実験室のフラスコ(2L)   作:にえる

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原作:まほらば まほらば1

 

 --1

 

 口裂け女の噂が流れた。

 なんか夕方に赤い女性が学校帰りの小学生を襲うとか。

 襲われたら口を裂かれるとか、テレポートで連れ去られるとかされるらしい。

 しかも空を飛ぶうえに100mを9秒台で入るとか。

 ときどき三人に増えたり、二人だったり、ソロだったりするとも聞いた。

 やべぇ。

 クラスメートが探し出すとか息巻いてるけど無理っしょ。

 最終的にガキ大将ポジのやつが音頭を取って放課後に退治しに行くとか言い出した。

 スケールでけぇ。

 そんなラスボス染みた敵と自らエンカウントするスタイルで生きていない俺は当然不参加である。

 友達の燕尾と天智、蓮花も。

 

 

 

 口裂け女討伐隊を見送って俺らも帰宅。

 なんか燕尾が最近手からビームを出せるようになったとか言い出した。

 マジか。

 そのうち俺もなんか出せるようになるんかな。

 燕尾の真似してみんなで「破ぁ!」って練習しながら通学路を歩く。

 

 うおっ、燕尾のビームで前に立ってた赤い人が溶けちまった。

 

 どうしたらいいんだろうか。

 とりあえず、スコップで肉片とか埋めて証拠を消すしかないんじゃねって話し合う。

 燕尾がビームを喰らわせまくって消滅させることで証拠隠滅が完璧な案だろうかと話が纏まったあたりで、赤い服の女性に囲まれたことに気付いた。

 ちらほらと白い服の人や口紅で大きく見せている女性も混ざっていた。

 なるほど……。

 ビビッときたぜ、これが口裂け女に違いない。

 逃げたい。

 

 やべぇな、ピンチだ。

 口裂け女を踏み台にして走って逃げる。

 燕尾が本気出すとか言って両手で交互に「破ぁ!!」ってし始めた。

 数が凄い。

 弾幕が厚すぎて壁に見えるレベルだった。

 片っ端から口裂け女がミンチになっていく。

 白い口裂け女も自らの体液で赤いノーマル口裂け女にデビューして、この世から引退していった。

 

 燕尾の「破ぁ!!」無双でだいたい滅却した。

 天智は寺生まれのクセに全く役に立たんな……。

 蓮花はなんか黒い穴が見えたとか見えないとか電波を受け取っててちょっと意味不明である。

 俺?

 俺は踏み台にした後にリバーブロー→ガゼルパンチ→デンプシーロールの美しいコンボで何体か倒したから。

 

 

 

 

 

 家に帰ったら誰もいなかった。

 まさか口裂け女の呪いか……っ!?

 

 

 

 

 

 

 --2

 

 普通に両親は俺を置き去りにして蒸発しただけだった。

 口裂け女が全く関係なくてウケる。

 まあ、仲悪かったからしゃあないね。

 

 あとは燕尾が寺生まれ()の天智ん家にスカウトを受けたとか。

 気が向いたら修行するらしく、その時は一緒に修行しようぜと誘われた。

 今は両親蒸発事件が発生してるからその話はまた後でな、とクールに断っておいた。

 

 近所に住む曾祖父にエマージェンシーコォォォォル!

 

 

 

 事情を話したら、その日のうちに曾祖父の家に住まわせてくれることになった。

 やはり最後に物を言うのは血縁だよな。

 ……両親?

 

 人生は血よりも絆だろ。

 

 

 

 

 

 --3

 

 俺の曾祖父、本名は蒼葉総一郎という。

 俺は総じいさんって呼んでるんだけど、この人めちゃくちゃいい人だ。

 いい人って辞書引けばそのうち総じいさんが載るんじゃないかって思ってるくらい凄くいい人。

 良い人か善い人なのかわからないほどにいい人。

 

 うちの家系っていい人とそうでもない人が極端らしいんだよなぁ……。

 超いい人が生まれる裏で、超よくない人が生まれる的な。

 超よくない人はそのうちどっかに消えるので、自浄作用が働いているのかもしれない。

 俺も総じいさんほどではないにしろ、なるべくいい人になろうと心に決めているのだ。

 

 総じいさんは鳴滝荘という平屋のアパートを経営しているんだが、昔は行き倒れとかをバンバン拾っていたらしいし、家賃もかなり安かったとか。

 人脈はかなり広いと思う。

 今は半隠居なので住人は”しょせい”の人しかいないとか。

 ”しょせい”ってなんだろう……。

 

 

 

 書生とは雑務などを手伝って住む下積みしている若者らしい。

 総じいさんが教えてくれた。

 で、書生の人は灰原さんというようだ。

 小説家を目指していて、日々勉強していると教えてくれた。

 対人恐怖症の気があるとかで、総じいさんとは話せるが、俺とは難しいとか。

 俺、小学生なんだけどなぁ。

 子供が苦手とかそんなんだろう。

 たぶん。

 

