実験室のフラスコ(2L)   作:にえる

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とある科学3

 

 

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 8月も終わりかけ、アイテム連中とファミレスで何時ものようにダベる。

 途中で一方通行が不良に絡まれていて可愛そうだったので拾ってあげた俺は聖人級。

 なんとロシア正教は俺という聖人を確保してしまったらしい。

 俺の存在って罪だわ。

 

 まあ、そんなこんなで話を聞くと一方通行は負けたらしい。

 しかも無能力者に。

 可愛いところもあるじゃんと笑ってたらハイパーベクトルパンチ喰らった。

 麦のんのせいで物理攻撃には耐性つきまくりで効きませーん。

 まあ、ファミレスの机とか床は吹っ飛んだけど。

 

 一方通行の敗北に何を勘違いしたのか調子ぶっこいた麦野が一方通行を下ネタで煽った。

 いや、麦のんは駄目っしょ……。

 「てめェに負けたわけじゃねェンだよ、ババア」→「上等だぁ! テメぇなんざ私の原子崩しで前衛的な兎ちゃんにしてやんよぉ!」→「やァってみろやァァァ!!」みたいな口論に発展。

 

 ビームがびゅーん、反射でばーん、麦のんちーん。

 一応防御が間に合ったらしく、血まみれで気絶しているが麦野は元気だ。

 耳が取れてたけど。

 とりあえず俺が飲んでたメロンソーダはちょっとした聖水と化しているので、これでくっつけとけば治るっしょ。

 消し飛んでなくて良かったぜ。

 治療したら麦野がメロン臭くなった。

 メロン臭い麦のんってちょっと卑猥だよな。

 ただ、一つだけ言わせてもらいたいのだが、一方通行は兎ほど可愛くない。

 

 治療も終わったので再び煽ったら、一方通行がドリンクバーのジューサーを持ってきて、全力で投げつけてきた。

 煽り耐性低すぎぃっしょ、しかもそんなん効くわけないじゃーんと受け止める。

 もう一発飛んできたので再び煽ろうとしたら手元で破裂した。

 で、ジュースの中に飛び込んできた一方通行によって水圧を一点集中されて眉間を吹き飛ばされた。

 まったく、冗談も通じない奴でやれやれだぜ。

 

 

 俺が虐められているというのにしれっとした顔で防御していた絹旗にイラついたので、寝てた滝壺と一緒に両脇に挟み、テンパってたフレンダを担いでバックれる。

 飛び散っていたジューサーの部品を全力で蹴って窓を粉砕、そこから逃亡である。

 どうせ出禁だ。

 修理代は気絶している麦野に任せた。

 今はベクトルパワー全開で襲ってくる一方通行から逃げることに専念しようじゃないか。

 

 「ちょ、何で巻き込むんですか!? こんなの超おかしいですよ!」

 

 「私たちは関係ないでしょ!!」

 

 なんか絹旗とフレンダが騒いでいる。

 フレンダなんて耳元だから煩わしい。

 滝壺なんてボソボソとレーダーの役割を果たしてくれている。

 一方通行はAIM力場がうんたらかんたらで危険ドラッグなしでもいけるとか。

 専門外だから全くわっかんねぇ☆

 

 「いや、よく考えてみろ。絹旗は一方通行に実験で巻き込まれている。今こそ復讐するときだろ」

 

 どうだ、違うかとドヤ顔。

 とりあえずテキトーにそれっぽいこと言ったのをどう受け取ったのか、絹旗が熟考しだした。

 まあ、絶対に違うと言い切れるタイミングなんですけどね。

 なんか一方通行の能力を移植し、レベルの高い能力者を作ろうとして、絹旗が誕生したらしい。

 パパじゃんって言ったら殴られるだろうから言わないけど。

 一方通行の性別ってよくわからんからママの可能性も……?

