなくなってしまったとも。

 なんともすっきりしない話だ。

 プレシアさんが行っていたら、フェイトちゃんにも累を及ぼしていただろうが、証拠が無くなり、そういう話は消失したらしい。

 誰もが死人には優しいのだ。

 犯人が不明で迷宮入りだと、管理局的には良くないんじゃないかと思ったが、ジュエルシードの暴走によって起きた事故として処理するっぽい。

 みんなが被害者、そういうことだろう。

 ただ、フェイトちゃんが疑われる可能性も有るので嘱託魔導師を進められた。

 やる気らしい。

 ついでになのはちゃんと竜也くんもなるとか。

 小学生組が嘱託魔導師になると聞くとホッとしていた。

 ユウくんはやらないと断っていたが。

 

 あとは俺の日記を本局で検証する必要があると言われが、学校があるしなぁ。

 長期休みに行くとしよう。

 

 最後に管理局側の話だが、ジュエルシードを集めきれていないので嘱託魔導師に任せるとか。

 大丈夫か、それ。

 管理局でも豪勢な戦力だから大丈夫っしょみたいな感じだった。

 お、おう……。

 

 

 

 大凡の問題が解決したので、数日後にアースラは撤収するとか。

 忙しいけど、定期的に地球に来てくれると言うので安心だ。

 夏休みに本局に行くことが決定したが。

 

 とりあえず、一件落着ですね(ぶん投げ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 5月5日

 

 この日記が便利なところは編集も簡単にできることか。

 不必要な部分は削除できるし、好きな位置に移動もできる。

 

 

 

 連休だというのに面倒なことをやっているなぁと思ったり。

 ただ、プレシアさんももしかしたら凄い魔法使いなのかもしれないが、日記様の防御は破れないわけで。

 口から血を流して倒れたプレシアさんを横切って、オリジナルの元へ。

 眠っているように見えるが、死んでいるのだ。

 ジュエルシードで何をしたいのかは興味ないが、取り戻せないからこその死だ。

 

 4番と13番のジュエルシードを日記から取り出す。

 六文銭より価値があると思う。

 両方とも励起状態になっているから、抑えないとオリジナルが壊れてしまうんじゃないかな。

 病身を押して頑張ってくれ。

 

 

 

 駄賃代わりに、赤い宝石のような動力炉を貰っていく。

 転移にエネルギーを使うし。

 あとは次元の藻屑として沈んでくれないかなぁという期待を込めて。

 戻ると事切れたプレシアさんの姿があった。

 愛ってすごい、俺はそう思って手に写真を握らせた。

 オリジナルが眠るゆりかごの姿は失せ、虚数空間と呼ばれる穴がわずかに空いていた。

 

 

 

 死人を追い続けて形振り構わなくなっていた。

 いきながら亡者と化していた。

 前を向く生者の足を引っ張っていいはずがない。

 そうだろうと俺は呟いた。

 後ろにいたリニスは無言だった。

 

 

 

 虚飾に塗れた美しい嘘を真実に、醜い事実は葬って。

 

 歪に整えられていようとも、それが真実だ。

 

 

 

 

 

 

 

 6月4日

 

 頭を一定の感覚で優しく撫で、フェイトちゃんを寝かしつける。

 愛する母親を亡くした悲しみが癒えるのはもっと先の事になるだろう。

 心の柔らかい部分を預けていた信愛の相手を失ったときに訪れる喪失感は、言葉に出来ないほどだ。

 俺にもそんな思いが……いや、無いな。

 あったような気がしたのだけれど、幸運なことに俺は何も失ったことがない。

 気持ちはわからないけれど、だからこそフェイトちゃんには過剰なほどの優しさを籠めて接する。

 寝息を立て始めたフェイトちゃんをアルフに任せる、眠りについても魘されることは少なくなった。

 魘されていたときは隣で寝ていたが、今フェイトちゃんと寝ているのはアルフだけだ。

 ずっと一緒にいては依存される形になるだろう、それは駄目だ。

 気持ちの整理し、前に進むためには一人で耐えることも必要なんだ。

 ついでに、俺の布団にもぐり込んでいたユウくんをリニスに任せる。

 難しいけれど、二人とも同じ扱いにしなければならない。

 時々ならいい。

 だが、ずっとではいけない。

 

