転生したら厄介事が付きもの 〜お約束に手を出すとロクな事にはなりません〜 作:ち~やん
【魔力体】
[魔力で構成された身体。一般には体の一部が破損した際の代替構成体として知られているが事例は少なく、今までに確認されているのは3個体のみである。理論上、体の構成を全て魔力に置き換えるには本体が精神体である必要がある。この場合、魔力体の出現と消失は任意である。また、魔力体の構造も任意に変化させることができる。]
魔力体についてヘルプさんを引くと、こんなことが書いてあった。つまり僕の場合は精神体なので、全身が魔力体でも大丈夫らしい。
さらに「構造は任意」だという。
「構造が任意ってことは......やっぱり元に戻れる!?」
ということで、さっそく体を弄ってみる。......いやらしい意味じゃないからね?
「ここをこうして......。いや、【魔力感知】を使うのか。」
スキルの【魔力感知】を意識してみると、できそうだ。体を構成する魔力が徐々に散っていき、体が薄くなる。そしてその魔力は再び集い、別の体を構成していく。
「あ......。戻った......。」
やったね!成功だ!案外簡単に戻れた。
「これで体の方の問題は解決か。」
ようやく体が元に戻ったところで、どっと疲れが押し寄せてきた。だけど、まだ確認することがある。メニュー画面のまだ見ていない項目だ。砂漠の時からずっと放置している。まずは【ログ】の項目から。
「ここを開いて......ん?」
【ログ】
〈称号【ドラゴンスレイヤー】を入手しました。〉
〈固有名:利上 優Lv59が、利上 優Lv63に進化しました。〉
〈固有名:利上 優Lv58が、利上 優Lv59に進化しました。〉
〈固有名:利上 優Lv57が、利上 優Lv58に進化しました。〉
〈称号【ゴブリンの敵】を入手しました。〉
〈称号【ゴブリンハンター】を入手しました。〉
〈称号【ワイバーン殺し】を入手しました。〉
〈称号【ゴブリン殺し】を入手しました。〉
〈称号【ゴーレムハンター】を入手しました。〉
〈称号【生還者】を入手しました。〉
︙
......なんか色々出てきた。どうやら【ログ】は、あの謎の天の声の内容と同じらしい。じゃあ天の声いらないじゃん......と思ったのは黙っておこう。
「次は......【アイテム合成】か。」
妙にソシャゲ臭の強いこの項目。......神界でもゲームってあるのか。今度あの幼女に会ったら聞いてみよう。
閑話休題、【アイテム合成】を開く。
【アイテム合成】
〈合成〉
〈調理〉
〈錬成〉
〈強化〉
〈進化〉
注意:合成されたアイテムは失われます。
おぅふ。調理て!調理て!......大事なことだからもう一回言う。〈調理〉って何!?ヘルプ様!
【調理(合成)】
[インベントリ内のアイテムを調理することができるメニュー機能。手軽だが、その中身は神界や異界の調理法も取り入れた斬新かつ新鮮な料理となっている。]
......ああ、うん。そうなんだ。へぇ~。......あの地獄のダンジョン生活は一体何だったんだろう。なんだか悲しい気持ちになる。
それと【アイテム合成】の他の機能で、インベントリ内のアイテムを強化したり進化したりすることができるらしい。やっぱりこのメニューもチート臭がすごい。
「ふあぁ。もう夜中だな。寝るか。」
余談だけど、この世界に来てからまだ一度も時計を見ていない。だけど現在時刻はわかる。実はダンジョンの中にいるとき、昼か夜かわからなくて困っていたら、急にメニュー画面に時間が表示されるようになった。どうやらこのメニュー、必要に応じてどんどんアップデートされるみたいだ。ちなみにこの星も一日二十四時間らしい。......とまあそんなわけで今の時間はAM1:00。つまり眠い。ということで寝ることにしたわけだ。
「おやすみなさい。」
ああ......!長らくダンジョンの床の上で寝てたせいか、ガサガサで硬いファンタジークオリティのベッドでもよく眠れそう......!あのおっさん、マルスには感謝しなZzz......。
****************
コンコン。部屋に響くノックの音。
「スグルさん、もう起きてますか?」
「むにゃ。......うん?」
誰かに名前を呼ばれて目が覚めた。女性の声だ。......ああ、あの秘書の人ね。
「んー、起き......あ。」
幼女形態しか知らない秘書の人の前にこの格好で行ったらまずい。この世界の人には転生のことは隠したい。無駄な混乱もない方がいいし。
「【魔力感知】。」
よし、幼女形態に戻った。変身成功だ!
「起きてます。あ、入ってください。」
とりあえず部屋に招き入れる。
「それでは。主人が呼んでいるので商会に来てもらってもよろしいですか?それと......朝食はもう?」
「まだです。......まだです。」
即答した。昨日まではずっとトカゲ肉しか食べてなかったし、そろそろ文明的な食事がしたい。
「そ、そうですか。では朝食は用意させるので......今からでも大丈夫ですか?」
「あ、はい。」
どうやら今から行けと。昨日の話の続きかな?そういえばこの世界に来てどう生きるとか、そういうのも何も決めてないし、今後のことは早めに決めておかないといけない。
「じゃあ下へ。」
「下?......あ。」
「?」
下といえば確か酒場のようなところで、筋骨隆々、鎧防具を身に着けた男女がうじゃうじゃいる危険地帯だったはず。
「あの。」
「何でしょう?」
「下ってなんなんですか?」
「?下は酒場ですよ?来るときに通りませんでしたか?」
いやそれは知ってるよ?見ればわかるし。どちらかというと客の方のことを質問したかった。今階段を降りているところだから手遅れだけどね。
「あの。あの人たちは?」
酒場が見えてきたところで、秘書の人に訊いた。
「冒険者ですけど......。まさか、初めて見たんですか?」
「冒険者!?」
......色々とボロが出てる感があるけど、気にしない。それより冒険者って何!?