 

 「結局私ってば無関係じゃん!?」

 

 「なるほど。まあ、俺の役に立てないことをそう悲しむなって」

 

 「いや、全然悲しんでないから。できれば接点なく過ごしたいって訳よ。麦野ー、助けてぇー!!」

 

 フレンダがツンデレってるが無視だ。

 俺には心の声が聞こえる。

 心のフレンダ「きゃー、結局わたしってば大神の役に立ちたいって訳よー結局ーわけよー」

 流石フレンダさんだ。

 学園都市第一位の能力者を相手にしていようとも、俺のために死にたいとか惚れそうになる。

 途中で思考の海に溺れていた絹旗を路地裏に放り投げ、手ぶらになった腕でフレンダを持ち上げる。

 

 「問題ないぞフレンダ! お前は弾丸となって役目を果たす!!」

 

 「ちょ、ま、待てって訳よ!? あ、駄目だ聞こえてない! 結局こいつ、全然聞いてないし!!」

 

 速度に酔ったのかキレの悪くなってきた滝壺レーダーで一方通行が上空から落下してくるのを先読み。

 滝壺、イジェークト!と絹旗のいる場所に滝壺を投擲しつつ、脚部に力を入れ、一方通行のベクトルフライングアタックを音ごと置き去りにして回避。

 一方通行が優しかったら死なないし、優しくなかったらミンチだ。

 まあ、フレンダなら大丈夫っしょ。

 腕に力を入れる。

 

 「今、お前は鳥になる!!!」

 

 フレンダ、インザスカイ。

 煌めく流星と化したフレンダを見送る。

 しっかしフレンダって丈夫だよね。

 

 

 

 その後だが、フレンダは生きてた。

 なんだかんだいって優しい一方通行だが、俺には激おこだった。

 耳がちょっと緑になってたナメック麦野も激おこだった。

 結局、店の後始末は俺の責任となったので、一方通行に絡んで骨折していたチンピラを50人くらい店に投入しといた。

 全部不良が悪いってことで互いの鉾を納めようじゃないか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今日も元気に遊んで……仕事してきたぜ!と教会に帰宅。

 かつての神々しい教会ではなく、インデックスのビームによって悲劇的ビフォーアフターされたところがちょっと悲しさを感じさせてくれる。

 インデックスよ、ファミレスのジューサーをパクってきたからこのオレンジジュースで腹を満たすがよいとドヤ顔。

 中にインデックスの姿は無く、ステイルさんじゅうよんさいと神裂さんじゅうはっさいの、年齢詐称コンビが待ち受けていた。

 一気に教会内の平均年齢が上がった気がするんですが……。

 そもそもインデックスって何歳やねん。

 

 で、二人が待ち受けていた理由だが、インデックスが錬金術師とやらに攫われたらしい。

 すげぇなあいつ、とうとう破壊神から姫ポジションになったのか。

 驚異のジョブチェンジ。

 もはや転生によるクラスチェンジじゃねぇか。

 

 「さっさと奪還しに行けよ」と真面目くさった顔で突っ込むも「君も一緒に行くんだよ」だとさ。

 話を詳しく聞くと、いつの間にかインデックスの保護者ポジになってた。

 ステイルは友人ポジションで、今回の錬金術師は先生ポジション。

 このポジションはインデックスの記憶サイクルごとに変わっていたのだが、なんと俺がサイクルを破壊してしまったらしい。

 で、イギリス清教とロシア正教の会談で俺が保護者兼護衛に据えられているとか。

 そんな事実全く知らなかったんですがそれは。

 「極秘事項だからね」とか、任務遂行者に知らせないとかなにそれ斬新!!

 ぜってぇワシリーサによる遊びエッセンスだ。

 間違いない。

 

 俺も一応はサラリーマンに近いし、いい感じの給料を貰っている身なので頑張るしかないね。

 

 

 

 敵の本拠地である塾の目の前まで歩いて来た。

 まあ、俺と神裂さんじゅうはっさいからしたら徒歩だけどステイルからしたら死の行軍だったかもしれん。

 魔術師って運動不足なんだよなぁ……。

 14歳ったら運動もばりばり熟していて、魔法世界でも子供先生とともに戦える年齢だと思うんだけど。

 まあいいや。

 中に錬金術師がいるので『倒してインデックスを取り戻す』作戦を開始。

 もっと策を練ろうぜって提案したが、神裂さんじゅうはっさいが「聖人の私一人でも錬金術師など十分です(キリリ」って言い張ったので諦めた。

 任せたぞ、ロンドンで十指に入り、世界でも20人といない聖人で、魔術師の強さでいえば上から数えたほうが早く、かっこうが無駄にエロティックで、室内戦なのに2m超えのヤットウを振り回しちゃうおちゃめな神裂さんじゅうはっさい!!

