転生したら厄介事が付きもの 〜お約束に手を出すとロクな事にはなりません〜 作:ち~やん
〜26日目〜
「ん??」
曲がり角を曲がると、そこは大部屋だった。が、そこは問題じゃない。
『よくぞここまでたどり着いた。ここまで来た人間はお前が初めてだ。歓迎しよう』
「......」
......何かいた。
そいつは人間の男のような格好で、額からは2本の角が出ている。でも、問題はそこでもない。
『私はこのダンジョンの支配者、マグヌスだ。どうした?恐怖で言葉も出な......』
「ようやく人に会えた!」
『えっ。』
「え?」
沈黙。
こっちは一ヶ月ぶりの会話だというのに。もう少し空気を読んで、何か喋ってくれ。
というか、なんで出口に来たはずなのに行き止まりに......ん?少し離れたところの床に、光る魔法陣らしきものが掘られている。
『......ここまで一人で来た勇気と実力は褒めてやろう。だがそれで負けるほど私は弱くないぞ。』
「......」
おかしい。絶対おかしい。【
『無視......か。私などとは話すだけ無駄だとでも言うのか?良かろう。それならばわからせてやろう。ここがお前の墓場だとな。』
「......」
あの転送陣らしきものに乗れば外に出られると、そういうことかもしれない。ならば、起動してるっぽいし早くアレに乗って帰ろう。
『......』
「......」
『死ね!【
「ええっ!?」
なんか「死ね」って言われた......。じゃなくて、地面から何かいっぱい生えてきた。
『我がゴーレムの最初の餌食になるが良い!』
「うわ!」
攻撃してきた。何だアイツ。角生えてるし。
「変な角。」
『変な角?変......変......』
なんか急に黙った。怒らせた?
『生意気な。やれ、ゴーレム共。......それと我が角は変ではない。』
「うわ!」
どうやらあのゴーレム達、強いらしい。敵だよね?......嫌だわー。
「【炎となって顕現せよ。
炎の弾が目にも止まらない速さでゴーレムに当たって......弾かれた。
『はっ!私のゴーレムに魔法は効かない。』
......らしい。一人称が「私」に戻ってるし、機嫌なおった?......じゃなくて。魔法が効かないならつまり、そういうことだ。僕の攻撃手段は魔法しかないわけだし。あ、これやばいやつだ。
「うわわわわ!」
ゴーレムのパンチを危機一髪で躱す。そしてさっきまで僕が立っていた地面は割れている。当たったら死にそうだ。
『その程度か。残念だ。私の最初の獲物がこんなにも弱いとは。』
「獲物って!話せばわか......グハッ!!」
当たった。体が熱くなる。意識を手放しそうになるが、スキルの効果か何とか踏みとどまった。
慌ててHPを確認する。残り394。一撃でおよそ半分が削られた。不味い。
「やばいやばいやばい!」
魔法は効かない。何か使えるスキルはないか?......【
「グフッ!!」
喰らった。地面に倒れる。体が熱い。動かせない。......でもまだ生きているみたいだ。
『命乞いもなしか。つまらないな。せいぜい自分の弱さを呪うといい。』
痛くてしゃべれないんだよ!......ああ、クソ。ここで死ぬのか?こんなところで?こんなに突然?まだ人にも会っていないのに?......本当にもう策が無いのか?
『やれ。ゴーレム。』
いや、まだある。使っていないスキルが2つある。
そんなことを考えている間にもゴーレムの足は振り落とされる。そして......
「......【オーディン】。それと、【解放】。」
『何っ!?』
その
『ゴーレム!止めろ!』
ゴーレムが横からパンチを繰り出してきた。そして吹き飛ばされた。......ゴーレムが。
『な、何!?っ!来るな!【
数え切れないほどのゴーレムが出現する。しかしそれらは一瞬で破壊された。否、破壊した。男が叫び声を上げるが、無視して進む。そして。
転送陣に乗った。体がゆっくりと、眩い光に包まれる。
刹那、視界が暗転した。
脱出!