転生したら厄介事が付きもの 〜お約束に手を出すとロクな事にはなりません〜 作:ち~やん
「みず......みずがほしい......。」
砂漠の中に一つ、人影があった。そして......
「みず......バタッ。」
倒れた。
「みずがほしいよお。のどかわいたよお......。」
僕である。そしてこの通り、水がない。ストックしておいたお茶はとうに無くなり......無くなり......なく......そうだ!魔法で作ればいいん......。魔法......。
MPは5しか無い。魔法を使うために必要な魔力の制御はできない。......あ、やば。これハイエナに追われたときよりピンチかも。
「くそー!まりょくせいぎょ〜!まりょくせいぎょ〜!」
叫んでみる。......何も起こらない。
「ま、りょ、く、せ、い、ぎょ〜!くそー!......はあ。余計喉乾いた。」
何でできないんだ。解せぬ。というか喉乾いた。
「魔力制御も【
サルのときにお世話になった、あのスキルだ。......ん?スキル?
「【魔力制御】......っ!」
できましたー。うぇ~い。のこりMPは3で〜す。うぇ~い。
......本格的に精神が壊れる前に、水を出す。
「確か詠唱は......。【水となりて顕現せよ。
詠唱をすると、目の前に水の玉が浮かぶ。そして......落ちた。
......ここ砂漠。下は砂。ドゥーユーアンダースタンッ?
「貴重なMPが!」
また魔法を使う。今度はちゃんと容器を用意した。転移してきたとき饅頭と一緒にあったお茶のペットボトルだ。MP、君の犠牲は忘れないよ。......数分間は。
そして残りのMPは1。もう魔法は使えない。そんなときに、奴らは来た。
「「「「グルゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!」」」」
勘弁して下さいよー!ハイエナ先輩!もうすぐ夜なんすよー!早く寝床探したいんですよー!わかります?
「「「「ガゥルルルルルルルル!!!!」」」」
アッハイ。逃げたほうが良いっすね。
「クソヤロー!ろくでなしー!」
僕は全力で逃げた。
****************
「つまり、アルフレッド。お前は、魔王以上の存在が何もない砂漠に
「まあ、要するにそうです。」
ここはオアシスの街「フロント」の冒険者ギルド、その2階にあるマスタールーム。俺は、
「にわかには信じられないが......。仮にもAランク冒険者が嘘をつくとは考えられんな。」
「俺もまだ夢を見ているみたいですよ。あんな魔法が存在するなんて......。」
報告相手はギルドマスター。ここのギルドマスターに直接会うのはこれが初めてだ。
「確か魔王以上といったな。......お前の意見で良い。率直に言ってそれを倒すにはどれくらいの戦力が必要だ?」
「......」
耳を疑う。アレを倒す?あれだけの大魔法を操る化け物を?
「いや何、今すぐというわけではない。他の商人の安全の確保のためにも、まずは調査を行う。だから安心してくれ。」
「......わかりました。率直に言います。......あの魔法は地平線の向こう側で放たれたものですが、俺らのパーティーは耐えるので精一杯でした。もう一発放たれるか、それとも、もう少し近かったら......。どちらにせよ、俺らの命はなかったでしょう。Aランクの俺たちでさえこうです。SSランク級になってようやく同じ土俵に上がれる......そういうレベルでしょう。アレは。」
「......」
今度は、ギルドマスターが黙る番だった。
「......アルフレッド。」
「はい。」
「調査隊だが......、お前らに先導を任せたいと思っている。」
「......はい。」
「実力的にも、お前らにしか頼めないんだ。もちろんリスクに見合った報酬は出す。何もいなかったならそれでいい。爆発地点まで調査して帰ってくるだけだ。それに危険だと判断したら、戻ってきても報酬は払う。どうだ?」
「そんなこと言われなくてもやりますよ。......それにどちらにしろ、俺らにしか案内できませんしね。」
「......助かる。」
こうして俺は、マスタールームを出た。1階に降りると、イリスとウッディがいる。
「さて、良い知らせと悪い知らせがある。お前らはどっちを先に聞きたい?」
「ん〜。良い知らせ、かな?」
「同じだ。」
どうやら二人は良い知らせから聞きたいようだ。
「わかった。......良い知らせは、例の魔法の件で調査隊が結成されることになった。調査が終われば帰れる。」
「うぇ~。それって何ヶ月後?」
「早く終われば2週間ほどで帰れる。」
「2週間か〜。」
2週間の宿生活は、かなり懐に響く。一応Aランクのパーティーとはいえ、収入はほとんど食事代と装備代で消えていくのだ。
「悪い知らせは、その調査隊の中心が俺らだということだ。」
「ええ!?聞いてないよ!」
「今決まったことだ。」
調査隊の案内兼護衛。それがギルドマスターから頼まれた仕事だ。
「でも、相手は魔王以上の力の持ち主でしょ?死なない?」
「逃げても良い、とギルマスは言っていた。」
とここで、ずっと黙っていたウッディが口を開く。
「俺らの目的は調査であって討伐ではない。最悪逃げ帰っても報酬は支払われる、そういうことだろ?違うか?」
「違わないな。」
「なら選択肢は一つしか無い。この依頼は受けるしかないだろう。」
「どちらにしろ、な。」
「え?もう決定したの?嘘でしょ?」
若干一名焦っているが、調査しないと帰れないのだから仕方がないことだ。
「だって魔王以上だよ?遠回りしてでも良いから今すぐ帰ろうよ!ねえ、聞いてる?」
その
厄介事の予感?