 俺の応援に張り切ったのか、真っ赤な顔をしながら空気の壁による衝撃派を撒き散らしながら突入していった。

 

 よし、俺とステイルも正面からどうどうと行こうじゃないか。

 ステイルは入り口からな。

 俺は屋上から行くわ。

 

 

 

 外壁を登り、屋上の一角に聖水をかける。

 神秘を無効にする水と、魔術師によって形成された領域による影響で反発が起きる。

 ぐちゃぐちゃぁと落書きしたみたいな、キモいのが形成されるので飛び込む。

 緑の髪をしたイケメンがビビってた。

 ラスボスは一番上にいるものだ。

 おっしゃあ、王手!と咆える。

 

 

 この緑髪がインデックスの教師役で、かつ世界でトップレベルの錬金術師で、そのインデックスの記憶をどうにかしたいというやつなんだな!

 設定盛りすぎィ!

 ちなみにこの緑髪、名前をアルレウs……アルセウス?とかいうらしい。

 種族値が高そうな名前だぜ。

 あ、違ったか。

 オレウルセエデスとかオレウラレチャウデスとかカイショーナシとかカードダスとかそんな感じの名前だった気がしないでもない。

 カードダスが、ペンデュラムみたいな金ぴかを射出してきた。

 カード出せや!と切れながら手づかみ。

 こんな到達までに0.1~0.2秒くらいかかる鈍足武器が効くわけな……掴んだ手が金ぴかになった^q^

 

 金ぴかが浸食してきたので、腕を切り離す。

 すげぇ、金になった。

 本物かな。

 本物ならあとで売りに行くわ。

 なんて考えてたら、ぼじゅぁって感じの音がして腕が再生。

 俺の様子にドン引きしていたカードダスだが、全身を金にしたら再生もうんたら。

 なるほど、その発想はなかった。

 まあ、これ以降の攻撃が効けばの話だけど。

 

 カードダスの金にするペンデュラムアタックだが、最大で1秒間に10回の射出が限度のようだ。

 2発目で耐性が完了しているので、無意味なんだわ。

 俺自身がオカルトの体現みたいな性質をしているのだが、一度でも『死ななかったという事象』が起きると耐性ができてしまう。

 基本的に魔術は初撃から全力みたいな面があるので、ほとんどの魔術には一発で耐性がつく。

 残念だったな。

 まあ、銀だったらワンチャンあった……いや、毎日銀食器で食事しているから耐性が付いてて無理だな。

 麦野のビームも耐性が付いているのでやられたフリするのが必要だしなぁ。

 

 ペンデュラムのお遊びを、手持ちの品で防御。

 金製品が次々と出来上がるという、まさかの貨幣経済崩壊アタックだ。

 RPGでは所持金が減る攻撃をしてくるやつがいるだろうが、これは逆だな。

 鼻歌交じりに、金を生成していると、カードダスが燃えて消し炭になった。

 一階から頑張って走ってきたステイルが倒したらしい。

 金稼ぎも十分だ、帰るべと思ったが、領域が解除されていない。

 本命はまだいる……!と戦慄していると神裂さんじゅうはっさいのうめき声が聞こえた。

 入口とか出口を探すのが面倒なので、聖水(オレンジジュース)で壁を破壊して行こう。

 ジューサーからちょろちょろと流れ出るオレンジジュースがかかる度に壁が歪むので、ワンパンチして砕く。

 

 中を覗くとドヤ顔のカードダスと、倒れている神裂さんじゅうはっさいの姿。

 一発でビンゴだな。

 こーんにーちわーと壁の領域を砕きながら入り込む。

 なんか知らんが二体目のカードダス君は俺と目が合うと涙目になってた。

 