 俺も掃除とか出来る範囲で手伝いつつ日々を過ごした。

 朝は総じいさんと灰原さん、俺の三人で食卓で飯を食べ、行ってきますと二人に挨拶をして学校へ通い、日中は嫌いな勉強をテキトーにやり過ごし、帰りに友だちと「破ぁ!」って幽霊とかくねくねを消し飛ばし、帰ってきたら宿題してからトイレ掃除して、その後は自由気ままに遊んで夕食、風呂、就寝である。

 ときどき宿題を灰原さんに見てもらったりもした。

 国語とか凄く詳しいし、作家の小ネタとか他の物語とか面白い話をしてくれる。

 俺って勉強苦手だから尊敬するわぁ。

 暇なときに灰原さんの部屋の本を漁りに行くけど、小説ばっかりでそこは苦手である。

 どこにも漫画が無い……。

 

 

 

 

 

 --4

 

 翌年、灰原さんが作家デビューした。

 すげぇー。

 どう凄いのかよくわからんので友だちに聞いたら、燕尾がどんなに頑張って「破ぁ!!」ってやっても作家にはなれないとか。

 マジかっ!!

 超すげぇ……っ!

 俺たちには出来なかった、「ぽぽぽ」って奇声を発するでかい女や「入れた入れた」って連呼する幽霊に取りつかれた人、ビデオテープを再生するとテレビ画面に映った井戸から這いずってくる女を燕尾は「破ぁ!!」のみで倒したが、作家はそれ以上なのか……。

 燕尾超えとか灰原さんSUGEEEEEE。

 小説とサイン貰ったから部屋に飾っといた。

 

 ちなみに俺の部屋は玄関から入って右側の7号室だ。

 廊下を跨いだ左側が管理人室であるじいさんの部屋だ。

 俺の部屋の隣が物置で、四隅の一角になっている。

 で、物置のさらに隣が灰原さんの6号室、小説を書いているときに雑音が入らないようにとの一応の配慮である。

 

 中庭に面した縁側で灰原さんのデビューを祝う。

 二人はお酒を呑んでるが、あと三か月もすれば中学生となる俺はオレンジジュースである。

 ちょっと舐めさせてもらったけど苦いからお酒はもう要らないや。

 おつまみもいいけどやっぱり出し巻き玉子が好きだわ。

 雑な男料理でテキトーに作った料理で乾杯。

 うぇーい。

 

 

 

 朝、総じいさんが凄い喜んでいた。

 話を聞くと総じいさんの孫、つまり俺の両親の姉だか妹だかと同居することになったらしい。

 総じいさんも歳だからな。

 灰原さんも出ていくという話だし、俺もちょうど燕尾と一緒に寺で修行しないかと誘われたのでそっちに行くことにした。

 気にするなと言われたが、水入らずに入るのもどうなのって感じだし。

 いや、俺も曾孫だけどちょっと状況が違うというか。

 アウェー感があるというか。

 

 まあ、そういうわけだ。

 

 

 

 

 

 --5

 

 中学入学からは友達の天智が生まれた寺で修行である。

 昔に口裂け女と大乱闘口裂くシスターズやったときのメンツだ。

 ただ、坊さんっぽいことをやるのではなくて祓い屋さんみたいな感じの方向を目指す修行らしい。

 どんな感じの修行かというと、

 5時、お破ぁ!ようございます。

 6時、洗面。

 6時15分、座禅。

 6時30分、読経。

 7時、朝食。

 7時30分、破ぁ!の準備体操。

 8時、登校で破ぁ!。

 ~授業~

 16時、下校で破ぁ!

 17時、夕食。

 17時30分、近所の墓でゴーストバスターズごっこ。

 19時、座禅。

 21時、開枕。

 睡眠中、夢にみんなで集まって猿とかメリーさんとかなんか湧いて来るのを倒す。

 以上である。

 なかなか悪くない日々を過ごせていると思う。

 

 問題は、身体に謎の文字が書かれた包帯を巻くことによって霊力とかいう謎の力が抑えられていることか。

 破ぁ!ってやってもあんまり威力が出なくて困る。

 万能属性である「破ぁ!」だけに頼らないように頑張れってことらしい。

 しょうがないので結界とか学ぶことにした。

 勉強は嫌いなので、めっちゃテキトーだけど。

 燕尾は包帯を消滅させたが、やつは「破ぁ!!」特化だから(目逸らし)

 「異次元に行こうぜ! 割れ目を作ればいけるし! 破ぁ!!」とかやりだすのは流石にやめてほしい。

 遊びでアセンションすんなって宇宙人と名乗ったおっさんが怒ってたし。

 

 

 

 部活に入らず、除霊とか解呪したりもした。

 寺の手伝いはあんまりやらなかった。

 近所のほとんどが檀家の寺なので仕事が忙しそうだったんだが、俺らはちょっとそういう一般的なのには向いてないと言われた。

 まあ、ファンタジー入ってるよな。

 髪の伸びる人形とかマジやばい心霊写真、見たら死ぬビデオ、禍つ神に憑かれた人、妖怪を背負った人とかの対処はやったけど。

 