 

 

 部屋で日記帳をめくる。

 管理局の方々が塒にしていたアースラが帰還したのは先週のことだ。

 ジュエルシードの事件について、調べられる事柄は全て調べきったし、嘱託魔導師として現地人に協力を結んで仕事は十分だと帰っていった。

 ただ、ちょくちょく様子見に来てくれるそうなので、問題が起きたとしても瞬殺だろう。

 そもそも、魔法文明の全くない世界で事件などそう起こるはずもないと笑っていたのだけれど。

 ジュエルシードの問題も奇跡のようなものだとも言っていた。

 ああ、まあ、確かに奇跡だな。

 その奇跡の一部には、小学生の知り合いが増えまくったというロリコンロードが含まれているのだけれど。

 

 

 

 日を跨ぐ、その瞬間に日記の装飾が淡く輝いた気がした。

 

 いや、気のせいか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 6月14日

 

 今日も朝から木刀で型をもるんもるん。

 一向に上手くなっている気がしないのだけれど、そういうものらしいので諦めた。

 頑張り続ければ護身程度にはなるだろうとか、そんな感じの評価が下されている。

 努力する気が失せたんですがそれは。

 素手の相手を倒せるくらいにはなれるからと言われた。

 励ましにも、慰めにもなってないです。

 

 棒手裏剣とワイヤーは変態的な才能があると評価された。

 天才的とか、芸術的とか、そんな感じに恭也さんは評せないのだろうか。

 ぶっちゃけ、手元に針と糸があれば問題ないと思うが、まあ、体を鍛える意味もあるんじゃないかな。

 あとは蹴り技に最近は手ごたえを感じる。

 地面とか壁を蹴ることによって空間を三次元で扱えるし。

 糸、針、蹴り有りならボコられるけど、恭也さんと一応は模擬仕合が出来るというね。

 

 ……俺に剣なんて不要なんじゃ。

 

 

 

 木刀を手で使うのを諦めて、ワイヤーに絡ませて使う戦法を編み出した。

 なかなか悪くないけど、もうなんか違うよね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 6月22日

 

 管理局、降臨。

 仰々しく描写したが、特に意味はない。

 ジュエルシードはどう?みたいなことを聞かれた。

 忘れてた^q^

 管理局への上納+管理局による封印+プレシアさんの遺品+日記帳で20個なんだよね。

 あとはプレシアさんの自爆によって暴走した動力炉の1個で、それは管理局も把握している。

 あと1個足りないのって、俺が伝達を忘れていたからだし。

 それを伝えると、ちょっと頭を抱えていた。

 わけがわからない物が更にわけがわからない物になったということだから、そりゃ頭も抱えるわ。

 そもそもどんな効果があるかわかってないんだから、気にしてもしょうがないと思う。

 街が吹き飛んだら俺も気にするわ。

 気にしてもどうすることも出来ないけど。

 最悪、地球から離れて一人で自爆することになるかもしれんが。

 絶対やりたくねぇけど。

 

 

 

 苦労かけてすみませんねと謝って、本題へ。

 俺の日記帳の分析がアースラで出来そうという話だ。

 専門家を呼んでくれたらしい。

 呼んだというか、研究チームが失態を犯して尻尾切りされて盥回しの末に、艦長の世話になっている提督によって寄越されたとか、そんな感じっぽい。

 チーム名は『TEAM R-TYPE』という胡散臭い研究チームとのことだ。

 どんな失態を犯したのか聞くと、アースラの艦長であるリンディさんとしては身内の恥であまり言いたくないらしいが、掻い摘んで話してくれた。

 ちなみに他言無用、当然である。

 

