Sub-tribe Stratos   作:ダンディー

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時間が空いてしまいました。描写も結構荒いかもしれません。
最近は忙しいのであまり更新できませんが、期待せずに待っていただければ幸いです。


あと、要望などあれば、いつでも教えてください


第6話

 一夏VSセシリア。結果はセシリアの勝利となった。初めはセシリアが大幅なリードをしていたが、途中から動きの良くなった一夏が一転攻勢に出る。まさかの逆転勝ちかと思いきや、途中で一夏のIS、白式がエネルギー切れを起こし、セシリアの勝利となった。

 

「やるな……一夏」

 世界初の男性IS操縦者の対戦は、大喝采の中に終わった。だが、次は自分の番。ジルードは気を引き締めると、自分に割り当てられているピットへと急いだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「頼んだぞ……『リムドブルム』」

 ピットの中で、ジルードは指輪の形をしたISに語りかける。それに呼応するようにISが展開され、臙脂色の龍がピットから飛び出した。ピットから出て、静かだったピットの中とは一転、耳を塞ぎたくなるような歓声がこだましていた。そして、正面にはシールドエネルギーを回復したセシリアのIS、ブルーティアーズが立ちはだかる。セシリアはジルードを睨みつけていた。

「……貴方は、命を選ぶことはできないと仰いましたね?」

「そうだ」

「望まない境遇で、望まない立場で、望まないことをやならなくてはならない………それは選ぶことができない故でしょうか?」

 セシリアの目には、わずかに涙が見て取れた。先ほどの試合で一夏に追い詰められたことか、それとも別の理由か、涙の理由はジルードにはわからない。

「わたくしには、分かりませんわ。自分がどうすべきなのか。今までの自分の行動は正しかったのか」

「それは、誰かに正しいと認めて欲しいということなのか?」

「………」

「悪いが、私には人間にとっての善悪や正誤などはわからない。だが、自分の行動が正しかったのか。それは、自分自身が決めること。私はそう思っている」

「……?」

 人間にとって、という言葉に、セシリアは違和感を感じた。だが、聞き質す暇もなくジルードは話し続けた。

「胸を張れ、セシリア・オルコット。己が正しいと思って進んだ道が、お前の人生だ。他の誰にも真似できない、セシリア・オルコットにしか歩めない人生だ」

「………」

「……喋りすぎたか。さあ、始めよう」

 話を切り、応戦の姿勢を見せるジルード。フルアーマーのために表情は見えないが、少しだけ表情が強張っていた。当然のことではあるが、ISのキャリアはセシリアの方が上である。勝てるかは全くの不明であるが、勝負である以上ジルードも手を抜くつもりは無い。

『それでは、クラス代表決定戦二戦目、開始!』

 

「遠距離専門ならば……」

 セシリアの手の内はもう分かっている。ジルードは近接武器のハルバードを展開すると、一気にセシリアとの距離を詰める。

「………」

 だが、セシリアはその場から動かず、ハルバードの届く位置になっても後退しない。先ほどの試合からは考えられない行動である。が、ジルードがハルバードを振り上げた瞬間、その腹部にライフルが突きつけられた。

「なっ」

 無防備な状態で接射を食らったジルードは衝撃に耐え切れず、数mほど後方に吹き飛ばされた。体を回転させて体勢を立て直したのも束の間、今度はビットレーザーによる追撃が行なわれる。ISの操縦に慣れていないジルードは一夏同様に、危なっかしい動きで攻撃を躱していく。ただ、一夏とは全く違う点が一つある。それは、移動速度である。

 一夏は躱しながらも幾らかの攻撃が命中し、シールドエネルギーが削られていった。セシリアはその時と同じ感覚で追撃を行なっているのだが、ジルードの移動速度が速すぎるせいで、初めの接射以外が命中しない。