 

 ステイルに会話は任せよう。

 学園都市とかどうでもいいので、俺が真面目にやるわけないじゃん。

 とりあえずインデックスを取り返せば目標達成、お仕事完了、万々歳である。

 ぼろぼろになってて薄い本だったらR-18の展開になりそうな神裂さんじゅうはっさいにそうあれかしと祈った聖水(オレンジジュース)をかける。

 オレンジジュースで回復とかマザーシリーズっぽいなとか思ったり。

 

 オレンジジュースを飲んでたら話は終わったようだ。

 回復した神裂、話を聞いてたステイル、もう一回説明してくれるらしいカードダスによると

 

 ・カードダスは超すごい錬金術師 ←知ってる

 ・カードダスは世界を敵に回した ←知ってる

 ・この塾はカードダスの領域 ←知ってる

 ・さっきのカードダスは弱い ←知ってる

 ・この領域内ではカードダスの思った通りになる ←俺の能力の広域版に近いらしい

 ・思った通りになるのでカードダスはインデックスを救いたい ←うん

 ・救う方法は吸血鬼にすること ←うん?

 ・吸血鬼を呼ぶ方法が失われた ←かわいそう;ω;

 ・それでもなんとか頑張った ←うん

 ・駄目そう ←哀れ;ω;

 ・そもそもインデックスの問題解決してた ←やったね!

 ・がっかり ←ざんねん!

 ・だからやつあたりでお前ら全員死ね ←うん?

 

 ということらしい。

 半分くらい知ってたし、後半は意味不明だった。

 もうどうしたらいいのかわかんないんですけど。

 

 

 神裂とステイルが倒すしかねぇ!と戦闘を開始し、一分も経たずに負けた。

 ヤムチャか何かか。

 そもそも思った通りになる空間とか凄いわ。

 もしかしてインデックスを腹いっぱいにできるんじゃないだろうか。

 ……。

 ……っ!!

 すげぇ!!

 あのインデックスを満腹だと!?

 驚天動地だな!!

 

 倒れている二人にオレンジジュースをぶっかけて、頑張らせる。

 いいぞ、今度は3cmくらい近づけたな!

 よしよしよし!

 みたいな感じで応援し、倒れたらオレンジジュースという名のエリクサーで再起動。

 カードダスに攻撃を当てても見た感じダメージがゼロなので無意味っぽいけど、俺は努力は笑わないし、応援だって一生懸命する。

 まあ、勝てそうにないのは見てわかるけど。

 ギブアップしそうになったら「インデックスへの思いはそんなものかよ! そんな幻想は俺がぶち壊す!」と発破をかけると再起動するので応援する。

 やっといてなんだけど、終わりが見えないわ。

 

 カードダスが集中力を切らすまで耐えたら勝てたが、その前にオレンジジュースが切れた。

 すまないインデックス、オレンジジュースは二人に飲まれちゃったよ。

 べとべとでオレンジ臭い二人は放置して俺が対峙する。

 

 マジな話、トリカブト以外なら余裕のよっちゃんよ。

 

 

 

 全身にトリカブトの毒素とかマジで効くぅ~^q^

 

 

 

 トリカブトへの耐性も完了した。

 俺を殺すには弱すぎたな。

 もう魔術的なトリカブトしか効かないから。

 マジな話、ケルベロスの唾液から生えたトリカブト以外なら余裕のよっちゃんよ。

 

 

 

 全身に魔術的なトリカブトとかマジで効くぅ~^q^

 

 

 

 想像力が足りないよ。

 マジな話、カードダスの想像力が、致死量に届かなかったので耐性完了。

 また強くなってしまった……。

 

 生成された銀の弾丸を無効。

 衝撃無効。

 銀製の武器も無効。

 神性の高い武器も無効。

 神秘無効。

 物理無効。

 魔術無効。

 毒無効。

 

