転生したら厄介事が付きもの 〜お約束に手を出すとロクな事にはなりません〜   作:ち~やん

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どうもち~やんです。 トカゲの肉はどんな味がするんでしょうか。







第13話 無人ダンジョン生活24時。そんなお話。

 

 

「はい、どうも皆さん!こんばんは!と言っても今が何時かはわかりませんケドね〜。とまあそんなことはさておき、本日のディナーはトカゲ肉のステーキ、デザートはスライムのゼリーになります!どちらも今日!このダンジョンで獲れた!新鮮な食材を使っております!調味料は迷宮グモのスパイスだけですが、その味は一級品!ダンジョンに入ったら一度は食べておきたい一品です!......じゃねーよぉぉぉぉぉ!」

 

 ダンジョンにこだまする声。僕だ。目の前には、焼いたリザードマンの肉。......こんなことになったのには訳がある。そしてそれは、3週間前にさかのぼって......。

 

 

 

 

****************

 

 

 

 

〜3週間前〜

 

 

「ヒャッハー!蜘蛛無双だ〜!ってキモい!」

 

 僕はクモに追われていた。クモといっても体長2M強のダンジョン産モンスター、【ダンジョンタランチュラ】だけど。

 僕は後ろを振り向いて、魔法を唱える。

 

 

「【水となりて顕現せよ!洪水(フラッド)!】」

 

 流されていくクモ達。キモい。......今日はずっとこんな調子だ。

 最初にこのダンジョンに落ちてきたとき、僕はクモを轢き殺してしまった。しかもそれがLv30の大物だったため、今こうして、その配下のクモ達に復讐を受けている。配下といってもLv20を超えている個体も多く、一匹ずつ倒すのはMPの無駄。だから流す。永遠と、トイレのように。だがここはクモ達の縄張り。流されてもすぐ復帰し、近道を通って現れる。......仲間を引き連れて。そうしてねずみ算式に増えていくクモの波を流す。流す。流す。流す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 流す。流す。流す。なが......

 

 

「あれ?」

 

 いつの間にか、クモの群れは消えていた。何時間流し続けていただろう、【魔力超回復(ウルトラマナヒール)】と【疲労無効】のおかげで、気分はトイレのレバー。

 

 

「終わったか......。汗かいた。お風呂入りたい。」

 

 ということで、浴槽を作る。え?ここはダンジョンの中だって?......関係ない。これは土魔法の練習。そう。きっとそうだ。

 

 

「こんなもんか。」

 

 土魔法の技【土操作(ガイアコントロール)】で浴槽を作ると、水魔法で水を張り、熱魔法で温める。即席湯船の完成だ。

 

 

「よっしゃぁぁぁぁ!!お~ふろだ~あ!」

 

 着ている服を脱ぎ捨て、湯船に突入......の前に、体を流す。水魔法で。ちなみにその服装は黒のシャツに黒のズボン、黒の防具に黒のブーツ、それに黒のハーフマント。恐らく転送されたときに作られた憑依体の服だろうが、見事に全身黒ずくめ。怪しい。

 

 

「と〜つげ~き!」

 

 湯船に入った。

 

 

「......」

 

 おおっ!気持ちいい!やっぱり風呂は最高だ!風呂を発明した人に感謝!

 僕が日本人的感動を味わっていると、向こうから何か来た。【走査(スキャン)】をかける。

 

 

【リザードマンLv50】

[トカゲのような鱗に覆われた人型中レベルモンスター。知能が高く、剣を扱うことができる。また、以外にもその肉は美味。推奨討伐ランクC〜]

 

 

 その肉は美味。その肉は美味。その肉は美味。ふむ。そういえばずっと何も食べていない。そして今手元には食糧がない。ここダンジョン。弱肉強食の世界。やっちゃう?やっちゃえ!......何が言いたいのかわかるかね、アンダーソン君。

 

 

「ということで今日の食材はお前じゃボケー!」

 

「ガァッ!?」

 

 湯船の中から炎の矢で攻撃する。リザードマンの頭が一撃で吹き飛ぶ。傷口は焼かれ血は出ない。......我ながら完璧。

 

 10分ほど時間をかけてお風呂を堪能する。その間に2回リザードマンが来たが、どちらも一撃で食材に変わった。

 

 

「ふう。気持ちよかった。というか肉ってどうやって捌けばいいんだろう。」

 

 風呂から上がって着替えていると、肝心なことに気がつく。僕はリザードマンの捌き方なんて知らない。というか多分地球の誰もが知らない。どうしたらいいんだ。

 

 

「ハイエナの肉......は、いつの間にかインベントリに入ってたしなぁ。」

 

 インベントリ。メニューにある謎システム。エネルギー保存の法則が云々みたいな理由で、そんなものは実現できないはずなんだけど。......あ、だから謎システムなのか。メニュー。

 

 

「......ん?メニュー?」

 

 そういえばメニューにはまだ項目があったはずだ。ログ、アイテム合成、ショップ、設定。......この4つの項目は、まだチェックしていない。とりあえず邪魔なリザードマンをインベントリにしまい、アイテム合成の画面を開く。

 

 

[アイテム合成メニュー]

〈調合〉

〈料理〉

〈強化〉

〈進化〉

〈新アイテム製造〉

 

 

 あった。他に聞き捨てならない単語がいくつかあるが、今は放置。迷わず料理の画面を開いた。

 

 

[料理メニュー]

〈所持材料〉

【真水】

【デバスターズの肉×5】

【リザードマンの死体×3】

 

〈完成品〉

【リザードマンの肉×1】(リザードマンの死体×1)

 

 

 えーと。こんな簡単でいいの?え?いいって?へーそうなんだー。

 

 

「ぽちっとな。」

 

 完成した。リザードマンの肉。

 

 

「火で炙るか〜。塩も胡椒もないけど。」

 

 そして焼くのはもちろん火魔法で。どんな異世界菌が潜んでいるかわからないので、念入りに焼く。そして、できた。リザードマンの厚ステーキ(スパイス無し、ソース無し)が。

 

 

「ごくり。」

 

 異世界初のまともな食事を口に持っていく。手づかみだが、誰も見ていないから行儀なんか関係ない。そしてその味は......

 

 

「普通」

 

 普通だった。よく考えたら、味付けも何もしていない肉が美味しいわけがなかった。

 

 

「でもこれでいいや。」

 

 量だけはあるので、お腹に入るだけ詰め込む。......こうして、異世界初のまともな食事は微妙な結果に終わった。

 

 

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