 あらゆる障害を手軽に排除するための兵器、オーバードウェポン(OW)を紛失したとか。

 それこそ何でも壊せるらしい。

 エネルギーさえあれば次元を砕いて次元震を連発も出来る。

 クリーンな技術による次元世界の平和維持を謳っている管理局が兵器とか、なんと言えばいいのか。

 あと次元航行用のエネルギー駆動炉も。

 OWを起動するために必要となる膨大な魔力を代替する装置っぽい。

 駆動炉が不具合を起こせばプレシアさんの自爆を大きくした現象が起きる確率が高く、生成される魔力も欠陥が多くてリンカーコアを痛める毒素のようなものになるとか。

 コンボが決まってしまいましたなぁ。

 え?って三回くらい聞き直してしまった。

 まあ、最初の一回でわかっていたが、リンディさんの苦々しい顔を愉しむためだ。

 もうね、リンディさん可愛すぎでしょ。

 

 研究チーム的には記録に残ってないから作ってない、だから元から存在していなかったと主張したけど、結局は尻尾切りするハメになった。

 で、ここに辿り着いた、と。

 日記様に変なことされないよね……?

 

 

 

 

 

 

 

 7月7日

 

 朝、高町さんちで現代にそぐわない謎の修練。

 昼、学校。

 放課後、アースラで日記分析。

 いそがしすぎぃ!

 

 それでもユウくんとフェイトちゃんの相手ができないという事態に陥らないように、暇そうなら一緒に連れてきているんだけど。

 フェイトちゃんも小学校に通うようになったので、友達と遊ぶとき以外は付いてきてくれる。

 ユウくんは皆勤賞である、むしろ友達と遊びなさいと言いたいくらいだ。

 日記様が無い俺は、肉と卵が無い親子丼と評された。

 汁だく玉ねぎという、玉ねぎ愛好家垂涎の代物となってしまった。

 俺という存在はやはりマニアック……?

 

 アースラの施設はかなり充実しており、魔法による模擬戦も可能ということで、高町さんちの双子がバーサーカーよろしくガチっている。

 なのはちゃんが防御重視の砲撃タイプ、竜也くんが速度重視の近接タイプだ。

 日記様なしで模擬戦したら死ぬかと思った。

 走るよりも早く、魔法の光弾が炸裂するし、誘導までできるとか。

 やっぱ魔法って理不尽だわ。

 ちなみに、日記様がフィルターの役割をしているのを忘れてて、死に掛けてリニスにお説教された。

 

 今はアルフと組手だけやっている。

 手は暗器を使うときだけで、あとは蹴り技を主体とするのが完成度が高くてかなり良い。

 剣なんて時代の遺物っしょ。

 なんでも有りなら石などの投擲物を利用すると俺の力がかなり発揮できる。

 真っ向勝負なんて知らん。

 

 

 

 七夕だというので、高町さんちに短冊を飾りに行った。

 小学生くらいの子供が多いのでフザケタことは書けない常識フィルターが発動。

 諦めて「みんなが元気で仲良く」とか書いておいた。

 模範となる行動をとらなければいけないツラさがそこにはあった。

 

 

 

 

 

 

 

 7月20日

 

 夏休みに突入、ふぅーはははぁー!

 ちなみに恭也さんは「ほう、修練が捗るな……」とにっこりしていた。

 え?

 え……?

 

 アースラも帰還している。

 分析した結果、日記様はジュエルシードとしての性質を幾らか持っており、内包する魔力によって色々と進展するとか。

 ただ、日記として固定してあるので難しい願いは叶えられず、従来の純魔力砲撃、防御が精々かもと。

 俺の吸引力と謎の赤い宝石によって攻撃と防御について不安はないとお墨付きを貰えたけど。

 赤い宝石は何処から来たのかで議論になったが、俺の欠陥リンカーコアの代わりとしてジュエルシードが生み出したのではないかという推論で決着。

 流石に違法動力炉とは誰も思わないか。

 最後に俺が全力で願えば、何らかの力を行使できるが、歪んだ形になるだろうと締めくくられた。

 