 耐性がかなり増えた。

 この空間だと威力も半端ないのか、貫通してくる攻撃もあったが特に心配する威力ではなかった。

 耐性を付けつつ、超ゆっくり前進。

 その間も思いつく限りの攻撃をしてくれるので、耐性が付いていく。

 カードダスとの距離は5mくらいかな。

 止まる。

 まあ、あれだ。

 想像力戦争の開始である。

 

 カードダスの一撃で傷ついたが、再生。

 何もせず、見てるだけ。

 カードダスは俺を倒せる一撃をひたすら想像し続ける。

 それに応える様に俺は再生を続ける。

 要はメンタル勝負だ。

 カードダスは俺を殺せるまで前を上回る攻撃を想像、俺は耐えるだけ。

 一発耐えると耐性が付くので一度使った攻撃は使えなくなる。

 まあ、自分で死んだと思った時にしか俺は死なないんだけど。

 なのでカードダスは死ぬと思わせるような凄まじい攻撃を放つ必要がある。

 

 ちなみに実は一回でも耐えると攻撃側が不利になるのだ。

 プレッシャーとか、焦りとかで。

 メンタルが弱いと勝ち目などない。

 すでに無数に耐えているので勝利確定である。

 そもそもインデックスの中二ビームで稼いだ耐性が優秀すぎて、俺を殺せる攻撃が存在するのか怪しくなってきた。

 

 それでも頑張っているのはインデックスのためか。

 感動した。

 泣きながら必死に頑張っている姿は涙を誘う。

 でも現実は悲しいかな、威力が落ちてきた。

 耐性による無効しか発動していない。

 もう本人も理解したのだろう、俺を倒せないと。

 

 

 メンタルが死に掛けて領域が揺らぎ始めた。

 維持すらできなくなってきたようだ。

 このままだと精神的に死ぬんじゃないかと心配してたらインデックスが目覚めた。

 初対面のような挨拶だった。

 なんか頑張ってるカードダスが可愛そうでしょうがない。

 

 飯を想像で出して好感度を稼ぐんだ!と助言。

 ステイルも「インデックスの記憶は失われなくなったからこれからだろう?」みたいな感じで援護。

 やるじゃん。

 敵味方のみんなで仲良くご飯を囲むという大円団エンド。

 カードダスはインデックスの新しい友達となった。

 イイハナシダナー

 

 

 

 

 でもこれゲームだったら糞ゲーすぎてディスク叩き割るよね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 糞ゲー事件を解決した翌日、学園都市の治安維持組織のジャッジメントとやらに追われる羽目になった。

 ファミレス事件が尾を引いているらしい。

 いや、俺的にはあれで終了したつもりだったのだが。

 やっぱり不良じゃダメか。

 ロシアに助けてーと連絡すると、謹慎中に派手に暴れたのがいけなかったと怒られた。

 で、解決までに時間がかかるから学園都市から出るようにとか。

 なるほどなー。

 あとはサーシャが遊びに来るとか。

 やったぜ。

 本名を捨て、カードダスとして第二の人生を歩むとか言い出した緑髪の錬金術師とインデックスを連れて学園都市からバックれる。

 3人を連れて普通に出入り口から出ていくあたり、俺は真人間。

 途中でアイテムに電話でピポパ。

 

 「もしもし絹旗?」

 

 『もしもし、大神ですか。まだ着かないんですか? もうみんな集まってて麦野のイライラが超半端ないんですけど』

 

 「あ、ごめん。三日くらい休むから」

 

 『いやいや、超待ってくださいよ! 痺れを切らした一方通行が納得する超凄い理由がないと、あの、ね!?』

 

 「ちょっとジャッジメントに追われて面倒だからデートしに外に遊びに行くわ。お土産きたいしててねー」

 

 『は、ちょ、でででデートって相手は誰』みたいなことを言って快く認めてくれたので電話を切る。

 上司に連絡したけど、うるさいから仕事の前にジャッジメントなんとかしろよオラァ!と切断した。

 こいつこいつ口癖が煩いんだよな、あいつ。

 暗部をサボったら殺される可能性があるとか言われたけど。

 ……普通に考えて「サーシャ>仕事」なんだよなぁ。

 外に出て、バスに乗ってサーシャとの合流地点へ向かう。

 明日が合流予定日だ。

 わくわくしすぎてインデックスに齧られたが、耐性が付いているので唾液以外気にならない。

 まあ、でも、唾液って結構気になるよね。

 