 使ってる道具とか高いからかなりの金額を取るのだが、ときどき支払わない人も出てくる。

 ガキだからとか、こんなもの詐欺だ訴えるぞ、とかそんな感じの。

 なんとなく溢れ出るブラックジャック感。

 そんなときは除霊とか解呪したものをもう一回貼り付ける。

 俺らだって暇じゃないのに乞われてやったのだから、余裕で返品くらいするわ。

 そもそもMOTHERを進めていて、儚く散っていくフライングマンの姿に哀しみを抱いている俺たちは気が立っているんだ。

 

 

 

 

 

 --6

 

 俺、というか俺たち4人はちょっと中二病になってた。

 どんな中二病かというと、悪の組織を壊滅させようぜ的なやつである。

 もっというと義賊に憧れた的な。

 壊滅させてみたけど、ニュースに乗るわけでもなければ誰かに尊敬されるわけでも、褒められるわけでもない。

 現実って悲しい。

 ナイフ1本でゾンビの集団と戦ったりして、よくわからない組織を10個ほど壊滅させた頃には完全に飽きた。

 マジな話、テロ集団とか暗殺者養成所とか言われても、寺で修行しただけの俺たちにはピンと来ないっていうか……。

 

 灰原さんが書いた小説のほうがおもしろかった(中学生の感想)

 俺も運営資金をパクったり金塊を貰ったりしたので懐は温かく、観賞用、布教用、常用と買ってるのだが、サイン付きでマメに送ってくれるのだ。

 未だに勉強が苦手サボり気味なので、小学生の読書感想文以下の感想を送ったりしている。

 同封されていた手紙に最近総じいさんの感想が来ないと綴られていた。

 何かあったのかなぁ、様子見に行くべきだろうか。

 総じいさんも歳だしなぁ……。

 

 どうでもいいけど、燕尾はファンらしく「閃光の銀銃」が一番好きだとか。

 灰原さんのデビュー作前の選考用の初期小説じゃん、ディープすぎて軽く引くレベル……。

 

 

 

 まあそんなこんなで義賊ごっこを惰性で続けていたが、飽きて手が鈍ったせいで警察に突き出すはずのちっこい暗殺者っぽいのを逃がした。

 あちゃー。

 カバーしてくれていた燕尾が追跡して「破ぁ!!」することになったが、見逃してきたらしい。

 水無月って彫像家が声をかけていたためとか。

 普段は街中でも躊躇いなくテキトーに「破ぁ!!」をぶち込むのに珍しいこともあるものだ。

 話を聞くと、ファンらしい。

 あ、そうですか。

 命を吸ってそうな糞作品であるゲルテナと違い、活きてる彫像が素晴らしいのだとか。

 熱心に説明されたが、そもそもゲルテナってなんやねん……。

 

 俺と燕尾が義賊ごっこやってる頃、天智はプロデューサーにならないかとスカウトされていたらしい。

 あの寺生まれは一体どこに向かってるのだろうか……。

 連花は異世界に行ってたとかで、ヨーセイがどうとかシンカイセーカンがどうとか。

 こいつも電波度が上がってきたなぁ。

 

 

 

 

 

 --7

 

 高校を選ぶ時期になった。

 が、なんか行く気がしないんだよなぁ。

 勉強苦手だし、テキトーに除霊とかしてたら金稼げるし。

 燕尾がいればメフィストフェレスとかいうマジヤバい悪魔でも大丈夫だったので、大抵のことは何とかなる。

 悪魔も「破ぁ!!」で消滅するとか初めて知ったわ。

 豆知識だけど、トリビアにはならなそうだ。

 

 天智はなんかプロデューサーになってた。

 前は見習いだったが、完全にそっちの方向へと走るようだ。

 美城チーフプロデューサーが優しいとか、黒井プロデューサーが実力主義とか、高木プロデューサーが甘いとか、そんな感じだ。

 ときどきテレビでも見かけるが、担当したピヨちゃんってアイドルが逸材だったと零していた。

 調子扱いてたアイドルとプロデューサーどもを鎧袖一触で駆逐して、地方に消し飛ばしたとか。

 で、同じように潰しに行って、歌のコンテストで勝利したが事務所の力で負けて仕事を持ってかれてピヨちゃんは一年経たずに引退したとか。

 苦渋を飲まされた今を耐えて、何時かは潰すために本格的に頑張るとか。

 寺生まれなのに変な方向に行ってしまった……。

 

 蓮花は異世界召喚されそうでヤバいらしい。

 あー、なんか昔黒い穴で異世界がどうのって言ってたのを思い出した。

 ヨーセイさんが引っ張ってくるとかで、今は耐えられるが日に日に数が増えてヤバいとか。

 大変だな。

 燕尾が暇なときに「破ぁ!!」ってやるけど、一週間くらいで出現するとか。

 頑張れ。

 

