~国会~
公共放送局が義務的に放送している国会中継、普段は低視聴率で面白味の欠ける番組であるが、今日はそうではなかった。何故なら、某巨大掲示板サイトに特地の参考人が招かれると書き込みが在った事をきっかけに開局一番の最高視聴率に達したのである。
入場してきた龍人、リオレウス、リオレイア、レレイ、テュカ、ロゥリィの姿に場はざわめいた。
質疑応答は野党側の女性議員・幸原みずきから始まった。
その質問は悪辣で、炎龍の襲撃の際に出た死傷者数だけを取り上げ、完全に自衛隊の挙げ足取りに専念している。
レレイは特に問題なく終えた、テュカはその場では気を失っていた為に分からないと答えた。そしてロゥリィの名前が挙がった。議員はロゥリィの姿を見て、喪服だと思ったらしい。そしてロゥリィは……
「あなた、おばかぁ?」
と日本語で言った。マイクで音が大きくなり、会場に声が響く。
「今……なんと?」
「あなたはおバカさんですかぁ?って訊いたのよぉ……お嬢ちゃん」
「おじょ……失礼ですね!馬鹿とはなんですか!?」
龍人はそれを聞いて笑いを堪えている様だ。
「おバカな質問……繰り返すしか能がないのかしらぁ?イタミ達は誰にも出来ない事をやり遂げたわぁ。
四分の一がなくなった?違う、本来なら全滅していた筈なのに炎龍から四分の三も救ったのよぉ。この言葉の意味が分からない元老院議員ばかりじゃこの国の兵士も苦労しているでしょうねぇ」
「お嬢ちゃん、大人に対する礼儀がなってないようなぇ……其方の世界の文化がどうかは知らないですが、この国では年長者は敬うものです」
「へぇ………」
ロゥリィの唇の色が変わり、ハルバートを包んでいる布を解こうとする。
「よっと……お前の奇跡は刺激的過ぎるんだよ」
何時の間にか龍人がロゥリィを抱えていた。
「伊丹、説明宜しく」
ロゥリィを抱えたまま、彼は席の方に彼女を運ぶ。伊丹が説明を始めた。ロゥリィは961歳、テュカが165歳と言われた事で場が更にざわめき出す。レレイが15歳という事で場はホッとした。
そして、レレイがそれぞれの種族について語り出した。それを聞いて議員は唖然としていたのは言うまでもない。そして質疑応答が大臣へと変わった。
「では次に、狩矢 龍人参考人」
次に龍人が呼ばれる、彼は立ち上がるとマイクの前に立つ。その後ろには勿論、リオレウスとリオレイアが同行した。
「では貴方の事について教えて貰いたいのですが」
「名は狩矢 龍人。名から察する様に日本人だ………っと言ってもそっちのロゥリィやテュカみたいに見た目と年齢は一致しないよ」
「おっ御幾つですか?」
「途中から数えるのが面倒になったから正確ではないけど………まぁ………地球よりは長生きしてるよ」
「「「えっ?」」」
「世界誕生の時からいるから………軽く1亰は越えてるかな?」
「「「せっ世界誕生?!」」」
「あぁ、勘違いの無い様に言っておくけどこの宇宙ではないよ。
俺の言う世界とはこの宇宙を含めた、全て宇宙の事だよ」
「???」
この場にいる者達全てがそれを理解できていない。当然だ、誰にもそんな事は想像できはしない。
「世界を1つの器と考えて貰おう。そしてその器の中には無数のビー玉が入っているとしよう。その1つ、1つがそれぞれの宇宙。この宇宙もそんな中の1つだ、まぁ俺もこの世界に幾つの宇宙があるかは把握してないけど………多過ぎて把握できてないからだが」
皆はもう何がなんなのか理解が追いついていない。
「なっ何故、貴方はその様な事を知って……いぇ、その世界誕生とは」
「元々は違う世界にいたんだが、とある理由で俺はこの世界に来た。この世界の始原……所謂、無という状態の時だ。そこで俺は世界を始める為に力を使い、世界を始めた」
「せっ世界を始めた?!」
「(まぁ神からその力を貰ったと言うのは説明が面倒だから言わないけど)
それで、何万年かは眠りに付いていた。ある程度宇宙が誕生した時に目覚めて、それから色んな宇宙を旅して、最終的にお前達が特地と呼ぶ星の環境が気に入ったから棲みついた。
(まぁ元々、星が出来た段階で古龍達が環境を整えてくれてたんだけどね)」
あまりの衝撃的な彼の発言に場は唖然とする。
なんせ彼の言っている事が全て事実であるならば、この宇宙を始めとする宇宙……強いては世界の創造主とも言える存在なのだから。
「でっでは……あっ貴方は……いや貴方様は造物主様と言う事でしょうか?」
「ぁ~どの宇宙でもそう言われるけど、俺はあくまで切っ掛けで、後は偶発的にそれぞれの宇宙が誕生しただけだ。そんな御大層な存在じゃない。それで他には?」
「えっ……えっと……その……」
龍人の語った事があまりに驚愕過ぎて大臣は頭が回ってない様だ。
「じゃあ、次に後ろの子達の事を紹介しようか。銀髪の方がリオレウス、金髪の方がリオレイア、多分何かで知っているとは思うが、銀座の時の際の龍達だ。
彼女達の力は見た通りだ。彼女達を1人倒すなら、核ミサイルを数発纏めて喰らわせることだ……まぁ、そんな事したら向こう何百年からその土地に住めなくなるだろうけどな………信じられないなら此処で龍の姿に」
「いっいぇ!大丈夫です!」
大臣は流石にこの場でそんな事をされれば大変な事になると思った為にそう言った。
「そう………あぁ、そうだ。この中継を見ているであろう、各国のトップの皆さん。この場にいる人達もそうだろうけど、突然の事で驚いただろう?」
龍人は近くのカメラに向かってそう言った。
「君達も向こうの資源が欲しいだろうけどあんまり力ずくで事を起こそうとしないで貰おうか。俺は争うのも嫌いではないが、無駄に命は奪いたくないんでね………もししようとするならそれ相応の対応を取らせて貰う」
そう言い終えると、彼は視線を大臣の方へと向けた。
「……以上だ。何か質問があれば答えるが?」
「いっいぇ、もう十分です。ありがとうございました」
こうして質疑応答は終了した。