 

 

 朝起きたら、カードダスが錬金術でドヤ顔してた。

 なんか魔術を防御したらしい。

 よくわからんがやるじゃんテキトーに褒めてテレビつけたら、幼女がキャスターやってた。

 で、普段は60歳くらいのおっさんがコメントしているのがショタになってた。

 ふむ……。

 チャンネルを変えると朝のワイドショーで動物園特集をやってた。

 なんか全裸のおっさんがオウオウ言ってた。

 テロップによるとこいつはどうやらアシカらしい。

 で、そのおっさんアシカに可愛いですねと言いながらじいさんが餌を与える、と。

 ……。

 

 ふむ……。

 スマホでテレビ電話をかける。

 すぐに出てくれたのは絹旗の顔をした麦野だった。

 すごい剣幕で怒られたが可愛すぎなんだけど。

 今日は実にカワイイなと告げて電源をオフ。

 

 次は絹旗。

 絹旗的な麦野が出た。

 これも凄い可愛い。

 今日は魅力的だなと電源オフ。

 

 フレンダ。

 なんか幼女になってた。

 若作りもここまで行くのかよ。

 こんなん笑うわ。

 

 滝壺。

 フレンダになってた。

 なぜそこでサイクルしているのか。

 というか、滝壺はどこにいったのかと思ったが、フレンダの幼女版に移ったのだろうか。

 電波発言もするけど、穏やかなフレンダの魅力はすげぇ。

 やっぱ金髪って無敵だぜ。

 

 ……さて。

 もう一度テレビを付ける。

 中年のババアのリードを引く、中年のジジイ。

 どうも子供のお使い特集らしい。

 

 ……ふむ。

 これ防いだのか、カードダスくん有能。

 

 朝食を摂りながら、インデックス大先生とカードダス先生の話を聞く。

 『御使堕し(エンゼルフォール)』とやらで魂がシャッフルされたんじゃないか、と。

 誰がどんな目的でこんなんやるんだ、防いだやつのSAN値を削るためかとげんなり。

 天使を誰かしらに降ろすことができるので、うんたらかんたら。

 じゃあ、こっくりさんの強化版である可能性が高い……?

 

 そういえばこの状態で性交したらどうなるんかな、と呟いたらインデックスに齧られた。

 こいつ、口に物を含んでやがった……。

 

 

 

 

 

 

 朝食の後、サーシャに何かあったら嫌だなぁ、と合流地点へ。

 姿が変わっていないままだった。

 良かったぜと久しぶりの挨拶。

 とりあえず初対面もいるので自己紹介……。

 

 

 

 

 

 

 

 「ミーシャって誰だ、この不心得者が!」と聖水をぶっかける。

 瞬間湯沸かし器のようにキレてしまった、今は反省している。

 しかし、俺のサーシャは一体何処に行ってしまったのか。

 ちょっと考え事をしていたら、サーシャの身体からスタンドだかペルソナだかのような光が解放され……ちょ、でかいでかい。

 

 ドン引きしてたら加勢に来たぞ!と心強い言葉が。

 駆けつけて来たのは、カマっぽいステイルと見知らぬおやじ。

 ステイルの中が神裂で、おやじの中身がステイルらしい。

 もう今日は始まってからずっとげんなりだわ。

 

 魔術の先生方の意見を聞くとあれが天使、らしい。

 俺の知識の無さにあきれられた。

 しょうがないね、俺はそもそも魔術師じゃないから。

 あの天使倒したらサーシャが帰ってくんのかな、と思ってたら天使が攻撃してきやがった。

 

 頼む、カードダス先生。

 あの無敵の空間を作ってくれ。

 え、無理?

 先生、無能。

 

 

 

 ぐわぁぁぁぁぁ^q^

 

 

 

 

 

 

 




アウレオルス=イザード
彼は新たな名と友を得た。カード=ダス先生降臨。



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