 

 

 

 

 --8

 

 中学卒業とともに寺を出た。

 修行で伸びる能力はもう無いからとか。

 寺とは一体……。

 

 俺は結局中卒で祓い屋をすることにした。

 マジで困ってる人だけを助けて数万円くらい貰う感じのスタイルである。

 「破ぁ!」って感じで辻斬り除霊師だ。

 俺自身が都市伝説化してるらしいが、まあ、いいや。

 

 

 

 燕尾は両親にゲルテナ展に連れて行かれたりしていた。

 凄い嫌そうだったが、本物を見ないで批判するのはよくないと日本を発った。

 で、帰ってきたら英語を勉強し始めた。

 ゲルテナに感動したのかと聞いたら、あまりに糞すぎて片っ端から砕いてきたとか。

 Oh...

 ニュースに取り上げられていないかから自重したのかもしれない。

 メアリーとイヴって誰だ。

 フラグか、フラグなのか?

 その後何年もずっとメアリーって娘の絵を飾ってるのはなに?

 「破ぁ!!」で十重二十重にコーティングしているのはラブなの?

 フォーリンラブなの?

 

 

 

 天智は765プロとかいう事務所に就職してなんたらかんたら。

 アイドルに興味ないし、どうでもいいわ。

 

 

 

 蓮花は最終的に異世界に連れ去られてた。

 燕尾が「破ぁ!!」ってすれば会いに行けるし、俺だけでもメールの送受信は可能だから問題ないね。

 送られてくるメールがくっそ面白……可哀そうでヤバい。

 向こうで高校生活をしれっと満喫していたら、妖精さんと意思を通わせることのできる能力を(隠していたが)見つかったために軍学校に連行……進学することになったらしい。

 異世界で軍とはファンタジーの王道を突っ走ってやがる。

 やはり奴はファンタジスタである。

 職場は女性が9割以上を占めているブラック、部下である年頃の女の子たちは片っ端からPTSDを発症しているとか。

 凄いな。

 さらに凄いのが前任として勤めていた同僚が発症させたためとか。

 負の連鎖じゃん。

 しかも同僚がときどき思い出したかのように、鎮静化していた症状を煽っていくとか。

 なんて面白……超心配だわぁ。

 

 

 

 

 

 寺の修行を終えて何年か経ったみんなの近況報告を思い返し、就寝。

 なんだか寝苦しい。

 息が詰まるように胸苦しいんだ。

 涙が目じりを伝って流れ、枕が濡れた。

 

 総じいさん……?

 

 

 

 

 

 --9

 

 嫌な予感がした。

 いくら急いでも絶対に間に合うことがないとも。

 

 

 

 朝一で鳴滝荘に到着。

 総じいさんは亡くなってた。

 亡くなってた。

 

 

 

 

 

 --10

 

 家族、親戚、総じいさんの知り合い、親族の関係者に訃報を知らせる。

 総じいさんの孫夫婦は喧嘩しているので視界に入れないようにする。

 どうにも落ち着いていられない。

 すぐ傍にいたのになんでこんなことに、とか思ってしまうと終わりの見えない思考の迷路に囚われそうになる。

 なんで総じいさんが死んでこいつらが……とか考えるともうダメだ。

 もうかなりの歳だったことはわかってるんだが、どうしても考えてしまう。

 総じいさんのためとか言いながら出て行った自分のバカさにも腹が立つし、こんなときでもケンカしている孫夫婦の二人にも腹が立つ。

 この二人が総じいさんの負担になっていたんじゃないかとか責任を擦り付けようと自然と考えている辺りで、もう自分は総じいさんのようないい人にはなれそうもないと悟ってしまった。

 

 それでもどうしてもモヤモヤするんだ。

 人がなんで死ぬかとか生きるかとか、ずっと考えてしまう。

 人間の死亡率は100%なわけだし、生きてる意味なんてないじゃないか。

 今まで寺で修行して頑張っても総じいさんの幽霊とすら話すことはできないし、総じいさんだって可愛がっていた孫娘は夫婦で喧嘩ばかりしているし。

 

 

 

 葬儀は遠くに住む親戚が執り行ってくれた。

 葬儀諸々の費用は香典から支払われることになっている。

 総じいさんと懇意の間柄だった右京さんという弁護士の方も手伝ってくれたので、とてもスムーズに進んだ。

 それがなんだか悲しかった。

 総じいさんがいなくても世の中が回ってる事実が怖かった。

 当たり前なんだ。

 わかってる。

 だから嫌だった。

 嫌で嫌でしょうがなかった。

 

 葬儀には多くの人が駆けつけてくれた。

 総じいさんの死を誰もが惜しんでいた。

 昔は閑散としていた鳴滝荘に、次々と人が来る。

 鳴滝荘がどれだけ人で溢れても、やっぱり寂しさは無くならないし、悲しさばかりが残るのだ。

 

