転生したら厄介事が付きもの 〜お約束に手を出すとロクな事にはなりません〜 作:ち~やん
無心に、崖を登る。疲れて休む。下を見る。ハイエナと目が合う。
......それが、今の僕の状態だ。
「あと少し......!」
そう。あとほんの少しの距離しかない。この台地の頂上までは。何故こんなことをしているかというと、ハイエナに会う⇨逃げる⇨走っても追いつかれそう⇨ならば上だ!ということだ。うん。全然分からん。だが過去の僕は岩の台地の上が一番安全だと判断したようで。そしてもう少しで台地の上だ。安全地帯!ビバ台地!
「はあ、はあ。」
......登りきった。下を見ると、まだハイエナは崖の下でうろちょろしている。......登ってくることはなさそうだ。よかった。
ハイエナが来ないので、寝床の準備をする。集めていた枝を焚き火にし、その隣にマットをひく。実はこのマット、インベントリに入っていた。あの幼女が珍しく気を利かせたのか、マットと枕、毛布、火打ち石、ナイフなどもいつの間にか入っていた。......それと、饅頭はこの野営セットと入れ替わりになくなっていた。饅頭返せってか。神のくせに小さいヤツだ。物理的にもね。
『......』
おっと。本能の部分が危険を感じたので、これ以上考えるのはやめよう。
「はあー。ようやく休める。」
そう、ようやく休める。砂漠に焚き火とか暑くないのかという声が聞こえそうだが、実はこの砂漠、意外と寒い。夜は言わずもがな、昼でさえ暑いと思ったことは一回もないほどだ。
「あー、寒い。お腹空いた。......家帰りたい。」
︙
****************
とまあ、そういう訳で穴に落ちた。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!吐きそう!......あれ?意外と......うっ!だめだ......うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「グチャッ」
衝撃。上がる砂埃に、不愉快な音。
―――〈スキル【痛覚耐性】を入手しました。〉
―――〈スキル【落下耐性】を入手しました。〉
―――〈スキル【気絶耐性】を入手しました。〉
「あたまが......いたい......」
なんか色々スキルが手に入った。でも【痛覚耐性】という名前のスキルがあるのに頭が痛いのはなぜだ。
落ちたのは深さ数十Mはありそうな縦穴。壁を登って出るのは無理そうだ。ていうかもっと低くても無理だけどね。残念。
「ここどこだ......?出口探さないと。......【
......わーお。周辺の地形とか道とかの場所が手に取るようにわかる。......20Mくらい先までは。正直微妙な効果。
「早く洞窟を抜けないとな。またあr......うわぁぁぁぁぁぁ!?」
暗くてよく見えないが、足元に何かいる。でかい。ピクピクしてる。ヤダコレ。
「......【
本日二回目の【
【ダンジョンタランチュラLv30】
[ダンジョンで発生する一般的な低レベルモンスター。Lv10以上の個体は非常にレアで、基本的にダンジョンの奥深くにしかいない。毒を使った攻撃が得意。推奨討伐ランクE〜。]
はい来ました〜謎ワード。ダンジョンってなんだよ!ヘルプさ~ん!
【ダンジョン】
[またの名を迷宮。世界中に存在する古代地下建造物群の総称。内部では常にモンスターが発生し、太古の戦士の訓練場として使われていた可能性がある。なお、ダンジョン内におけるモンスター発生メカニズムやダンジョン自体の自動修復機能は
......まさかねー。確かに上は砂漠だったけど。確かにここはその砂漠の地下だけど。確かにダンジョンのモンスターはいるけど。まさかねー。ハハハ、ないない。
そして3回目。
「【
空間を鑑定した......らしい。
【
[世界最大のダンジョン。一説によると、ダンジョン全体の広さは皇国暦864年時点での攻略総面積の50倍以上はあるといわれている。また、モンスターの質も他のダンジョンより高い傾向にある。]
あー。そういうことか、かんぺきにりかいした。足元でピクピクしていた蜘蛛がようやく死んだようだけど、気にしない。
食糧(?)はハイエナだけ。ここダンジョン。しかも多分人類の未踏領域。やばいなー。
「ほんとどうしよう......。」
ふむ。困った。
ダンジョンです。