「・・・あれ? 私・・・影に・・・なって・・・ない?」
紫は目を覚ますと、自分の身体に変化がないか確認した。いつも見慣れている手足、服装、池に映る自分の顔にも何も変化がない。ただ、疲れが見える。
「あの狐は・・・一体何処に行ったのかしら・・・?」
「教えてあげる・・・貴女が言ってる・・・その狐の居場所・・・」
振り返ると見知らぬ女が笑みを浮かべて立っていた・・・
時は午後11時を回る頃。ここはどこかの森の中。男と女が1人ずつ。真顔で歩いている。この2人はどうやら・・・
「ん〜っと?・・・何処だここ・・・」
「・・・は!? お前頼りだったのにそれはねえだろ! つか、いい歳して迷子かよ俺ら!」
「知らんわそんなの! てか私悪くないじゃん! この地図作ったのあんたじゃん! なんで私が責められなきゃいかんのだ! つか、眠い! 早く帰りたい!」
迷子になって揉めているようだ。いつもの事ながらこの2人は凄く騒がしい。
男は深緑のパーカーに黒い七分丈のズボンを履き、銀色の髪が月明かりに照らされている。女の方は、白いブラウスに薄紫のスカートを履いている。胸の辺りまで伸びた僅かながら紫を帯びた茶色の髪は後ろでひとつに縛られている。
「お前らだーれ? ここになんの用? しかもこんな時間に。」
「・・・!? 誰だ!?」
「え? どうしたの? そこに誰かいるの?」
いきなり聞こえた男の声に銀髪の男が反応するが、女は何が起きたか分からない。
「お前の目を頼らしてもらうぞ。ここじゃ人間の目より猫目のが使える。」
「わ、分かっt・・・・・・誰が猫だこの野郎! 猫って言うなっていつも言ってるでしょ!」
「お前らだって俺のことポン酢って言ってるじゃねぇか! それと一緒だわ!」
「全然違う!」
「・・・・・・俺いないことにされてない・・・これ・・・」
「されてないと思うぞ。それに俺らはいつもこんなんだぞ?それより早く出てきたらどうだ? そんなとこに隠れてないで・・・さっ!」
銀髪が近くの草むらに向けてナイフを投げる。手応えはない。正面を向いたら何かのシルエットが見える。雲の影に隠れてちゃんとは見えない。
「・・・お嬢ちゃん、君はいい能力を持っているねぇ。俺もそんな能力が欲しいよ。なぁ、くれねぇか? ちゃんと代価って奴は払うからよ。」
「はぁ?何言・・・」
何言ってるの? そう言おうとした女はバタッと倒れる。
「!? 茜! どうした!? おい!」
「お前の能力、頂いた。代価は・・・そうだな〜・・・お前らが成し遂げようとしてる事、手伝ってやるよ。5人で幻想郷を作り直すとか正直ムズいからな。」
男がシシシッと笑いながら言う。雲が動き、影が薄れて男の姿がちゃんと見える様になった。肩に付くか付かない程度の蒼い髪、丈の長い紺色の上着と白いシャツを着て、黒いズボンを履いている。
「・・・分かった。協力してくれんだな。とりあえず自己紹介だ。俺は夏威。お前が何かして倒れさせた此奴が茜。」
「夏威と茜ね・・・俺は狂華。んで、他の3人は今何処にいるんだ?」
「ここではなんだ。近くに俺達の家があるからそこに行くぞ。」
「はいよ。」
そう言って夏威は茜を背負いながら、狂華はその隣で口笛を吹きながら夜の森を歩いていった。
約1ヶ月ぶり(?)ですね。残りの幻想狩り執行者と新キャラ2人登場です。狂華さんは性格が破天荒とのことらしいんですけど、調べたら「前人が成し得なかったことを行うこと」らしいです。知りませんでしたよ。だから、少し性格が変わるかもですね。あはは・・・(苦笑)
次回もモチベ保って書けるようやります。