 相変わらず総じいさんの孫娘の夫婦、つまり俺の親と姉妹ポジションの人たちは喧嘩している。

 その娘の梢は悲しそうだ。

 今も喧嘩をしているからか、総じいさんを偲ばないからか。

 わからないけど、俺もやはり悲しかった。

 何が悲しいのか言葉にできないけれど、なんとなく悲しいんだ。

 

 灰原さんが総じいさんの見送りにきてくれた。

 仕事に忙しいだろう、それなのに必死に駆けつけてくれたことが嬉しかった。

 ただ、それよりも喪失感のほうが大きかった。

 たぶん、灰原さんも同じだろう。

 故人を偲ぶ挨拶以外の会話はほどんどなかった。

 昔もそれほど多弁ではないし、交わす言葉も少なかったがそれ以上だった。

 灰原さんは静かに帰っていった。

 誰よりも、何時までも静かだった。

 

 涙が出ない自分が嫌だった。

 本当は悲しんでいないんじゃないかと思ってしまう。

 怖かった。

 総じいさんのことをどうでもいいと思っている自分がいるんじゃないかと考えてしまって、夜も眠れなくて。

 

 遺産は葬儀を執り行った親戚が預かっておくことになった。

 プールしておいて、総じいさんの血縁が困ったら渡すだろうと告げていった。

 右京さんと何か取決めをしたらしい。

 

 総じいさんと同居していた孫夫婦は相変わらず喧嘩しているが、娘である梢は少しだけ笑顔を取り戻していた。

 俺にとっては従妹だ。

 だが、どうやって接すればいいのかわからなかった。

 まだ幼いから総じいさんを忘れたのだろうかと浅ましいことを考えてしまう。

 結局、親戚が解散していくように俺も鳴滝荘から離れた。

 

 

 

 いや、逃げたんだ。

 総じいさんがいない鳴滝荘が当たり前になるのが怖くてしょうがないから。

 主がいなくなってもそこに平然と在る鳴滝荘に居ると震えが止まらなくなる。

 総じいさんがいなくても鳴滝荘は変わらない、そう思い知らされるのが嫌だった。

 だから逃げた。

 

 

 

 

 

 --11

 

 破ぁ……。

 ウルトラテンション上がらないんです……。

 先月なんて危うくMIBにニューラライザーで記憶を消されるとこだった……。

 記憶を消されると手伝ったのに、別の記憶を植え付けられるから依頼料が半分以下にされたりするからなぁ……。

 お米の国の秘密組織はやることが狡いぜ……。

 前に喰らったときは燕尾の「破ぁ!!」で無効にしたけど、そう何度も消えた記憶を戻せるとは思えないし……。

 でもどうにもやる気が出ない……。

 英語とか未だにわからん……。

 燕尾はメアリーとイヴ、ぎゃりー?とかいうゲルテナ無双のときに出会った友達と会話するために頑張ってる……。

 でも、宇宙人が介す言葉を覚えても意味ないと思うんだよなぁ……。

 

 お米の国のくせにご飯の味は大雑把だし、ハイパーファット……。

 なんでバーベキューソースをドラム缶みたいな容器に詰めてんだ……。

 牛乳もガロン……。

 ウルトラ大雑把……。

 肉ばっか……。

 総じいさんの味噌汁飲みたい……。

 

 

 

 

 テンション上がんない……。

 もうヤバい……。

 あー無理ぃ……。

 もう無理ぃ……。

 生きるのツラいんです……。

 

 

 

 もぅマヂ無理。総じぃさんが無くなって半年。 ちょぉ大好きだったのに。

 

 総じぃさん、泣きそうな顔で夢枕に立った。

 

 どぉせゥチゎゅぅきがなくて鳴滝荘に戻れなぃってトコ。イマ「破ぁ!!」されたトコ。

 

 やる気出てきた!

 

 明日の便で日本に帰る!

 

 ブォォォォォォォォォンwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwイイィィィイイヤッヒィィィィイイイwwwwwwwwwwwwwwwwwww

 

 

 

 

 

 --12

 

 日本に帰国して、速攻で鳴滝荘へ。

 特に何をしたいというわけでもないが、ここに来ないと行けない気がした。

 「ただいまー!」と中へ入って住人の気配を探る。

 ふむ……。

 子供が一人、大人が一人ってとこか。

 察することが出来たのは梢と灰原さんの気配のみだ。

 あの夫婦は……気配の残りすらない。

 住んでるはずなのに気配が全く残っていないってどういうことやねん。

 よくわかんないが、話を聞けば解決するっしょ。

 

 食堂にいるようなので、「ヘーイ! ボイズンガルズ! 鳴滝荘のアイドル、葵 総滴が帰って来たヨー!」とダイナミックエントリー!

