「何が皆の楽園だ・・・俺らにとっては地獄みてぇなもんじゃねぇか・・・何が「お前みたいに身分の低い奴にやる食い物はねぇ」だ・・・巫山戯やがって・・・」
男の声が暗闇に響く。そこは何も見えない闇の中。ただ5人の瞳が妖しく、そして恐ろしく光っている。
「所詮、そんなもんだよ。私達もそうだったもん。ねぇ、青華?」
「えぇ、私はこの尻尾のせいで・・・何の為にここに来たのか分かりゃしない・・・」
青華と呼ばれた女が自分の背後にある9本の尻尾をさすりながら憎しみがこもった声で答えた。
「茜は貴女はやっぱりその翼?」
青華は自分に話を振った女、茜に尋ねた。
「あぁ、妖怪の山とかいう場所に行ってみたんだけど「お前の様な醜い翼を生やした天狗はここにはいない」だってさ。そいつのが翼汚かったよ。自分のことを棚に上げて話すなんて気に食わないったらありゃしないよ。」
茜は呆れつつ自分に言われたことを他の者達に言った。
「お前はどうだ?楓季」
「俺は種族について・・・だな。人里の奴等俺の種族を知った途端、害悪みたいに罵ってきたよ。へっ、分かりきってはいたことだが、能力も持ってない様な奴等に言われる筋合いはねぇと思うんだよな。」
楓季の声は他の3人とは違っていた。憎しみや呆れなどといった物は感じられなかった。ただ、諦めている様なそんな口調だった。最初に話し出した男、夏威がずっと4人の話を聞いていた最後の1人、芽瑠に「お前は何があった?」聞いた。
「ん? 私?私はこの見た目と流れてる血だね。どうやらこの幻想郷には私みたいに人形族はいないみたい。ましてや獣族の血も流れてる私は特に・・・ね。」
そう芽瑠は夏威からの質問に答えた。芽瑠の返答に他の4人は納得していた。
「お前はこの世界でも言われたのか・・・。これじゃあホント何の為にわざわざ幻想入りしたか分かったもんじゃねぇな。とりあえず今夜はもうやめだ。幻想郷が俺等を見放したことはよく分かった。また明日、ここに来てどうするか決めよう。」
楓季の声が聞こえた。その声はさっきとは違う、怒気を放っていた。
「了解」
残りの4人の声と共に今宵の集会は幕を閉じた。
「ねぇ、私の考え・・・聞いてくれない?」
次の晩、まず現われたのは青華の声だった。
「ここは全てを受け入れる場所、そう聞いたから来たけど・・・全然違った。この偽りの楽園は私達を拒んでいる。なら・・・認められないなら・・・私達が新たな楽園を築こうよ。私達を拒む奴等は皆消して・・・私達だけの楽園を築かない?」
青華の声はまだ憎しみもあったが、それとは別の感情もあった。その感情が何かは他の4人は分かれなかったが、明るい感情であることは分かった。
「幻想狩り・・・ってことか・・・いいじゃん。俺は俺達の楽園築きたいね。それで皆が笑顔になるんなら俺はその意見に乗る。」
青華の意見にまず食いついたのが楓季だった。楓季が賛成すると、残りの3人も賛成し出す。
「幻想狩りか・・・なんかいい!でもそれを為し遂げるには戦力がいるな。」
「戦力調達は私に任せて。丁度いい感じの能力、借りさせてもらったしね。ふふっ楽しみになってきた!」
夏威の戦力という不安は茜の能力によって解決した。どうやら夏威も茜も乗り気になった様だ。
「じゃあ俺と夏威は幻想郷の地形を探る。俺達に不利な所で戦うなんてまっぴらだからな。勿論やるよな?夏威」
「当たり前だ!俺は北と東を、お前は西と南をやれ!」
楓季と夏威が早速自分達の担当の作戦を練っている。
「じゃあ私はここら辺に皆を守る屋敷か城でも建てるよ。私の生み出す式神達ならこんなこと一晩で終わる。」
そう言ったのは幻想狩りを提案した青華だ。今の青華の声には一切の憎しみの感情はない。
「・・・私は強い奴等とかの調査、及び排除をしていく。少し時間はかかるかもしれないけど、それでも私の結界で皆倒すよ。」
最後に自分のやることを言ったのは芽瑠だった。芽瑠は少し不安の声だったが、能力をフル稼働させれば勝てるだろう。
「それじゃあ、偽りの楽園を削除し、新たな楽園を造る・・・幻想狩りの開始だ・・・!」
この晩、最後に聞こえたのは夏威の幻想狩り幕開けの声だった。
お久しぶりですね、白猫時計です。今回書いたのは私の脳味噌をフル稼働して作った小説となります。まだまだ他の方とは比べれない様な完成度の低いものですがどうかこれからも読んでいただけると中の人が凄い喜びます。
今回出てきたオリキャラは
・夏威(かい)
・茜(あかね)
・青華(せいか)
・楓季(ふうき)
・芽瑠(める)
の5人です。名前、覚えてもらえると嬉しいですね。
そして、これは連絡ですが「人形少女」は中の人が執筆してる時気分が悪くなったので打ち切ります。「降星異変」の方は少しずつではありますが書いていますので、もう暫くお待ちください。
それではまた次回会いましょう!