「なんとかしなければな」

 このまま逃げ続けることも可能ではあるが、試合には制限時間が存在し、時間切れになれば、シールドエネルギーが多く残っている方の勝利となる。勝利するためには、接射によるダメージ以上の攻撃をセシリアに当てる必要がある。ジルードは誘導レーザーが搭載された盾、セルーションを展開。盾で身を守りながらレーザーを発射しながらセシリアに接近する。

 セシリアは追跡してくるレーザーから距離を取りながら、ビットレーザーでジルードの接近を妨げようとするが、盾によって守られているために直撃はしない。

 

 

 

 

 

 それから三十秒ほど鬼ごっこをすることになったのだが、セシリアが意地を見せて近距離でミサイルと叩き込む。それによって動きが止まってしまったジルードの背後には、ブルーティアーズのビットレーザーがスタンバイしていた。

「後ろかっ」

 寸前で気が付いたものの、レーザーは無慈悲にも照射される。こうなったら一か八か。そういう思いでジルードはゲイルウィングを展開した。六つの翼が赤く光り、周囲に空気を限界まで圧縮した衝撃波を放出する。範囲こそ狭いものの、空間が歪んでしまうほどの衝撃波によって、レーザーの軌道がずれ、直撃するものはなかった。

 

 セシリアは苛立っていた。自分の思っていたように攻撃が当たらない。先ほど一夏と戦った時とはまた違う、自分への苛立ち。自分は一夏よりもISの経験がない相手に、どうしてここまで手こずっているのか。今まで自分が誇ってきた技術はその程度のものなのか。

 もっと敵を追いつめなければ。もっと高い技術で、高いレベルで敵を倒さなければ。その考え方が、セシリア自身の勝機を遠ざけていることに気がつかないまま、彼女は再び距離を取る。

 

「わたくしは……強くあらねば」

 スコープを覗き込んで、照準を合わせる。中心にジルードの心臓部を合わせ、引き金を引く。それもゲイルウィングによって軌道が逸らされ、ジルードに直撃しない。それどころか、じわじわと接近してきているように感じる。

 まだ使っていない武装は、近距離武装であるインターセプター、言うなればナイフである。しかし、ブルーティアーズの真価は遠距離武装の充実と汎用性。故に、近距離武装を軽視しているセシリアは、展開中のビットレーザーとライフルで対応しようとしていた。

 

 

 

 一方ジルードは、ゲイルウィングを展開したまま行動を起こしていなかった。原因は一つ。知らない声が頭の中に直接話しかけてきたからだ。

『貴方の翼を貸して。そうしたら、あの人を倒せる』

 その声がどこから聞こえてくるのかはわからないが、何が言いたいのかは不思議と理解できた。

「………」

『私は貴方の翼。でも、私の翼だけでは、貴方も一緒に連れて行くには重たいな』

「…それほど太っているわけではないはずだが」

 思わずそんなツッコミが口から出た。まだ余裕がある証拠である。

 

 ならば、やってやろうではないか。次の瞬間、リムドブルムの背中から、全く別の翼が一対生えてきた。紛れもない、ジルード自身の翼。それだけはISとは違って生物的な動きをしている。明らかにおかしい状況に、会場は騒然となった。対面しているセシリアもそんな動きは予想していなかったのか、出そうになる声を抑えていた。

「体が軽いな」

『それはもちろんです。私たち二人分の翼で、一人分の体を動かすのですから』

 誰かと会話をしながら、ジルードはゲイルウィングを解除して高速移動を開始。しかし、先ほどとは速度が全く違う。さっきまでの速度を100とするならば、現在の速度は500。ただでさえ早い動きが、ISのレーダーを使っても目視できるかどうか。

 セシリアはなんとか狙い撃とうと全方位を隈なく把握しようとするが、相手が早すぎる為に照準なんて合わせている暇がない。手の届く範囲にまで接近されても、反応が遅れるのは必至。

 

「え?」

 ブルーティアーズのハイパーセンサーが、自機の真後ろを指す。次の瞬間には、巨大なハルバードが背中に振り下ろされていた。

 

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