 

 目が死んでる梢と犬のハンドパペットを装備した灰原さんが黙々とインスタントの飯を食ってた。

 なんじゃこらぁ……。

 

 

 

 

 

  

 --13

 

 梢は葬式のときに軽く話したことがある。

 灰原さんともなかなか長い付き合いだ。

 そんな俺だが、今の状況はちょっと理解できない。

 どうしたらいいかわからん。

 わからんけど飯を食う。

 いやー、白米と味噌汁、漬物の素晴らしさですよ。

 インスタントもいいけど、少しでも手を加えたほうがなんというか、そう、美味いのだ。

 

 おら、飲むんだよ!と瞳のハイライト90%オフの梢と対人恐怖症が極まり過ぎてハンドパペットを装備するという迷走を見せた作家である灰原さんの前に味噌汁を置く。

 ダッシュで味噌を買ってきたら二人とも朝食を終えていたが、そんなことはどうでもいい。

 重要なことじゃないんだ。

 俺一人で飯を食うとか嫌じゃん。

 白米という日本の神秘に心を時めかせながら、状況を聞いてみる。

 

 ・梢がなぜか一人

 ・両親は帰ってこない

 ・灰原さんが面倒を見てる

 

 うむ、把握した。

 俺がチキったせいで灰原さんが梢の面倒を見てくれていたようだ。

 大変ありがたいことでござる。

 とはいえ礼も謝罪も無し。

 俺もそうだが、鳴滝荘に駆け付けたのは総じいさんのためである。

 つまり、礼も謝罪も総じいさんか、総じいさんの大切な曾孫である梢に言われることで意味があるのだ。

 なので今後はどうするかという話だけで十分だ。

 

 まあ、俺自身がどうしたいかはよくわからんから置いておくとしよう。

 とりあえず金銭問題だが、総じいさんの遺産を幾らか貰えるようにかけあってみる。

 確か右京さんという弁護士の方が間に入ってくれていたらしいし、そっちにも連絡をするとして……あとはよくわからん。

 右京さんが良い人だったらだいたい任せればいいっしょ。

 

 

 

 親戚に電話をかける。

 総じいさんの息子、つまり俺の大伯父と大伯母がメインである。

 まあ、他にもかけるけど一番取り仕切ってたのが大伯父と大伯母の夫婦だったので最初に連絡するのだ。

 鳴滝荘についてとか聞くと、どうも権利を一応分割相続しているのだが福島在住なので気軽に来れない位置にある東京の鳴滝荘はあんまり要らないっぽい。

 孫夫婦がちょっと怪しかったので分割しただけとか。

 そこら辺は月日が解決するようなので権利などは改めて話を進めるとしよう。

 金銭は梢が不自由なく育つほどにはあるというし、定期的に振り込む形式にしてくれるようだ。

 梢の動向は本人の自由、必要なら鳴滝荘にそのままでもいいと言ってくれた。

 礼を告げて切ろうとすると、最後に細かい詰めは右京さんという方と相談しなさいと助言された。

 右京さんもここで書生のようなことをやっており、大学の在学中には鳴滝荘に住んでいて総じいさんと交流を深めたらしい。

 悪い人ではないという話だった。

 なるほど、丸投げ……とはいかないが、ほどほどに任せてもいいかもしれない。

 俺はこういう話さっぱりだし、灰原さんは他人と話すのが苦手だし、梢は幼すぎて論外である。

 

 右京さんの事務所に連絡すると、今日の午後には来てくれるそうだ。

 電話を通して聞こえた声から察するに、仕事があるにも関わらずなんとか時間を空けてくれるようだった。

 それが総じいさんの人望のようで嬉しかった。

 そして、鳴滝荘が活気づいて目まぐるしく動いていても、そこに総じいさんの姿がないことがひどく悲しかった。

 

 

 

 

 

 --14

 

 昼を少し過ぎた頃に四十半ばほどの年齢の物凄い紳士が来た。

 彼が杉下右京さんのようだ。

 葬式のときもそうだったが、今も同じように「懐かしいですねぇ……」と眼鏡の奥の理知的な瞳を細めていた。

 仏壇に総じいさんの好物だった和菓子と線香を見本のようにきっちりとした姿勢で供えていた。

 

 お茶は緑茶で問題ないかと尋ねると、紅茶を好むらしい。

 どうやら彼が使用していた紅茶セットが物置に置いてあるようだ。

 梢も連れて探しに向かうと、几帳面な文字が書かれたラベルが貼られた段ボールを見つけたので運び出す。

 そういえば紅茶の葉が無いと告げようとしたら、笑みを浮かべた右京さんが、胸ポケットから紅茶の葉を取り出した。

 準備いい人だなぁ。

 

 右京さんが手入れする片手間で、紅茶を淹れるための道具について講義してくれた。

 梢も物珍しそうだった。

 洗浄方法や淹れ方、葉へのこだわりなども丁寧でわかりやすく面白かった。

 紅茶を注ぐ際に、ポットを高く持ち上げてカップに注ぐ姿に梢の目が丸くなっていた。

 いやまあ、俺も驚いたけど。

 作法としては正しくないが、紅茶を楽しんで淹れるためだとお茶目に笑いながら教えてくれた。

 