 そんなこと言われても、特に願いなんて無いんだよなぁ……。

 猫はリニスがいるし、犬はアルフがいるので問題なし。

 ついでに言えば、ユウくんとフェイトちゃんも小動物っぽいので満足だし、なのはちゃんと竜也くんも可愛いのでさらに満足である。

 時々アースラと一緒に遊びに来てくれるユーノくんもいるので、フェレット成分も満たされているし。

 エリマキトカゲとかフクロウくらいか……。

 日記帳を片手に考えているとペットショップを見かけた。

 さまざまな種類の動物たちが俺を迎えてくれた。

 満たされてしまった……。

 ぐぬぬ。

 

 うーんと、うーんと。

 強いて言えば、シュークリームが食べたい?

 願い事が決まってしまった……。

 ウサギも可愛いなぁと撫でまくりながら、内心で敗北を知りたいと連呼。

 動物に癒されにきた小学生グループと出会った。

 

 

 

 みんなとシュークリーム食べた。

 願いごと、無くなってしまった。

 勝利が知りたい……。

 

 

 

 

 

 

 

 8月3日

 

 月村さんちのノエルさんとすずかちゃん、バニングスさんちの鮫島さんを誘ってゲートボールへ。

 家族は家に置いてきた。

 なぜなら、半端な覚悟で戦い抜けるほど生半可な試合ではないだろうから。

 

 

 

 

 

 ヴィータのスティックと俺のスティックが交差し、淡い火花を散らした。

 剣の才は低かろうが、この程度は出来るのだ。

 その隙に、ボールが宙へと放られた。

 ヴィータと鍔迫り合いを繰り広げていたスティックを手放し、蹴りを放つ。

 幼女のクセに、鮮やかにいなされたが狙いはスティックだ。

 ”グラーフアイゼン”などというイケメンな名前を与えらているメカメカしいスティックを、いなされて尚勢いづいた回し蹴りを喰らわせる。

 ヴィータの手から離れたスティックがボールを襲う、かに見せて、ノエルさんのロケットパンチスティックによって阻まれた。

 仕切り直しだとスティックを構え直そうとして、鮫島さんの分身組みつかれ、爆撃特攻を喰らった。

 スティックで防御しなければ即死だった。

 舌打ちを一つ、乱戦に突入。

 すずかちゃんの鋭く、重い攻撃を凌ぎ、蹴りで応戦。

 が、ノエルさんのロケットパンチで阻まれた。

 腕を伸ばしているはずなのに、なんて硬さだ。

 俺と月村家の争いに乗じてノエルさんが獲得したボールを奪いに、分身した鮫島さんと空飛ぶヴィータが追撃をかけていた。

 

 すげぇなヴィータ、空飛ぶとか人間かよ。

 

 

 

 

 

 ヴィータによるボールの増量、後のフェイク爆発するというチートまがいのコンボに攪乱されまくった俺は、思うように得点を伸ばせなかった。

 最終的な勝利者は、背中からロケットブースターを生やして空中戦と音速戦を可能としたノエルさんだった。

 ノエルさんを只者ではないと思っていたが、どうしてなかなか凄い人である。

 

 

 

 

 

 

 

 8月4日

 

 月村家でノエルさんが人間でないと知らされた。

 何故か恭也さんがいて、殺気を当ててくるという事件も発生。

 俺、何も悪くないよね。

 

 とりあえず、他言無用とすずかちゃんとは仲良くという話になった。

 そりゃあ仲良くしますよ、少ない友達だし。

 猫天国だし。

 メイドさんいるし。

 ノエルさんをゲートボールでいつか倒さなければいけないし。

 すずかちゃんも可愛いし。

 

 

 

 へらへらしてたらロケットパンチが飛んできた。

 あんた、それでも人間かよぉ!

 あ、人間じゃなかったわ。

 なら許しますよ!

 メイドじゃなかったら怒ってましたけどね!

 


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