転生したら悪魔!?〜〜平和に暮らすために頑張ります〜〜 作:転スラ最高
俺は爺ちゃんと二人、誰も寄り付かないような深い森の奥で暮らしていた。
と言っても、血は繋がっていない。人の手のつかない獣道で赤子が泣いていたのを、爺ちゃんが拾って育ててくれたのだ。
俺が数えて5歳ぐらいになった時、爺ちゃんとの稽古が始まった。
幼い俺にも容赦なく、指導は行われた。
早朝の型の稽古から、昼までの森を自由に駆け回る走り込み。走り込みは、後ろに爺ちゃんが追いかけてきて、背中を触られたらダメ。
昼食を食べた後は、爺ちゃんとの組手。互いに木槍を手に持ちやるのだが、爺ちゃんは滅法強い。俺が一突かする間に、五回は突かれる。
夜は、身体の柔軟と瞑想。柔軟は、爺ちゃんに身体を引っ張ってもらうのだが、それはもう堪らなく痛い。身体が引き裂かれると何度も思った。瞑想も、精神集中を言われるが眠気が襲ってくる。寝ようものなら、叩き起こされる。しかし、子供なのだから仕方ないではないかと、理不尽を恨んだ。
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稽古が始まってから、七年が経った。
「足腰が甘い。腰をもっと低くし構えろ」
「はい」
12歳くらいになり、身体能力も上がった。
朝は、型の確認から始まり、昼までの走り込みは、木の上なども使うようになった。
昼の爺ちゃんとの組手は、激しさを増し、顔や体に傷なども目立つようになった。
しかし、未だ爺ちゃんから1本を取れたことはない、それどころか、擦りもしない。
化け物すぎるだろ、と心の中で愚痴ると、何故か察知され拳骨される。
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稽古が始まってから十五年の月日が流れた。
「儂はここまでじゃな」
「爺ちゃん…」
「お前と過ごした二十年は、今までにないほど充実していた。儂は、覚悟していた。五十と三十ほどに道を窮めた槍術を、誰に教えることなく、孤独に死ぬことを…。しかし、そんな時にお前は現れた、現れてくれた」
ゆっくりと、ゆっくりと、自らに聞かせるように語る。
「幼い頃から、一日たりとも修練を欠かさず、ひたすら前へと進み、儂の期待に応えてくれた。いや、期待以上だった。まさか、十年にして儂が窮めた地点まで到達するとはな…」
俺も、覚えている。
十年が経ち、少し寒かなってきた時に、俺は爺ちゃんから1本を取り、免許皆伝を言い渡された。
「お前の才能は、天賦のものだ。しかし、器とは磨き続けなければならない。己の力に満足せず、日々努力せよ」
「わかったよ、爺ちゃん。俺、これからも頑張るから。満足なんてしない。遥かなる先、頂の彼方へ届いてみせる」
「そうか…。ならば、安心じゃな」
そして、静か息をひきとった。
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それから、さらに九十年の歳月が流れた。
俺は、もう百を超えた。
爺ちゃんとの約束を守り、日々努力を重ねた。
一度に繰り出せる突きは百を超え、一里ほどならば一瞬で距離を詰められるようになった。
しかし、寄る年波には勝てない。
「我が道、此処に尽きるか…」
こうして、男の生涯は幕を下ろした。
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かと、思われた。
人の身にして、道を窮め、頂の彼方へと至った男の魂は、異世界に渡っても、自我を保ち、さらにそこから精神世界へと行き着いた。
そこは、修羅の世界、強さこそが絶対のルールで、戦いに楽しみを見出す、悪魔たちの国。
槍聖は、悪魔へと転生した。