 

 

 本題である書類諸々の手続きを始めていく。

 梢自身は総じいさんがいたこの鳴滝荘を離れたくないという話だ、そこら辺は本人の意思に沿った方向で進めていく。

 保護責任者は大伯父と大伯母の夫婦に頼んである。

 親戚から定期的に様子見しに行こうかと提案されたが、電車で数時間かけて来てもらうのも大変なので、こっちに来る用事の時だけ寄ってくれたら有り難いと伝えておいた。

 ぶっちゃけてしまうと、灰原さんというハイパー人見知りが対応できると思えない。

 梢もちょっと大人が苦手のようだし。

 必要な書類は手際よく右京さんが進めてくれた。

 質問するとわかりやすく教えてくれ、ある程度まで梢も理解できたほどだった。

 

 ひと段落つくと、昔の話を聞かせてくれた。

 灰原さんと同じように書生のようなモノをやって過ごし、東京大学に進学してから卒業して渡英するまで鳴滝荘で過ごしていたそうだ。

 右京さんは警察を目指していた時期もあったが、金銭のみを目当てに働く弁護士ばかりに嫌気を指して、自ら弁護士になったらしい。

 ドラマのように証拠などを弁護士が探すことは無いらしいが、右京さんは気になったらガンガン攻めていくらしい。

 それでも、右京さんがどれだけ頑張ろうと悪質な弁護士はいるようで、不満を持っているのか「古美……ああ、僕とした事が」と少しだけ名前を漏らしてしまっていた。

 あとは検察も良かったが、総じいさんに何か恩返ししやすい方がいいだろうと弁護士にしたとか。

 ただ、少しでも力になれたのが亡くなってからである今になってやっとだと寂しそうに笑っていたのが印象的だった。

 

 他には面白い検事がいるという話も教えてくれた。

 くりう、とかいう人でジーンズ履いたチャラい兄ちゃんっぽい見た目らしいが、仕事はしっかり行うそうだ。

 粘り強く検分を行う姿勢は見習いたいくらいだとも。

 人は見た目で判断ができないから面白いのだと右京さんは笑った。

 

 弁護士は悪い人で検察は良い人なのかと梢が訊ねた。

 口数が少ない静かな娘だったので、梢から自ら話しかけたことに少し驚いてしまった。

 右京さんは曖昧に笑いながら「良い人のときもあれば悪い人のときもある。弁護士も検察も、もちろん警察も。皆が、誰もがそうなんです。何を見て、何を感じ、何を思うのか。その時々に変わりますからね」と答えた。

 梢は小さく首を傾げていた。

 その様子に困ったように笑いながら「それがわかるようになれば大人に近づいたということでしょうか」と呟いて、紅茶のカップを静かに傾けた。

 

 「もしくは、小賢しくなったという証明かもしれませんね」なんて俺と灰原さんに笑いかけた。

 

 

 

 

 

 途中から俺の職業の話になった。

 祓い師です!

 右京さんは否定しないらしいが、そういうオカルト系は詐欺も多いそうだ。

 いや、僕は真っ当な商売ですから(震え声)

 祓ってから満足してもらったら料金もらうし、不満があるようなら祓い戻しして他の同業に頼ってもらうスタンス。

 今まで一度も訴えられたことないから問題ない。

 他の同業で祓えるようなレベルならそもそも俺らが出張る必要もないし。

 凄い頑張って俺らまで辿り着いた全く憑いてない連中もいたが、雑誌やテレビと称して云々と言っていたので、直前の仕事で取り除いたのを貼り付けたりした。

 まあ、そういうのが今度はちゃんとした客として再び訪れたりするから。

 悪質な仕事の仕方かもしれないけど、甘く見られると嵌めてこようとするし。

 

 右京さんはどうもオカルトに興味があるらしい。

 二十歳超えて見えないなら生死を彷徨うような事故に遭わない限り、そういう素質に目覚めないと伝えると残念そうだった。

 右京さんは見た感じでわかるレベル、完全に霊力ゼロである。

 学者とかに多い気がする。

 我というか芯というか、そういうものが強い人は、霊力が皆無か超強いかの二極化するイメージ。

 ほとんどは皆無なパターンなんだけどね。

 

 折角オカルトに興味があるというので、ちょっと手品っぽいのを右京さんと梢、灰原さんに見せてみよう。

 とはいえ灰原さんと総じいさんにはよく見せてたけど。

 今は秋も半ばの時分だ。

 梢が食べた梅干しの種を綺麗に洗って、両手で包む。

 数秒ほど霊力をほわぁっと込め、手を開けば芽吹いた梅の種の姿。

 右京さんが興味深そうに隅々まで検分したが、お手上げのようだった。

 当然だ、種は使ったけど仕掛けはないから。

 梢は目をきらきらさせていたが、梅がすぐに食べられると思ったせいなのだろうか。

 それとも魔法に見えたから?

 とまれ二人の驚いた顔は面白かったので良し。

 

 ちなみに理論は不明。

 霊子そのものは時間と次元に束縛されないという仮説がある程度だ。

 まあ、奇妙な力で不思議なことをやってるって感じなので魔法もあながち間違いではないのかもしれない。

 ついでに言えば、右京さんは梅干しが好きではないそうだ。

 酢豚のパイナップルも。

 酸味が苦手なのだろうか。

 

 

 

 灰原さんの話にも及んだ。

 最近の小説についての話だけど。

 右京さんと灰原さんの会話が途中からわからなくなった。

 小説から漢文とか古文に飛ぶのはやめるべき。

 

 ちんぷんかんぷんな空気を纏う梢を肩車して、中庭の木まで連れて行く。

 梢の手が届く位置まで伸びている枝を握らせる。

 さて、これはなんの木でしょうか……実はお楽しみの木で梢の望む花が咲きます!

 なんてね。

 梢を通した霊力によって咲いたのは、季節外れの桜だった。

 一本の枝先にのみ咲いた桜は綺麗で少しだけ儚いものだった。

 

 

 

 

 

 --15

 

 日が傾いた時間に右京さんは帰っていった。

 夕食を一緒にどうかと誘ったが、部下を残していると丁重に断られた。

 度々足を運んでもらうことになりそうだったので、紅茶のセットはおもてなし用にこちらで管理することにした。

 メモしたので及第点はもらえるはずだ。

 

 味噌汁つくって、魚焼いて、漬物切って、野菜を小鉢に盛って……なんてやってたら夕食には少し時間がかかってしまった。

 まあ、そういうのもいいよね。

 しょうゆ漬けした黄身をごはんに乗せ、三人で一緒にいただきますと告げる。

 味噌汁の味がちょっとだけ総じいさんと違うんだよなぁ。

 そこが不満である。

 

 

 

 梢の歯磨きを手伝って、デンタルフロスで隙間も掃除する。

 虫歯が出来て、それがトラウマになって大人になっても歯医者に行かないとかになったら困るし。

 麻酔が少ないほうがいいとか言い出す歯医者が増えてきているので、子供には酷だろう。

 なのでケアはしっかりと行っていく。

 虫歯菌に感染してないのが一番だけど。

 

 こくりこくりと船を漕ぎ始めた梢を抱え、布団に連れて行く。

 掛布団をかけてやり、眠るまで腹のあたりを等間隔で優しく叩いて眠りやすいようにリズムを作る。

 寝息が聞こえてきた。

 カーテンを閉め、静かに部屋を出て行く。

 

 縁側には酒の入ったグラスを傾ける灰原さんの姿があった。

 隣に座ると懐かしい気持ちになる。

 昔はよく三人で、縁側に集まって飲み食いした。

 今は二人だ。

 少しだけ寂しい。

 ああいや、梢を今度入れて三人になれば変わるかもしれない。

 

 何を見て、何を感じ、何を思うのか。

 その時々に変わるのだから。

 

 

 




葵 総滴(あおい そうてき)
オリ主。寺で修行したAさんで超人的なポジション。
結界とか破ぁ!が得意だが勉強は苦手。職業は祓い屋。
蒼葉総一郎の曾孫、蒼葉梢の従兄。
都市伝説である「寺生まれのTさん」2号。技の2号

燕尾(えんび)
オリキャラ。寺で修行したEさん。Aさんの同僚。
大乱闘都市伝説ブラザーズやゲルテナ無双、静岡の達人、ゾンビバトルロワイヤル、宇宙世紀でボール無双、木星でO.Fランナー、25世紀BYDO焼却、23世紀BYDOリセット、リスタート25世紀デスペ到来などといった数々のオカルトを「破ぁ!!」一本で撃破してきた男。
好みは金髪。光とか余裕で避ける。たぶん今後はあまり出ない。
都市伝説である「寺生まれのTさん」1号。力の1号

天智(てんじ)
オリキャラ。寺生まれのTさん。寺で修行した四人の中で最弱。貞子に負けるくらい最弱。
765プロで仕事してる。過去に数々の夢見がちなアイドルとプロデューサーたちを自信を圧し折って地方へと消し飛ばした。いつかオーガを倒したいとか。プロデューサー力はライトセーバー級。
信条は「憎しみと復讐こそが力の根源」
たぶん今後は出ない。
都市伝説である「寺生まれのTさん」3号。最弱の3号

蓮花(れんげ)
オリキャラ。寺で修行したRさん。
テートクという職業に就き、日々ブラックな職場で頑張っている。
北上とめちゃくちゃ海鮮バーベキューしたり、榛名を大丈夫にしたり、雷を頼ったりして過ごしている。
異世界にいるので今後は出られない。
都市伝説である「寺生まれのTさん」4号だった。

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